「企画力=企画を立案するだけ」と認識し、一部のクリエイター職に必要なスキルと捉えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、企画力は「問題や課題を発見し、解決へと導く力」であり、予測不可能な現代において、幅広いビジネスパーソンに求められる重要性の高いスキルだと言えます。
この記事では、企画力の意味や、提案力・営業力との違いについて解説します。あわせて、企画力を向上するために必要なスキルや、具体的な方法もまとめたので、企画力の必要性を理解したうえで、効率的にスキルの向上を図ることができるでしょう。
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1. 企画力の意味とは
企画力とは、課題の本質を見きわめて、解決する方法とそのプロセスを導き出す力のことです。
ただ、解決案を発想するだけではなく、アイデアをビジネスに落とし込む必要があります。そのアイデアが現実的かつもっとも良い案でなければなりません。
また、課題解決の糸口を見出し、プロセスを明確化させて、相手に説得する能力も「企画力」に含まれます。
企画力と似たスキルに「提案力」と「営業力」があり、いずれも顧客などの「相手に対して価値を提供する力」であることは同じですが、少し意味合いが異なります。
1.1. 提案力との違い
提案力とは、企画した内容を相手が正確に理解したうえで受け入れてもらう力のことです。
優れた企画を思いついたとしても、その内容に納得してもらえなければ意味がありません。
プレゼンテーションの場で自分の主張を述べるなら、優れた「企画力」とそれを正しく認知してもらうための「提案力」が必要だと言えるでしょう。
1.2. 営業力との違い
営業力とは、的確に商品やサービスの価値を伝えて、相談者の購入・利用を通じた目標達成をサポートする力のことです。
営業活動では、相手がその商品・サービスに魅力を感じられるように、「購入・利用したい理由」や「購入後の未来」を客観的にイメージできるように言語化し、説得力を持たせる必要があります。
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2. 企画力がある人の特徴
優れた企画力を持つ人には、いくつか共通点があります。具体的にどのような人が企画力に長けているのか解説するので、自身がどのタイプに該当するのかチェックしましょう。
2.1. さまざまな人と関わるのが好き
企画力のある人は、さまざまな人と関わることが好きで、幅広い人脈を構築できます。
「新たな情報を1つでも多く獲得したい」と考えているので、コミュニティを広げて、知識を深めてくれる人や協力してくれるパートナーを無意識の状態で探していることが特徴です。
とくに業界や職種の異なる人であれば、企画や発想に関する固定観念を覆してくれる傾向にあるので、定期的な異業種交流を求めます。
2.2. トレンドに敏感で情報収集能力が高い
企画力のある人は、トレンドに敏感で情報収集能力に長けています。
新しい情報や知識は、閃きのきっかけになることも多いので、チャンスを広げるために常にアンテナを張って情報キャッチに努めるのです。
先述したようにコミュニティや交流会に参加して情報収集したり、新聞やテレビ、ニュースアプリなどをチェックしたりして知識を深めます。
2.3. 好奇心や探究心が強い
企画力の高い人は、好奇心や探求心が強い傾向にあります。
このような特徴を持つ理由は、知識や情報を得ることで、1つでも多くのアイデアを発想したり、さまざまな角度で物事を捉えたりできるからだと言えるでしょう。
また人と会話をしているときには、相手の話に興味を持ち、適切なタイミングで相槌を打ち、本質を捉えた質問を投げかけるので「聞き上手」や「傾聴力がある」と言われることもあります。
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3. 企画力を高めるために必要なスキル
「企画力」は何か1つの能力を高めるだけで向上するスキルではありません。複数のスキルが複合的に混じり合い、成り立っているので自分に何が不足しているのか確認してみましょう。
3.1. コミュニケーションスキル
企画力を伸ばすためには、優れたコミュニケーションスキルが必要不可欠です。
どれだけ素晴らしい企画を発案できたとしても、顧客や自社のメンバーに正しく伝えられなければ、その企画を実現することは難しいでしょう。
自分の意見を相手へ正確に伝えるためのコミュニケーションスキルが必要になります。
3.2. リサーチ・ヒアリングスキル
ヒアリングスキルとは、相手が何を求めているのか、要望を正しく聞き出す力のことです。そして、リサーチスキルは、正確かつ効率的に情報収集・分析することを指します。
これらの能力を持ち合わせることで、顧客の要望に沿ったアイデアを発想および提案できるようになるのです。
企画力の高い人は、顧客視点で新たなアイデアを発想できるので、リサーチ・ヒアリングスキルが長けている傾向にあります。
3.3. プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルとは、情報を発信する能力のことを指し、会議や商談はもちろん、普段の会話のなかでも重要なスキルと言えます。
