仕事を辞める主な理由は?円満退職するための伝え方と必要な準備、注意点を解説

仕事の悩み・転職

退職理由に多いのは「給料」「人間関係」「労働環境」への不満です。しかし、仕事を辞めることは人生において大きな決断であり、これらを理由に辞めても問題ないのか悩む方も多いでしょう。

この記事では、仕事を辞める主な理由と、角を立てずにスムーズに退職するための伝え方を紹介します。

また、さまざまな退職理由と比較しながら自身の退職理由を考え直すことは、現状を見つめ直すきっかけにもなります。今の仕事を辞めるかどうか悩んでいる方も、最後まで読み進めていただいてキャリアアップに役立ててください。

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1. 仕事を辞める理由の一番は「給与の低さ」

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厚生労働省が調査した「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、2024年の転職入職者数は約492万人です。これは、常用労働者数の9.7%にもあたる数字であり、2024年だけで1割近くもの労働者が転職していることを示しています。

現代において転職は以前に比べて珍しいものではありませんが、どのような理由で転職活動を始めたか、まとめたデータがあるので抜粋して紹介します。

【参考】「令和6年雇用動向調査結果の概況」(厚生労働省)

【転職活動を始めた理由(単一回答)】

転職活動を始めるにあたって、「マイナビ転職動向調査2025年版(2024年実績)」では、理由として給与や仕事内容を挙げる方が特に多いです。

1位 2位 3位
2024年 転職者 全体 給与が低かった(25.5%) 仕事内容に不満があった(23.1%) 職場の人間関係が悪かった(21.2%)
2023年 転職者 全体 給与が低かった(11.5%) 職場の人間関係が悪かった(9.1%) 会社の将来性、安定性に不安があった(8.0%)
2022年 転職者 全体 給与が低かった(12.5%) 職場の人間関係が悪かった(9.3%) 仕事内容に不満があった(6.6%)

(【引用元】「マイナビ転職動向調査2025年版(2024年実績)」)

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2. 仕事を辞める理由で悪い印象を避けるには

退職理由をストレートに本音で言うことはおすすめできません。それがネガティブな本音だった場合、トラブルの原因になります。

また、退職届を出してから実際に辞めるまでには引き継ぎなどがあるため、すぐに辞めることは現実的には難しいでしょう。退職までの期間を平和に過ごすには、悪い印象を与えないような理由を伝えることが大切です。

特に気をつけるべき点について、それぞれ詳しく解説します。

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はじめて転職する場合の7つのポイントを確認する。

2.1. ネガティブな理由をそのまま伝えない

「給料が低い」「苦手な人がいる」といったネガティブな理由をそのまま伝えるのはできるだけ避けましょう

雰囲気が良くない中で引き継ぎなどを進めなければいけなくなる上に、執拗な引き止めにあう可能性も出てきます。

辞める理由がネガティブなものだとしても、実際に伝える際は、以下のような未来を見据えたポジティブな理由を伝えるのがおすすめです。

  • 培った経験を活かし、より専門的な分野に挑戦したい
  • 業務をこなす中で興味を持った新たなジャンルで、自分の力を試したい
  • かねてよりの夢に改めて向かっていきたい

上司や同僚が明るく送り出してくれるような理由だと、退職までの期間や今後も円満に付き合えるでしょう

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2.2. お詫びや感謝の気持ちを伝える

退職理由が会社への不満であっても、これまで一緒に働いてきた人たちに助けられてきたことがあるのは事実であり、退職によって職場に少なからず迷惑をかけてしまうこともあります。

退職を申し出る際は、そういったことに対するお詫びや感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。

「大変お世話になったのに申し訳ないのですが」といった相手を気遣う言葉から話を切り出すのもポイントです。

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2.3. 転職理由が二転三転しないようにする

仕事を辞める理由には、「ポジティブな理由」や「やむを得ない事情」を盛り込むと納得してもらいやすく、スムーズに退職できる可能性が高まる一方、その際に嘘の理由を作るのは危険です。

