「仕事をしばらく休みたい」と感じたらどうすべき?活用できる休職・休暇制度を紹介

仕事の悩み・転職

「仕事をしばらく休みたい」と感じるときは、心や体が限界に近づいているサインかもしれません。疲れた状態を無視して働き続けると、心身の不調が悪化してしまうこともあるため、会社にある休職制度や休暇制度を上手に活用することが大切です。

本記事では、仕事をしばらく休みたいときに利用できる主な制度や、それぞれの特徴・申請時のポイントをわかりやすく紹介します。(Misa)

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1. 仕事をしばらく休みたいときはどうする?

メリー先輩漫画_仕事しばらく休みたい.jpgイラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>

「仕事をしばらく休みたい」と感じるのは、心身の疲れが限界に近づいているサインかもしれません。無理をして働き続けると、体調を崩したり仕事への意欲を失ったりするおそれもあるため、早急に対処することが大切です。

1.1. まずは心身の状態を確認する

「仕事を休みたい」と感じたときは、まず今の自分の心と体の状態を客観的に把握することが大切です。感覚だけで判断するのではなく、具体的な方法を使って整理してみましょう。

例えば、1日の終わりに「睡眠時間」「食欲」「疲労感」「気分」などをメモしておきます。これを数日~1週間程度記録することで、疲れが蓄積しているのか、一時的な不調なのかが見えやすくなります。

また、直近の仕事において、「仕事を休みたい」「働き続けるのが難しい」と感じるきっかけになった大きなミス、上司からの叱責、緊張する場面などがなかったかどうかを整理してみましょう。

1.2. 信頼できる相手に相談する

仕事を辞めたい理由がうまく整理できないときは、ひとりで抱え込まず、上司や同僚など信頼できる人に話してみるのも一つの方法です。自分の考えを言葉にすることで、気持ちや状況を客観的に見直しやすくなります。

また、社内に限らず、家族や親しい友人など、職場の事情から距離のある相手に相談することで、冷静に状況を整理できる場合もあります。さらに、働き方について第三者の視点からアドバイスが欲しい場合は、キャリア相談窓口や転職エージェントなどの外部サービスを利用するのも良い方法です。

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1.3. 日常生活に支障が出ている場合は早めに休養・相談を検討する

一時的に仕事が立て込んで疲れがたまったり、やる気が出なかったりしている場合は、「生活リズムを整える」「週末にしっかり休む」「趣味の時間を作る」といった軽いリフレッシュで回復することもあります。

しかし、眠れない日が続く、食欲がない、朝起きるのがつらい、涙が出てしまうなど日常生活に支障が出ている場合は、心身の疲れが限界に近づいているのかもしれません。早めに休養を取り、必要であれば専門家に相談することも検討しましょう。

ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

20260126_0005_original_oka.jpg睡眠や食欲の変化、強い不安、動悸、涙が止まらないなどの状態が続くときは、「何日休めばよいか」を自分だけで決めるより、早めに医療機関へ相談してください。受診までの間も、上司・人事・産業医等に体調不良を伝え、業務を止めることを優先します。危険が迫っている、自分を傷つけたい気持ちがあるなど緊急性が高い場合は、一人にならず、身近な人や救急・地域の相談機関へ速やかに助けを求めてください。
参考:厚生労働省「こころの耳」

1.4. ワークライフバランスを重視する企業は増加傾向

仕事を休みたいと思っても、「職場に迷惑をかけたくない」という気持ちから休むことを躊躇してしまう方も多いでしょう。労働基準法に基づく年次有給休暇は、一定の要件を満たした労働者に認められる法定の権利です。一方、病気休暇やリフレッシュ休暇、休職制度などは、会社が独自に設けている場合があり、対象者や申請方法は就業規則によって異なります。

近年は、従業員の健康や生産性を重視する考え方が広まり、ワークライフバランスを意識する企業が増えています。実際、2019年に施行された働き方改革関連法では、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者が年5日を確実に取得させることが義務化されるなど、休まず働くことが評価される時代は終わりつつあると言えます。

