ビジネスで有効な「心理学用語」12選！営業や職場での活用方法を紹介

ビジネスにおいて心理学は、人間関係の構築や効果的なコミュニケーション、意思決定に役立つ重要な知識です。特に対人の営業では、心理学的なアプローチが大きな成果につながることもあります。そこで本記事では、ビジネスシーンで役立つ「心理学用語」12選を紹介し、それぞれの概念がどのようにビジネスに応用できるかを解説します。心理学の知識を活用して業務パフォーマンスを向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。

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ビジネスで使う「心理学用語」とは

ビジネスシーンにおいて、「〇〇効果」「〇〇の法則」という心理学用語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「カタカナの言葉が多く難しそう」「ビジネスには関係ないのでは？」思われる心理学用語ですが、ビジネスシーンで役立つ有名な心理学用語は数多く存在しています。

心理学は営業やチームマネジメントで活用できる

まず、営業では顧客の心理を理解し、適切なアプローチをすることが成功の鍵です。心理学の知識を使うことで、顧客のニーズや感情を把握し、信頼関係を築くことが容易になります。

また、心理学の知識を活用すれば、チームメンバーの性格を理解して適切なコミュニケーションを行えます。営業を成功させたり職場の生産性を向上させたりするのに、心理学は非常に有効なツールです。

心理学について正しい意味と方法を身につけることが重要

心理学の知識は、人間の行動や感情を理解するための有力なツールですが、誤った使い方をすると逆効果になる恐れがあります。特にビジネスやチームマネジメントの場面では、適切なタイミングと方法で心理学的アプローチを活用することが重要です。

そこで、ここからはビジネスにおいて有効な心理学用語一覧を12選紹介し、具体的な意味と活用例を解説します。ビジネスで心理学を利用する方はぜひチェックしてください。

ビジネスで有効な「心理学用語」12選

アンカリング効果

【意味】
最初に提示された情報（アンカー）が、その後の判断や意思決定に強い影響を与える心理的現象のことを指す。例えば、価格交渉や商品購入の際、最初に提示された価格が高いと、実際の価格がそれほど高くなくても「お得だ」と感じやすくなる。ビジネスの場では、交渉やマーケティング戦略で活用されることの多い心理テクニックである。

【活用例】
・不動産の売買で、まず高額な物件を紹介してから実際に販売したい物件を紹介する
・5,000円で商品を売りたい場合、まず10,000円という価格を設定したうえで5,000円に値引きする

【関連記事】「アンカリング効果とは？意味や活用シーンをわかりやすく解説」

アンダードッグ効果

【意味】
一般的に弱者と見なされている側（アンダードッグ）が、多くの人々から同情や支持を集める心理現象を指す。負けている方が逆転するために努力することで、ストーリー性が生まれたり共感を呼んだりして、多くの人が応援したいという感情になるとされる。

【活用例】
・中小企業が大手企業に挑む姿勢をアピールすることで、顧客の支持を得やすくする
・思わぬトラブルで在庫過多になった際、SNSで苦境を発信し購入者を集める

コールドリーディング

【意味】
事前の情報がなくても、言動や表情から相手のことを言い当てる手法。振る舞いからさまざまな情報を引き出して、まるでその人すべてを理解しているかのような印象を与える。「誰よりも自分のことをわかっている」「人の心を見抜く力がある」と相手を信じ込ませるテクニック。

【活用例】
・営業の際、顧客の言動から性格やニーズを推測し、適切なアプローチを行って信頼を得やすくする
・プレゼンの際、聴衆の反応や興味の度合いに応じて話の進め方を変える

心理的安全性

【意味】
チームや組織のメンバーが、自分の意見を自由に発言できる環境を指す。心理的安全性が確保されていると、メンバーは互いに信頼し協力し合うことができるため、結果として生産性が向上するとされる。

【活用例】
・定期的に1対1のミーティングを設け、従業員が率直に意見を言える場を提供する
・上司が自らの弱みや失敗を率直に語り、部下に対してオープンな姿勢を示す

単純接触効果

【意味】
あるモノに接触する回数が増えるにつれて、そのモノに対する警戒心が薄れて好感度が高まる心理的な現象。アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって提唱されたため、「ザイアンス効果」と呼ばれることもある。その対象はモノだけでなく、人や音楽、味や匂いなどでも起こり得る。一説では、無意識の時ほど効果が強く働くと言われている。