退職理由が嘘だった場合、リスクを避けるために詳しい事情を話さない方法もありますが、それは心配してくれた相手を無下に扱うことになり、嘘が発覚した際のトラブルやリスクも大きいでしょう。

また、退職予定者に嫌がらせをする「ヤメハラ」も問題視されています。退職には、有給休暇の消化・離職票の受け取りなど、上司や会社の人事・総務担当者との関わりが続くため、良好な関係性を保つことが重要です。

スムーズに退職手続きを済ませるためにも、仕事を辞める理由は二転三転しないよう事実を元に考えつつ、本音と建て前をわけましょう。

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2回目以降の転職で気を付けるべきポイントを確認する。

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3. 辞める理由別の上手な伝え方

退職理由を伝える際には、配慮を心がけることが円満退職につながります。退職まで良い雰囲気の中で過ごすことで、新たな仕事への活力も沸くでしょう。

しかし、会社や上司としては社員の採用や育成、社会保険の会社負担分などにかかるコストを考慮して、退職を引き止めることがあります。その際、あまりに強く拒否すると、角が立つ可能性があります。

この項目では、辞める理由別に引き止められにくい伝え方を紹介します。

3.1. 給与が理由の場合

給与や待遇を理由に退職・転職する場合は、理由をそのまま言わず、以下のように他のポジティブな理由をかけ合わせることがおすすめです。

【例】

  • 自分の持つ技術をより活かせる専門性の高い企業へ、ステップアップしたい
  • インセンティブの割合の高い企業で、自分の可能性を試したい

「マイナビ転職動向調査2025年版(2024年実績)」では、給与などが原因転職もっとも多く見られますが辞める理由として給料や待遇の低さを挙げるのはおすすめしません

「◯◯を改善するから残って欲しい提案されると断りにくくなります。もちろん、給与が上がれば残るのも一つの選択肢ですが、一度辞めると伝えた手前、今後の待遇に不安を感じやすくるだけでなく改善された内容が長く続くとも限りません

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3.2. 人間関係が理由の場合

人間関係で仕事を辞めることが社内に広まった場合、予期せぬトラブルに発展する可能性もあるため、理由を別の内容に変える方が安心です。それでも人間関係が理由であることを絡めたい場合には、以下のように伝えるといいでしょう。

【例】

  • 培った経験を活かして、自らの判断で仕事を進められる環境に身を置きたい
  • 周囲と意思疎通をはかりながら、チームで進めていく仕事に従事したい

人間関係で仕事を辞める方は給与を理由に辞める方に次いで多く、厚生労働省の令和6年の調査では、1割近くの人が「職場の人間関係が好ましくなかった」ことを理由としています。

しかし、退職理由を正直に言及してしまうと、「部署を変える」「別拠点へ異動する」などを条件に引き止められる可能性もあるため、避けた方が賢明です。

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3.3. 労働環境に不満を感じていた場合

「残業が多い」「肉体的にきつい」といった労働環境への不満が辞める理由の場合は、以下のように、個人的な事情を盛り込んで伝えるのがおすすめです。

【例】

  • 親の看護・介護等のため、時間の調整が利く仕事に移りたい
  • 体が元気なうちに、生涯続けられるようなスキルが身につく仕事をしたい

個人的な事情が伴っていないと、「◯◯を改善するから残って欲しい」と引き止められ、断りづらくなる可能性があります。

また、体調だけを理由に辞める場合、医師の診断書などの説得力がある材料がないと、現状を把握してもらえない恐れがあります。

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3.4. 将来性に不安を感じていた場合

会社や事業の将来性に不安を感じている場合は、自身の「チャレンジしたい」というポジティブな気持ちに焦点を当てて伝える方法がおすすめです。

これまで培ったスキルを専門的な仕事でさらに高めたい、といった理由であれば、印象を損なわずに済み、引き止められにくくなります。

他分野の仕事であれば、「夢を諦められない」という理由でも構いません。自身のキャリアをしっかり考えた結果だということを熱意を持って伝えれば、納得されやすいでしょう。