優れた企画を考案することができたら、次に自分以外の人に対してプレゼンテーションを行い、企画の魅力や価値を伝えなければなりません。
自分が話したいことを一方的に伝えるのではなく、相手が「求めていること」や「気になっている内容」を含めて話しを進められるので、聞き手を惹きつけられます。
3.4. ロジカルシンキング(論理的思考)
ロジカルシンキング(論理的思考)を高めることで企画力の向上を図れる可能性があります。
顧客の課題や要望を整理したり、解決までのプロセスを考案したりするには、論理的思考が必要不可欠です。
ビジネスシーンでは、感情面に寄り添うことを前提として、ロジカルに物事を整理し、解決へと導く力があれば優れた企画・提案ができるでしょう。
【関連記事】「ロジカルシンキングとは?簡単に身に着ける方法・鍛え方・メリットを解説」
3.5. パソコンスキル
基本的に企画力のある人は、パソコンを操作する能力も持ち合わせています。
例えば、ヒアリングによって把握した相手の要望や課題は、紙に書き出すよりもパソコンのマインドマップツールを使用した方が思考を整理しやすくなるでしょう。
思いついた企画を相手に分かりやすく伝えるために図や表を挿入するなど、基本的なPC操作が可能です。
このような場面で、パソコンスキルがあれば、操作に迷うことなくスムーズに業務を遂行できるでしょう。
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4. 企画力を高める方法
企画力は、努力次第で着実に鍛えることのできる能力です。ここでは、企画力を高める具体的な方法を4つの視点から解説していきます。
4.1. さまざまな情報を取り込む
企画力を高めるためには、日常的にさまざまな情報に触れ、インプットすることが大切です。
企画を実現するまでの流れは、複数の情報をもとにより多くのアイデアを出し、ロジカルシンキングを活用しながら解決への道筋を立てていきます。
情報量が多いほど、質の高いアイデアを発想できるので、課題解決につながる企画が生まれやすくなるでしょう。
情報が多く集まる場へ足を運んだり、ニュースやテレビ、SNSを頻繁にチェックしたりして情報収集を習慣化させることも大切です。
4.2. 企画力研修を受けてみる
研修を受ければ、その分野に精通したプロフェッショナルから専門知識を学ぶことができます。
企画力研修を受講することで、プロから企画の立て方や提案方法を習得できるので、定着しやすくなるでしょう。
企画力研修の多くは、実践的に鍛えられるようにディスカッション形式が取り入れられているので、練習を重ねて企画力を高めることができます。
またビジネス研修は、体系的に学べるようになっているので、企画力のほか、提案力や営業力なども高められる点も嬉しいポイントです。
4.3. インプットとアウトプットを繰り返す
インプットとアウトプットを繰り返すことで、質の高い企画をいくつも発想できるような思考になります。
実際に人前で企画を提案する機会を増やせば、自分のアイデアを形にすることに慣れてくるでしょう。また、提案した相手からフィードバックを受けられるなら、企画の質の向上を図ることができます。
回数を重ねるごとに企画立案までのスピードも早くなるので、迅速に顧客の悩みや課題を解決へと導けるようになる点もメリットです。
4.4. 6W2Hを意識する
6W2Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Whom(だれに)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」の英単語の頭文字をとった言葉です。
8つの要素を用いることで、物事に対する目的や要件、アイデアを正確に伝えられるようになります。
6W2Hは、提案時だけではなく、問題・課題の分析や情報の整理、アイディアの発想、ヒアリングといったさまざまな場面で活躍します。下記の6W2Hのテンプレートを活用して、企画力の向上に努めましょう。
Who(だれが) 人物・組織・役割など |
Whom(だれに) 対象者 |
What(なにを) 問題や課題 |
How(どのように) 手段・プロセス・手順 |
テーマ | Why(なぜ) 目的や原因、意義 |
When(いつ) 実行日・期日 具体的なタイミング |
Where(どこで) 場所・地域 |
How much(いくらで) 時間・お金・人材などの リソース |
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5. ビジネスパーソンが身に付けたい、その他のスキル
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6. まとめ
企画力とは、課題や問題を発見し、解決へと導くことができるスキルです。
相手の要望をヒアリングする「リサーチ・ヒアリングスキル」や、新たなアイデアを発想し、適確に伝える「プレゼンテーションスキル」、解決の糸口を導き出す「論理的思考力」など複数のスキルを向上させることで、企画力が磨かれていきます。
企画力は、一部のクリエイティブな仕事に携わる人に必要な能力だと捉える人も多いですが、予測困難な現代では幅広いビジネスパーソンに求められるスキルだと言えるでしょう。
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