推進力とは?推進力がある人の特徴や高める方法を解説

ビジネススキル・マナー

推進力とは、目標を達成するための行動を継続的に進める力を指します。どんなに優れたアイデアや戦略があっても、実行に移せなければ意味がないため、推進力はビジネスにとって不可欠な能力です。この記事では、推進力がある人の特徴や、ビジネスパーソンにとっての重要性、また推進力をどのように高めるかについて具体的に解説します。目標達成に向けて高い推進力を身につけたいと感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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1 推進力とは

ビジネスシーンでよく使われる「推進力」には、どのような意味があるのでしょうか。また、「促進力」「実行力」など類語との違いや、言い換え例なども紹介します。

1.1 推進力の意味

推進力とは、「物事を前におし進める力」のことです。物理学では、移動する物体を進行方向へ進める力を指しますが、ビジネスシーンでは「目標達成のため、積極的に働きかけて遂行する力」を指すのが一般的です。

具体的には、プロジェクトを実行する際、成功に向けて問題解決に取り組み、周囲を巻き込みながら物事を進める力を意味します。

推進力がある人は、プロジェクトの進行役としてリソースを調整し、メンバーをサポートしながら目標達成に向けて努力することができます

1.2 推進力・促進力・実行力の違い

先述のとおり、「推進力」は物事を前に進める力を指します。特に、大きな変化を生み出すための力として使われることが多いです。

一方、「促進力」は物事の進行や発展を加速する力を指します。直接的に物事を前進させるというよりは、すでに進行している過程を加速する力と言えます。

対して、「実行力」は計画やアイデアを実際に行動に移し、成果を出す力です。アイデアを思いつくだけでなく、それを具体的に形にするために行動する力を指します。

1.3 「推進力がある」の言い換え例文

「推進力がある」という言葉を言い換える際の例文を紹介します。「推進力がある」では伝わりにくい可能性があるため、面接の自己PRなどでは以下のような表現を使用するのがおすすめです。

  • 自発的に行動する力がある
  • 周囲を巻き込みながら物事を進められる
  • 目標達成に向けて主体的に取り組む力がある
  • チーム全体をリードし、目標に向かってまい進できる

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2 推進力がビジネスパーソンに必要な理由

なぜ、推進力はビジネスパーソンにとって欠かせない能力と言われるのでしょうか。ここでは、主な理由を3つ紹介します。

2.1 目標を達成するため

ビジネスシーンでは、チームが一丸となって期限内に決められた目標を達成しなければなりません。しかし近年、さまざまな企業で年齢や性別、国籍、また働くうえでの価値観の多様性が高まっているため、チームが目標達成に向けて一体感を持つことは簡単ではありません。

業務をスムーズに進行し、計画通りの成果を上げるには、メンバーひとり一人が推進力をもって前に進む必要があります

2.2 困難な状況でも前進するため

ビジネスシーンでは、しばしば予期しない困難に直面することがあります。こうした状況では、物事を前進させるための積極的な力が求められます。

例えば、強力な競合が現れて新製品の売り上げが低迷しているとき、マーケティング戦略や営業手法を見直し、新たなアプローチを試みることで状況の改善をするような推進力が必要です。

また、チームの士気が低下しているときも、推進力を持つリーダーがいれば明確な方向性が示されて、再び目標に向かい進むことができるでしょう。

2.3 変化の激しい環境に適応するため

現代のビジネス環境は、技術革新、消費者ニーズの変化、競争の激化など絶え間ない変化にさらされています。こうした環境では、戦略を見直しながら次の一手を柔軟に考えられる推進力が必要です。

例えば、新たな競合が登場した場合、推進力を持つ企業は速やかに市場調査を行い、差別化を図るための新しい戦略を打ち出します。また、迅速に新しい技術を取り入れ、急激な技術進化に対応するなど、目標達成に向けて正しい道を選択できます。

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3 推進力が低いと起こるビジネス上のリスク

推進力が低いと、競争力やモチベーションの低下、成長機会の喪失などさまざまなリスクが考えられます。

3.1 納期遅延や競争力低下

推進力が不足していると、物事を前進させるための積極的な行動が取れず、計画が停滞しがちになります。そのため、納期の遅延が発生し、顧客からの信頼を失う恐れがあります。

また、業務を前に進める力が鈍くなることで、市場の変化に対応できず、競争力が低下してしまうことも考えられます。このように、推進力の低さはビジネスの成長を阻害し、組織全体のパフォーマンスにも悪影響を与える可能性があるのです。

3.2 チームのモチベーション低下

推進力は、物事を前に進める原動力となるため、チーム全体の士気に大きな影響を与えます。例えば、進行中の業務が停滞し、目標に向かって進んでいる感覚が得られなければ、メンバーは「この業務に意味はあるのか?」という疑問を抱き、仕事への意欲が薄れてしまうでしょう。