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3.5.仕事内容に不満を感じていた場合

仕事内容に対する不満は、自分がやりたい仕事に具体的に言い換えることが大切です。

特に入社して間もない場合は、スキルアップを退職理由にすると、会社や上司から、「もっと経験を積めば面白くなる」と引き止められる可能性が高くなるため、「◯◯の分野で専門性を高めたい」など、現職では実現できない理由を提示しましょう。

3.6. 結婚や介護など家庭事情の場合

「結婚」「出産・育児」「介護・看護」といったやむを得ない事情の場合は、会社側も納得しやすく、トラブルに発展することは少ないです。

基本的には言い換える必要はありませんが、「どうしてもここで働き続けられない」ということが伝わるよう、伝え方には工夫する必要があります。

なお、自分でも働きたい気持ちがあるのにやむを得ない場合は、異動や勤務形態の変更、仕事内容の変更など、会社側と相談することで解決することもあります。

3.7. 体調不良や病気の場合

体調不良や病気の場合も、家庭事情と同じく自身の状況を率直に伝えると良いでしょう。会社側も体調が優れない人を無理に引き止めることはできません。

ただし、診断書の提出を求められることもあるため、事前に用意しておくとスムーズに話が進みます。

また、家庭事情と同様に、一定期間休職して体調が回復したら復帰するなど、退職以外の選択肢もあるため、希望に応じて相談しましょう。

3.8. 本当の理由を言いたくない場合

辞める理由を言いたくない場合、理由を一身上の都合のみで貫き通しても、問題ありません

民法627条により、退職届を提出・送付し辞職の意思を見せることのみで、2週間後には辞められます。例外として依願退職の場合は、退職理由を尋ねられる可能性もあります。

しかし、退決定後も、仕事の引継ぎや有給休暇消化・離職票の受け取りなどの手続きは多いため、同業に転職する場合、後々関わる可能性も考慮しなければなりません

一身上の都合で貫き通しても法的には問題ありませんが、最後の手段にしておきましょう

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4. 円満退職するための準備と注意点

退職を円満に進めるためには、事前の準備が欠かせません。退職を切り出した際に引き止められたり、転職活動中であることが周囲に知られて気まずい状況になったりするケースもあります。

ここでは、円満退職に必要な準備と注意点について解説します。

4.1.転職先を決めて引き止めを回避する

会社、求人広告採用活動、入社後の研修など、社員を育てるまでに多くのコストや労力をかけています。社員の退職は会社のマイナスになることが多いため、退職を引き止められることも珍しくありません。

このような場合は、転職先が決まった段階で退職の意思を伝えることで、比較的スムーズに進みやすくなります。

転職先入社日に合わせて退職日を調整できる場合が多いので、退職日を引き伸ばされ可能性も少なくなります。それでも上司が取り合ってくれな場合は、退職の意思と退職日を書面に記載して提出しましょう。

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4.2. 転職活動中であることは極力言わない

会社在籍中の転職活動は、人によっては悪い印象を与えてしまいます。執拗(しつよう)な引き止めや嫌がらせを回避するためにも、転職先が決まってから退職を伝える方法がベストです。

基本的に、転職活動は会社在籍中に済ませておくべきですが、会社側に知られてはトラブルの元になりかねません。

転職先が決まるまでは、転職活動中であることは家族や信頼できる人以外には言わない方が良いでしょう。

4.3. 退職のタイミングに気をつける

スムーズに退職するためには、退職時期も大切です。繁忙期に退職を申し出てしまうと、職場に迷惑をかけてしまう恐れがあります。また、自身が手がけたプロジェクトなどを途中で放り出してしまうのも、悪い印象を与えてしまいます。

