「質問力って何?」「質問力はどうやって高めるの?」といった疑問を抱えていませんか?
質問力とは、対話する相手に対して的確な質問を投げかけて事実を理解したり、信頼関係を構築したりできる能力のことです。
今回は、質問力とは何か、質問の種類、身につけるメリットや鍛え方について解説します。
この記事を参考に質問力を高めれば、状況や目的に合わせて的確な問いかけができるようになるでしょう。
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1. 「質問力」とは
質問力とは、疑問点や不明点を問いかけて事実を正しく理解する能力のことを指します。
相手の意図や状況を把握し、会話を広げたり、疑問を解消したりするために質問を投げかける力です。
質問力は、相手がいることを前提としているので、コミュニケーション能力の一つに分類され、ビジネス面においても重要なスキルです。
例えば、質問力に長けている人は、商談時に相手の懸念点や背景を理解した上で、適切な提案ができるため受注率を高めることができます。
また、上司や取引先の指示に対して、意図を把握したうえで遂行できるので、相手からの信頼を勝ち得ることができるでしょう。的を得た質問をし、相手に関心を持っていることが伝わるため本音を引き出せることもメリットと言えます。
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2. 質問力を身につけるメリット
質問力を身につけるとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、質問力を身につけるメリットを4つに分けてご紹介します。
質問力の高い人材がどうして求められているのか、深く知ることができるでしょう。
2.1. 相手への関心を示すことできる
一般的に相手に興味や関心がない状態では、「質問」が頭に浮かびません。「質問をする」という行為自体、相手への関心を示すことができるのです。
質問を受けた側も「自分に興味を持ってくれている」という安心感があるので、好意を抱いてもらえる可能性があります。
しかし、調べれば分かるようなことを質問したり、大量の質問を投げかけたりすると、かえって迷惑になるのでバランスが肝心です。
2.2. 疑問や問題を解決する糸口を見つけられる
質問をすることで、疑問点や問題点を解決する糸口を見つけられる可能性があります。不明点を明確化できるので、相手の意図を理解したうえで対応できるでしょう。
反対に疑問や不安なことが不明瞭なまま自分の中で解釈して仕事を遂行すると、的確に対応できず一からやり直しになる場合もあります。
ビジネスにおいては、双方に理解を深めたうえで遂行しなければならないので、質問力が重要になります。
2.3. 情報を得ることができる
質問力を伸ばすことで、質の高い情報を引き出すことができます。
例えば、会話のなかで相手が気づいていなかった悩みや問題を見つけ出し、解決へと結び付けられる可能性があるのです。
あらゆる切り口から相手の興味関心を引き出して、情報収集できるので、営業担当者にとっても質問力は必須だと言えるでしょう。
2.4. 相手の理解・思考を深められる
質問をすることで、相手の理解や思考を深めることができます。
例えば、対話を通じて「自分ひとりでは考えつかなかったことをひらめいた」という経験はありませんか。人は、質問を受けると「どうしてだろう?」と考えるため、別の角度から質問をすると、相手は新たな方向性で物事について考えるため、視野を広げることができるのです。
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3. 質問力が高い人の特徴
質問力が高い人には、いくつか共通する特徴があります。ここでは、質問力が高い人の特徴を下記の3つに分けてご紹介します。
● 情報整理が得意
● 話の内容がわかりやすい
● コミュニケーション能力が高い
3つの特徴を理解し、日常的に意識すれば質問力を高められるでしょう。
3.1. 情報整理が得意
情報整理が得意な人は、対話の内容を理解したうえで、的を得た質問を投げかけることができます。
対話の内容はもちろんのこと、過去の情報などインプットしたものをまとめて整理できるので、疑問点や不安な部分が明確化される状態です。
情報は、「収集」「整理」「共有」「活用」の4段階に分けられるため、情報の全体像を把握しつつ、整理できる人は質問力も高くなります。
3.2. 話の内容がわかりやすい
対話しているなかで「話の内容が分かりやすい」「説明上手」と感じることもあるでしょう。
話の内容が分かりやすい=情報が整理できている傾向にあるので、質問力に長けている場合が多いです。
例えば、結論から話すことができる人や相手にあわせて言葉選びができる人、必要な情報だけを嚙み砕いて伝えてくれる人は、ビジネスや日常において会話がスムーズだと言えます。
意思疎通が図りやすく、対話のなかに質問を含めることが上手ですので、自然と相手の本心や疑問を引き出すことができるのです。
3.3. コミュニケーション能力が高い
質問力は、コミュニケーション能力の一つですので、コミュニケーション能力が高い人は必然的に質問力にも長けています。
そもそもコミュニケーション能力とは、伝えるスキル・聴くスキル・相手の気持ちを読み取るスキルが高い人のことです。
信頼関係を構築し、相手が興味を持ってくれるため、質問に対してより具体的に回答してくれます。
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4. 質問の種類
ひとくちに「質問」と言っても、下記の4つに分類されます。
● オープンクエスチョン(拡大質問)
● クローズドクエスチョン(限定質問)
● 過去質問・未来質問
● 肯定質問・否定質問
ここでは、質問の種類を例文とあわせて紹介するので、シチュエーションに応じて使い分けてみましょう。
4.1. オープンクエスチョン(拡大質問)
オープンクエスチョン(拡大質問)とは、相手に自由に回答してもらう質問のことです。
質問例)最近、ハマっていることはありますか?