さらに、リフレッシュや自己研鑽を目的とした企業によっては特別休暇や長期休暇制度を設けています。利用できる制度と取得条件は、就業規則や人事担当者への確認が必要です。国の支援策も後押しとなり、従業員の健康に配慮した働き方を進める動きはあります。

【出典】労働基準監督署|「年5日の年次有給休暇の確実な取得」 が義務付けられます

【例文付き】仕事を休む理由と伝え方|当日欠勤や体調不良以外も解説

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2. 仕事をしばらく休みたいときに利用できる主な制度

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ここからは、「仕事をしばらく休みたい」と思ったときに利用できる主な制度を紹介します。

ただし、制度の中には内容や対象者、取得条件などが会社によって異なるものもあるため、まずは勤務先の就業規則を確認しておくことが大切です。

2.1. 休職制度

休職制度とは、病気やケガ、その他のやむを得ない事情によって働くことが難しくなった際に、一定期間、雇用関係を維持したまま仕事を休むことができる制度です。休職の開始方法は会社の規程によって異なり、本人の申請による場合と、会社が就業規則に基づいて命じる場合があります。

対象となるのは、私的な理由によるものが一般的ですが、企業命令による出向や公職への就任などが含まれる場合もあります。

休職制度は、一定期間就業できない場合に、会社との雇用関係を維持しながら療養や事情の解決を目指すための仕組みです。ただし、休職期間や復職の条件、期間満了時の取扱いは会社によって異なります。休職したからといって、雇用や復職が無条件に保障されるわけではないため、就業規則を確認しておきましょう。

ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

20260126_0005_original_oka.jpg私傷病休職は会社独自の制度であり、「申し出れば必ず認められる制度」とも「会社が自由に扱える制度」とも一概には言えません。就業規則で、対象者、診断書、休職期間、給与、社会保険料、連絡方法、復職判定、試し出勤、期間満了時の退職・解雇の取扱いを確認しましょう。医師の診断書は療養の必要性を示す資料ですが、最終的な休職・復職手続は就業規則に基づくため、人事担当者と手順をすり合わせることが重要です。
参考:厚生労働省「確かめよう労働条件―休職期間満了時の留意点」

2.2. 年次有給休暇

年次有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復し、生活にゆとりを持てるように設けられた制度です。取得した日について、法律で定められた方法により賃金が支払われるため、原則として休んだことだけを理由に賃金が支給されないことはありません。

労働基準法では、一定の条件を満たした労働者に対して、有給休暇の取得を認めています。

原則として、「雇い入れから6か月が経過していること」「その期間の全労働日の8割以上出勤していること」という条件を満たすと、週所定労働日数が5日以上、または週所定労働時間が30時間以上の労働者には10日間の年次有給休暇が付与されます。その後も、勤務を続けて要件を満たすごとに付与日数は増えていきます。週所定労働日数や週所定労働時間が少ない労働者には、勤務日数などに応じて比例付与されます。

有給休暇は、労働者が安心して休めるよう法律で保障された権利であり、計画的に取得することで、健康維持や仕事のパフォーマンス向上にもつながります。

【出典】厚生労働省「年次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」

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【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

20260126_0005_original_oka.jpg年次有給休暇は、原則として労働者が請求する時季に与えられる法定休暇です。会社には事業の正常な運営を妨げる場合の時季変更権がありますが、単に「忙しい」「人手が足りない」という説明だけで一律に取得を認めない運用は適切ではありません。また、年5日の取得確保義務は、年10日以上の年休が付与される労働者について、使用者側に課された義務です。パート・有期雇用でも要件を満たせば年休は発生します。
参考:厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」

2.3. 病気休暇

病気休暇とは、病気やケガの治療・療養のために取得できる企業独自の休暇制度です。年次有給休暇とは別に設けられている場合が多く、通院・入院や体調不良で出勤が難しいときに、社員が安心して回復に専念できるようにするためのものです。

また、病気休暇を設けることで、無理に働いて症状を悪化させたり、感染症を広げたりするリスクを防ぐこともできます。

病気休暇は、病気やけがの治療・療養のために、会社が定めた期間取得できる休暇です。取得できる日数や有給・無給の扱いは会社によって異なります。より長期の療養が必要な場合は、私傷病休職などの制度が利用できることもあるため、就業規則を確認しましょう。