【活用例】
・同じ広告を何度も放送することで消費者の記憶に残り、商品に対する好意を高める
・取引先との関係を維持するため、何度も足を運び、電話やメールでフォローアップを行う

【関連記事】「ビジネスや恋愛に応用できる単純接触効果とは? テクニックを紹介」

ハロー効果

【意味】
一部の特徴や印象が、その人全体の評価に影響を与える心理的現象。目立つ特徴に引きずられ、他の特徴についての評価が歪められてしまう認知的バイアスの一つ。英語の「halo（後光・光背）」が語源となっている。

【活用例】
・営業の際、清潔感と礼儀正しさを印象付けて会社全体の印象をアップさせる
・製品のパッケージやデザインにこだわり、中身に対する信頼度を向上させる

バンドワゴン効果

【意味】
多数の人が支持している物事が、より一層支持される現象を指す。日本語では「多数派効果」「追随効果」とも呼ばれることもあり、「みんなが選んでいるものなら安心」「みんなと同じことがしたい」という思いから多数派に追随してしまう心理現象。

【活用例】
・「〇〇人が購入しました」といった表示をすることで、多くの人が購入しているという印象を与える
・口コミ投稿を表示することで、「みんなが使っている商品」という安心感を抱かせ購入意欲を刺激する

ピグマリオン効果

【意味】
他者からの期待が高いほどその期待に応えようと頑張り、結果として実際のパフォーマンスやが向上する心理現象のこと。教師の期待によって、生徒の成績が向上する効果を指す教育心理学的行動の一つ。人間は実際の能力とは関係なく、期待された通りに成果を出そうとする傾向があるとされている。

【活用例】
・上司が部下に対して大きな期待を寄せることで、自己成長や努力を促して業績アップにつなげる
・取引先に「あなたは特別なビジネスパートナーである」というメッセージを伝えることで、より強固な信頼関係の構築が目指す

フットインザドア

【意味】
小さな要求を最初に受け入れさせることで、その後により大きな要求を受け入れやすくさせる説得テクニック。最初の小さな要求に対して「イエス」と答えた人は、一貫性を保とうとする心理から更に大きな要求も引き受けやすくなる。

【活用例】
・最初に低価格の商品を購入させ、その後、より高価なオプションや追加サービスを提案する
・まず短時間のアンケートを依頼し、後で商品説明を聞くことに同意させる

【関連記事】「【フットインザドアとは】営業や恋愛での活用例と注意点を解説」

返報性の原理

【意味】
「他人から何かをしてもらったら、相応のお返しをしなければならない」と感じる人間の心理的傾向のこと。人は感謝の気持ちを感じると、相手に対して何らかのお返しをしたくなるものである。この原理を利用することで、結果的に自分へ利益が返ってくるような戦略が実行できる。

【活用例】
・無料の製品サンプルや体験版を提供することで購入率をアップさせる
・ていねいな接客やおもてなしをすることで、契約を前向きに考えさせる

ミラーリング効果

【意味】
自分と同様の仕草や行動をする人に好感をもつ心理効果のこと。人は自分に似た行動をとる人に対して心を開きやすくなることから、相手の話し方や態度、仕草などをさりげなく模倣することで、相手からの信頼度を高められる。

【活用例】
・顧客の言葉や仕草をさりげなく真似することで心を開かせ、スムーズな契約につなげる
・初対面の人と話す際、表情や話し方を自然に模倣することで親しみやすさを感じさせ好感度を高める

【関連記事】「【ミラーリング効果とは】仕事や恋愛で親近感を得るための心理学」

メラビアンの法則

【意味】
他者から受け取るメッセージの中で、言語以外の要素がどれほど大きな影響を与えるかを示した法則。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱したもので、その割合は言語情報（話の内容や言葉そのもの）が7%、聴覚情報（声のトーンや話し方）が38%、視覚情報（表情や身振り手振り）が55%とされる。

【活用例】
・プレゼンテーションの際は、話の内容だけでなく声のトーンや視線、ジェスチャーに気を配る
・電話では視覚情報がないため、抑揚や間にも気を遣いながら会話をする

その他ビジネス用語一覧

その他のビジネス用語一覧は、下記の記事でもご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

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