環境や役割の変化が重なりやすい30代は、これまでとは異なる負担を覚えることも少なくありません。そんなときは、まず自分が何に疲れを感じているのかを整理し、負担を軽減する方法を考えることが大切です。
この記事では、30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じる主な原因や、気持ちを楽にするために今すぐできる対処法などを詳しく解説します。
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1. 30代で仕事に悩む人は少なくない
30代では、仕事に対してこれまでとは異なる悩みを抱くことがあります。適切な対処方法を考えるためにも、まずは自身の状況を客観的に見つめてみることが大切です。
1.1. 30代が抱えやすい悩みとは
令和7年の厚生労働省の調査によると、「仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある」と回答した30代の割合は69.0%でした。
30代が仕事や職業生活で感じる不安や悩み、ストレスの原因として最も多かったのは、「仕事の失敗、責任の発生等」でした。そのほか、「仕事の量」や「セクハラ・パワハラを含む対人関係 」に悩む方も多い傾向です。
出典厚生労働省「令和7年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要【個人調査】」
1.2. 30代の離職・転職動向
厚生労働省の雇用動向調査結果によると、令和6年における30〜34歳の離職率は男性13.7%・女性17.3%、35〜39歳の離職率は男性9.1%・女性12.5%でした。年代別に比較すると、30代の離職率は男女共20代に次いで高い水準となっています。
| 年齢 | 男性の離職率 | 女性の離職率 |
|---|---|---|
| 20~24歳 | 25.9% | 31.6% |
| 25~29歳 |
15.6% |
21.4% |
| 30~34歳 |
13.7% |
17.3% |
| 35~39歳 |
9.1% |
12.5% |
| 40~44歳 |
8.2% |
12.9% |
| 45~49歳 |
6.3% |
10.5% |
| 50~54歳 |
6.7% |
10.3% |
| 55~59歳 |
7.7% |
9.4% |
※離職率は6月末日現在の常用労働者数に対する年間離職者数の割合
また、厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概要」をもとに、常用労働者に占める、入職前1年間に別の職場から転職してきた人の割合を示す「転職入職率」を見ると、30〜34歳では男性10.3%・女性13.2%、35〜39歳では男性7.9%・女性10.5%であり、30代でも一定数の人が転職していることがわかります。
| 年齢 | 男性の転職入職率 | 女性の転職入職率 |
|---|---|---|
| 20~24歳 | 13.4% | 14.3% |
| 25~29歳 | 15.1% | 16.8% |
| 30~34歳 | 10.3% | 13.2% |
| 35~39歳 | 7.9% | 10.5% |
| 40~44歳 | 6.8% | 10.2% |
| 45~49歳 | 6.0% | 10.7% |
| 50~54歳 | 5.1% | 8.2% |
| 55~59歳 | 5.4% | 7.6% |
出典政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年雇用動向調査/年次別推移(4-3:性、年齢階級別離職率)」
出典厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要(図4-1 性、年齢階級別転職入職率)」
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2. 30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じる主な理由
ここでは、30代が「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じる主な理由を紹介します。自分の状況に当てはまるものがないかを確認しながら、悩みの背景を整理する参考にしてください。

2.1. 業務量や責任の重さにプレッシャーを感じている
職場での経験を重ねるにつれて、単に自分の作業をこなすだけでなく、チーム全体の進捗管理や後輩の育成、難易度の高いプロジェクトの主導など任される役割が変化していくケースは少なくありません。
こうした変化に対して、職場のサポート体制や人員配置などが十分に整っていないと、知らず知らずのうちにプレッシャーを感じ、「仕事から少し距離を置きたい」と思うこともあるでしょう。
