一口に「スキル」と言っても、コミュニケーションスキルやビジネススキル、ポータブルスキルなどさまざまな種類があります。
そのため、どのようなものがあるのか、何をしたら高められるのか分からない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、スキルの定義や似た意味を持つ「能力・知識」との違い、種類について解説します。
併せて、具体的なスキルアップ方法も解説するので、スキルに関する基礎知識を身につけたうえで、必要な能力の向上を図ることができるでしょう。
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1. スキルの意味や定義
スキルとは、訓練や学習によって培われた高度な能力のことを指します。生まれ持った才能とは異なり、努力して技術や知識を磨けば、伸ばすことができる能力です。
一般的にスキルは広く使われる単語ですが、ビジネスシーンで用いられるときには「ビジネススキル」であることが多いです。ビジネススキルとは、仕事をするうえで必要な能力のことを指し、コミュニケーションスキルや進捗管理スキル、PCスキルなどが挙げられます。
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2. 能力・知識との違い
スキルとよく似た言葉に「能力」や「知識」があります。この2つの単語とスキルの違いが分かれば、よりスキルに関する理解度を高められるでしょう。
2.1. 能力との違い
能力とは、生まれつき持っている才能や、力のことを意味します。一方、スキルは前述のとおり、経験や努力を積み重ねて磨かれる能力・技能のことです。
また、広辞苑(第6版)によると、「能力は物事をなし得る力」と記述されています。
能力の一部にスキルや知識が含まれているようなイメージです。能力は、抽象的な言葉ですので、「この言葉が用いられるシーンによって、意味合いが変わる」と認識しておきましょう。
2.2. 知識との違い
知識とは、特定の物事や分野、情報について「知っている・理解している」状態のことを指す際に用いる言葉です。
それに対し、スキルは知っていることに加えて、行動に移せる状態を意味します。例えば、下記のように「パソコン操作の状態」で考えると分かりやすいかもしれません。
- 知識:パソコンの操作方法を知っている
- スキル:実際にパソコンを扱うことができる
知識は勉強をして頭で覚えることを指し、スキルは実践して活用できる状態を意味します。
【関連記事】「ヒューマンスキルとは?高めるメリットや構成要素、具体的な方法について」
3. スキルの種類やそれぞれの意味
一般的にビジネスパーソンがよく使うスキルには以下のようなものがあります。
- ビジネススキル
- ポータブルスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- ヒアリングスキル
- プレゼンテーションスキル
- 問題解決スキル
- 営業スキル
- 語学スキル
- ITスキル
これらはすべて生まれ持った才能ではなく、経験や知識などによって養うことができます。
自分の思い描くキャリアプランを実現するために必要だと思うものがあれば、積極的にスキルアップを目指しましょう。
3.1. ビジネススキル
ビジネススキルとは、社会人が仕事をするうえで、必要な能力のことです。
例えば、「パソコンスキル」のよう業務を遂行するうえで欠かせないものから、「コミュニケーションスキル」や「課題解決力」「論理的思考力」といった能力が含まれます。
なお、ハーバード大学の教授ロバート・L・カッツ氏が提唱した「カッツ・モデル」と呼ばれる理論によると、ビジネススキルは以下の3つに大別されます。
- テクニカルスキル
- ヒューマンスキル
- コンセプチュアルスキル
1つずつ把握しておくと、ビジネススキルの習得に役立つでしょう。
3.1.1. テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、業務を遂行するうえで欠かせない知識や技術のことです。
例えば、事務職ならPCスキル、営業職であれば商品知識、IT技術職はITスキルといった専門的なスキルや技術が挙げられます。
ほかにも、ビジネスマナーや文書作成能力、進捗管理能力など汎用性が高く、どの業界・職種でも活用できるスキルが含まれます。
3.1.2. ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、円滑な人間関係を構築する能力のことです。
具体的には、自分の主張を相手に正確に伝えたり、相手の考えや価値観を受け入れたりする能力のことを指します。
ヒューマンスキルを構成する要素は、コミュニケーション能力のほか、リーダーシップ力やヒアリング力、コーチング力などが挙げられ、それぞれが複合的に混ざりあってヒューマンスキルが成り立っているのです。
【関連記事】「ヒューマンスキルとは?高めるメリットや構成要素、具体的な方法について」
3.1.3. コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、物事の本質や共通点を見きわめて、組織や個人のパフォーマンスを最大限に高める能力のことです。
ロバート・L・カッツ氏は、企業経営に重要な判断を下す機会が多い「上級管理者(経営者層)」に対して、コンセプチュアルスキルを高めるべきだと説明しています。
なお、コンセプチュアルスキルは、ロジカルシンキング(論理的思考)や多面的視野、洞察力、応用力などの要素で構成されており、能力を伸ばすためにはこれらの要素を1つずつ高める必要があります。
【関連記事】「コンセプチュアルスキルとは?構成する要素や重要性、高める方法とは」
3.2. ポータブルスキル
ポータブルスキルは、厚生労働省により「職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル」と定義されています。
終身雇用や年功序列といった従来の制度が通用しにくくなった現代では、ビジネスパーソン一人ひとりが転職力を高めなければなりません。
ポータブルスキルを身につければ、業種や業界問わずどのような環境でも自分の能力を最大限に生かして活躍できる人材になれるでしょう。
【出典】厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」
3.3. コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルとは、良好な人間関係を構築する能力のことです。
コミュニケーションスキルが高い人は、対人間でスムーズな意思疎通を行い、信頼関係を築けるため、社内外の雰囲気を良好にすることができます。
日常的に、相手の話に耳を傾けて、気持ちに寄り添うことを意識すれば、コミュニケーションスキルを高められるでしょう。
