「ビジネススキルにはどんなものがある?」「ビジネススキルを磨いて、いまよりも成果をあげたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
著しい変化を伴う現代では、ビジネスパーソン一人ひとりが優れたビジネススキルを身につけておかなければ、活躍し続けることは難しいでしょう。
この記事では、ビジネススキルの定義や種類、身につけるメリットについて解説します。あわせて、自分にとって必要なビジネススキルの見つけ方や、習得する際のポイントもまとめました。
この記事を参考にすれば、自分の思い描くキャリアにおいて必要性の高いスキルを見極めたうえで、効率的に習得できるようになるでしょう。
【関連記事】「スキルの定義とは?能力・知識との違いや種類、それぞれの意味について解説」
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1. ビジネススキルとは
ビジネススキルとは、仕事をするうえで必要な能力・技術・知識のことです。
ビジネススキルは、専門性の高い技術や資格などのほか、コミュニケーションスキルやPCスキル、ビジネスマナーといった汎用的なものも含まれています。
仕事でビジネススキルを生かすことで、周囲から信頼を得られたり、成果を挙げられたりといったメリットがあります。
ビジネススキルを仕事で最大限に活用するためには、どのような種類があり、自分に合うスキルは何かを把握したうえで能力向上に務めることが大切です。
【関連記事】「スキルアップとは?メリットや高めるための方法について徹底解説」
2. ビジネススキルは大きく分けると3つ
ビジネススキルを分類する際によく用いられる「カッツ理論」をもとに、3つのスキルについて解説します。
カッツ理論とは、1950年代に米国のハーバード大学の教授であるロバート・カッツ氏(経済学者)が提唱した理論です。
この理論では、マネジメントの各層ごとに求められるスキルが変わると述べられており、「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つが重要だと説明しています。
2.1. テクニカルスキル
テクニカルスキルは、業務を遂行するうえで必要な能力のことを指し、日本語では業務遂行能力と訳されます。
例えば、データ分析力や文書作成能力、商品知識など、さまざまなスキルが含まれることが特徴です。
テクニカルスキルは、ビジネスパーソンとして働くうえで最低限身につけておきたいスキルの総称だと言えます。
具体的に求められるスキルは業界・職種によって異なりますが、特に重要視されている能力を下記にピックアップしました。
スキル | 詳細 |
---|---|
ビジネスマナー | 社会人が働くうえで必要となるマナー (表情・挨拶・身だしなみ・言葉遣い・態度) |
資料作成スキル | 分かりやすい資料を作成するための能力 (デザイン・数字力・文章力) |
情報収集スキル | 信ぴょう性の高い情報を適切に集めて、その情報を活用する能力 |
分析スキル | 正確に問題点の抽出や原因追究できる能力 |
PCスキル | Word、Excel、PowerPointなどの基本的な操作ができる能力 |
【関連記事】「【ビジネスマナー基本編】若手が知っておきたいシーン別事例を紹介」
2.2. ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、円滑なコミュニケーションを図り、良好な対人関係を構築する能力のことを指します。
ビジネスパーソンとして働いていると、上司や同僚、部下、取引先、顧客などさまざまな人と関わるため、ヒューマンスキルは「成果を上げるためには必要不可欠な能力」とされています。
部下とのやりとりや、取引先との商談、プレゼンテーションなどあらゆる場面で、この能力が求められるので、積極的に下記のスキルを向上させましょう。
スキル | 詳細 |
---|---|
コミュニケーションスキル | 対人間の意思疎通をスムーズに行い、信頼関係を構築するスキル |
リーダーシップスキル | 目標に向かって組織を率いる能力 |
プレゼンテーションスキル | 自ら情報を発信する能力 |
コーチングスキル | 主体的に行動できる人材を育成する能力 |
【関連記事】「ヒューマンスキルとは?高めるメリットや構成要素、具体的な方法について」
【関連記事】「コミュニケーション能力とは? 能力が高い人の共通点、鍛えるために必要な事」
【関連記事】「リーダーシップとは?マネジメントとの違いや求められる能力を紹介」
【関連記事】「プレゼンテーションの話し方のコツは? プレゼンの出だし例文や資料作成の要点」
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2.3. コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、本質を見極める能力のことを指し、日本語では「概念化能力」と訳されます。
経営層・管理職は状況に応じて迅速かつ適確な判断を下す必要があるため、コンセプチュアルスキルが重要だと説明しています。