2.2. 職場の人間関係が良好ではない
仕事の満足度には、仕事内容だけでなく職場の人間関係も影響することがあります。
例えば、上司とのコミュニケーションがうまく取れない、チームの雰囲気に馴染みにくい、相談したいことがあっても話しづらいといった状況では、仕事へ行くこと自体にストレスを感じることもあるでしょう。
人間関係の感じ方には個人差がありますが、職場で安心して働けない状態が続くと、仕事への意欲が低下する可能性もあります。
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2.3. 給与に不満がある
現在の給与や待遇に納得できず、仕事へのモチベーションが下がっているケースもあります。ライフステージや生活環境の変化をきっかけに、将来の生活に必要な収入や待遇を意識するようになる方もいます。
また、業務量や責任が増えている一方で、評価や報酬とのバランスに疑問を感じる場合は、働き方や今後のキャリアについて改めて考えるきっかけになることも考えられます。
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2.4. 自分のスキルや強みを生かせていない
例えば、データ分析で力を発揮しやすい人が、急な調整や対外折衝が多い業務を中心に任されるなど、担当業務と自身の強みが合っていない場合もあります。
こうした状況は能力の問題ではなく、組織の事情による配置のミスマッチが原因となっていることも少なくありません。自分の強みを発揮できない環境では、仕事への満足感は低下しやすくなるでしょう。
2.5. やりがいや達成感を見いだせない
仕事に慣れてくるにつれて、徐々に新鮮さや充実感が薄れてしまうケースも考えられます。また、成果が見えにくい仕事やマニュアル化された定型業務が中心の場合は、やりがいや達成感を見いだせなくなることもあるでしょう。
しかし、これは働く意欲が失われたのではなく、「もっと成長したい」「新しいことに挑戦したい」といった前向きな気持ちが強くなっているサインかもしれません。
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2.6. キャリアの停滞を感じている
現在の仕事そのものに大きな不満がなくても、新しいスキルを身につけるチャンスが限られていたり、希望するポストへの道筋が描きにくかったりする場合、将来に対する不安や焦りが芽生えやすくなります。
また、同世代の友人や同僚の活躍、昇進、転職といった話が、自分自身のキャリアを見つめ直すきっかけになる方も少なくないでしょう
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ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
「辞めたい」「疲れた」と感じる背景には、業務量や人間関係だけでなく、睡眠不調など心身のサインが隠れていることがあります。
本記事「4.4. 休暇を取って一旦仕事から離れる」の項にもあるように、まずは休暇取得や業務整理(必要に応じて上司等に相談)などで負荷を下げつつ、強い不調が続く場合は医療機関・産業医等へ早めに相談してください。
3. 現職に留まるか、環境を変えることを検討したほうが良いかの判断基準
「仕事を辞めたい」と感じたら、まずは今の職場で状況を変えられる余地があるのか、それとも働く環境そのものを見直したほうがよいのかを整理してみましょう。
3.1. 現職に留まることを検討しやすいケース
次のようなケースでは、退職だけを選択肢にするのではなく、休暇の取得や上司への相談、業務分担の調整など、現在の環境でできる対応を検討してみるのも良いでしょう。
- 仕事内容そのものには一定のやりがいや興味を感じている
- 業務量や担当業務などを調整できる可能性がある
- 担当業務の変更など職場内で環境を変える選択肢がある
- 現在の職場で身につけたいスキルや経験がある
3.2. 環境を変えることも選択肢として検討したいケース
一方で、次のような状況が長く続いている場合は、現在の職場だけで解決しようとせず、異動や転職などを含めて環境を変えることを考えてみるのも一つの選択肢です。
- 仕事の負担について相談しても、調整や改善が難しい状況にある
- 自分が希望する働き方と現在の勤務条件に大きな違いがある
- 現在の職場では、今後身につけたいスキルや経験を得ることが難しいと感じている
- ハラスメントに該当する可能性のある言動があり、相談窓口への相談が難しい、または相談しても状況の改善が見込めない
- 仕事のことを考えるだけで強い負担を感じる状態が続いている
4. 気持ちを軽くするために今すぐできる対処法
ここでは、「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じた際に、今すぐできる対処法を解説します。仕事に対する悩みは、環境や働き方を少し見直すことで軽減できる場合もあるため、まずは無理なく取り組めることから試してみましょう。
