【ハッシュタグとは】マーケティングでの活用法やメリット、分析ツールを紹介

ビジネススキル・マナー

SNS関連の用語として、「ハッシュタグ」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、ハッシュタグをどうやって使ったらいいかについて詳しくは知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、主にマーケティングの視点から、ハッシュタグの活用法やそのことで得られるメリット、さらにSNSの分析ツールについてもご紹介します。

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1.ハッシュタグとは

ハッシュタグとは、TwitterやインスタグラムなどのSNSで検索をしやすくするために使うタグ(目印)のことです。#(ナンバー記号)の後に言葉をつけ、例えば「#週末に見る映画」のように使います。

2.ハッシュタグの使い方

(1)本文中の言葉をハッシュタグにする

ハッシュタグは#記号さえ使っていれば、ツイートのどの部分に使ってもかまいません。そのため、本文に埋め込む形で使うこともできます。例えば、「朝から週末に見る映画を探しているけどこれというのが見つからない」というツイートを書いてから、ツイートの中にタグになりそうなキーワードを見つけて、「朝から #週末に見る映画 を探しているけどこれというのが見つからない」と#記号を追加していくのが一般的です。

ハッシュタグのハッシュとは切り刻むという意味です。本文の単語を切り出してタグ(目印)にすることからハッシュタグと呼ばれます。なお、元々は単語を分かち書きする英語圏で生まれたものであるので、「#週末に見る映画」の前後にはスペースが必要です。また、#はナンバー記号で♯(シャープ記号)ではありません。

(2)本文中の末尾に列挙する

ハッシュタグの位置はどこでもかまわないため、本文の末尾にハッシュタグを列挙するパターンもあります。「朝から週末に見る映画を探しているけどこれというのが見つからない。 #日本映画 #週末の過ごし方 #巣ごもり」などです。末尾に入れるため、複数のハッシュタグを使うことができます。

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3.ハッシュタグのメリット

ハッシュタグをつけたツイートは、検索がしやすくなります。多くのSNSではキーワード検索ができますが、普通の検索では意図しないツイートも検索されてしまいます。例えば、「週末に見る映画」と検索をすると、「週末」「見る」「映画」という単語が入っているツイートすべてが対象になってしまい、映画とはあまり関係のないツイートまで検索されてしまうことがあります。

しかし、「#週末に見る映画」というハッシュタグで検索をすると、このハッシュタグをつけたツイートだけが検索されます。このハッシュタグをつけてツイートをした人は、映画に関するツイートをしているはずなので、意図どおりのツイートが検索できるようになります。

Twitterではどのようなハッシュタグがあるのか、ハッシュタグの検索候補が表示されます。また、インタスタグラムではハッシュタグの検索で、おおよその件数が表示されるため、トレンドを知る手がかりになります。

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(Twitterでは、ハッシュタグの検索ができる)

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(インスタグラムでは、ハッシュタグが検索できるだけでなく、投稿件数も表示されるため、トレンドの傾向がつかみやすい)

4.企業でのハッシュタグの活用法

ハッシュタグは、プライベートでSNSを利用する時にも便利な機能ですが、ビジネスの現場でも役に立てることができます。

(1)商品やサービスの消費者の反応を調査できる

自社が提供しているサービスや商品のSNSでの生の声が収集できます。消費者の中では、サービスや商品に対する感想や意見を「#(商品名)」というハッシュタグをつけて積極的にツイートしてくれる方が増えています。ハッシュタグをつけることで、同意をしてくれる人を求めたり、自分の意見が提供企業に伝わったりすることを期待するからです。中には厳しい指摘もあるかもしれませんが、いち早く察知して対処することが可能になります。また、場合によっては事実誤認や誤解に基づくツイートもあり得ますが、それを放置しておくと、あたかも真実であるかのごとく拡散してしまい、訂正をする機会を逸してしまうこともあります。

