新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークが普及しました。出社する回数が減ったことで、通勤定期券は購入すべきか迷っている人も多いことでしょう。そこで、通勤定期券を買った方がお得な場合の条件や、様々なサービスを受けられる付加価値の付いた定期券など、知っておきたい情報を紹介します。
1.ズバリ、何日出社すれば通勤定期券を買った方がお得?
通勤定期券には、一般的に1カ月・3カ月・6カ月の3つの期間があり、6カ月が最もお得です。しかし、状況が変わりやすい中で6カ月の定期券を購入するのは気が引けるでしょう。では、1カ月の定期券の場合で、月に何日以上出社すれば定期券を買った方がお得になるのでしょうか。
定期券は鉄道会社によってルールが異なります。そのため、お得になる月の利用日数を知るためには計算が必要です。例えば東京の鉄道会社の場合は次のようになります。
●JR東日本幹線の場合
15km 7,260円÷普通運賃(きっぷ)240円...30.3回→31回乗ればお得 16日以上出勤でお得
●JR東日本東京の電車特定区間の場合
15km 6,580円÷普通運賃(きっぷ)240円...27.4回→28回乗ればお得 14日以上出勤でお得
●東京メトロの場合
15km 8,730円÷普通運賃(きっぷ)250円...34.9回→35回乗ればお得 18日以上出勤でお得
●東急電鉄の場合
15km 8,290円÷普通運賃(きっぷ)220円...37.7回→38回乗ればお得 19日以上出勤でお得
●小田急電鉄の場合
15km 9,270円÷普通運賃(きっぷ)260円...35.7→36回乗ればお得 18日以上出勤でお得
最も割引率の高いJR東日本の東京の電車特定区間の場合で、月に14日間以上出社するのであれば定期券を買った方がお得という結果でした。これは、概ね週4日ほど出社する場合になります。リモートワークが中心の人は、定期券ではなく回数券などを利用した方がお得になることが多そうです。
2.時差通勤でポイントゲット? 付加価値の付いた定期券
時差通勤でポイントがもらえる定期券など、付加価値の付いた定期券と関連サービスが登場してきています。
●JR東日本
JR東日本では、JR東日本の電車に乗ったり、駅ビル・エキナカで買い物をしたりすることで、JRE POINTというポイントが貯まるサービスを以前から実施しています。2021年春から2022年3月末までの期間限定で、通勤定期券ユーザーが時差通勤することでもポイントが貯まるようになりました。平日の朝、対象エリア内の各駅で設定されたピーク時間よりも前の時間帯にSuicaの通勤定期券で入場すると15ポイント/日・後の時間帯なら20ポイント/日が付き、2カ月ごとにポイントが還元されます。
ポイントをもらうためには、Suica通勤定期券を購入の上、Webサイトで登録とエントリーをする必要があります。また、定期券の種類や改札、乗車区間などによっては対象外になる場合があるため、事前に条件を確認しましょう。
その他、定期券ユーザーでなくても対象となるお得なサービスもあります。Suicaの入金残高で在来線の同一運賃区間を月10回以上利用すると、達成した翌週以降に運賃1回分相当のポイントが還元されるリピートポイントサービスです。11回目以降は、1回につき運賃の10%相当が還元されます。エントリーは不要で、Suicaの入金残高で在来線を利用すると貯まる在来線乗車ポイントも同時に貯めることができます。概ね月5回以上出社すれば対象になるため、リモートワーク中心で出社する回数が多くない人にぴったりなサービスと言えるでしょう。
3.定期券を買ったのにリモートワークになってしまった! 払い戻しでいくら戻る?
社会情勢の変化によっては、出社中心からいきなりリモートワーク中心に変わる可能性もおおいにあるでしょう。既に定期券を買っていた場合、払い戻しをすることになりますが、いくら戻ってくるのでしょうか。
まず注意すべきなのは、月途中で払い戻しをしても1カ月分の料金が発生する点です。例えば6カ月定期を購入し、4カ月間と5カ月目の最初の1週間利用して払い戻した場合、3カ月定期代+1カ月定期代2カ月分+手数料を支払う必要があります。この金額が6カ月定期券の金額を上回ると、払戻金は0円です。また、3カ月目の月末に払い戻しをすると6カ月定期代-3カ月定期代-手数料の金額が戻ってくるのに対して、4カ月目の月初に払い戻しをすると6カ月定期代-(3カ月定期代+1カ月定期代)-手数料が戻ってきます。つまり、数日間払い戻しが遅れるだけで、1カ月定期代分払戻金が変わるということです。
タイミングによって払戻金は大きく変わります。払い戻しをしなくてはならないとわかったらすぐに、いつ払い戻すのが最もお得か調べるとよいでしょう。
4.まとめ
リモートワークが拡大する中、通勤スタイルも大きく変化しています。通勤の頻度によっては、定期券を購入した方がお得か?払い戻しをすべきか?またはオフピークを活用できそうか?など、自分に合った方法をリサーチしてみましょう。