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DAY 2019.04.09 マネー

通勤定期券って本当におトク?
調べてみました!

学生時代は学割だったので、格段に安く定期が買えましたが、社会人になると、定期の種別も通勤に変わります。今までとは区間が違うため、気がつかずに購入される方も多いかもしれませんが、実は「え?」と驚くほど金額が高くなります。もしかして、「本当に通勤定期って得なの?」と疑った方もいるのではないでしょうか。定期の疑問アレコレ、調べてみました!

定期券の1カ月、3カ月、6カ月って違うのは期間だけ?

定期券には、有効期限の長さの違う、1カ月、3カ月、6カ月の3種類があります。基本的にどの会社でも、1カ月より3カ月、そして3カ月より6カ月の方がよりお得な金額になっています。

例えば、JR東日本・西日本・九州の3社の場合、幹線の通勤定期運賃は、20km区間で

1カ月 9,720円、3カ月 27,700円、6カ月 46,660円

となっており、1カ月の3倍や6倍(もしくは3カ月の2倍)よりも6カ月間まとめて購入した方がかなりお得な金額になっています。もちろんこれは、通学定期も同じです。
結論として、定期券を買うなら、6カ月定期を買うのが断然お得です。

ただし、注意したいのが、定期券の払い戻しは1カ月単位。1日でも使ったら、1カ月分とみなされ、払い戻しは使った期間分の運賃と手数料を差し引いた残額しか戻りません。
JR(本州3社)の場合で説明します。

例:4月1日からの6カ月通勤定期、幹線の20km区間、46,660円を購入した場合

■8月のお盆明けから他事業所へ異動する場合

4・5・6・7の4カ月と8月前半(1カ月使用とみなされる)で5カ月定期券を使用
払戻額の計算は

6カ月定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃×2)-手数料220円
46,660-(27,700+9,720×2)-220=-700

つまりこの場合、1カ月使用期間が残っているにもかかわらず、払い戻し額はありません。

■3カ月の本社研修の後、7月1日付で他事業所へ異動が決定した場合

・7月1日に払い戻しの手続きをした場合
4・5・6の3カ月と7月1日の分が1カ月とみなされるため、4カ月定期券を使用
払戻額の計算は

6カ月定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃)-手数料220円

46,660-(27,700+9,720)-220=9,020円

・6月30日に払い戻しの手続きをした場合
4・5・6の3カ月、3カ月定期券を使用とみなす
払戻額の計算は

6カ月定期運賃-3カ月定期運賃-手数料220円

46,660-27,700-220=18,740円

たった1日の差で9,720円も払戻額に差が!
6カ月定期を購入する際には、異動などでオフィスが変わる可能性がある場合、注意が必要です。
ただし、JRの場合、買い間違いなどのやむを得ない理由により定期券が不要となった場合は、有効期間の開始後7日以内に限り、発売額からすでに経過した日数分の往復普通運賃と手数料220円を差し引いた残額で払いもどすことがあります。

1カ月定期は、何日通勤すればおトク?GW10連休だけれど1カ月定期買った方がいい?

一番お得なのは、6カ月定期だとご説明しましたが、定期代については、各鉄道会社によって、ルールが定められているため、実際に何日以上だとお得になるのかは、計算してみないとわかりません。

東京の各路線で今年の5月の1カ月定期代で試算してみます。今年の5月は5/1~6までが連休になります。その他に、11-12、18-19、25-26と3回の土日があるため、月-金の出勤日数は、19日となります。

・JR東日本の幹線の場合
20km 9,720円÷普通運賃320円...30.4回→31回乗ればお得 16日出勤でクリア

・JR東日本東京の電車特定区間の場合
20km 9,050円÷普通運賃310円...29.2回→30回乗ればお得 15日出勤でクリア

・東京メトロの場合
20km 8,740円÷普通運賃280円...31.2回→32回乗ればお得 16日出勤でクリア

・東急電鉄
20km 9,250円÷普通運賃250円...37回→38回乗ればお得 19日出勤でクリア

・小田急電鉄
20km 10,280円÷普通運賃280円...36.7→37回乗ればお得 19日出勤でクリア

調べた5つのケースでお得感が少ない私鉄2路線でも、19日出勤日があるのなら、定期券の方がお得という結果に。概ね1カ月の出勤日数は20~21日はありますので、よほどのことがない限りは定期券を購入するのがお得と言えるでしょう。

定期を分割して買う(分割定期券)とおトクになるって本当?