おもに下記のようなスキルが含まれており、どれも組織全体をより良い方向へ導くために必須な能力だと言えるでしょう。
スキル | 詳細 |
---|---|
ロジカルシンキング (論理的思考) |
物事の要素を分解して整理し、道筋を立てて結論を導き出す能力 |
クリティカルシンキング | 客観的な視点で分析し、問題を解決へと導く能力 |
問題解決スキル |
問題を把握したうえでその原因を分析し、対策を実行する能力 |
受容性 |
相手の考えや要望をスムーズに受け入れられる能力 |
【関連記事】「コンセプチュアルスキルとは?構成する要素や重要性、高める方法とは」
【関連記事】「ロジカルシンキングとは?簡単に身に着ける方法・鍛え方・メリットを解説」
3. ビジネススキルを身につけるメリット
ビジネススキルを習得することで、業務の効率化を図れるため、昇給・昇格につながるといったメリットがあります。
ここでは、具体的にどのようなメリットが得られるのかを解説するので、ビジネススキルの必要性について理解を深めましょう。
3.1. 業務の効率化が図れる
ビジネススキルを習得することで、仕事に対する理解度が深まり効率的に業務を遂行できるようになります。
例えば、周囲と円滑にコミュニケーションをとりながら業務を進められたり、迅速かつ適確な判断で指示を出せたりするため、組織全体の生産性が高まるでしょう。
ビジネススキルを身につければ、自分が置かれている環境や立場を理解したうえで、適切な言動を行えるようになります。
結果的にチームや個人で仕事における取り組みが明確になり、より効率的に業務を遂行できるようになるでしょう。
3.2. スキルアップにつながる
ビジネススキルを身につければ、技術力や知識、能力が高まるので、個人のスキルを伸ばすことができます。
とくに管理職レベルのビジネススキルや特定の分野における高い技術や知識を持っていれば、多くの企業から必要とされる人材になるでしょう。
なかでも、エンジニアやコンサルタントのように専門知識が必要な職種であれば、キャリアアップも実現できます。
3.3. 昇給・昇格が目指せる
ビジネススキルを習得し、仕事に活用できるようになれば、昇給や昇格にもつながります。
ハイレベルな技術や知識、能力を持つ人材に対して、企業は自社に貢献してもらうために、それに見合ったポジションおよび報酬を与える傾向にあります。
例えば、エンジニア職種においてプログラミングスキルのほか、リーダーシップやコミュニケーション能力などが高ければ、プロジェクトマネージャーといった上流工程を任せてもらえる可能性もあるでしょう。
ビジネススキルを学び、身につけることでより条件の良い企業に転職したり、重要度の高い役職に就けたりと、昇給や昇格のチャンスが広がります。
3.4. 業務を円滑に進めることができる
ビジネススキルを培うことで、業務を円滑に進められるようになります。
例えば、ヒューマンスキルを高めれば、良好な人間関係を構築することができ、コンセプチュアルスキルが身につけば、トラブルが発生した時に迅速かつ適確な対応ができるようになるでしょう。
日々の業務をより円滑に行えるので、生産性が高くなったり、業務におけるストレスが軽減したりするメリットもあります。
【関連記事】「若手ビジネスパーソンが準備しておくべき「スキルセット」とは」
4. 自分に必要なビジネススキルを見つける方法
一口に「ビジネススキル」といっても複数の種類があるので、どれを身につけるべきか迷ってしまう人も多いでしょう。
ここでは、自分にとって必要性の高いビジネススキルを見つける方法を紹介します。重要度の高いスキルから身につけて、社会で活躍できる貴重で優秀な人材を目指しましょう。
4.1. 役職ごとに必要となるスキルは異なる
社内での立場によって必要となるスキルは異なるので、自分にいまどのようなスキルが求められているのかを考えることが大切です。
例えば、新入社員の場合は、リーダーシップスキルやマネジメントスキルよりも先に、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどを身につけた方が良いでしょう。
一方、中堅社員になると、自身の主張を分かりやすく伝えるプレゼンテーションスキルや、チームを率いるためのマネジメントスキルの習得に努める必要があります。
管理職や経営者なら、組織マネジメント力や決断力などを最大限に発揮して、事業成長につなげなければなりません。
4.2. 今後のキャリアを考えて必要なスキルを洗い出す
興味のあるスキルを手あたりしだいに取得するのではなく、今後のキャリアを踏まえて必要性の高いものを見極めましょう。
例えば、管理職を目指しているなら、テクニカルスキルやヒューマンスキルを身につけたうえで、コンセプチュアルスキルを磨く必要があります。
また、異業種転職を目指す場合は、その業界や職種で必要なテクニカルスキルを取得しなければなりません。自分のキャリアプランを明確化させて、それに沿って必要なスキルをピックアップしましょう。
4.3. 現状の課題を洗い出し、何が足りないか考える
