「文章力が乏しくて、相手に自分の考えが伝わらない」と悩んでいる人もいるでしょう。
今回は、ビジネスパーソンに必要な能力である「文章力」について解説します。文章力を鍛えるメリットや、能力を向上させる方法、ポイントをまとめました。
本記事を参考に文章力を鍛えれば、相手に意図を的確に伝えられるようになるため、円滑なコミュニケーションを図ることができるでしょう。
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1. 文章力とは
文章力とは、的確な言葉や表現、言い回しを選択し、意図やメッセージを正しく伝える能力のことを指します。
文章力を高めるためには、1つのスキルを磨くだけではなく、表現力や語彙力、論理的思考力、読解力など複数の能力要素を総合的に身につけなければなりません。
そのうえで、文章の構成や文体、文法の知識や、読み手への理解度といった想像力も必要になります。
文章力を高めることで、論理的な思考が身についたり、自分の意思が明確に伝わりやすくなったりするので、円滑なコミュニケーションを図れるようになるでしょう。
【関連記事】「ビジネススキルにはどんなものがある?自分にあったスキルの見つけ方や習得方法について」
2. 文章力を鍛えるメリット
文章力を鍛えると、自分の意思を相手に明確に伝えられるため、さまざまな場面で役立ちます。
ここでは、具体的なメリットを3つ挙げて解説します。「文章力を高めたい」「なぜ文章力が必要なのか分からない」という方はぜひチェックしておきましょう。
2.1. 自分の意思を明確に伝えられるようになる
文章力を鍛えることで、自分の考えていることや伝えたいことを相手へ正確に届けられるようになります。
「文章力=文面でしか生かせない」と考える方もいると思いますが、直接会話する際にも役立つ能力の1つです。
相手が誤解してしまい、トラブルに発展した経験があったり、「これはどういう意味ですか?」とよく質問されたりする方は、文章力を磨くことで解決できる可能性があります。
優れた文章力があれば、分かりやすく的確な言葉で情報を伝えられるので、齟齬が生じず、良好な関係性を構築できるでしょう。
2.2. 論理的な思考が鍛えられる
論理的な思考とは、物事を体系的に捉えて整理し、根拠をもとに道筋を立てる思考法のことです。論理的思考力やロジカルシンキングと呼ばれることもあります。
文章力を磨くと、論理的に文章を組み立てられるようになることが大きなメリットです。
Web上の文章やビジネス文書では、「結論→理由→具体例→結論」の流れに沿って書くだけで論理的な文章に仕上がる「PREP(プレップ)法」がよく使われています。
とくにビジネスシーンでは、スムーズに情報を伝達したり、意志確認したりしなければならないので、物事を論理的に捉えて、簡潔に伝えられる能力である「文章力」が必要不可欠だと言えるでしょう。
【関連記事】「ロジカルシンキングとは?簡単に身に着ける方法・鍛え方・メリットを解説」
2.3. 業務スピードの向上につながる
文章力を鍛えることで、業務スピードがあがり、生産性の向上につながります。例えば、支離滅裂で要点を捉えられていない文章では、情報が正確に伝わらないだけでなく、文章に目を通してもらえない可能性もあるでしょう。
文章力を高めることで、要約力が身につき、伝えるべきことを簡潔にまとめられるようになります。社内外でのやり取りの回数を最低限に留められ、「報連相」の円滑化にもつながるでしょう。
また、資料作りや企画書、報告書をスムーズに作成できたり、「言葉の曖昧さ」や「誤解」によるトラブルを回避できたりする点もメリットです。
【関連記事】「スキルアップとは?メリットや高めるための方法について徹底解説」
3. 文章力を向上させるためにできること
ただ漠然と文章を書いたり、新聞や書籍の文章を書き写したりするだけでは、文章力を向上させることはできません。
ここでは、文章力の向上に役立つ取り組みを5つ紹介しますので、できそうなものからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
3.1. テーマを決めて記事を書いてみる
