スキルアップとは?メリットや高めるための方法について徹底解説

仕事の悩み・転職

スキルアップを図ることで、組織や個人のパフォーマンスを最大限に高められます。

この記事では、スキルアップの定義や、従業員・企業のそれぞれが得られるメリットについて解説します。あわせて、スキルアップを成功させる方法や、押さえておくべきポイントもまとめました。

この記事を参考に実践すれば、効率的にスキルアップを図れるため、自分が描くキャリアプランを実現へと導くことができるでしょう。

【関連記事】「スキルの定義とは?能力・知識との違いや種類、それぞれの意味について解説」

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1. スキルアップとは

スキルアップとは、技術や能力を向上させる行動のことを指します。

スキルアップをより正確に理解するためにスキルの定義やキャリアアップとの違い、具体的なビジネススキルについて深掘りしましょう。

1.1. スキルの定義

スキルとは、学習や訓練によって得られた能力のことです。

遺伝のような「先天的なもの」とは異なり、自ら訓練や学習をすることで獲得できる能力を意味しています。

1.2. キャリアアップとの違い

キャリアアップとは、昇給や昇進、重要なポジションへの起用、転職などによって、身を置く環境や経歴がレベルアップすることを指します。

それに対し、スキルアップは身を置く環境や経歴にはとくに変化がありません。個人の能力を鍛えて技術力や知識などを向上させることを意味します。

スキルアップ 自分の能力や技術を高める
キャリアアップ 経歴や役職などのキャリアを向上させる

質の高い仕事ができれば、それに見合った報酬や評価を得られるのでキャリアアップにつながるでしょう。

【関連記事】「キャリアアップの意味とは?転職でキャリアアップするためのキャリアプランの考え方」

1.3. ビジネスで求められるスキル

スキルアップやスキルという言葉は、ビジネスシーンにおいてよく用いられます。

一般的にビジネスを効率的かつ迅速に遂行するための能力や技術のことをビジネススキルと呼びます。

社会で求められるビジネススキルは多岐に渡りますが、そのなかでももっとも重要視されているものを一覧表にまとめました。

ビジネススキル特徴
思考スキル 論点思考
クリティカルシンキング
ロジカルシンキング
抽象化思考
実務スキル 情報収集スキル
分析スキル
資料作成スキル
コミュニケーションスキル
プレゼンテーションスキル
プロフェッショナルスキル 戦略策定スキル
問題解決スキル
プロジェクトマネジメントスキル
リーダーシップスキル
専門スキル 経営戦略
マーケティングスキル
ITスキル
会計・財務能力

自分が身を置く環境に適したスキルを積極的に習得すれば、会社に必要とされるビジネスパーソンになれるでしょう。

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【関連記事】「ビジネススキルにはどんなものがある?自分にあったスキルの見つけ方や習得方法について」

2. スキルアップによって従業員が得られるメリット

スキルアップの向上に努めることで、従業員一人ひとりにとってさまざまなメリットが期待できます。

ここでは、スキルアップによって得られるメリットを5つの視点から解説します。

2.1. モチベーションがアップする

スキルアップを図る過程で、さまざまな能力を総体的に高めることができます。

例えば、業務を効率的に行えるようになったり、困難やトラブルが発生した時に、自分ひとりで解決できたり、新しい業務を任せてもらえたりするので、モチベーションアップにつながるでしょう。

「この業務には2時間かかっていたけど、1時間半で終えられた」といったやる気につながる出来事や成功体験を積み重ねることができます。

2.2. 昇給・昇格につながる

会社が求めるスキルを身につけることで、昇給や昇格につながる可能性があります。新しいポジションを獲得し、難易度の高い仕事をこなせばスキルに見合う報酬を得られるでしょう。

また、優れたスキルを得ていれば、転職にも有利になり、より良い条件で雇用契約を結べるかもしれません。

現在の会社では、ポストに空きがなかったり、正当な人事評価を得られなかったりといった不満があるなら、スキルアップ後に転職をして、理想のキャリアを実現させるのも1つの手段です。

