【仕事を辞める理由】主な理由と悪い印象を与えずに退職するための伝え方

【仕事を辞める理由】主な理由と悪い印象を与えずに退職するための伝え方

仕事を辞めることは、人生において大きな決断です。辞める理由が本当に正しいのか、理由をどう伝えたら納得してもらえるのか、悩まれている方も多いと思います。

この記事では、仕事を辞める主な理由と、悪い印象を与えずに退職するための伝え方を紹介します。角を立てずに、スムーズに円満退社をする際の参考にしてください。

また、さまざまな退職理由と比較した上で、自身の退職理由を考え直すことは、現状を見つめ直すきっかけにもなります。辞めると決めた方も、まだ悩んでいる方も、最後まで読んでいただいて人生のキャリアアップに役立てていただければと思います。

【関連記事】「【仕事辞めたい】会社がつらいと思ったらやるべき事と辞める判断ポイント」

1.仕事を辞める理由の一番は「給与」?「人間関係」?

厚生労働省が調査した「令和2年雇用動向調査結果の概況」によると、2020年の転職入職者数は約469.2万人です。これは、常用労働者数の9.2%にもあたる数字であり、2020年だけで1割近くもの労働者が転職していることを示しています。

現代において転職は以前に比べて珍しいものではなくなってきていますが、どのような理由で転職活動を始めたか、まとめたデータがあるので抜粋して紹介します。

【転職活動を始めた理由(単一回答)】

1位 2位 3位
2020年 転職者 全体 給与が低かった(9.9%) 職場の人間関係が悪かった(9.7%) 会社倒産やリストラ・ハラスメント等の非自発的理由があった(7.4%)
2019年 転職者 全体 職場の人間関係が悪かった(12.4%) 給与が低かった(10.7%) 休日や残業時間などの待遇に不満があった(8.5%)
2018年 転職者 全体 給与が低かった(11.6%) 職場の人間関係が悪かった(10.0%) 休日や残業時間などの待遇に不満があった(9.8%)

(【引用元】「マイナビ転職動向調査2021年版(2020年実績)」)

転職活動を始めるにあたって、「マイナビ転職動向調査2021年版(2020年実績)」では、理由として給与や人間関係を挙げる方が特に多いです。

今の仕事、会社がつらい場合は、無料で相談できる転職エージェント「マイナビエージェント」にご相談ください。

2.仕事を辞める理由で悪い印象を与えないためには

前述の通り仕事を辞める理由は、給与の低さや人間関係が主であることが多いです。だからといって、理由をそのまま在職中の会社にストレートに伝えては、トラブルを招きかねませんし、転職後も、仕事内容によっては前の職場と関わる可能性は大いにあります。

また、退職届を出してからも、実際に辞めるまでには引き継ぎなどがあり、退職を申し出てすぐに辞めることは現実的には難しいです。辞めるまでの期間を居心地よく過ごすために、悪い印象を与えない理由を述べることが大切になります。

特に気をつけるべき点について、それぞれ詳しく解説します。

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2.1.ネガティブな理由をそのまま伝えることはしない

「給料が低い」「苦手な人がいる」といったネガティブな理由をそのまま伝えてしまうのは避けましょう。嫌なムードの中で引き継ぎなどを進めなければいけなくなる上に、執拗な引き止めにあう可能性も出てきます。

辞める理由が本当はネガティブなものであったとしても、実際に伝える際は、以下のような、未来を見据えたポジティブなものにするのがおすすめです。

  • 培った経験を活かし、より専門的な分野に挑戦したい
  • 業務をこなす中で興味を持った新たなジャンルで、自分の力を試したい
  • かねてよりの夢に改めて向かっていきたい

上司や同僚が、頑張れと送り出してくれるような理由だと、現在在職している会社の上司や同僚と、引き継ぎの期間や今後も円満に付き合っていくことが可能です。

【関連記事】「【仕事の辞め方】必要な準備と転職活動を含めた退職までの流れ・注意点」

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2.2.自己都合の場合は言い方に気をつけよう

仕事を辞める理由に「結婚」「出産・育児」「介護・看護」といった、やむを得ない事情を絡めておくとトラブルを避けやすくなります。

温かく見送ってもらうためには、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちを、しっかり伝えることが大切です。

