インプレッション(インプレ)とは? 意味や類似語との違い、関連する指標も解説

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WEBサイトに関わる仕事をする以上、「インプレッション」という言葉は避けて通れない重要な用語と言えます。今回は、インプレッション(インプレ)の意味類似する用語との違い、インプレッションに関連するWEBマーケティングにおけるさまざまな指標についてご紹介します。

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1.インプレッションとは

インプレッション(impression)とは、デジタル広告や記事コンテンツが表示された回数を表す数値です。

インプレッションとは「印象」という意味で、ファーストインプレッション(第一印象)のように使われます。

デジタル広告や記事コンテンツが消費者に見られたことで印象を与えた回数を表します。特にデジタル広告の世界では最も重要な数値指標です。

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2.インプレッションが重要な指標である理由

インプレッションが重要な理由は、デジタル広告の出稿料、配信料がインプレッション1回あたりいくらという広告費計算の基本となっているからです。

一般的にはインプレッション1回あたりの広告掲載コスト=コスト・パー・インプレッション(CPI)で広告コストが適正であるかを検討します。また、デジタル広告は1インプレッションあたりの単価が大きくないため、予算規模や掲載メディアによっては1000インプレッションあたりの広告コスト=コストパーミル(CPM)で予算を考えることもあります。

広告の目的は、最小の予算で最大の成果を上げることです。そのために、CPIやCPMは広告戦略を考える上で重要な指標になります。

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3.混同されやすい用語との違い

インプレッションは、しばしばページビュー(PV)やリーチ数と混同されることがあります。どちらもデジタル広告では大切な数値指標ですが、細かな違いがあります。

(1)ページビューとの違い

ページビューとはページが閲覧された回数です。そのため、そのページに2つの広告が掲載されていれば、1回閲覧された場合、PVは1回ですが、インプレッションは2回ということになります。広告よりも主にメディアの運営者が重要視する数値指標です。

(2)リーチ数との違い

リーチ数とはその広告を見た人数のことです。ある人が広告が掲載されたウェブページを見て、しばらくしてから同じウェブページを見た場合、PVとインプレッションは2回になりますが、リーチ数は同じ人が見ているので1人となります。

従来のマスメディア広告では、広告を見てから購入などの行動を取る前に時間差があったため、リーチ数が重要な数値として考えられました。対象となる消費者の全員にリーチをすることが重要だったのです。しかし、デジタル広告では、広告を見てクリックするだけで購入などの行動に結びつきます。このため、広告が表示された回数=インプレッションが重要であると考えられるようになっています。

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(インプレッション、ページビュー、リーチの違い。それぞれ広告、ウェブページ、人に着目した数値指標という違いがある)

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4.デジタル広告の評価の考え方

デジタル広告の効果を測定するには、インプレッションが基礎となりますが、それだけは十分ではありません。広告の目的は、広告を見た商品者に希望する行動をとってもらうことからです。希望する行動とは、商品の購入、資料の請求、入会申請などです。

そのためには、次の3つの数値も合わせて測定し、広告を評価する必要があります。

(1)クリック率(CTR:Click Through Rate)

広告は見てもらっただけではあまり意味がありません。バナー広告や広告内のリンクをクリックしてもらい、詳細ページを見てもらう必要があります。CTRは、インプレッション(表示)のうちクリックをしたケースの割合です。もちろん、高ければ高いほど広告効果が高くなります。

(2)コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)

クリックされた広告のうち、広告主が希望する行動(購入、資料請求、入会申請)などをしてくれたケースの割合です。

クリック率は、広告内容の改善のための参考にします。コンバージョン率が同じであるのに、クリック率が低いということは広告の内容が魅力的ではないということです。

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(3)コスト・パー・インプレッション(CPI)

広告の出稿料、配信料は多くの場合、1インプレッションあたりいくらの単価と、クリックまたはコンバージョンの成果1件あたりの成果型報酬の2本立てになっています。この広告コストをインプレッション数で割ったものがCPIとなります。インプレッション数は配信先を増やすことで、計画的に増やしていくことができます。そのため、広告計画を拡大する時に、予算がどの程度増えるかを知る目安の数値となります。

