みなさん夏の賞与(ボーナス)はどう使いましたか?旅行、買い物、ローンの返済、貯蓄、投資など、その使い道はさまざまだったことでしょう。今回は344名の社会人の方々(※)に、夏の賞与の金額や使い道、満足度などについてアンケートを実施しました。その結果を見てみると、賞与額自体は昨年と同程度か増加した人が多いものの、満足度は全体的に低めであることがわかります。
背景には、昨今の物価高や円安などの現状が大きく影響しているようです。「世間の賞与事情ってどうなんだろう?」「貯蓄に回す余裕がない」「このままの評価・給与形態の会社で働いていて大丈夫かな......」――そんな疑問やお悩みを抱えるビジネスパーソンのみなさんは、ぜひ最後までお読みください。
【アンケート実施概要】
◆期間:2022年7月4日~7月11日
◆方法:インターネット調査(ランサーズ)
◆対象:20代~60代の社会人
◆回答数:344名
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1.2024年夏賞与、「50万円以下」が8割以上
まずは2024年の夏の賞与額の分布や、昨年と比較した際の増減について、データを見てみましょう。
アンケートを実施した344名(男女20代~60代)の「2024年夏の賞与額の分布」を上のグラフに示しました。ボリュームゾーンは「0〜50万円」となり、全体の84%を占めています。また、「50万円以上」と回答した56名のうち、「メーカー」勤務者と「IT・通信」勤務者がそれぞれ25%ずつを占めるなど、業界によっても賞与額の差が現れているようです。
では、昨年と比べて賞与額はどう変化したのでしょうか?
アンケートの結果によると、昨年の夏の賞与と比べて「ほとんど変わらなかった」人が63%を占める一方、「増えた」と回答する人も22%にのぼりました。
ただし、「増えた」と回答した人も、以下のコメントのようにあまりプラスにとらえていない傾向も見られます。
【増えた人のコメント】
・去年に比べ少しは増えたものの、物価上昇を考えると、気持ち的には減っている。仕事へのモチベーションを上げるために、もう少しバンっと増やしてほしい。(サービス/30代/女性)
・昨年より微増しました。物価高、生活費や水道光熱費の高騰などでとんとんといった様子で、貯蓄に回せるお金はあまり残りません。(サービス/20代/男性)
・前職は賞与自体がなかったため、賞与があるだけでもいいとは思っているものの、もっとあれば、車や高級品の購入などに回せるが、その余裕がない。(流通・小売/20代/女性)
また、「減った」と回答した人も、会社の業績などを考慮すると仕方がないと感じつつも、モチベーションの低下につながっているとの声があがりました。
【減った人のコメント】
・去年は賞与があったのに今年はなかったことがショックでした。モチベーションをあげるためにもそれなりに賞与があるところに行きたいです。(サービス/30代/女性)
・業績は上がったといいつつ、今後のことを考えて昨年比減が提示された。いまは賞与が生活給にもなっていて、従業員のことを考えていないと感じた。(広告・メディア/20代/女性)
・コロナ禍以降、ボーナス支給のたびに額が下がっているので満足できない。一番あった年の半分にまで来てしまった。基本給がほぼ変わらないのでボーナスの額で年収が左右されてしまう。(IT・通信/30代/男性)
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2.「旅行」より「投資」に使う人が多い結果に
続いて賞与の使い道について見ていきましょう。
アンケートの結果によると、「投資・資産運用」が最も多く19%を占めました。将来の資産形成のために、若いうちからコツコツ取り組みはじめる人が増えている様子が見て取れます。また、「車や家の購入」といった大きな支出に充てる人は全体の2%にとどまりました。「その他」と回答した人は、生活費や貯蓄に回すという意見が大半を占めました。
回答者の声には以下のようなものがありました。
・ほとんどが生活費、またはもしものときのための貯金。(サービス/30代/男性)
・人生はいつどこで何が起きるのかがわからないので、いざという時のために貯金をします。(流通・小売/20代/女性)
・奨学金の返済等があるので貯蓄にできるだけ回す予定。少額は趣味の画材購入に使用する予定。(流通・小売/20代/女性)
・食費を節約するために自炊をすることが多いので、外食をしたり自宅で食事をするときにうなぎや焼肉など少し贅沢をしようかなと思います。(流通・小売/40代/男性)
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3.賞与に満足していない人は65%
本アンケートに回答いただいたみなさんの賞与への満足度はどうだったのでしょうか。「満足している人」と「満足していない人」のコメントとともに見ていきましょう。
調査の結果、「満足している」「まあまあ満足している」と回答した人が35%、「満足していない」「あまり満足していない」人が65%となりました。なかでも「満足していない」人が半数弱と顕著であり、賞与額や評価の仕組みに対する不満を抱えていることがわかります。
「満足している」と回答した人のコメントを見ると、金額面で満足しているという回答が多くあがりました。また、社会情勢や経済環境を考慮すると、「賞与をもらえるだけでも嬉しい」ととらえる傾向があるようです。
・物価高の影響もあり、金額の増加をそれほど感じなかった。ただ、コロナによる経済への打撃のために、賞与が支給されていない企業も多数見受けられるので、賞与があること自体に感謝している。(官公庁/20代/男性)