4.1. タスクを洗い出して業務を可視化する
「仕事が多すぎる」「何から手を付けるべきか分からない」と感じる場合は、一旦やるべきタスクを洗い出してみましょう。業務を可視化することで、負担が集中している部分や優先的に取り組むべき仕事が見えやすくなることがあります。
タスクの整理は業務効率の向上だけでなく、作業の抜け漏れやミスの防止にもつながるため、日々の負担を軽減する手段の一つとなる可能性もあるでしょう。
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4.2. 取り組むことを小さく区切る
仕事に追われて疲れを感じているときは、大きな課題を前にすると、なかなか行動に移せないこともあります。
そのため、「昼までにメールの返信を済ませる」「午後は資料作成を終わらせる」など、無理なく達成できそうな小さな目標を立てて取り組んでみましょう。仕事に追われているときは、課題を小さく区切り、できる範囲で一つずつ取り組む方法があります。例えば、「昼までにメールを1件確認する」など、無理のない単位に分けると、何から始めるかを整理しやすくなります。思うように進まない日があっても、自分を責める必要はありません。
4.3. 仕事終わりに楽しみを設定する
仕事そのものに楽しさを感じにくいときは、仕事が終わった後の楽しみをあらかじめ用意しておくことも一つの方法です。
例えば、「好きな映画を見る」「気になっていた飲食店に行く」「音楽を聴きながらゆっくり過ごす」など、自分が楽しいと感じる予定を設定してみましょう。
仕事の後に楽しみを用意することで、「まずは今日一日を乗り切ろう」と気持ちを切り替えやすくなる場合があります。ただし、疲労や不調が強い場合は、無理に気持ちを奮い立たせず、休むことや相談することを優先してください。
4.4. 休暇を取って一旦仕事から離れる
仕事が忙しく気持ちに余裕がない場合は、休暇を取って仕事から離れる時間を作りましょう。仕事から一時的に離れることで、疲労の程度や悩みの原因を整理しやすくなる場合があります。
休暇中はまず心身を休めることを優先し、少し余裕が出てきたら自分が何に疲れているのかを整理してみるのも一つの方法です。
「イライラしやすい」「集中しにくい」「趣味を楽しめない」「眠れない・途中で目が覚める」などの不調が続いている場合は、無理に働き続けようとせず、産業医や医療機関などに相談することを検討してください。症状が強い場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めの相談が大切です。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
なお、休暇・欠勤・休職の扱い(申請方法、診断書の要否、賃金の有無)は会社ごとに異なるため、就業規則等や上司、人事窓口で確認した上で進めることが大切です。
転職を検討する場合も、勢いで判断せず、優先順位の整理と情報収集を行い、納得できる選択につなげましょう。
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4.5. 上司に業務の調整を依頼する
業務量の多さや責任の重さが負担になっている場合は、上司に相談し、業務の調整ができないか話し合ってみることも大切です。
例えば、業務の優先順位を整理してもらう、一部の業務を分担する、納期を見直すといった対応によって負担が軽減される場合があります。また、自分では気付いていない効率化の方法やサポート体制を提案してもらえることもあるでしょう。
もちろん、すぐに状況が変わるとは限りませんが、一人で抱え込まずに現状を共有することで、改善のきっかけが見つかる可能性があります。
4.6. 社内外の相談窓口を利用する
仕事の悩みやストレスを抱えているときは、専門の相談窓口を活用することも選択肢の一つです。身近な人には話しにくい悩みでも、第三者や専門の相談員に話すことで気持ちが整理されたり、具体的な解決策が見つかったりすることもあります。
社内であれば、人事部や産業医、社内相談窓口などで相談できる可能性があります。社外であれば、各都道府県の「総合労働相談コーナー」や、厚生労働省の「労働条件相談『ほっとライン』」 「こころの耳」などの公的相談窓口が活用可能です。
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5. 現在の職場では改善が難しい場合の選択肢
イラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>
紹介した対処法では解決が難しい、あるいは現在の職場では改善できない課題を抱えているといった場合は、異動や転職など環境を変える選択肢も検討してみましょう。
5.1. 部署異動を願い出る