実際に記事を執筆し、実務経験を積み重ねることで、効率的に文章力を高められます。
「何を書いたらいいのか分からない」という方は、Web上の文章を作成する「Webライティング」に挑戦してみると良いかもしれません。
Webライティングは、スマートフォンやPCで「素早く情報収集をしたい」という方に向けて書く文章ですので、ユーザーが求めている事柄を簡潔にまとめるスキルが求められます。
紙媒体とは異なるライティング技術が必要ですが、論理的に文章をまとめる力を養うためには、ぴったりだと言えるでしょう。
WordやGoogleドキュメントに自分の興味のある事柄に関する記事を書いて、慣れてきたらクラウドソーシングサイトなどを活用し、Webライターとして仕事を受注してみるのもいいでしょう。
【関連記事】「Webライティングとは?基本構成やチェックポイントについてご紹介」
3.2. 他の人の文章を読み要約してみる
他の人が書いた文章を読んで、要約してみることで「読解力」と「要約力」が同時に鍛えられます。
どちらも文章力を高めるために重要な要素ですので、「1日1回文章を要約する」「休日に3回以上要約する」などと自分でルールを決めて取り組むと良いでしょう。
文章を要約する際には、以下の流れに沿って進めれば、読解力と要約力を効率的に向上させることができます。
【文章を要約する手順】
- 一通り文章を読んで大まかな内容を把握する
- 要点をキーワードを抜き出す
- 段落分けして、自分の言葉でまとめる
3.3. 読みやすいと感じた文章の構成を考えてみる
日常生活では仕事でのビジネス文書や、Web検索した時に表示される文章、SNSで記載されている文章など、さまざまな文章構成に触れる機会があります。
その機会を生かして、「読みやすい」「スムーズに理解できた」と感じる文章をピックアップして、構成(文章の流れ)をチェックしてみましょう。
文章には、前述した「プレップ法」以外にも複数の構成が存在し、流れに沿って作られた文章は読み手から「読みやすい」「理解しやすい」と思ってもらえる傾向にあります。
構成の種類 | 流れ | 特徴 |
---|---|---|
三段構成 | 序論→本論→結論 | すぐに結論や自分の主張を伝えたいとき、論文やデータ紹介の記事に適している |
PREP法 | 結論→理由→事実や具体例→結論 | ビジネス文書やWeb上の文章に適している |
四段構成 | 起承転結 | 小説やブログ、コラムなどじっくり読んでもらいたい記事に適している |
PASONAの法則 | 問題→親近感→解決策→提案→絞り込み→行動 | 読者に行動を起こして欲しい記事に適している |
構成の型に沿って書くだけで、読みやすい文章に仕上がるので、積極的に活用しましょう。
3.4. 本をたくさん読む
本をたくさん読むと、ボキャブラリーが増えたり、想像力が磨かれたりといった効果も期待できるので文章力の向上につながります。
また本を読む過程で繰り返し文章の意図を読み解くため、読解力や思考力が鍛えられるメリットもあります。
語彙力や想像力、読解力、思考力は、どれも文章力を高めるために必要な要素です。読書をすることで総合的なスキルアップを図れるので、積極的に良質な文章に触れるようにしましょう。
【出典】厚生労働省「「生涯学習施策に関する調査研究」読書環境・読書活動に関する諸外国の実態調査 調査報告書」
3.5. SNSの文章構成を参考にしてみる
SNSには、さまざまな投稿で溢れているため、ユーザーに興味を抱いてもらうためには、優れた文章力が必要です。
とくにおすすめに表示される投稿は、「相手の心に刺さる文章」「心を動かして行動を促す文章」が書かれている傾向にあります。
これらの文章構成を参考にすることで、魅力的な文章をスムーズに執筆できるようになるでしょう。
具体的な方法としては、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを開いて、目に留まった投稿の文章をチェックしてみると良いかもしれません。
【関連記事】「リスキル(リスキリング)とは?注目されるようになった背景やリカレントとの違いについて紹介」
4. 文章力を鍛える際のポイント