質問例)何か困っていることはありますか?
4.2. クローズドクエスチョン(限定質問)
クローズドクエスチョン(限定質問)は、「はい」「いいえ」の二択で答える質問や、3択ほどで回答範囲に制限を設ける質問のことです。
質問例)御社の課題は、〇〇という認識でよろしいでしょうか。
質問例)次回の打ち合わせは、来週の同時刻でよろしいでしょうか。
4.3. 過去質問・未来質問
過去質問・未来質問は、過去または未来に考えを向ける質問のことです。
過去質問は、過去に起きた事実に対する質問で、原因の明確化ができます。しかし、質問する際には、疑問や不審点について、納得するまで質問を繰り返したり、真実を言わせようと厳しく追及したりしないように注意しましょう。
質問例)何が原因だと思いますか?
質問例)どうして失敗したのでしょうか。
一方で未来質問は、未来に考えを向けるので前向きな対話になりやすい傾向にあります。
過去質問の場合、すでに起きた事実に対する回答ですので、想像力や発想力は働きません。しかし、未来質問はさまざまな可能性を想像しながら、会話を膨らませることができます。
質問例)成功するために何が必要ですか?
質問例)これからどのようにしたらいいですか?
4.4. 肯定質問・否定質問
肯定質問・否定質問は、肯定的あるいは否定的な言葉を使った質問です。肯定質問は、相手の前向きな意思を引き出すことができ、今後の行動変容を促せます。
質問例)成功した要因は何だと思いますか?
質問例)どの業務が得意ですか?
続いて、否定質問は原因を引き出せますが、相手を疑うようなニュアンスが含まれるため使用する際には注意が必要です。
質問例)失敗した要因は何だと思いますか?
質問例)業務に苦手意識を持っている理由は何だと思いますか?
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5. 良い質問・悪い質問とは?
質問には、「良い質問」と「悪い質問」が存在します。もちろんシチュエーションや会話の流れによって異なりますが、ここでは、例を挙げながら質問の良し悪しについて解説します。
5.1. 良い質問
相手との距離を縮められたり、やる気を起こさせたり、気づきを与えられる質問は、「良い質問」だと言えるでしょう。
例えば、部下に対して「今日は○○の業務を普段よりも早く終えることができましたが、なぜだと思いますか?」と質問することで、成功要因を考える機会を与えられます。
その成功要因を知っておけば、ほかの業務にも活かして作業効率化を図れる可能性もあるでしょう。たった一つの質問で、相手の意識や考え方、方向性を改善できるものは、「良い質問」だといえます。
良い質問例)○○を行う目的は何でしょうか。
良い質問例)○○にお困りではないでしょうか。
また、初対面の相手には、興味を持っていることが伝わる質問や、会話が広がる質問をすると良いかもしれません。
良い質問例)ご出身はどちらですか?
5.2. 悪い質問
インターネットで検索するなど調べればすぐに分かるようなことを複数回にわたり質問すると印象が悪くなる可能性があります。
とくに企業の公式サイトに記載されている情報を調べずに質問するのは避けた方が良いです。
悪い質問例)どのような事業をされていますか?
悪い質問例)企業理念をお教えいただけますか?