仕事を辞めたい理由が仕事内容や職場環境、人間関係にある場合は、部署異動によって状況が改善することもあります。
例えば、現在の部署では自分の強みを生かしにくいと感じていても、別の部署ではより適した業務に携われるかもしれません。また、メンバーが変わることでコミュニケーションを取りやすくなり、心理的負担が軽減することもあるでしょう。
希望した異動が必ず実現するとは限りませんが、社内に別の選択肢がないかを確認するためにも、人事担当者や信頼できる上司、社内相談窓口など、相談しやすい相手に確認してみるとよいでしょう。
5.2. 転職を視野に入れて行動する
部署異動や働き方の見直しを試しても状況の改善が難しい場合は、転職を検討するのも一つの方法です。現在の仕事に強い負担や行き詰まりを感じている場合でも、環境を変えることで負担が軽減したり、自分に合う働き方を見つけやすくなったりする場合があります。
まずは求人情報を見ながら、どのような仕事や働き方の選択肢があるのかを知るところから始めてみるのも良いでしょう。
また、転職エージェントを活用すれば、キャリアアドバイザーから客観的なアドバイスを受けながら転職活動を進めることができます。自分一人で判断することに不安がある場合は、こうしたサービスを利用してみるのもおすすめです。
6. 30代で退職を検討する際に確認すべきポイント
30代で退職を検討する際は、退職後の生活や今後のキャリアについてもあらかじめ整理しておくことが大切です。ここでは、30代の方が退職を考える際に確認しておきたいポイントについて解説します。

6.1. 退職後の生活費や利用できる制度を確認する
体調や職場環境によっては、次の仕事を決める前に退職を検討する必要が生じる場合もあります。ただし、退職後の生活費や利用できる制度を確認したうえで、無理のない計画を立てることが大切です。
- 退職金がある場合はいくら受け取れるか
- 現在の貯蓄で何カ月程度生活できるか
- 毎月いくら程度の生活費が必要か
- 雇用保険の基本手当(失業給付)など、退職後に利用できる公的制度はあるか
- 健康保険や年金の切り替えにどのような手続きが必要か
退職後にどのような手続きや費用が必要になるのかをあらかじめ把握しておくと、その後の生活をより具体的にイメージしやすくなるでしょう。
6.2. 今後の働き方やキャリアの方向性を整理する
30代で退職を考える際は、これまでの経験やスキルを振り返るとともに、今後どのような働き方をしたいのかを考えてみましょう。過去に携わった業界や職種、業務、実績、取得した資格などを振り返ることで、自分の強みを生かせる仕事を見つけやすくなります。
そのうえで、自分がやりがいを感じやすい仕事や無理なく続けやすい働き方、今後身につけたいスキルなどを明確にしていくことも大切です。「専門性を高めたい」「プライベートとの両立を重視したい」など自分の希望を明らかにすることで、これからのキャリアについて考えやすくなるでしょう。
自分一人で強みや価値観を整理するのが難しい場合は、キャリア診断ツールを活用するのもおすすめです。例えば『仕事どうする?!診断』では、30秒程度で8問の設問に答えると、今の仕事への向き合い方や対処法のヒントを簡易的に確認できます。診断結果を参考にすることで、自分に合う仕事や働き方を考えるきっかけになるでしょう。
6.3. 第三者の客観的な意見を取り入れるのも一つの選択肢
退職を検討する際は、現在の転職市場や求人動向に詳しい第三者の客観的な意見を取り入れるのも一つの選択肢です。
退職するかどうかをまだ決めていない段階でも、転職エージェントなどの第三者に相談することで、現在の職場で改善できることや、環境を変えることを検討したほうが良いケースについて客観的な意見を聞くことができます。
なかでも、株式会社マイナビが運営する転職エージェントサービス「マイナビ転職エージェント」では、求人情報だけでは分かりにくい採用動向や仕事内容、必要なスキルなどについてアドバイスをもらえるほか、応募書類の添削や面接対策などのサポートも受けられます。
退職や転職を急いで決めるのではなく、まずは今後の選択肢を知るために相談してみるのも良いでしょう。
7. まとめ
環境や役割の変化、ライフステージの移行などが重なりやすい時期は、今後の働き方について悩み、「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じる方もいるでしょう。
ただし、その背景にある原因や悩みの内容は人それぞれ異なります。まずは、これまでの経験やスキル、自分の価値観を整理し、今後どのような働き方を実現したいのかを考えてみることが大切です。
30代の転職に不安がある場合は、マイナビ転職エージェントをはじめとした転職エージェントサービスを活用する方法もあります。希望に沿った求人紹介だけでなく履歴書の添削や面接対策のサポートをしてもらえるため、転職活動を進める際の心強い支えとなるでしょう。