退職の際には、有給休暇の消化・離職票の受け取りといった手続きも多数あります。退職届を出してからも上司や会社の人事・総務担当者と関わる機会は多く、関係性は重要です。また、退職予定者に嫌がらせを行う「ヤメハラ」といった問題も実際に起こっています。

居心地よく、スムーズな退職手続きを行うためにも、自己都合の場合は言い方に気をつけましょう。

【関連記事】「円満退職のコツとは?転職で気まずくならないための5つの作法」

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2.3.理由が二転三転しないようにする

仕事を辞める理由には、「ポジティブな理由」や「やむを得ない事情」を盛り込むのが大切であると説明しました。

退職もいたし方ないと納得してもらいやすく、スムーズに辞められる可能性が高まりますが、その際に嘘の理由を作ってしまうのは危険です。

嘘であることがばれてしまうと、トラブルの元になりますし、やむを得ない事情を盛り込んだ場合、深刻な問題ほど上司や同僚が心配してさまざまなことを尋ねてくるでしょう。

もちろん、個人的な事情として話さない方法もありますが、善意で尋ねてきた相手を無下に扱うのもトラブルの基です。

仕事を辞める理由は、二転三転しないよう事実を元に考えつつ、本音と建て前をわける必要があります。

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3.円満退職のために、辞める理由別の伝え方

円満退職のためには、辞める理由を伝える際に一定の配慮を心がけることが大切です。退職を伝えてからも良い雰囲気の中で過ごすことで、新たな仕事への活力も沸いてきます。

しかし、会社や上司としては社員の採用や育成、オフィスの維持費、社会保険の会社負担分などにコストがかかっているという事情もあるため、退職の際には考え直すように引き止めてくることもあります。

突っぱねるように拒否してしまうと、角が立ちトラブルに発展する可能性もあります。この項目では、辞める理由別に、引き止められにくい伝え方を紹介します。

3.1.給与が理由の場合

給与や待遇に不満を感じて退職・転職を決意される方は、理由をそのまま言わず、以下のように他のポジティブな理由をかけ合わせることがおすすめです。

【例】

  • 自分の持つ技術をより活かせる専門性の高い企業へ、ステップアップしたい
  • インセンティブの割合の高い企業で、自分の可能性を試したい

「マイナビ転職動向調査2021年版(2020年実績)」では、給与などが原因で転職する方がもっとも多く、一般的な理由といえます。しかし、辞める理由として給料や待遇の低さを挙げるのはおすすめしません。

辞める理由に挙げた項目を改善するから残って欲しい、と言われた際に、理由を貫き通しづらくなるためです。もちろん、給与が上がったのなら残るのも一つの選択肢ではあります。

しかし、一度辞めると言った手前、今後の待遇には不安がつきものとなり、上がった給与が将来も続くかどうかはわかりません。

3.2.人間関係が理由の場合

人間関係で仕事を辞めることが社内に広まった場合、予想もしないようなトラブルに発展する可能性もあります。そのため、全く別の理由にしてしまうことを強くおすすめします。

