言語化力とは?うまい人の特徴やトレーニング方法を解説

ビジネススキル・マナー

「伝えたいことがあっても、うまく言葉にできない...」そんな経験はありませんか? 言語化とは、自分の考えや感情を整理し、適切な言葉で表現する力のことです。このスキルが高いと、相手に分かりやすく説明できるだけでなく、話の説得力もアップします。本記事では、言語化がうまい人の特徴を紹介し、言語化力を鍛える具体的なトレーニング方法を解説します。思考を言葉に変え、より的確に伝えられる力を身につけましょう。

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1 言語化とは?

話が上手な人のことを「言語化がうまい」「言語化力が高い」と言うことがありますが、そもそも「言語化」とはどのような意味なのでしょうか。

言語化とは、自分の思考や感情、アイデアなどを言葉で表現することです。頭の中にある抽象的な考えを整理して具体化し、言葉にして他者に伝えるスキルを指します。

言語化力が高いと、事業計画や顧客からの新しい依頼といった複雑な内容を伝えられるので、説得力のある発言ができるようになり、周囲からの信頼度もアップします

また、言語化と似た言葉である「語源化(ごげんか)」は、ある言葉の語源を探り、どのように生まれたかを明らかにすることを指します。つまり、「言語化」は思考を言葉にするプロセスであり、「語源化」は言葉の成り立ちを分析する行為です。似たような読み方の言葉ですが、言語化と語源化は全く異なる意味を持つため間違えないよう注意が必要です。

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2 言語化力を構成する5つの力

考えたことを言葉に変換して伝えるまでには、さまざまな工程が必要であり、求められる力も異なります。ここでは、言語化力を構成する主な能力を5つ紹介します。

2.1 観察力

考えを言葉にする前提として、まずは物事を正確に捉える力が求められます。観察力が高い人は、細かい事実や相手の感情の変化に気づきやすく、より具体的で適切な表現を使うことができます。

例えば、営業においては「相手が抱きやすい不安」をあらかじめ察知して言語化し、相手に提示することがあります。そうすることで、相手に寄り添う姿勢が伝わり、不安を解消しやすくなるからです。

こういった場面では、相手の表情や態度をよく観察して、言葉のニュアンスを感じ取ることが重要です。観察力があるほど相手に共感しやすく、伝わりやすい言葉を選ぶことができます。

2.2 具体化力

言語化する際は、考えや感情を正確に表現することが大切ですが、そのためには「抽象的な概念を具体的に伝える力」が不可欠です。

例えば、「この商品は使いやすい」と言うだけでは抽象的でいまいち内容が伝わりませんが、「ボタンが大きく、ワンタッチで操作できるので使いやすい」と具体的に表現すれば、魅力をしっかり伝えられます。

このように具体化力があると、曖昧な表現を避け聞き手がイメージしやすい言葉を選べるため、コミュニケーションの質が向上します。

2.3 要約力

要約力がないと、伝えたいことが冗長になったり、本質がぼやけたりしてしまいます。仕事の効率が低下することにもなるため、周囲からの信頼を失ってしまう恐れもあります。そのため、言語化では重要なポイントを簡潔にまとめる力が必要です。

例えば、会議の報告をする際は、「〇〇について合意し、次のステップは△△です」と要点をまとめることで、相手に重要なポイントをしっかり伝えられます。

2.4 語彙力

「嬉しい」という一つの感情を伝えるときも、「感激しました」「興奮します」「満足感でいっぱいです」など細かいニュアンスの違いを表せると、より正確なコミュニケーションができます

そのためには、多様な語彙を持っていることが重要です。語彙力が不足していると、伝えたい内容を的確に表現できず、本心とは異なる意図が伝わってしまったり、「あれ」「それ」「なんとなく」といった曖昧な表現が増えたりする可能性があります。

2.5 伝達力

伝達力とは、相手の理解度や状況を考慮しながら、分かりやすく伝える力のことです。例えば、専門的な話をする場合は、相手に合わせて噛み砕いた表現を使ったり、具体例や体験談を交えたりしながら伝える必要があります。

いくら豊富な語彙を持ち、考えを的確に要約できたとしても、それを分かりやすく相手に伝えられなければ意味がありません。ここまで紹介した4つの力に伝達力が組み合わさることで、初めて効果的な言語化が可能になります。

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3 言語化がうまい人の特徴

相手に「この人の話はわかりやすい」「内容に説得力がある」と感じさせる言語化がうまい人には、どのような特徴があるのでしょうか。

3.1 物事を論理的に整理できる

言語化がうまい人は、話す前に「何を伝えるべきか」「どう説明すれば伝わるか」を考え、順序立てて整理する力があります。そのため、相手にわかりやすく、説得力のある伝え方ができます。

例えば、複雑な内容でも「結論→理由→具体例」と整理することで、聞き手が理解しやすくなります。この能力があると、会話や文章作成がスムーズになり、仕事で信頼を得やすくなります。