2.4.リフレッシュ休暇

リフレッシュ休暇は、企業が福利厚生の一環として導入しているケースが多い制度です。心身の疲労回復や、仕事と生活を見直す機会の提供を目的として、勤務年数の節目などに付与している企業もあります。付与の時期や取得条件は会社によって異なります。

令和7年の厚生労働省の調査からリフレッシュ休暇の導入率を見てみると、従業員数30~99人の企業では10.4%であるのに対し、1000人以上の企業では44.4%となっており、企業規模が大きいほど導入が進んでいることがわかります。

【出典】厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」

2.5. ボランティア休暇

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自発的に無報酬で社会に貢献する、地域活動、ボランティア活動を行う際に付与される休暇です。災害支援や高齢者支援、環境保全活動など、幅広い活動が対象となります。休暇日数や対象活動の範囲は会社によって異なりますが、社会貢献と働く人の成長を両立できる制度として政府は企業に導入を推奨しています。

この制度を利用するメリットは、仕事から少し離れて新しい価値観や人とのつながりを得られるという点です。また、気分転換や自己成長、心身をリフレッシュさせる効果も期待できます。

【出典】厚生労働省「ボランティア休暇 | 働き方・休み方改善ポータルサイト」

2.6. 犯罪被害者等の被害回復のための休暇

犯罪行為による被害回復のために付与される休暇で、家族が被害にあった場合も対象となります。精神的ショックや身体の不調、通院治療のほか、警察での手続、裁判などの際に付与されます。

犯罪被害者等の方々が安心して仕事を続けられるようにするためには、年次有給休暇だけでは対応できないケースも多いとして、政府は導入を勧めている制度です。

企業によって制度の内容は異なり、この休暇制度が設けられていない場合でも同等の休暇を取得できることがありますので、自社の就業規則を確認しておきましょう。

【出典】厚生労働省「犯罪被害者等の被害回復のための休暇」

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3. 休職・休暇制度を利用する際のポイント

上記で紹介した休職制度や休暇制度を利用する際のポイントを紹介します。スムーズに制度を利用できるよう、事前に注意点を把握しておきましょう。

3.1. 給与や社会保険について確認する

休職や長期の休暇を取得した場合、給与の支給額や社会保険料の扱いが変わることがあります。制度をよく理解しないまま休みに入ると、「想定より給与が少なく生活が大変」「復職後に支払う社会保険料の負担が大き過ぎる」といった状況におちいることも考えられます。

そのため制度を利用する前に、会社の人事や就業規則などを通して制度の詳細を確認しておくことが大切です。また、実際の給与額をもとに生活費のシミュレーションをおこなえば、休職・休暇中も安心して心身の療養や休養に専念しやすくなるでしょう。

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【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

20260126_0005_original_oka.jpg休職中が無給でも、健康保険・厚生年金の被保険者資格が続く限り、原則として社会保険料の負担は続きます。会社からの徴収方法と住民税の支払いも確認しましょう。業務外の病気やけがで働けず、給与を受けられない等の要件を満たす健康保険の被保険者には、連続3日間の待期後、4日目から傷病手当金が支給される場合があります。支給額や通算1年6か月の期間、給与等との調整は、加入する健康保険へ個別に確認してください。

3.2. 就業規則に沿った正しい手順で申請する

制度を安心して利用するためには、就業規則や人事担当者の案内をよく確認し、正式なルールに従って申請することが大切です。

例えば、休職を申請する際には「上司への申告→人事部への申請→会社の承認」という手順が必要だったり、病気休暇を取得する場合には医師の診断書の提出が求められたりすることもあります。

また、申請時期や手続きの方法(口頭・書面・電子申請など)も企業によって異なり、連絡・申請が難しいほど体調が悪い場合は、まず会社に状況を伝え、家族等による連絡が可能かも含めて人事担当者に相談しましょう。