2.3. 周りからの評価が高まる

身につけたスキルを生かして成果を上げれば、クライアントや取引先、社内での評価が高まります。

スキルアップのために努める姿は、周囲に良い刺激を与え、組織全体の雰囲気がよくなるケースもあるでしょう。

周囲から高い評価を得られると、モチベーションアップにつながり、それを原動力に仕事や自己研鑽に励めるようになるので好循環が生まれます。

さらに自己効力感や社会への貢献度が上がったり、自分の置かれている状況をポジティブに捉えられるようになるでしょう。

2.4. 仕事の幅が広がる

習得した新しいスキルを生かして、新しい業務やタスクに挑戦できるため、仕事の幅が広がります。

また、新たなスキルを身につけなくても、これまでの実務経験に生かせるスキルを磨くことでもさまざまなメリットが期待されます。

例えば、困難なトラブルを解決できるようになったり、日々の業務効率がよくなり、生産性が高まったりすれば心に余裕が生まれるはずです。

目の前の仕事に手一杯だった人でも、心にゆとりを持つことで、客観視できるようになり、キャリアの選択肢が広がる可能性があります。

2.5. 転職の際にアピールできる

応募先企業が求める能力や専門知識、技術力を得ていれば、転職の際に有利になるでしょう。

スキルアップを目的として転職を検討する人も多いですが、現職で働きながら能力や技術力などを高めることでより良い条件で雇用契約を結べる可能性があります。

転職したい企業や業界、職種があるなら、そこで求められるスキルは何かを把握し、スキルアップに努めると良いでしょう。

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【関連記事】「リスキル(リスキリング)とは?注目されるようになった背景やリカレントとの違いについて紹介」

3. スキルアップによって企業側が得られるメリット

従業員がスキルアップすることで、企業側にはさまざまなメリットが期待できます。

ここでは、具体的な利点を4つに分けて紹介するので、従業員がスキルアップを図ることで企業にどのような効果を生むのかを把握できるでしょう。

3.1. 生産性が高まる

従業員一人ひとりがスキルアップに取り組み、能力を高めることで組織全体の生産性が向上します。

従業員が効率的に業務処理できるようになれば、会社の製品やサービスの品質向上につながるでしょう。

これまでは納品予定日当日に慌てて商品を納めていた場合でも、スキルアップによって短い納期で納品できるようになるかもしれません。

また、取引先の要望に沿った技術や製品、解決策を提供できるようになる可能性もあります。従業員がスキルアップに努めることで、組織全体の業務の効率化や、評価の向上につながるのです。

3.2. 顧客満足度の向につながる

スキルアップによって質の高い仕事ができるようになるため、顧客満足度の向上につながります。

例えば、技術力や専門知識を高めた従業員がいれば、顧客から「納品物のクオリティが高い」「要望どおりの製品を最短で仕上げてくれた」というような良い意見が増えてくるでしょう。

自社評価が上がり、良い評判が広まれば新規顧客が増え、リピート率や単価が高くなる可能性もあります。

競争が激しい市場に身を置く企業の場合は、従業員一人ひとりの価値を高めることで競争力を向上できるので、企業成長のためにスキルアップは欠かせない要素だと言えるでしょう。

3.3. 採用ブランディングを高められる

従業員のスキルアップ支援を積極的に行なっている企業は、優秀な人材を獲得しやすくなります。

スキルアップ制度の導入など、具体的な取り組みを公式サイトの採用ページに掲載することで、採用ブランディングの向上につながるでしょう。

とくに新卒や若手社員は、スキルアップによって自分の市場価値を高めたいと考え、貧欲に行動できる傾向にあります。

そのようなモチベーションが高く、主体的に動ける人材に刺さる施策となるので、採用戦略に力を入れたい企業は、スキルアップ制度や支援の導入を検討しましょう。

3.4. 定着率の向上につながる

スキルアップ制度や支援を取り入れることで、従業員の自社満足度があがり、定着率が高まります。

人材投資に積極的な企業は、従業員から「期待されている」「スキルを高めて貢献したい」と思ってもらえる傾向にあり、エンゲージメントの向上や離職率の低下につながるでしょう。