【関連記事】「コミュニケーション能力とは?その重要性や能力の高い人の特徴、スキルについて」
3.4. マネジメントスキル
マネジメントスキルとは、何らかの対象を管理する能力のことを指し、日本語では「経営資源を管理する能力」と訳されます。
周囲の人材をまとめる「リーダーシップ」「コーチングスキル」や、組織の方向性や重要事項を決定づける「判断力」「ビジョンメイキングスキル」などの要素が含まれます。
マネジメントスキルを伸ばすことで、組織の生産性の向上や、従業員の定着率アップなどの効果が見込めるため、企業成長への貢献度が高いスキルだと言えるでしょう。
【関連記事】「【リーダーシップとマネジメントとの違いとは】リーダーに求められる能力5選」
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3.5. ヒアリングスキル
ヒアリングスキルとは、相手の話を聞いたり、情報を引き出したりする能力のことです。
相手の発言だけではなく、表情や仕草なども含めて分析しながら、本心や要望を正確に把握します。
ヒアリングスキルの高い人は、社内はもちろんのこと、取引先や顧客とも円滑なコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことができるため仕事をスムーズに進められるでしょう。
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3.6. プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルとは、情報をわかりやすく的確に伝えられる能力のことです。
会議や商談の場だけでなく、普段の会話でも自分の意思を相手へ正確に伝えるシーンは多くあるので、プレゼンテーションスキルが高ければ円滑な人間関係を構築できます。
プレゼンテーションスキルを磨くと、論理的思考力や、相手が求めているものを把握するスキル、臨機応変な対応力などが身につくこともメリットです。
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3.7. 問題解決スキル
問題解決スキルとは、問題を迅速かつ的確に解決へと導く能力のことを指します。
具体的には、問題や課題を発見したら、その本質を見きわめて解決までの道筋を明確化し、実行できる能力のことです。
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3.8. 営業スキル
営業スキルとは、営業職が商談や顧客対応などで生かせる能力のことを指します。
営業に必要なスキルは複数あり、どれか一つだけ長けていれば良いというものではありません。総合的に営業スキルを伸ばさなければ、営業担当として大きな成果を上げることは難しいかもしれません。
営業スキル例
- コミュニケーションスキル
- 課題発見力
- 分析力
- タイムマネジメント能力
- ヒアリングスキル
- ロジカルシンキング
- 交渉力
- マーケティング力
- クロージング能力
高い営業スキルがあれば、企業価値を正確に顧客へと伝えられ、売上に貢献できるため、企業にとって欠かせない人材になれるでしょう。
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3.9. 語学スキル
語学スキルとは、外国語(英語や中国語など)を使いこなせる技能のことを意味します。
単語や文法の知識を有しているだけではなく、ネイティブと対等の英語力が必要です。
グローバル化が進む現代では、語学スキルの高い人材を求める企業が増えています。
将来的にグローバルな活躍を希望している方や外資系企業への転職を考えている方は、身につけておきたいスキルだと言えるでしょう。
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3.10. ITスキル
ITスキルとは、PCやスマートフォンなどの通信機器を扱える技能のことです。
経済産業省は、「2030年には最大79万人のIT人材が不足する」と発表しているように、ITスキルを持つ人材は今後ますます需要が高まるでしょう。
企業によって求めるITスキルのレベルが異なります。プログラミングスキルや、インフラ関連・情報セキュリティに関する知識、AI活用といった最新技術の知見などが代表的です。
どのITスキルを身につければ、思い描いたキャリアプランを実現できるのかをよく考えて行動しましょう。
【関連記事】「ビジネススキルにはどんなものがある?自分にあったスキルの見つけ方や習得方法について」
4. スキルアップするための方法
どの能力・技術においてもスキルアップを図るためには、実践的に鍛えることが大切です。ここでは、具体的にどのようなことをすれば、スキルアップにつながるのか詳しく解説します。
4.1. 資格の勉強・取得をする
スキルアップを図るためには、資格取得を目標として勉強に励むことをおすすめします。
試験日から逆算して、いつまでに何を身につけなければならないのかが明確になるので、着実に力をつけられるでしょう。
ほとんどの資格は、体系的に学習プログラムが組まれているので、得意分野のスキルを網羅的に伸ばせます。
現職で生かせる資格や、将来的なキャリア形成に必要なスキルがあれば、積極的に取得しましょう。
4.2. 勉強会やセミナーに参加してみる
効率よくスキルアップを図るために、勉強会やセミナーに参加すると良いかもしれません。
特定の分野に精通した専門家から直接学べるので、知識やノウハウ、技術などをそのまま得られる点が最大のメリットだと言えます。
また、疑問や課題について質問すれば、その場で疑問が解消され、情報を深掘りできるのでスキルアップに役立つでしょう。
勉強会やセミナーで得た知識や技術を仕事で生かしながら、実践を積み重ねることで、自分の能力を高められます。
4.3. 副業や転職を考えてみる
スキルアップの方法としてもっとも重要なポイントは「実践的に鍛える」ことです。
副業や転職によって新しい環境に足を踏み入れると、従来のスキルを生かすことに加え、新たな能力や技術の習得も必要になるでしょう。
新しい環境に身を置くことで、自分の弱点を克服できたり、適応力が養われたりするメリットもあります。
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5. まとめ
従業員一人ひとりが優れたスキルを持つことで、組織力の向上を図れます。
これからの社会で活躍できる人材になるために、自分に必要なスキルを習得して実力を高めましょう。
スキルは基本的に知識を得るだけでは定着しにくいため、日頃から意識して実践的に鍛えることが大切です。
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