それでも人間関係がうまくいかない事を辞める理由に絡めたい、という場合には、以下の例のように伝えると良いでしょう。

【例】

  • 培った経験を活かして、自らの判断で仕事を進められる環境に身を置きたい
  • 周囲と意思疎通をはかりながら、チームで進めていく仕事に従事したい

人間関係で仕事を辞める方は、給与を理由に辞める方に次いで多く、厚生労働省の令和2年の調査では、女性が会社を辞める原因の1位にもなっています。

しかし、仕事を辞める理由に人間関係について言及すると、「部署を変える」「別拠点へ異動する」などと引き止められる可能性もあるため、避けた方が賢明です。

【関連記事】「【職場に嫌いな人がいてもいい】苦手な人への対処方法と根本的な解決方法」

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3.3.労働環境に不満を感じていた場合

「残業が多い」「肉体的にきつい」といった労働環境への不満が辞める理由の場合は、以下の例のように、個人的な事情を盛り込んで伝えるのがおすすめです。

【例】

  • 親の看護・介護等のため、時間の調整が利く仕事に移りたい。
  • 体が元気なうちに、生涯続けられるようなスキルが身につく仕事をしたい。

個人的な事情が伴っていないと、部署の異動などで改善するから残って欲しいと言われて、辞めづらくなる可能性があります。

また、体調だけを理由に辞める場合、医師の診断書などの説得力がある材料がないと、現状を把握してもらえない恐れがあります。

【関連記事】「【残業したくない】職場で嫌われずに意思表示する方法」

3.4.将来性に不安を感じていた場合

会社や事業の将来性に不安を感じている場合は、自身の「チャレンジしたい」というポジティブな気持ちに焦点を当てて伝える方法がおすすめです。

そのまま伝えてしまうと、会社に対する不満を言っているように捉えられかねません。培ったスキルを専門的な仕事でさらに高めたい、といった理由であれば、引き止められることも少ないでしょう。

別の分野の仕事であれば、夢を諦められない、という理由でも構いません。自身のキャリアをしっかり考えた結果辞めようと思ったことを、熱意を持って伝えれば、納得も得られやすいです。

【関連記事】「【仕事への不安がとまらない】不安の原因と不安感を解消するためのポイント」

3.5.仕事内容に不満を感じていた場合

仕事内容に対する不満は、自分がやりたい仕事に具体的に言い換えることが大切です。仕事内容への不満をそのまま退職理由にするのはおすすめできません。

会社や上司に対して、「もっと経験を積めば面白くなる」というような引き止める口実を与えてしまいます。

また、入社して間もない場合は、スキルアップを退職理由に入れるのも止めましょう。まだ経験していない仕事が社内にも多くあるので、引き止めの口実を与えてしまうためです。

3.6.本当の理由を言いたくない場合

辞める理由を言いたくない場合、理由を一身上の都合のみで貫き通しても、問題ありません。

民法627条により、退職届を提出・送付し辞職の意思を見せることのみで、2週間後には辞めることができます。例外として依願退職の場合は、退職理由を尋ねられる可能性もあります。

しかし、繰り返しになりますが、退職が決まってからも、仕事の引継ぎや有給休暇消化・離職票の受け取りといった手続きは多いです。転職先が同業ならば、後々関わる可能性も十分あります。

一身上の都合で貫き通しても法的には問題ありませんが、最後の手段と思っておいた方が賢明です。

4.辞めたいと思った時には誰に相談すれば良い?

辞めたいと思った際に相談する相手は、まず、上司や先輩がおすすめです。職場で抱える悩みを知ってもらえることで気が楽になりますし、人間関係や仕事内容・給料面での改善があるかもしれません。

上司や先輩に相談しづらければ、同僚や家族・友人でも構いません。トラブルを起こさずに退職するのは大切です。しかし、辞める理由を考えるよりも、誰かに相談することが、将来後悔しないためには必要です。

特に、仕事を辞めたいと思っている時には、精神的に追い詰められている可能性もあります。自分1人で正常な判断をするのは難しいので、以下の記事を参考に、自分の将来について見つめ直してみましょう。

【関連記事】「仕事を辞めたいと思ったら誰に相談すればいい?相談する相手や注意点を紹介」

5.辞めたい理由は甘えかも?と思ったらもう一度考えてみよう

仕事を辞める理由が甘えだと思われる原因は、主に面倒ごとから逃げている場合です。「仕事の責任」「技術の習得」「人間関係の煩わしさ」。これらを避けることを退職理由にしていると、周囲から甘えと言われてしまう可能性があります。