自分が担っていた業務の引き継ぎスケジュールがしっかりと立てられるタイミングで、退職を伝えることが大切です。

また、自身が取引先を抱えている場合は、取引先のスケジュールも加味しておきましょう。担当者が変更しても仕事に支障がないタイミングを見計らうことで、円満に退職できます。

4.4. 退職に必要な手続きや流れを確認しておく

一般的な退職の手続きは、2ヵ月前から始まります。退職届を提出してから、法律上では最短2週間で退職できますが、人員の補充や引継ぎなど、業務のことを現実的に考えると時間が足りないことが多いです。

そのため、退職するには以下の流れを想定しておきましょう。

  1. 2ヵ月前:退職の意向を示す・退職日の調整
  2. 1ヵ月前:業務の引継ぎ・退職届の提出
  3. 2週間前:挨拶まわり・担当引き継ぎ・有給消化など
  4. 退職日:社内への挨拶・貸与品の返却・書類の受け取り

基本的には会社から指示がありますが、上記の基本的な流れを頭に入れておくと、慌てずに済みます。

また、退職日に会社に返却すべきものや、受け取る書類などについても、以下にまとめました。退職までにいつでも提出できるよう準備しておきましょう。

【会社に返却すべきもの】

  • 健康保険被保険者証
  • 社員証や社章
  • 会社支給の物品(定期券・文房具・書籍・名刺等)
  • 守秘義務のある資料等
  • 制服

【会社から受け取るもの】

  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票(後日郵送)
  • 離職票(転職先が決まっていない場合)

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5. 辞めたいと思った誰に相談すべき?

退職の意思は、まず直属の上司に相談するのが基本です。上司は責任者として退職に関わる手続きや引継ぎも管理する立場にあり、談することで人間関係や仕事内容、給料面の改善が期待できる場合もあります。

ただし、「仕事の責任」「技術の習得」「人間関係の煩わしさ」など退職理由の場合周囲から「甘え」ととらえられる可能性があります。転職は自身の人生を豊かにするための選択肢の一つです。

判断にう場合や「甘えかもしれない感じたら同僚や家族・友人など信頼できる人に相談し、今一度考え直すこと大切です。

トラブルを避けるため上司や会社に適切に退職理由を伝えることは重要です最終的には来後悔しないよう、自分自身納得できる選択をしましょう。

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6. 転職エージェントは円満退社もサポート

前述の通り、転職先が決まってから上司に退職の意向を伝えた方がスムーズに退職しやすいため、会社に伝えずに転職活動を進めている方、また進めようと考えている方が多いしょう

しかし、いざ転職先が決まり上司に退職を伝える段階になると、どのように伝えたらいいのか悩んだり、引き止められてトラブルになったりする可能性もあります。

株式会社マイナビが運営する転職エージェントサービス「マイナビエージェント」では内定までのサポートだけではなく、退職する際に現職の会社へ伝える退職理由や、引き止められた場合の対応などの相談に乗ってもらうことができます。

退職時のトラブル心配、退職理由伝えなど悩んでいる方は、ぜひ「マイナビエージェント」を利用してみましょう。

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7. まとめ

仕事を辞める理由に多いのは、「給料」「人間関係」「労働環境」への不満です。しかし、それをそのまま会社側に伝えるのは、トラブルの原因になるため、やむを得ない事情やキャリアを実現するポジティブな計画を交えて伝えましょう。

退職の意思を示す時期や業務の引き継ぎ・挨拶まわりなども、円満退職には重要です。社会人としての責務を全うすることで、新天地へ気持ち良く踏み出せます。

良い退職理由が何も思いつかない場合は、一旦退職を思いとどまるのも良いかもしれません。感情のままに後先考えずに辞めてしまうのではなく、まずは自分の将来に目を向けるところから始めましょう。

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