従業員一人ひとりがスキルアップを図ることで企業と個人の双方がパフォーマンスを高められるので、積極的に人材投資すべきだと言えます。

post1125_img3.png【関連記事】「若手ビジネスパーソンが準備しておくべき「スキルセット」とは」

4. 個人でスキルを高める方法

組織全体ではなく、従業員一人ひとりがスキルアップを図る場合は、「セミナーへの参加」や「資格の取得」といった方法がおすすめです。

ここでは、個人でスキルを高める具体的な方法を4つピックアップして紹介します。

4.1. セミナーに参加する

個人でスキルアップを図るなら、セミナーへの参加をおすすめします。

スキルアップの分野に精通した専門家から直接教わるので、最新の情報や専門知識を効率よく身につけられるでしょう。

「独学だと気の緩みが出てしまう」「プロから学びたい」という方は、セミナーや研修の開催情報を調べてみると良いかもしれません。

具体的には、「セミナー+お住まいのエリア」「研修+地域」などで検索すると、さまざまな情報が表示されるので、学習したいものがあれば積極的に申し込みましょう。

4.2. 資格を取得する

スキルアップのために、自分の描くキャリアプランに適した資格を取得するのもおすすめです。

試験に合格するためには、ゴール(試験日)から逆算して合格ラインに到達するように知識や技術を磨く必要があります。

計画的かつ着実にスキルアップを図ることができるので、将来を見据えた資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

4.3. 社内の制度を活用する

企業によっては、従業員を対象とした社内の研修制度や、スキルアップ支援の取り組みを実施している場合があります。

一般的には、基準の範囲内で教育訓練を行うことで、必要な経費や、訓練中の賃金を負担してもらえる制度です。

上司に社内の制度について聞いてみたり、就業規則に記載されていないか確認したりして、スキルアップにつながる支援があれば積極的に活用しましょう。

4.4. 副業を考えてみる

副業は、実務経験を重ねながら、同時にスキルアップを図ることができます。

スキルを有していることを前提として、依頼を受けるため、期日内に自身の能力を最大限に生かし、納品物を仕上げる必要があります。

受注した後で「本業が忙しいから」「時間を作れないから」「スキル不足だから」といった理由で辞退することはビジネスパーソンとして通用しないでしょう。

実務経験を積みながら、短期間でスキルアップしたい方はこのような厳しい環境に身を置くと良いかもしれません。

post1125_img4.png【関連記事】「社会人一年目で身につけておきたい! 転職しても通用するスキルと能力、心得」

5. スキルアップするためのポイント

ここで紹介する4つのポイントを押さえておけば、効率的にスキルアップを図ることができます。

5.1. スキルアップの目的・目標を明確化する

はじめに、なぜスキルアップを目指すのかを言語化し、明確にすることが大切です。

「何となく技術力を高めたいから」「専門的な知識を深めたい」といった抽象的な理由だと、忙しい時期や気分の問題で挫折する可能性があります。ゴールを決めなければ、努力する意味を見出せなくなったり、正しい方向に向かっているのかさえ分からなくなったりします。

