コミュニケーション能力とは? 能力が高い人の共通点、鍛えるために必要な事

コミュニケーション能力とは? 能力が高い人の共通点、鍛えるために必要な事

「コミュニケーション能力」というと、「誰とでも明るく会話できる能力」や、「どんな話にもついていける対応力」などと捉えている方が多いかもしれませんが、実際は少し意味が違います。

今回は、コミュニケーション能力の定義をおさえた上で、コミュニケーションに必要なものや、その力を高めるための具体的な方法などについて解説していきます。

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1.コミュニケーション能力とは

コミュニケーション能力とは、円滑な対人関係を育み、持続させるための能力です。自らの一方的な情報発信は、コミュニケーション能力には含まれません。相手との意思疎通を成立させることが大前提となります。

ビジネスシーンにおいては、コミュニケーション能力の程度によって人物評価や印象が左右されるケースも多くあります。営業職や接客業など、直接顧客と接する職種では必ず求められる能力です。

しかし、顧客と接する機会のないオフィスワーカーであっても、スムーズな業務遂行のためには、上司や同僚とのコミュニケーションは欠かせません。したがって、コミュニケーション能力とは「社会人として身につけるべき必須能力」と言っても過言ではないでしょう。

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2.コミュニケーションはなぜ必要?目的は?

コミュニケーション能力は、相手と信頼関係を構築する上で重要な役割を果たします。相手の意図がわからなく、意思疎通がままならない状態では、人間関係の発展は望めません。適切なコミュニケーションを幾度も重ね、相手の性格や考え方を知り、相手にも自分を知ってもらうことで、信頼関係は育まれていきます。

信頼関係は、ビジネスシーンでは重要な要素となります。同じ目的やフローの業務を行っていても、社内での高い評価を得やすかったり支持されやすかったりするのは、コミュニケーション能力が高い人であることが多いです。「どれだけ密なコミュニケーションを重ねてきたか」ということは仕事の成果を左右する可能性があることも認識しておくことが大切です。

また、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務、テレワークが普及しています。従来と比較し対面でのコミュニケーションの機会は減少しましたが、コミュニケーション能力が不要になったわけではありません。むしろ、コミュニケーションのあり方に変化が生じたことで、より柔軟な対応力が求められるようになりました。

たとえ時代の流れと共に仕事の手法が変化しても、人間同士のコミュニケーションは必ずついて回るものだと認識し、コミュニケーション能力を磨いていく必要があります。

3.コミュニケーション能力に必要なもの

コミュニケーション能力には複数の要素があげられます。ここでは大きく4つのポイントに分けて紹介していきます。

3.1.相手の話を聞く傾聴力

コミュニケーションの最も基礎となるのが、相手の話に耳を傾ける「傾聴力」です。相手の話をきちんと聴く事ができなければ、相手の話の意図や求めるものが正しく理解できないだけでなく、相手との信頼関係構築も難しくなります。

また、傾聴力が高い人は、安心して話しやすい空気感を作り出せるため、相手が言語化しにくい感情や状況、伝えにくい本心をうまく引き出すことができます。

3.2.話を噛み砕いて理解する能力

傾聴のワンランク上の能力として求められるのは、相手の話の要素を分解し、自分の中で整理し理解する能力です。話の前後関係も踏まえながら、相手が伝えようとしている意図を正確に捉えなければなりません。

そのためには、ただ相手の話を聞くだけではなく、相手に質問し情報を補完していく努力も必要です。

3.3.自分の考えを発信する伝達力

コミュニケーションは双方が対等な立場でなければ成立しません。そのため、相手の話を聞くばかりではなく、自分の考えを正確に伝える伝達力も必要です。

伝える際には、自分の考えをわかりやすく言語化し、誤解を生ないような言葉選びが大切です。伝えた「つもり」の自己満足にならないよう、相手の立場に立ち、一方的な主張で終わらないようにしなければなりません。

3.4.相手の気持ちに寄り添う共感力

人間は、自分を肯定してくれる相手に安心感を覚えるものです。たとえ自分の気持ちや考えと異なったとしても真っ向から否定せずに受け止める共感力は、コミュニケーションにおいて非常に重要です。

「あなたの気持ちはよくわかります」というように、こちら側の意思を伝えるだけではなく、できる限り相手の伝えてくれる感情や状況を受け止めるようにしましょう。

4.コミュニケーション能力が高い人の共通点

では、実際に「コミュニケーション能力が高い」と評価される人にはどのような共通点があるのでしょうか。

4.1.非言語コミュニケーションに気をつけている

非言語コミュニケーションとは言葉(会話・文字)以外を使ったコミュニケーション手法で、ノンバーバルコミュニケーションとも呼ばれます。

非言語コミュニケーションの例としては以下のようなものがあげられます。

・表情

・視線

・まばたき

・口調

・声色

・仕草

・ジェスチャー

・服装

・身だしなみ

言葉と併せてこれらの非言語コミュニケーションを取り入れることで、相手に自分の意思をより印象付けられるだけでなく、相手の感情に寄り添い共感の空気を作り出せるメリットもあります。

4.2.話す内容の構成を考えている

コミュニケーション能力が高い人は、思い付きではなく頭の中で話す内容の構成を組み立ててから話をしています。あらかじめ話す内容の構成を定めておかないと、話の趣旨がブレてしまったり結論までの過程が長くなったりと、聞き手に正しく情報が伝えられなくなる可能性があります。