このような状態が続くと目標達成はますます遠くなり、チームの士気はさらに低下するという悪循環に陥ってしまう恐れがあります。

3.3 成長機会の喪失

推進力が不足していると、市場の変化に対応できず、競合他社に市場シェアを奪われてしまう可能性が高くなります。また、新しいアイデアが生まれないので、イノベーションが停滞し、業界内での競争力が低下してしまいます。

結果として、推進力が低い状態は、企業の成長にとって重大な障害となる可能性があります。

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4 推進力がある人の特徴

推進力を身につけるためにも、実際に推進力がある人にはどのような特徴があるのかをチェックしておきましょう。

4.1 スピード感を持って決断・行動できる

推進力がある人は、情報を素早く整理し、必要な判断を下して行動に移すことができます

例えば、新しい市場のチャンスが生まれた際に、慎重になりすぎて決断を先延ばしにしていると、競合他社に先を越されてしまう可能性があります。

しかし、推進力のある人は、リスクを適切に評価しながらもスピード感を持って意思決定し、すぐに行動を開始します。このような推進力こそ、変化の激しい時代に求められる重要なスキルと言えます。

4.2 失敗を恐れず前向きに進むことができる

ビジネスにおける新しい挑戦には、常にリスクが伴います。期待した成果を得られなかったり、目標が達成できなかったりすれば、「失敗した」と考え、そこで諦めてしまう人がいるかもしれません

しかし、推進力のある人は「何が問題だったのか?」を分析し、改善策を見つけて再挑戦します。失敗を恐れて行動を控えるのではなく、前向きに成功への道を切り開きます。

困難な状況でも立ち止まらず、次の成功につなげる姿勢を持ち続けられるのは、推進力がある人の特徴です。

4.3 責任感が強くリーダーシップがある

推進力のある人は、自らの役割に対して責任を持ち、周囲を巻き込みながら前進するリーダーシップがあります

例えば、プロジェクトが難航しているとき、誰かがやるのを待つのではなく自ら解決策を考えて行動を起こします。また、チームメンバーの意見を尊重しながら方向性を示し、全員が協力しやすい環境を作ることも可能です。

このように、推進力がある人は責任感とリーダーシップを持ち積極的に行動できるので、どんな環境でも成果を生み出すことができます。

4.4 目標達成へのポジティブな姿勢

難しいプロジェクトを任された場合でも、どうすれば成功できるかを考え、楽しみながら前進できます。「うまくいかなかったらどうしよう」「自分にできるだろうか」といった後ろ向きなことは考えず、前だけを向いて進めるのが特徴です。

推進力がある人は、たとえ困難に直面しても目標達成への意欲が強いので、常に高いモチベーションを維持することができるのです。

このようにポジティブな姿勢は周囲にも良い影響を与え、チーム全体の士気を高めることにもつながります。

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5 推進力を高める具体的な方法

ビジネスで求められる推進力は、具体的にどうやって高めれば良いのでしょうか。ここからは、日常に取り入れやすい具体的な方法を6つ紹介します。

5.1 小さな成功体験を積み重ねる

推進力は目標に向かって物事を前進させる力ですが、最初から大きな成果を求めるとプレッシャーが大きくなり、行動を起こすのが難しくなります。

そのため、まずは「今日中に資料を整理する」「一つのアイデアを上司に提案してみる」といった小さな目標を立て、それを達成することで自信をつけていくのがおすすめです。

こうした成功体験を繰り返すことで、「やればできる」という感覚が生まれ、次の行動への推進力が高まります。

5.2 タイムマネジメントを徹底する

目標に向かって進む際、時間の使い方が曖昧だと、行動が遅れたり優先順位を誤ったりしてしまいます。例えば、締め切りのある業務を抱えているのに優先度の低いタスクに時間を取られてしまうと、重要な仕事が後回しになり結果的に推進力を発揮できません。

これを防ぐには、「やるべきことを明確にし、優先順位をつける」「タスクごとに時間を区切る」「無駄な時間を減らす」などの工夫が必要です。

タイムマネジメントを徹底することで、効率的に行動しスピーディーに物事を進められるようになります。限られた時間の中で最大限の成果を出すことが、推進力を高めることにもつながります。