3.3. 理由や期間を明確に伝える

会社に休職や休暇を申請する際は、「なぜ休むのか」「どのくらいの期間を希望するのか」を具体的に伝える必要があります。理由や期間があいまいだと、業務の引き継ぎや人員の調整が難しくなり、結果的に職場に混乱を招いてしまうこともあります。

心身の不調が理由であれば「医師の診断により、3ヶ月の療養が必要と判断されたため休職を申請します」といったように、具体的な根拠を添えて説明するのが望ましいでしょう。

また、家庭の事情で1ヶ月くらい休みたい場合でも、「親の介護のために1ヶ月間の休暇を希望します」など、期間を明示して誠実に伝えることが大切です。

明確な理由と期間を伝えることで、会社側も対応しやすくなり、円滑に制度を利用できる可能性が高まります。

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【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

20260126_0005_original_oka.jpg親など対象家族の介護が理由なら、会社独自の休暇だけでなく、育児・介護休業法上の介護休業を確認してください。要件を満たす労働者は、対象家族1人につき3回、通算93日まで取得でき、介護休業給付金の対象になる場合もあります。介護休業は、介護をすべて自分で担うための期間ではなく、介護サービスの手配や家族内の役割分担など、仕事と介護を両立できる体制を整えるためにも活用する制度です。早めに人事や地域包括支援センター等へ相談しましょう。
参考:厚生労働省「介護休業制度特設サイト」

3.4. 仕事の引き継ぎをしっかり行う

長期間職場を離れる場合は、体調と時間に余裕がある範囲で、担当業務を整理し、同僚や上司が対応できるよう準備します。引き継ぎを怠ると、チーム全体の業務に支障が出てしまうことも考えられます。

進行中のプロジェクトがある場合は「案件ごとの進捗状況」「今後の対応予定」「関係者の連絡先」などを文書や共有フォルダでまとめておくと安心です。

また、取引先との連絡業務を担当している場合は、担当者に「○月○日から△さんに引き継ぎます」と事前に連絡を入れておくとトラブルを防ぐことができます。

引き継ぎが難しいほど体調が悪いときは休養を優先し、上司や人事に対応を委ねます。引き継ぎ完了を休むための条件にしないことが大切です。

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4. 会社の理解が得られない場合は転職を視野に入れる

休暇を取りたくても会社の理解が得られないという場合は、転職を検討するのもひとつの選択肢です。

働き方や休暇への考え方は企業ごとに異なり、「制度があっても利用しづらい雰囲気がある」「正しい手順で申請しているのに受理してもらえない」という職場も少なくありません。そうした環境では、無理を重ねて心身を壊してしまうリスクもあるでしょう。

もし「休みたい」という気持ちの背景に、職場の人間関係や過重労働、キャリアの行き詰まりなどがある場合は、思い切って環境を変えることで再び前向きに働ける可能性があります。

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【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

20260126_0005_original_oka.jpg休むことを考えたときは、「休暇」「休業」「休職」を同じものとして扱わないことが重要です。年次有給休暇や介護休業など法律に基づく制度と、病気休暇・私傷病休職など会社が定める制度では、対象者、手続、会社の裁量、有給・無給の扱いが異なります。まず就業規則を確認し、人事担当者には、必要書類、申請期限、休職期間、社会保険料、復職手続、期間満了時の取扱いを質問しましょう。無給期間の生活費については、傷病手当金、介護休業給付金など、利用目的に応じた給付の要件を加入先へ確認します。体調が悪い場合は、詳しい説明や完璧な引き継ぎを無理に行わず、まず連絡と受診・休養を優先してください。転職は一つの選択肢ですが、体調が整わない段階で退職を急ぐと、利用できる制度や給付が変わることがあります。重要な決定の前に、医療機関、人事、社会保険労務士、ハローワーク等へ個別に相談することをおすすめします。

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【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸

大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会(東京商工会議所練馬支部、中央支部、各都道府県社会保険労務士会)講師及び各種WEB記事執筆、日経新聞、読売新聞、女性セブン等に取材記事掲載、NHKあさイチ2020年12月21日、2021年3月10日にTVスタジオ出演。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
https://oka-sr.jp/

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