これ、案外知られていないのですが、区間によっては、定期を分割して購入する方が、安くなってしまうケースがあるのです。しかも、定期券を2枚持つ必要もありません。分割定期券と呼ばれていますが、1枚の定期に2区間をのせられます。これはJR東日本とJR西日本で可能です。
例えば、大宮~東京間の通勤の場合。通常定期は、6カ月79,100円。これを、大宮~蕨、蕨~東京と区切ります。すると、大宮~蕨が31,020円 、蕨~東京が43,430円。足すと、74,450円。なんと差額は4,650円に!
実は、普通運賃で考えたときも同じことが起きています。大宮から東京までの普通運賃は550円です。ところが大宮から乗って一度蕨で改札を出ます。このときの普通運賃は220円。蕨から再び乗車して、東京駅で改札を出ると、普通運賃は310円。そう、530円になるのです。

なぜこんなことが起きているかというと、実は消費増税の際の料金見直しが影響しています。運賃を計算する際には、距離が長くなると運賃が高くなるように設定されていますが、もともと安かった短距離の運賃は、消費税の影響をあまり受けません。逆に、距離が長い運賃は、消費税率が上がったことによって、値上げ幅が大きくなりました。しかも、運賃を改正するときは1円単位ではなく10円単位で値上げするため、消費税の導入によって、運賃改定をしたことによって、短い距離を2つ組み合わせたときに、安くなる組み合わせができてしまった、というわけです。

消費税が今年の10月に10%になるのに伴い、各社の運賃が改定されたら、また組み合わせが変わる可能性があります。損しないように注意深くチェックしておきたいですね。

駅名が違っても定期が使える東京メトロの不思議

東京ローカルなネタになりますが、東京メトロの駅の中には、駅名が違うのに、定期券で下車できる駅があります。例えば、四ツ谷から丸の内線で赤坂見附、乗り換えて銀座線で溜池山王という東京メトロの定期券を持っている場合、南北線の溜池山王駅が使えるのは当然ですが、その間にある永田町でも追加課金なしで降りることが可能なんです。また、国会議事堂前から直接丸ノ内線に乗車し、四ツ谷へ行くことも可能。

永田町と赤坂見附、そして溜池山王と国会議事堂前は改札内で繋がっているため、改札を出ずに乗り降りが可能です。

また東京メトロには、一度改札を出ても乗り換えられる駅もあります。例えば上野駅。銀座線と日比谷線が通っていますが、改札を一度でないと乗り換えができません。そしてまだ上野は駅名が同じなのでわかりやすいのですが、同じ銀座線と日比谷線の乗り換えで上野広小路駅と仲御徒町駅は、駅名も違えば、改札も出なければならないため、知らないと戸惑うことに。でも、乗換駅なので運賃は引き継げます。

通常運賃が同じでも、定期代になると違う場合がある?

なんとなく、通常運賃が同じ区間なら、定期代も同じと思っていませんか?実は、違う場合があるのです。例えば、東京メトロの1~6営業キロは全て170円区間ですが、1キロの1カ月定期は6,140円なのに、6キロだと6,980円になります。実は、普通運賃はざっくり5段階しかないのに、定期運賃の方は1キロ毎に区分されているためです。1営業キロの1カ月定期なら、19日で元が取れますが、5や6営業キロの1カ月定期になると、21日出勤日がない月は、元が取れません。

他の路線でも定期運賃の場合、1営業キロごとに金額が設定されていることが多いので、「切符の値段が同じだから1駅先まで定期も買っておこうかな」なんて思ったときには、念のため、定期代を調べることが必要です。

今まで乗車駅発→降車駅というだけで漠然と購入していた定期券、もしかしたらあなたの使っている路線も調べたら、もっとお得な乗り方があるかもしれませんね。

プロフィール

回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。
近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。