ここでは、文章力を鍛える際に気を付けるべきポイントを6つ紹介します。
4.1. 誰でもわかる言葉で書く
テーマや文章を読む相手によって異なりますが、専門用語が多い文章や、特定の業界・人、部署の間でしか読み解けないような言葉を控えることも重要です。
難しい言葉や言い回しが多い文章は、読み手にストレスを与えてしまうので、誰でもわかる・理解しやすい言葉を意識しながら簡潔に仕上げましょう。
4.2. 冗長な表現・回りくどい言い回しは避ける
文章は、分かりやすく情報を伝えることが重要ですので、冗長な表現・回りくどい言い回しは避けましょう。
文章内に不要な文言や表現が含まれることで、「読みづらい長文の文章」になってしまい、意図が伝わりません。
すっきりとした読みやすい文章を作成するために、以下のポイントをチェックしましょう。
【ポイント】
- 一文を短くする(一文一義を心がける)
- 同義語・類義語の重複を避ける
例)「一貫して貫いた」「頭痛が痛い」 - 二重敬語を使わない
例)「拝見させていただきました」→「拝見しました」 - 冗長な文末を控える
例)「~することができる」→「~できる」 - 難解な表現
例)「存在する」→「ある」
4.3. 図や表を用いる
ビジネス文書などで図や表を挿入できるなら、積極的に取り入れましょう。
長い文章を読み解くためには、時間や労力がかかりますが、図や表を用いることで視覚的に理解しやすくなります。
情報をわかりやすく表現できるため、読み手の理解度を高められることもメリットです。
現在では、デザインスキルがなくても、簡単に図解やグラフを作成できるツールもあるので、有効的に活用して仕事やプライベートに役立てましょう。
4.4. 一番伝えたいことは何か明確にする
「結局、何を伝えたいのか分からない」という文章にならないために、要点を押さえて書くことが大切です。
一番伝えたいこと(結論)を冒頭に記載することで、読み手は「文章全体の大まかな内容」が分かるので、ストレスなく読み進められます。
また、伝えたいことを意識して執筆するのは大切ですが、読み手が求める内容になっているかを確認しながら書き進めることも重要です。
書き終わったら、読者の視点になって読み返して、文章の流れや表現に違和感がないかを確かめましょう。
4.5. 何度も読み返す
文章は、書き終わったら何度も読み返して、より良い内容へとブラッシュアップしましょう。書いている段階では、誤字脱字や文章のつながりが不自然な箇所に気づきにくいからです。
書き終わったら時間を置いてから再度見直したり、音読したりすると文章の違和感を見つけやすくなります。
また可能であれば、同僚や家族など自分以外の人に読んでもらうのもおすすめです。第三者が読んでもすぐに理解できる内容であるか確認してもらいましょう。
4.6. 目的によって構成を変える
文章の構成には、いくつか種類がありますが、目的やシーンによって使い分ける必要があります。
例えば、伝えたい内容を要件→詳細→要件の順に文章を組み立てる「SDS法」は、短時間でわかりやすく情報を伝えたいときに使用するのが一般的です。
また、過去→現在→未来の流れに沿って配置される「時系列法」という文章構成もあります。
流れや型に沿って執筆するだけで、説得力のあるわかりやすい文章に仕上がるので、書き方のパターンや構成に関する知識を深めておきましょう。
【関連記事】「若手ビジネスパーソンが準備しておくべき「スキルセット」とは」
5. ビジネスパーソンが身に付けたい、その他のスキル
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6. まとめ
文章力を鍛えることで、論理的思考力が身につき、相手に自分の意思を明確に伝えられるようになります。
誤解や言葉の曖昧さによって生じるトラブルを回避したり、円滑なコミュニケーションを図ることができたりと、さまざまなメリットが期待できます。
文章力に自信のない方は、「テーマを決めて記事を書く」「文章を要約する」「良質な文章に触れる」といったトレーニングを繰り返して、着実に力をつけていきましょう。
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