5.3 失敗を恐れず積極的にチャレンジする

同じ仕事に取り組む場合、「失敗したらどうしよう」と考えて行動を控える人と、「とりあえずやってみよう」と挑戦する人では成長のスピードが大きく異なります

たとえ失敗したとしても、「何が原因だったのか?」「どうすれば次はうまくいくか?」といったことを学び、改善を重ねることで推進力が強化されます。

成功する人とは、失敗しない人ではなく失敗から学び行動し続ける人です。積極的にチャレンジして経験を積み、推進力を高めていきましょう。

5.4 代替案を準備しておく

例えば、プロジェクトが計画通りに進まなかった場合、一つの方法に固執せず別の選択肢を用意している人は、スムーズに方向転換できます。一方、代替案を考えていないと、問題が発生するたびに立ち止まってしまい、推進力が低下してしまいます。

そのため、「もしこの方法がうまくいかなかったら、次にどの手を打つか?」を事前に考え、複数の選択肢を持っておくことが大切です。柔軟な対応力を備えることで、困難な状況でも前進し続けることができます。

5.5 周囲を巻き込む力をつける

個人がどれだけ高い能力を持っていても、会社の目標を一人で達成するのは困難です。効率的に成果をあげるには、周囲の理解と協力を得ながら進めなければなりません。

そのため、自分の考えをわかりやすく伝え、相手の意見を尊重しながら信頼関係を築いていくことが大切です。全体の士気が上がれば、困難な状況でも前向きに取り組める環境が生まれ、業務を進めやすくなるでしょう。

周囲を巻き込む力を身につけることで、推進力がさらに強まり、より大きな成果を生み出せるようになります。

5.6 PDCAサイクルを回す

PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)は、計画を立てて実行し、結果を評価して改善を加えるという工程を繰り返すことで、継続的な改善を目指すフレームワークです。PDCAサイクルを活用すれば、物事を効率的に進める力、すなわち推進力を強化できます。

例えば、新しい業務を始めるとき、まずは目標を設定し(Plan)、その後行動に移します(Do)。次に、実行した結果を評価し(Check)、必要な改善を加えます(Act)

このサイクルを適切に回すと、計画の精度が上がり、問題点を早期に発見して修正できるため、推進力を持続的に高めることができます。

6 チームの推進力を高めるには

推進力は、個人だけではなくチーム全体で身につけるべき能力です。目標達成に向けて、チーム全体の推進力を高めるにはどうすれば良いのでしょうか。

6.1 目標や役割分担を明確にする

チーム全体が一丸となって行動するには、目標や役割分担を明確にする必要があります。「何のための業務なのか」という背景から、「○月○日までに○%を達成する」という具体的な数字までしっかり共有します。

そのうえで、一人ひとりが行うべき仕事を割り振ります。こうすることで、全員が何を達成すべきかを理解し、自分の責任を意識しながら無駄なく行動できるようになります。

6.2 一人ひとりに主体性を持たせる

言われたことを言われたとおりにこなすだけの職場において、推進力を高めることはできません。なぜならチームの推進力は、個々のメンバーが自分の役割に責任を持ち、積極的に行動することで強化されるからです。

そのため、上司やリーダーは、メンバーを信頼して十分な裁量を与え、主体性を引き出す必要があります。一人ひとりが主体性を持つことで、自ら問題解決に取り組み、目標達成に向けて積極的に動くことができます。

6.3 進捗を可視化し、フィードバックをこまめに行う

進捗状況が見えると、チーム全体の状況が把握しやすくなり、問題点を早期に発見することができます。また、適切なタイミングでフィードバックを行えば、メンバーのモチベーションを維持しつつ改善を促せます。

そのためには、プロジェクト管理ツールや進捗報告書を活用して、タスクの進行状況を可視化し、今現在、誰がどの業務にあたっているのかを全員が確認できるようにするのがおすすめです。

また、定期的にミーティングを行い、問題点を共有したりポジティブなフィードバックを行ったりすれば、チームの推進力を効果的に高められるでしょう。

6.4 トラブルには迅速に対応する

例えば、予算超過や納期遅延などの問題が発生した場合は、すぐに問題を認識し、関係者と情報を共有して対策を講じることが重要です。万が一、問題が大きくなってから対応すると、時間やリソースが無駄になりチーム全体の士気が下がってしまう可能性があります。

ビジネスの現場では、予期せぬ問題やトラブルが発生することは避けられませんが、迅速に対応することで、チームの推進力を損なうことなく目標に向かって邁進できるでしょう。

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7 まとめ

推進力とは、目標に向かって物事を前進させる力のことです。目標達成に向けて迅速に行動し、困難な状況でも前進し続ける推進力は、ビジネスパーソンにとって欠かせない能力です。

推進力が低いと、競争力の低下や成長機会の喪失につながる恐れがあるため、意識的に向上させる姿勢が大切です。小さな成功体験を積み重ねたり、失敗を恐れず挑戦し続けたりしながら、推進力を高めていきましょう。

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