また「どうしてできないの?」というような相手を不快にさせる「ネガティブクエスチョン」も使わないようにしましょう。
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6. 質問する際のポイントや注意点
ただ質問を投げかければいいというものではありません。相手の負担にならないような質問をするために、下記の4つを押さえておきましょう。
● 踏み込みすぎた質問は控える
● 質問の目的や意味を考えておく
● 相手との関係値を高めておく
● 答えやすい環境づくりを意識する
6.1. 踏み込みすぎた質問は控える
一般的に失礼にあたる質問や踏み込みすぎたことを聞くのは控えましょう。
例えば、年齢や体重を聞いたり、宗教・支持する政党に関する質問をしたりすると、デリカシーのない人だと思われてしまいます。
基本的に「自分が聞かれたくないこと」「答えにくいこと」は、人にも嫌がられる可能性が高いです。
6.2. 質問の目的や意味を考えておく
質問する際には、目的や意味を質問前に頭でしっかりと考える必要があります。
例えば、何も考えずに質問をする場合、「どんな事業をしているの?」「どの業界なら高年収を得られるの?」など調べれば分かることや、人によって正解が異なる内容を聞いてしまうかもしれません。
事前に、相手にとって失礼にあたらない質問内容を考えておくと良いでしょう。
6.3. 相手との関係値を高めておく
相手との関係値を高めておけば、気軽に質問できるようになります。
質問で相手の本心を引き出したり、潜在的な悩みや不安を探ったりするためには、ある程度関係性を深めておくことが大切です。
相手を褒めたり、共通点を見つけたりして距離を縮めておきましょう。
6.4. 答えやすい環境づくりを意識する
答えやすい環境づくりを意識することも大切です。とくに上司が部下に対して質問する場合、答えにくいものもあるかもしれません。
答えやすいように質問内容を考えたり、否定をせずに必ず受け入れたりするようにしましょう。
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7. 質問力を鍛える方法
質問力はどのようにして鍛えると良いのでしょうか。
ここでは、下記の3つの視点から質問力を高める方法について解説します。
● 企業の情報を事前に調べる
● 情報整理を意識する
● 相手によって質問の切り口を変える
7.1. 企業の情報を事前に調べる
ネットで調べればわかるようなことを質問するのは、失礼にあたるため、企業の情報収集を徹底しておきましょう。
会社概要に記載されている代表者の氏名やメッセージ、企業理念、事業内容に加え、社風や関連企業、成長性などもリサーチすることが大切です。
ここ数年では、人事や広報担当者がSNSを運営している会社も増えているので、TwitterやInstagramなどに公式アカウントがないかチェックしておきましょう。
また、社員や元社員の口コミを調査できるサイトもあるので、参考程度に確認しておくと役立つ場面があるかもしれません。
7.2. 情報整理を意識する
情報をスムーズに整理できれば、自然とその場に適した質問が頭に浮かびます。
インプットした情報を整理するだけでなく、ほかの人に共有しやすい形にまとめる能力も必要です。
相手視点に立って論理的にまとめる習慣を付けるようにすると、情報整理力が向上します。
聞き手目線になってどのように問いかけると、返答しやすいのかを考えて質問を考えてみましょう。
7.3. 相手によって質問の切り口を変える
質問力の高い人は、相手に合わせて使用する言葉や切り口を変えることができます。
例えば、主婦と話すときは「アルバイト」ではなく、「パート」という言葉を使うなど、細かな気遣いができるのです。
また、部下に問いかけるときには、肯定質問や未来質問など圧力を感じにくい質問の仕方をすると良いでしょう。二~三択で回答できる「クローズドクエスチョン」ではなく、敢えて「オープンクエスチョン」を使用して、自分で考える機会を与えるというのも一つの手です。
相手の視点に立って、どの質問を投げかければいいのか選択することも大切だと言えるでしょう。
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8. まとめ
質問力とは、コミュニケーション能力の一つです。この能力が長けている人は、相手への関心を示せたり、理解・思考を深められたりと良好な人間関係を築くことができます。
また、相手の疑問や問題を解決する糸口を見つけられる可能性があるため、多くの人に感謝される人になれるでしょう。
質問力を鍛えるために、対話の中で得られた情報を整理し、第三者に伝わりやすくまとめることを意識してみてはいかがでしょうか。
また質問の種類について理解し、相手に合わせた切り口で問いかけることも大切です。
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