3.2 抽象と具体を使い分けられる

抽象と具体の例を挙げると、「努力が大切」という表現は抽象的であり、「毎日30分の読書を続けることが成長につながる」という表現は具体的です。

抽象的な言葉は、物事の本質を捉えやすく広く適用できますが、内容をイメージしにくいというデメリットがあります。一方、具体的な言葉は理解しやすいものの、応用範囲が限られてしまいます。

会話では、これらの表現を的確に行き来することが重要ですが、言語化がうまい人はシーンに応じて正しく使い分けられるので、相手の理解を助けながら話を進めることができます

3.3 相手に伝わる言葉を選べる

専門用語や難しい言葉を使って自分の考えを正確に表現できたとしても、相手がそれを理解できなければ意味のないものになってしまいます

逆に、簡単すぎる言葉を使うと、本来の意図が伝わらないうえに、相手を不快な気分にさせてしまうこともあります。そのため、言語化する際は相手の知識や背景を考え、伝わりやすい言葉を選ぶことが大切です。

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4 言語化力を高めるメリット

ここでは、言語化力を高めることでどのようなメリットがあるのかを紹介します。言語化力はビジネスでも役立つ能力なので、あらためてメリットをチェックしておきましょう。

4.1 自分の意見や提案が通りやすくなる

会議やプレゼンでは、自分の考えを正確に伝える必要があります。誤解なく伝えることができれば、相手からの納得や協力を得やすくなるでしょう。

逆に、内容が不明瞭だと、相手が意図を汲み取るのに時間がかかり、提案が通りにくくなってしまいます。言語化力を高めることは、コミュニケーションを円滑にし、自分の意見や提案をより効果的に伝えるための重要なスキルです。

4.2 問題を早期に解決できるようになる

仕事で問題が発生したときは、いち早く原因を究明して、適切な対応策を考えなければなりません。そのためには、現在の状況や問題点を素早くまとめ、正確に関係者へ伝えることが重要です。

正しい言語化によって正確な情報を共有できれば、無駄な時間をかけることなく、迅速に解決策を見つけられるでしょう。このように、言語化力を高めることは、問題解決のスピードを早めることにもつながります。

4.3 自分の行動や意思を客観視できるようになる

自分の考えや感情を言葉にすることで、内面が整理され、自己理解が深まります。例えば、「なぜその行動を取ったのか」「どんな意図があったのか」を言語化すれば、他人の視点からも自分を見つめ直すことができるでしょう。

言語化は、自分の無意識的な行動や偏った思考に気づき、改善点を見つけやすくするためにも有効な手段です。

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5 言語化力を高めるトレーニング方法

さまざまなメリットがある言語化ですが、能力を高めるにはどうすれば良いのでしょうか。ここからは、日常生活で実践できる具体的なトレーニング方法を4つ紹介します。

5.1 読書や話し方の観察で語彙力を身につける

読書を通じ、さまざまな表現や言い回しに触れることで言葉の幅を広げられます。また、言語化がうまい人の話し方を観察をすると、その人がどのように言葉を選び、伝えているかを学べます

言語化力を高めるには、このようにして徐々に語彙力を増やす努力が大切です。語彙力が身につけば、表現のバリエーションが増え、思考や感情をより正確に伝えることが可能になるでしょう。

5.2 思考を整理する習慣をつける

思考が整理されていないと、言葉にする際に適切な表現が見つからず、正確な意図を伝えられません。そのため、日常的に自分の考えをメモしたり、話す前に一度頭の中で整理してから言葉にしたりする習慣をつけることが大切です。

また、思考の整理は論理的に物事を考える力も育てるため、より説得力のある言語化が可能になります。

5.3 日記を書いて要約力を鍛える

日記は自分の思考を振り返る手段であり、言語化を練習するツールとして非常におすすめです。日記を書くことで、自分の思いや日々の出来事を言葉にする習慣が身につきます

その際、長文を書きすぎず、要点を押さえて簡潔にまとめることで、要約力も鍛えられます。要約力を鍛えると、複雑な考えや感情を短い言葉で表現する力がつくので、より効果的に気持ちを伝えられるようになります。

5.4 外に向けてアウトプットしてみる

言語化力を高めるには、自分の言葉を使い、外に向けてアウトプットするステップが欠かせません。思ったことを言葉にして発信する練習を繰り返すことで、言語化する力が鍛えられます。

例えば、友達や家族に自分の考えを話したり、ブログやSNSに投稿したりするのが効果的です。日記とは違い、相手の反応を確認できるのも大きなメリットです。アウトプットすることで、伝え方の改善点に気づき、さらに洗練された表現が可能になるでしょう。

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6 まとめ

言語化とは、自分の考えや感情を言葉で表現する能力です。言語化がうまい人は、物事を論理的に整理できたり、適切な言葉を選べたりするので、意見や提案が通りやすくなるなど多くのメリットを感じられます。

言語化力は、日常生活の努力で少しずつ高めることができます。「ビジネスシーンで説得力のある話がしたい」「感じたことを正確に伝えたい」という方は、ぜひ本記事を参考にして言語化力の向上を目指しましょう。

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