現状の課題を洗い出して、苦手意識のあることに関連するスキルを習得するのも良いでしょう。
具体的には、人前で話すことが苦手な人は、プレゼンテーションスキルを磨くと、自信を持てるようになり、苦手を克服できる可能性があります。
進捗管理が苦手な人は、スケジュール管理能力を高めれば、計画的にタスクをこなせるようになり、生産性の向上にもつながるでしょう。
現状の課題点を見つけて、改善できるスキルがあれば積極的に挑戦することをおすすめします。
4.4. セミナーや研修に参加してみる
セミナーや研修に参加したことがきっかけとなり、自分に必要なスキルが見つかるケースもあります。
自社で教育制度やOJT制度が導入されているなら、積極的に活用しましょう。
また、社内ではセミナーや研修を受けられない場合は、福利厚生の1つとして支援が受けられないかを就労規則などで確認してみましょう。
セミナーや研修を受講すれば、その分野に精通したプロから専門的な知識を得られるので、効率的にスキルアップを図ることが可能です。
ここ数年では、オンラインで受講できるセミナーや研修も増えているため、「○○スキル 研修」「○○スキル オンラインセミナー」などと検索して、求めるスキルの講座があれば参加してみましょう。
4.5. 資格を取得する
資格を取得すれば、「その分野において一定の知識がある」ことの証明になるので、人事評価や転職時に有利になる可能性があります。
秘書技能検定や、ビジネス実務法務検定試験、TOEICなどビジネスシーンに役立つ資格は複数あるので、理想のキャリアを実現するために必要なものを取得しましょう。
また資格を取得することで、自己肯定感が高まり、気持ちにも余裕が生まれるかもしれません。円滑なコミュニケーションを図るためには、安心感や自信も必要ですので、機会を見つけて積極的にチャレンジしましょう。
【関連記事】「社会人一年目で身につけておきたい! 転職しても通用するスキルと能力、心得」
5. ビジネススキルを習得する際のポイント
ビジネススキルは、闇雲に着手するのではなく計画性を持って取り組むことが大切です。ここでは、ビジネススキルを身につけるうえで意識すべきポイントを3つピックアップしました。
5.1. 具体的な目標を明確にしておく
「もう少しコミュニケーションスキルを高めたい」「論理的思考力を身につけて、物事を客観視したい」といった曖昧な目標では、効率的にスキルを習得することはできません。
例えば、「論理的思考力の向上を図るために、ロジカルシンキングマスター資格検定を取る」というようにゴールを明確にすることを意識してみましょう。
また、なぜ自分にそのビジネススキルが必要なのかを紙に書き出しておくと、気持ちにブレが生じることなく目標を達成できるはずです。
5.2. 優先順位をつける
自分にとって必要なスキルをいくつかピックアップしたら、どれがもっとも必要性が高いのかを見極めましょう。
また、資格を取得する場合は、学習時間を捻出しなければなりません。何をもっとも優先的に取り組むのかもあわせて決めておけば、効率的に優先度の高いタスクから着手していけるでしょう。
具体的には、「受験する資格の基礎的な内容→試験において配点が多い分野→必修問題」というように優先度の高い順に学習を進めましょう。
5.3. スキルを習得するまでのスケジュール(計画)を立てておく
ビジネススキルを習得するまでのスケジュールを立てておけば、計画的かつ着実にスキルを身につけることができます。
はじめに「〇月〇日の試験に合格する」というようなゴールを決めて、逆算スケジュールを立てましょう。
具体的には「〇日までにはこの分野を完璧にする」「〇日には過去問を解いて〇点に到達する」など、大まかな目標を立てると、いま何をすべきかが見えてきます。
またスケジュールは、一度立てたら終わりではなく、定期的に見直して、遅れが生じている部分を取り戻せるように調整することも大切です。
【関連記事】「リスキル(リスキリング)とは?注目されるようになった背景やリカレントとの違いについて紹介」
6. ビジネスパーソンが身に付けたい、その他のスキル
その他、ビジネスで必要なスキルに関して、以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
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7. まとめ
「カッツ理論」によると、ビジネススキルは「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つに分類され、階層によって求められるスキルが異なります。
自分が置かれている状況や役職に応じて、必要なスキルを見極めたうえで取得を目指しましょう。
ビジネススキルを磨く際には、スキル取得までの具体的なスケジュールを立てて、取り組むと効率的に目標を達成できます。身につけたビジネススキルを業務で最大限に生かして、着実に理想とするキャリアを実現へと導きましょう。
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