4.3.分け隔てなく接している

会社は幅広い年齢層の人々が集まっています。そのため、多くの価値観に適応しながらコミュニケーションを図り、関係性を構築していかなければなりません。コミュニケーション能力が高い人は、そうした場においても老若男女問わず、誰とでも分け隔てなく接することができます。

5.コミュニケーション能力が低い人の特徴

次に、コミュニケーション能力が低い人の特徴も見ておきましょう。

他者との会話や日常生活の中で、以下のような言動が多い人は、周囲から「コミュニケーション能力が低い人」と思われているかもしれません。

自分に当てはまる部分がないかどうかチェックしてください。

・ネガティブな意見が多い

・「でも」「だけど」と反論ばかりする

・話にまとまりがない

・人の意見を最後まで聞かない

・他人への関心が薄い

・表情が乏しい

・会話中に相手の目を見ない

もし、自分に当てはまると感じる要素があると感じる場合には、少しずつ改善できるように意識することが重要です。

6.仕事でコミュニケーション能力を鍛えるには

では、仕事でコミュニケーション能力を鍛えるにはどのようなポイントを意識するべきなのでしょうか? 今日から始められる4つのポイントを見ていきましょう。

6.1.「PREP」を意識する

コミュニケーション能力を高めるために、まずはわかりやすい話し方や文章を心がけましょう。そのために役立つのが「PREP」と言われる文章構成法で、以下の順序で展開されます。

1.結論(Point)

2.理由(Reason)

3.具体例(Example)

4.結論(Point)

この原則に則って伝えたいことを構成することで、明快で聞き手に伝わりやすい話や文章になります。また、話の趣旨に一貫性が保てるようになり、聞き手に余計なストレスを感じさせない伝え方が可能となります。

6.2.話すスピードや表情にも気を付ける

前述の通り、コミュニケーションの手法は言葉そのものだけでなく、非言語コミュニケーションも重要となります。話すスピードや表情にも気を配りましょう。

たとえば、話すスピードが速すぎると、相手に威圧感を与えてしまうことがあります。表情に関しては、自分の話をしている時は意識していても相手の話を聞いている時は無防備になりがちなので注意しましょう。

6.3.コミュニケーションに関する目標を決めて行動する

自分の中に具体的な目標を定めることによって、より早く確実にコミュニケーション能力が定着していきます。たとえば以下のようなものです。

・相手の意見を積極的に聞くようにする

・上司への報告時にPREPを用いる

いきなり大きな目標を掲げると、うまくいかずに自信を喪失してしまう可能性もあるため、「今の自分がちょっとだけ頑張ればできそうなもの」を意識しましょう。今まで極端にコミュニケーションがなかったという場合は、「朝出社したら同じ部署の人に必ず挨拶をする」といった小さな目標から始めてみるといいでしょう。

6.4.話のネタを集める

相手からの話題提供を待っているだけではコミュニケーション能力が高いとは言えません。何気ない雑談から相手との共通点や共感できるポイントが見つかり、急激に距離感を縮められるケースも大いにあります。日常的に話のネタを集めてストックしておけば、いざという時に役立つはずです。

ただし、集めたネタの使い方には注意が必要です。相手との関係性や世代、性別、経験、状況などを踏まえ、心地良いコミュニケーションが取れる話題選びをしましょう。

7.採用の場面で求められるコミュニケーション能力とは

コミュニケーション能力は就職活動や転職活動の際にも重要です。多くの企業では、選考時に応募者のコミュニケーション能力の有無を重視しています。

特に実務経験がない新卒や第二新卒に対しては、これから自社の既存社員とうまく関係性を構築し、業務を円滑に進められるかという点を見極めようとしています。新卒や第二新卒の面接の際には、以下のポイントをおさえておきましょう。

・面接官の話によく耳を傾ける

・質問に対する適切な回答をおこなう

・スムーズな会話になるように、会話のキャッチボールを意識する

・上司への報告時にPREPを用いる

転職活動の場合は、上記のような基礎的なコミュニケーション能力を身に着いている前提で面接を行っている企業が多く、自発的に周囲とコミュニケーションを図れるかが問われます。

実務の中でどのようなコミュニケーションを心がけ、その結果どのような成果が得られたかの具体的なアピールが必要です。新卒のように学生気分が抜けていないようでは評価を得られないと心得ておきましょう。

8.「コミュニケーション能力の高さ」を面接の自己PRで使うには

コミュニケーション能力の高さは、自己PRでも大きな武器になることは間違いありません。

しかし、面接の際に「私はコミュニケーション能力があります」とだけPRしても、初対面の面接官にはなかなか伝わりづらいものです。

そのため、うまく言い換えて能力の高さをアピールしていきましょう。

具体的な言い換え方法には、以下のようなものがあります。

・他者の意見を受け止めて共感し、本音を引き出せます。

・人、場所、状況に合わせて自分の意見を上手に伝えられます。

・他者の状況や行動からその先を推測し、サポートや助言ができます。

このように言い換えることで、面接官にどのような人物であるか具体的に伝えられるため、より自分をPRすることが可能になります。

言い換えを考える際には、客観的にコミュニケーション能力の高さを感じる表現であるかを意識することが重要です。

9.まとめ

コミュニケーション能力は、今後の人生でどのような環境に身を置いたとしても必ず必要な能力です。しかし、今日明日ですぐに身に着くものではありません。

まずは自らのこれまでのコミュニケーションのやり方について見直し、身近にいるコミュニケーション上手な人を観察するなどしながら、スキルを磨いていきましょう。

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