まずは、スキルアップの目的を明確化させたうえで具体的な数値をあげながら目標設定を行いましょう。

5.2. 現状のスキルを洗い出す

現在、保有している資格やスキルの棚卸しをして、自分自身を客観的に見つめ直し、方向性を明確にしましょう。

現状のスキルを洗い出すときに、「今できること」と「不足していること」を深掘りすると、どのようなスキルを身につけるべきかが見えてきます。

具体的には、自分の強みとなるスキルは、より専門性を高めたり、派生するスキルに挑戦したりして向上させて、弱みに対しては克服する手段を考えると良いでしょう。

5.3. 強化したいスキル・新たに得たいスキルは何か考える

現状のスキルを洗い出したら、自分の強みや弱点が見えてくるので、それをもとに強化したいスキルや、新たに取得したいスキルは何かを考えましょう。

また、将来のキャリア設計ができている場合は、キャリアアップのために必要なスキルは何かを考えると良いかもしれません。

自分が得たいスキルを手あたりしだいに身につけていくのも良いですが、明確な道筋が見えているなら、それに沿ったスキルの向上を目指しましょう。

例えば、IT系の営業事務に就きたい方は、IT関連のスキルと事務の実務に必要となるスキルを身につけると転職時にアピールできます。

5.4. 「カッツモデル」「ドラッカーモデル」を参考にしてみる

「カッツモデル」「ドラッカーモデル」とは、階層・スキル別に分類した理論のことです。

当理論では、ビジネスパーソンが「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」の3つのスキルを身につけることで、よりいっそう活躍できる人材になると明示しています。

カッツモデルは、米国ハーバード大学の教授であり、経済学者であるロバート・カッツ氏が1950年代に提唱した理論で、上級管理者はとくにコンセプチュアルスキルが必要だと示しています。

一方、ドラッカーモデルは「現代経営学(マネジメント)」 を発明したオーストリアの経済学者ピーター・ドラッカー氏がカッツモデルをもとに提唱した組織モデルです。

階層スキルの割合
詳細
上級管理者(経営者層) コンセプチュアルスキル 物事を構造化・概念化してとらえる能力
中級管理者(管理職層) ヒューマンスキル 円滑な人間関係を構築する能力
新任管理者(チームリーダー、係長や主任など)
テクニカルスキル
業務遂行を円滑に進めるために必要な知識・専門能力・技能

ドラッカーモデルでは、コンセプチュアルスキルを重要視しており、「どの階層においても必要な能力」「組織全員で身につけるべき能力」と明示しています。

これらの理論・組織モデルで構成された能力要素を1つずつ磨いていくことで、飛躍的にスキルアップでき、社会や企業に求められる人材になれるでしょう。

【関連記事】「コンセプチュアルスキルとは?構成する要素や重要性、高める方法とは」

【関連記事】「ヒューマンスキルとは?高めるメリットや構成要素、具体的な方法について」

6. スキルアップのために企業側がやるべきこと

企業側が従業員のスキルアップを図るためにやるべきこととしては、以下の3つが挙げられます。

  • 人事・評価制度の見直しを行う
  • ジョブローテーションを取り入れる
  • OJT制度を取り入れる

人事・評価制度は、従業員のモチベーションを大きく左右する重要な要素だと言えます。具体的に何のスキルを身につけて、どのような行動をすれば、評価されるのかを明確にすることが大切です。

また、ジョブローテーションを取り入れると、さまざまな仕事に触れることができ、自分の得意不得意を明確化できるので、積極的に導入した方が良いでしょう。

OJT制度の導入は、新入社員や若手社員が先輩社員のノウハウを取り入れられるだけでなく、先輩社員や管理職のスキルアップにもつながります。双方にとって得られるものが多いため、組織全体のスキルアップが見込めるでしょう。

なお、企業側が従業員のスキルアップを図るために構築された国の支援も複数存在するので、厚生労働省の政策に目を通しておくと良いかもしれません。

【出典】厚生労働省「「従業員の能力を高めたい」

7. ビジネスパーソンが身に付けたい、その他のスキル

その他、ビジネスで必要なスキルに関して、以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。

【関連記事】「相談力は最強スキルのひとつ! 相談上手は能力以上の仕事ができる?」

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8. まとめ

学習や訓練を通して自身の能力を高めるスキルアップは、個人のパフォーマンスを最大限にあげるだけでなく、企業や組織に対しても大きな変化をもたらします。

従業員は、変動の激しい時代を乗り越えるために、セミナーへの参加や副業、資格の取得などでスキルアップを図り、自身の市場価値を高めることが大切です。

企業側は従業員がスキルアップに励めるような環境を構築し、手厚くバックアップして企業や事業成長につなげましょう。

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