【バンドワゴン効果とは】有利な方についてしまう......多様な活用事例を紹介

ビジネススキル・マナー

この記事では大衆心理を表した現象の一つである「バンドワゴン効果」をさまざまな例を挙げながら解説します。経済や政治、恋愛など多様な分野でその効果が見られますので、ぜひバンドワゴン効果がみられる事象を自分でも探してみてください。

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1.バンドワゴン効果の概要

以下では、バンドワゴン効果の概要と、名前の由来について説明します。

1.1.世間の流行や周りの評判を判断材料にしてしまう心理

バンドワゴン効果とは、多数の人が支持している物事が、より一層支持される現象を指します。

例えば高視聴率のドラマは最終回に近づくにつれて視聴率が右肩上がりで上がっていくことが多々ありますが、これは途中から視聴する人が徐々に増えていく(=他の人が観ているから自分も観る)ことを示しており、バンドワゴン効果の顕著な事例と言えます。

1.2.行列の先頭をいく楽隊車

「バンドワゴン」とは行列の先頭を行く楽隊車のことで、パレードでは楽隊車の後ろに行列がついていくことから転じてこの用語が生まれました。

1.3.他者との同質化願望が背景

この現象は「他の人と同じものが欲しい、同じことがしたい」という同質化願望、心理が背景にあります。

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2.バンドワゴン効果についての研究

バンドワゴン効果はさまざまな学問領域で研究されています。以下では、経済学、政治学、社会学におけるバンドワゴン効果の研究内容について簡単にみていきます。

2.1.経済学におけるバンドワゴン効果

ミクロ経済学においてバンドワゴン効果は、同じ財を消費する人が多ければ多いほど自分がその財を消費することの効用が高まる、という文脈で使われます。流行に乗ることそれ自体が持つ効果としてアメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインが名付けました。

ミクロ経済学において製品の価値が利用者数に依存することをネットワーク外部性と言いますが、バンドワゴン効果は正のネットワーク外部性を持つ商品・サービスにおいて見られることがあります。

その商品・サービスを活用する人が一定の閾値を超えると爆発的に普及する例は、古今東西様々な場面で見られるでしょう(例:QR決済アプリの普及など)。

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2.2.政治学におけるバンドワゴン効果

個人の投票行動において、事前に優勢とされた候補者に投票が集まる現象についてもバンドワゴン効果によって説明ができます。

特に誰に投票したかがよく分かるケースにおいては、勝者からの見返りの期待や報復への恐れから、バンドワゴン効果がより強く働くとされます。

2.3.社会学におけるバンドワゴン効果

バンドワゴン効果と同じような意味として使われる用語に「社会的証明の原理」というものがあります。

これは社会心理学で使われる言葉で、自己の判断よりも社会の多数である他人の判断を信頼し、それに従って行動してしまう心理を示しています。

「飲食店に入るときに行列の長さでお店を決める」「商品を購入するときにランキングや口コミサイトを参考に購入する」、などは社会的証明の原理の例と言えるでしょう。

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3.バンドワゴン効果の活用事例

人間社会のさまざまな事象の背景にバンドワゴン効果が見られ、活用されています。

3.1.選挙

選挙活動においては、優勢であることを伝えられている候補者により票が集まるという現象を期待し、「支持基盤が盤石であること、大勢から支持されていること」をアピールする場合があります。

3.2.ビジネス・投資

商品の需要を高める方法として、「商品が流行していることを宣伝する」のもバンドワゴン効果の活用事例です。

「アメリカ西海岸で大流行!」のような宣伝はまさにバンドワゴン効果を活用した事例と言えるでしょう。

3.3.恋愛

恋愛の駆け引きにおいてもバンドワゴン効果を意識することが有効でしょう。「モテる人がますますモテる」「友達が好きな男性を好きになってしまう」などの現象はバンドワゴン効果で説明できます。

過度なモテアピールはマイナスに働く可能性もありますが、適度なモテアピールは恋愛を有利に進めるのに役立つかもしれません。

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3.4.SNS

SNSを活用したインフルエンサーマーケティングもバンドワゴン効果を活用した事例です。

例えば「あの有名人が通うカフェに私もいきたい」と思わせる事例などが当てはまります。

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4.スノッブ効果

バンドワゴン効果とは逆の働きをする効果として「スノッブ効果」が挙げられます。以下ではその概要を説明します。

4.1.他人とは違うものが欲しいという心理

バンドワゴン効果とは逆に、他人と違うものが欲しいという心理をスノッブ効果と言います。

バンドワゴン効果と同じくアメリカの経済学者ライベンシュタインが名付けました。

4.2.限定性や希少性が価値

スノッブ効果では、簡単に入手できないもの、入手が困難なものほど需要が高まり、簡単に手に入るものは需要が減少します。

背景には他人との差別化願望があり、「ある場所でしか手に入らない商品の人気が高まる」「その時期限定のアイテムを購入するために徹夜する」などはスノッブ効果をよく表した事例と言えるでしょう。

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4.3.消費の外部性

バンドワゴン効果やスノッブ効果は、個人の選択が商品の優劣ではなく他人の行動に影響されることを示しています。こうした消費行動における他人からの影響のことを「消費の外部性」と呼びます。

昨今はインターネットの普及もあり、友人知人だけでなく、遠く離れた見知らぬ他人を意識する傾向が強まっており、消費の外部性は強まっています。

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5.まとめ

いかがだったでしょうか。バンドワゴン効果が個人にとどまらず社会全体に影響を及ぼし、大きく活用されていることが分かっていただけたのではないでしょうか。

バンドワゴン効果やスノッブ効果を理解し、活用すれば、ビジネスや恋愛にも役立つかもしれません。

原稿:酒井富士子

編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。暮らしに役立つ最新情報を解説する。

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