若手ビジネスパーソンが準備しておくべき<br>「スキルセット」とは

ビジネススキル・マナー

将来的に転職を考えていてもいなくても、いざというときのために、どこに行っても一定以上の評価を受けられる人材でありたいものです。企業から歓迎される人材になるには、どのような準備が必要でしょうか。(Misa)

スキルセットとは

スキルセットとは、職種、役職によって必要とされる知識や能力をさします。求職者の皆さんよりも、採用に関わる人事や人材ビジネスの担当者側で用いることが多い言葉かもしれません。

人材採用にあたっては、その人が保有する知識や技術、経験などを総合的、包括的に評価し、対象職種や役職のスキルセットにマッチするかを判断します。専門職の採用であっても、固有技術や専門知識だけで評価されるケースは少なく、専門性を発揮するためのスキルもあわせて求められます。それがコミュニケーションやマネジメントなどの"普遍的なスキル"です。専門分野はトレンドによる優位性に左右されますが、普遍的な部分は役割や技術が異なっても同じように必要とされます。"専門的なスキル"と"普遍的なスキル"のバランスがより高い人材評価につながっていきます。

キャリアアップで変わる求められるスキルセット

ITエンジニアであれば、システム開発やインフラ構築など、その分野の経験が求められることはもちろんですが、専門分野のスキルは周辺技術や関連分野の経験や知識があればOKとされる求人もあります。仮に複数の採用候補者がいた場合、技術分野の経験値がわずかであれば、コミュニケーションやマネジメントなどのスキルを優先して結論が出される可能性もあり、ITエンジニアは技術だけで評価されるわけではないのです。

企業がそうした判断をする理由は、高い専門的なスキルを備えていても、コミュニケーションやマネジメントなどの普遍的なスキルが備わっていないと、せっかく保有している専門的なスキルも実務で発揮することが難しいからです。普遍的なスキルの習得には、時間も要しますし、習得の難しさもあります。そこで、若手のうちから、以下のようなスキルセットを意識して、身につけておきたいものです。

・職種としてのスキル(業務を行うための技能)

技術力、業務知識、実務経験 など

・ビジネスパーソンとしてのスキル(技能を発揮するためのスキル)

論理的思考力、分析力、コミュニケーション、プレゼンテーション、文章力 など

・キャリアアップで必要となるスキル(より高次で業務に関わるための能力)

企画力、マネジメント、コーチング、経営視点、会計やコンプライアンスの知識 など

スキルセットは職種だけでなく、役割でも異なってきますので、同じ職種であっても、キャリアアップによって、ニーズは変わっていきます。

転職を有利にするためには

企業が人材を求める際、プロジェクトを回すためだけの要員ではなく、業務を通じて成長し、できるだけ長く、社業の発展に貢献する人材になってもらいたいと期待しています。すなわち、技術のトレンドや環境の変化に対応できる人材が求められます。そのため、ITエンジニアとして、ビジネスパーソンとしての実績や、発揮できる能力、ノウハウなどにあたるスキルセットと共に、思考の傾向やモチベーションなどの「マインドセット」も評価の対象になります。ビジネスパーソンとしての教養や、社会人としての良識を築くことがマインドセットの形成につながります。

また、個人のもつ資質が、自社製品や事業の特性、戦略や企業理念、社風などとマッチするかも人材評価になります。技術や専門知識以外にも引き出しを広げ、"専門的なスキル"と"普遍的なスキル"をバランスよく身につけておけると転職で有利になります。転職活動を条件やブランドではなく、自分の仕事観やポリシーから判断できるようになると、よりよいマッチングができるでしょう。

原稿:Misa ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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