転職は、自身の人生を豊かにするために行うものです。退職が自身のためにならず、自分でも甘えかもしれないと思った場合は、退職を今一度考えなおすべきかもしれません。

その際には、上司や先輩、同期や家族・友人といった身近な人に相談することが大切です。

また、仕事を辞める理由が、甘えなのか・そうでないのかは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

【関連記事】「【仕事やめたいは甘え?】甘えかどうかの判断基準と辞めるべき場合の対処法」

6.転職を決めた際に注意すべきこと

誰に相談しても退職したいという決意が変わらないのであれば、退職のために行動を開始しましょう。

この項目では、実際に仕事を辞める際に、注意することについて紹介します。

6.1.転職活動をしていることを可能な限り言わない

会社在籍中に転職活動を行うことは、人によっては悪い印象を与えてしまう可能性があります。執拗な引き止めや、嫌がらせを受けることも考えられるため、転職活動をしていることは可能な限り言わない方が良いです。

転職活動は基本的に、会社に在籍している間に行ったほうがいいです。さらに言えば、退職を伝える段階で、既に転職先が決まっている状態がベストです。

しかし、そのためには、会社側に辞める旨を伝える前から転職活動を行わなければならず、知られてはトラブルの元になりかねません。

新しい転職先が決まるまでは、転職活動をしていることは、家族など、生計や運命をともにする本当の意味での味方以外の人には言わない方が良いでしょう。

6.2.退職を伝えるタイミングに気をつける

スムーズに退職するためには、退職時期も大切です。繁忙期に退職を申し出てしまうと、強く引き止められる可能性があります。また、自身が手がけたプロジェクトなどを途中で放り出してしまうのも、悪い印象を与えてしまいます。

自分が担っていた業務の引き継ぎスケジュールが、しっかりと立てられるタイミングで、退職を伝えることが大切です。

また、自身が取引先を抱えている場合は、取引先のスケジュールも加味しておいた方が良いでしょう。担当者が変更となっても取引先との仕事に支障がないタイミングを見計らうことで、会社からの悪印象を抑えられます。

6.3.辞める時に必要な物や流れを把握しておく

一般的な退職の手続きは、2ヵ月前から始まります。退職届を提出してから、最短2週間で退職することもできますが、人員の補充や引継ぎなど、退職するためには以下の流れを想定しておきましょう。

  1. 2ヵ月前:退職の意向を示す・退職日の調整
  2. 1ヵ月前:業務の引継ぎ・退職届の提出
  3. 2週間前:挨拶まわり・担当引き継ぎ・有給消化など
  4. 退職日:社内への挨拶・貸与品の返却・書類の受け取り

基本的には会社から指示がありますが、上記の流れを頭に入れておくと、慌てずに済むのでおすすめです。

以下に退職日に会社に返却すべきものや、反対に受け取る書類などを、簡単にまとめました。辞めるまでに、いつでも提出できるよう、準備しておきましょう。

【会社に返却すべきもの】

  • 健康保険被保険者証
  • 社員証や社章
  • 会社支給の物品(定期券・文房具・書籍・名刺等)
  • 守秘義務のある資料等
  • 制服

【会社から受け取るもの】

  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票(後日郵送)
  • 離職票(転職先が決まっていない場合)

7.まとめ

仕事を辞める理由に多いのは、「給料」「人間関係」「労働環境」への不満です。しかし、それをそのまま会社側に伝えるのは、トラブルの原因にもなります。

退職理由は、やむを得ない事情やキャリアを実現するポジティブな計画を交えて伝えましょう。

退職の意思を示す時期や業務の引き継ぎ・挨拶まわりなども、円満退職をするには重要です。

社会人としての責務を全うすることで、次の会社へ気持ち良く移ることができます。もし、退職理由に、やむを得ない事情やキャリアを実現するポジティブな計画が何も思いつかない場合、退職を一旦思いとどまるのも良いかもしれません。

後先考えず、感情のままに辞めてしまうのではなく、自分の将来に目を向けることが大切です。

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