ハッシュタグを活用して、消費者の反応をウォッチし、問題がある場合は、公式アカウントからいち早く正しい情報発信をすることができます。

(2)自社に関連をするトレンドの調査ができる

インスタグラムの検索やその他の分析ツールでは、ハッシュタグを検索し、その件数をリアルタイムで計測することや過去の増減を可視化することができます。このようなツールを利用することで、自社の商品やサービスに関連するトレンドを調査することができます。例えば、ビール飲料であれば「#ビール女子」「#ビールサーバー」「#ビールに合う」「#クラフトビール」などの関連ハッシュタグのツイート件数を可視化しておくことで、周辺領域でのトレンドが見えてきます。それに合わせて営業活動やキャンペーン企画を立案することが可能になります。

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(3)参加型キャンペーンを手軽に開催することができる

例えば、飲料会社が自社の商品を「誰と飲むのがいちばん美味しいか」というアイディア募集の参加型キャンペーンを企画したとします。スマートフォン以前の時代であればハガキなどによる応募、スマートフォン以後の時代でも電子メールによる応募などが必要でした。大量の応募が殺到するために、その管理作業は膨大で、特に個人情報の扱いには慎重な対応をしなければなりません。

しかし、SNSのハッシュタグを利用すれば、簡単に参加型キャンペーンが実行できます。参加をする場合は、例えば、「#(商品名)誰と飲む?」というハッシュタグをつけるように告知をし、SNSで参加をしてもらうことができます。ハガキや電子メールに比べて、手間が小さく、個人情報も伝える必要がないため、参加のハードルが低くなり、より多くの人に参加してもらえる可能性があります。

(4)消費者とのコミュニケーションのきっかけになる

商品やサービスに関するハッシュタグ付きのツイートやハッシュタグを利用したキャンペーンを行い、ユニークな投稿をしてくれた消費者の方と連絡を取ることも気軽にできます。SNSなので、簡単にメッセージを送ることができるからです。そういう消費者の方とプロモーションに参加をしてもらうことも可能です。

このような優れた意見を持っている消費者代表は、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれ、商品の魅力を伝える手法として、KOLの活用が注目されるようになっています。製造現場を見学してもらい、その様子をSNSでツイートしてもらうなどのプロモーションが考えられます。

5.SNSを分析するツール

ハッシュタグを含めた分析ツールは、主に3つのカテゴリーに分けられます。

(1)投稿分析ツール

自社アカウントの投稿に対するエンゲージメント(フォロワーの反応)などを分析するためのツールです。これにより、どのような投稿をすれば消費者が反応をしてくれるのか、あるいは何曜日、何時などベストの投稿タイミングを探っていくことも可能になります。

Twitterマーケティングの世界では「social dog」、「Hootsuite」、「Buffer」などがよく知られています。

(2)アカウント分析ツール

アカウント分析ツールは、自社だけでなく、他者のアカウントの分析ができるツールです。そのアカウントがどの程度ツイートをしているか、ツイートの傾向、誰とつながっているのかなどを調べることができます。優れたSNSマーケティングを行なっているアカウントを調査して、その手法を分析する基礎データにしたり、あるいはライバル企業のアカウントを調査して動向を把握したりすることなどができます。また、KOLと連絡を取る前に、その人がSNSでどのような活動をしているのかを調べることにも利用できます。

このような分析ツールは、ウェブベースの「whotwi」がよく使われています。

(3)ソーシャルリスニングツール

ソーシャルリスニングツールとは、自社の商品、サービスに関連するツイートを分析するツールで、関連ツイート件数などの定量的な分析だけではなく、感情などの定性的な分析も可能になっているものが多くあります。ただし、かなり高度なツールとなるため、多くが有償ツールであり、詳細な分析をしたい場合はかなり高額になるケースもあります。業界により、適したソーシャルリスニングツールが存在するため、情報システム部などと相談をして導入するツールを決定する必要があります。

6.まとめ

ハッシュタグとはTwitterやインスタグラムなどの本文につけるテキストのタグのことです。全文検索をすると、想定外のツイートまで検索されてしまいますが、ハッシュタグを検索すると、それをテーマにしたツイートだけを検索することが可能になります。

この性質を利用して、企業では、ハッシュタグを活用したSNSマーケティング、SNSプロモーションを行うことが常道になってきました。分析ツールなどの環境も整ってきています。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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