・転職する前は14年同じ会社で働いていたのですが、ボーナスがいっさい出ませんでした。今はもらえるだけでもすごく嬉しいからです。(不動産・建設/30代/女性)
・昨年と同額程度と思っていたので、10万円増えたことが嬉しかった。自分のがんばりが会社に認められたと思うとモチベーションも上がる。来年も増えるように仕事をがんばりたい。(サービス/40代/女性)
一方、「満足していない」回答者のコメントからは、金額自体への不満だけでなく、物価高などの社会環境や自身の業務内容と見合っていないことへの不満が多く見られました。
・賞与があったとしても物価高の影響が大きく、生活費や貯蓄にきえてしまう。旅行や娯楽に使うほどの余裕はない。(サービス/30代/女性)
・賞与が出ること自体は嬉しいし、減っていないこともありがたいと思う。しかし、普段の働き方や出している成果を考えると、会社に貢献している分ほどはもらっていないと感じる。(サービス/40代/男性)
・正規の職員とほとんど同じような仕事をしているのに、賞与はなく、有給も少なくなっている。賞与の有無を問わず、常勤職に就けるように転職活動をしている。(官公庁/30代/女性)
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4.賞与を増やすには、転職もあり
アンケート結果からも分かるとおり、物価高・円安などの経済状況は、賞与への満足度に大きな影響を与えています。賞与が支給されても大幅に増えない限り、食料品など生活必需品の価格上昇や光熱費の高さなどが原因で、相対的に満足度が下がってしまっていることがうかがえます。
こうした状況は残念ながらすぐに解消するものではないでしょう。それゆえ、今後の収入も踏まえてライフプランを考えたときに、不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
こうした事態を解決するには、生活費の見直しなどさまざまな選択肢があります。同時に、現状の給与や賞与をどうにかしたいと考えるのであれば、転職も1つの選択肢となり得るでしょう。
今回のアンケートでも、賞与への満足度が低かった回答者からは「転職も検討したい」との声もあがっています。自ら環境は自らで作り出すもの。より良い働き方やライフスタイルを求めるなら、新たな世界へ踏み出してみるのもいいかもしれません。
賞与の増加を目的に転職を検討する場合は、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
①希望する給与形態の会社を選ぶ
自分にとって、どのような給与形態で働くのがよいか改めて考えてみましょう。例えば、成果を出した分だけ賞与に反映してほしい人は、インセンティブの反映が大きい賞与体系の企業を選ぶとよいでしょう。他にも、社内表彰制度などが充実している企業も多くあります。
個人の成績からチームでの成績まで、さまざまな表彰対象を設けている企業もあるので、ぜひ探してみましょう。
会社全体の業績アップが社員にも還元されてほしいと考える人は、期末賞与制度のある企業がおすすめです企業によっては、会社の1年間の売上が一定の基準を超えると、夏と冬の賞与以外にも期末賞与が支給されます。そうした企業に勤務した場合個人の仕事ばかりにとらわれるのでなく、会社全体のビジネスモデルも考えることができるというメリットもありますと。
役職や任されている仕事の内容が賞与に反映されてほしい人は、明確な社員等級や、等級に応じて細やかに役職を設けている企業を探すとよいでしょう。大まかな役職だけでなく、チームリーダーなどさまざまな役職が設定されている企業では、自身の責任や仕事をきちんと賞与に反映してくれることでしょう。
②給与全体に占める賞与額の割合を確認する
賞与額が少ないと感じる場合、年間の全体給与額とのバランスに着目してみてください。一般的に、年間賞与が占める割合は年収の10〜20%程度とされています。また、会社によっては基本給やその他の手当の金額を上げることで、相対的に賞与への配分が少なくなっているケースもあります。
いずれにしても、入社を検討している会社がどのような仕組みで賞与の規程を設けているのか、また給与全体における賞与の割合はどの程度なのかを確認しておくことが大切です。
③転職エージェントを活用する
とはいえ、自身が望む給与・賞与形態を満たす会社を探すことは簡単ではありません。また、応募の段階で金銭面の実態を詳細に尋ねることに抵抗がある人もいるでしょう。
そのような場合は、ぜひ転職エージェントを活用することをおすすめします。応募先企業に直接聞きづらい事柄を確認してもらえるだけでなく、給与面をはじめ、さまざまな条件交渉を代行してくれるメリットがあるからです。
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5.モチベーションアップのためにも、より良い選択を
本コラムでは、2024年夏の賞与についてアンケート結果をもとに考察しました。今回のアンケートでは、約2割の方が「夏の賞与は支給されなかった」と回答していました。賞与は労働基準法などで支給が義務づけられているものではないため、賞与が出ないこと自体は違法ではありません。
ただし、自身の今後のキャリアプランやライフステージを見据えた際に、賞与の有無やその金額はぜひ考慮しておきたいところです。また、仕事自体へのモチベーションや、会社に対するエンゲージメントにも少なからず影響を及ぼすと言えるでしょう。現状の賞与に満足していない読者のみなさんは、転職も1つの可能性に入れながら、より良い選択をしていただければ幸いです。
(調査・編集:VALUE WORKS、執筆:金子 茉由)
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