【ミラーリング効果とは】仕事や恋愛で親近感を得るための心理学

【ミラーリング効果とは】仕事や恋愛で親近感を得るための心理学

今回は、気になる相手と信頼関係を築きたいときに活用できる「ミラーリング効果」について、その意味と活用方法、さらにそのやり方と注意点を心理学的な視点から解説していきます。

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1.ミラーリング効果の定義と位置づけ

1.1.ミラーリング効果とは?

「ミラーリング効果」という言葉を聞いたことはあるけれど、実際どういうことなのかわからないという方が多いのではないでしょうか。

「ミラーリング」とは、好感を持っている相手の仕草や行動を自然と真似てしまうこと、「ミラーリング効果」とは自分と同様の仕草や行動をする人に好感をもつ心理効果のことです。

1.2.ミラーリング効果の特徴

「ミラーリング」は行動や仕草など、ノンバーバルなコミュニケーションで、本来は好感を持っている相手に対して、意識的に起こるのではなく、無意識で似ていく行動のことを指します。

「ミラーリング効果」とは自分と似ている行動をしている人に無意識に親近感を抱くことで、この「ミラーリング効果」を活用することで、相手との信頼関係を築くことができます

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2.ミラーリング効果の活用方法

2.1.仕草でミラーリング

「ミラーリング効果」によって相手から自分に親近感を持ってもらう効果的なやり方は、相手の些細な仕草を真似ることです。大きなアクションではなく、身振りや仕草など些細な行動をまねるのが不自然にならずに相手と同調することができます。

例えば、同意しての頷きや、首を傾げるなどの何気ない行動をまねると、行動の同調効果にもなり、また相手と同意見を持っているようにも見え、好意的に評価されやすいです。

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2.1.効果的なミラーリングの頻度

では、相手の仕草をどれくらいの頻度で真似ればいいのでしょうか?ポイントは、毎回ではなく時折混ぜることです。

例えば、相手がうなずく度に全て真似ていたら、この人は自分の意見を持っているのだろうか、と頼りなく思われる可能性もありますし、不自然にも見えてしまいます。同調はするが、自然な頻度で行うことがポイントになります。

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3.ミラーリング効果の活用事例

3.1.普段の会話

会話の中で、相手と同じ言葉を繰り返すと、相手の話を真剣に聞いているという印象を与えます。

これは、動作や表情で伝えることができない電話でも活用できる方法で、同じ言葉を繰り返すことで、相手と親しくなるための方法の1つとして有効です。

3.2.苦手な人とのコミュニケーション

苦手な上司や話しにくい後輩など「信頼関係を築きたいけどきっかけがない」という状況で悩んでいる場合は、ミラーリング効果を試してみましょう。

表情や仕草など、ちょっとしたところから真似てみると、相手に安心感や信頼感が生まれて良好な関係を築ける可能性が高まります。

4.ミラーリング効果を活用する際の注意点

4.1.相手に不快感を与えない

では、ミラーリングを行うときの注意点とはどんなものがあるのでしょうか?

1つ目は、相手に不快感を与えないことです。例えば、相手が顔をしかめたり、首を振ったりしたときに、相手と同じ行動ばかりとってしまうと、いくら同調行動だとはいえ、ネガティブなイメージがついてしまいます。

また、貧乏ゆすりや舌打ちをするなどの行為を真似ても、不快感を与えるきっかけになってしまい、せっかく相手に好かれようと始めたはずなのにマイナスなイメージを与えることになってしまうので注意が必要です。

4.2.気付かれてしまうと逆効果

注意点の2つ目は、相手にミラーリングしていることを気づかれないようにしなければならないということです。

もし、相手にこちらがミラーリングをしていると気づかれてしまった場合、こちらの「好意を持たれたい」という感情が相手に露見してしまいますし、何よりも真似されたことに対して不快感を持たれる可能性が高いです。

そのため、相手の行動を全て真似したり、不自然なタイミングで真似したりせず、あくまで同調行動として行うくらいにとどめた方が良いでしょう。

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5.ミラーリングをしてくる相手の心理とは?

5.1.ミラーリングをされた場合は?

では逆に、相手から「ミラーリングされているかも」と気づいた場合、ミラーリングをしてくる相手にはどんな意図や心理があるのでしょうか?

1つ目は、先程までの説明と同様に、あなたに対して「好感を持たれたい」などの気持ちがあり、あえて「ミラーリングをしている」可能性があります。また、本人に自覚がなくても、あなたに好意や尊敬心があり、無意識に真似をしてしまっている可能性もあります。

どちらにせよ、良い印象を持たれていることは間違いないとは思いますが、それが恋愛感情や強い好意を保証するものではないので気をつけましょう。

5.2.あなたのことが知りたいのかも

2つ目として、あなたの行動を真似することで、あなたの心理や意図を知ろうとしている可能性があります。

例えば、話をしている最中に、ふと考えながら上を見上げるなどの癖があった場合、相手は「なぜ上ばかり見るのだろう?」と疑問に思い、同じ行動をしてみて意図を探ろうとする可能性があります。

6.ビジネスや恋愛にも

6.1.ビジネスシーンでの使い方

「ミラーリング」は、相手から共感を得たり、身近に感じてもらったりしたい時などにも使えるため、ビジネスシーンでも有効です。

例えば、顧客に提案をしている時、相手がうなずいたり、首をかしげたりしたときに、同じような仕草をして同調することで、相手に好印象を与えることも可能です。

6.2. 恋愛シーンでのテクニック

「ミラーリング」は、相手に好意や親近感を持ってもらいやすい方法なので、恋愛シーンでも活用できます。

例えば、気になっている人が微笑んでいたら自分も微笑む、手を振ってくれたら自分も振り返すなど、自然にできる範囲で取り入れると良いでしょう。

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7.ミラーリング効果以外のビジネスや恋愛で使える心理学

7.1.初頭効果

初頭効果とは、第一印象に関する心理学です。

人は「第一印象で抱いた印象をその後も抱き続ける」という心理があり、その理由が初頭効果という心理によるものです。

第一印象で抱く印象は、その相手と3回会う頃には固定されてしまうようです。

ビジネスや恋愛でも、最初の3回ほどで良い印象を抱いてもらえるかが重要になります。

男性・女性問わず、気になる人がいる場合は第一印象を意識しましょう。

7.2.単純接触効果

短い期間に何度も接触をすることで、徐々に相手に対して好意的な感情を抱く効果を単純接触効果と言います。

この効果により、何度も接触するうちに相手の警戒心を解き、親しみを抱いてもらう効果が期待できます。

気になる相手や、親しみを抱いて欲しい取引先がある場合に試してみたい心理学です。

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8.まとめ

いかがでしたか?恋愛やビジネスシーンでも使える「ミラーリング」。相手から親近感を持ってもらいたいときに、活用してみてはいかがでしょうか。

原稿:緒方万里子
東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース博士課程に在籍中。感情心理学、認知心理学を専門とする。

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