また、インプレッション×クリック率×コンバージョン率を計算すると、成果があがった広告数がわかります。広告コストを成果数で割ると、顧客獲得コストが計算できます。

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5.さらに参考にしたい数値指標

この他に参考にしておくべき数値指標もあります。

(1)フリークエンシー(頻度)

1人の消費者が同じ広告を見た回数です。インプレッションとリーチ数から計算することができます。フリークエンシーが高いということは、同じ人が同じ広告を何回も見ていることになります。同じ広告を何度も見ることにより、印象付けられる面はありますが、必ずしもその印象はボジティブなものだとは限りません。あまりにフリークエンシーが高いと、いわゆる「同じ広告ばかりでてきてしつこい」というネガティブな印象を持たれてしまうリスクもあります。

クリック率やコンバージョン率などと合わせて、最適なフリークエンシーを探し、広告配信のプランニングをする必要があります。

(2)ビュースルーコンバージョン率

広告を見てクリックをしそのまま購入や資料請求をするというのではなく、広告を見た後別の行動をして、別のルートから購入や資料請求をするパターンの割合です。通常のコンバージョン率の計算には用いられませんが、これも広告の成果であると考えられます。それだけ長時間、広告の内容が気になっていたということであり、ビュースルーコンバージョン率が高い広告は優れた広告だということができます。

6.クリック率、コンバージョン率の目安

多くの方が知りたいのが、どのくらいのクリック率なら合格と言えるのかということだと思いますが、これは一概には言えません。対象の商品、サービスによっても異なりますし、掲載されるメディアによっても異なります。また、広告代理店や広告出稿をする事業会社にとっては重要な数値であるため、わざわざ公開する企業は多くありません。

その中でも参考にできるのが、米国の広告企業WordStreamがブログで公開しているグーグル検索広告とグーグルディスプレイ広告(バナー広告など)の業界別の平均値です。

日本と米国ではさまざまな環境が異なりますが、まず、同じ業界の平均値を目標に広告配信計画を立ててみると、目標設定がしやすくなります。

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(グーグル検索広告(リスティング広告)の業界別のクリック率、コンバージョン率の平均値WordStreamブログ掲載のデータより作成)

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(グーグルディスプレイ広告(バナー広告)の業界別のクリック率、コンバージョン率の平均値。WordStreamブログ掲載のデータより作成)

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7.Web広告のインプレッションを増やす方法

ここまでインプレッションの意味や関連する指標について解説してきました。

では、実際にインプレッションを増やすにはどのようにしたら良いのでしょうか?

インプレッションを効率よく増やす方法を紹介するので参考にしてください。

(1)広告費用の再検討

Web広告は設定した費用に収まるように、表示される回数が自動的に制限されています。そのため、インプレッション数の伸びがよくない場合は、広告費用を上げて表示回数を増やしてみると改善される可能性があります。

予算が限られていて大幅な変更ができない場合は、少額から初めて様子をみて予算設定を変更してみましょう。

(2)広告のランクを上げる

検索広告は広告ランクによって表示される順位が異なります。広告ランクが高く優先的に表示されればされるほどユーザーの目に入るため、インプレッション数は増えやすくなります。

広告ランクは「ユーザーが気になってクリックしたくなる広告を作る」「広告に合うキーワードを設定する」ことで上がります。

ただし、ターゲットを絞ってキーワードを設定してしまうと特定のユーザーにしか表示されず、インプレッション数が伸び悩む原因にもなるので注意しましょう。

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8.まとめ

インプレッションとは、デジタル広告が表示された回数を表します。デジタル広告の出稿料、配信料は1インプレッションあたりいくらという単価を基礎をするため、広告コストを分析する上で重要な数値になります。

また、インプレッションだけでなく、クリック率、コンバージョン率なども把握をして、広告コストや顧客獲得コストを把握し、それを改善するように広告配信計画を見直していくことが重要です。

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原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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