「マネタイズ」は、ビジネスモデルや新規事業に関する話題のなかでよく使われる言葉です。ビジネスモデルとマネタイズの手法を理解できれば、そのビジネスの将来性もイメージできます。マネタイズの概念や代表的な手法をわかりやすく解説します。(Misa)
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1.マネタイズとは
英単語としてのマネタイズ(monetize)は、「貨幣を鋳造する」「通貨を発行する」「資産などをお金に換える」といった意味ですが、そこから技術や知識などを収益化することをさすようになりました。マネタイズという言葉は「収益化」を意味しますので、厳密にいえば「マネタイズ化」という使い方は誤りです。
Webビジネスの広がりによって、無料のWebサービスを収益化するという意味で使われるようになりました。無料サービスのユーザーを有料サービスや商品購入に移行させること、さらにはそのためのビジネスモデル構築という意味で理解している人も多いでしょう。
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2.マネタイズという言葉の使い方
先述したように「マネタイズ」は近年のビジネスシーンで使われる言葉です。
使い方を把握して、ビジネスシーンで活用していきましょう。
以下は、マネタイズを使った具体的な例文になります。
「ブログの閲覧数が増えてきたので、マネタイズをして収益をあげれるかもしれない」
「軌道に乗りかけていた事業がマネタイズできず頓挫した」
「マネタイズの手法は様々なものがある」
「良い製品が完成したが、マネタイズ面で問題がある」
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3.マネタイズの主な手法
マネタイズの手法は、サービスモデルやサービス利用者のペルソナにあわせて選択されます。主な手法をご紹介します。
・広告モデル
広告収入を運営会社の収益源とするモデルです。YouTube、InstagramなどのSNSが代表例です。SNSではアフェイリエイトバナーの利用で、エンドユーザーも広告収入を得ることができます。広告収入は広告の表示を成果とするインプレッション型と、広告のクリックや商品購入などのエンドユーザーのアクションにより報酬を得る成果報酬型があります。
・課金モデル
アプリやサービスの特定の機能を利用する際に課金するモデルです。無料サービスに付加価値をつけて課金をうながす、マネタイズの代表的なモデルです。広告モデルと併用されることが多いです。オンライサロンやソーシャルゲームのアプリ内課金、YouTubeのスーパーチャットなどが該当します。
・ECモデル
ECモデルは、電子商取引(Electronic Commerce)にともなう手数料などで収益をあげる手法です。ECサイトには自社製品やサービスを販売する直営ECサイトのほか、事業者にECの機能を提供するサイトがあります。後者は、総合ECサイトといわれるショッピングモール型とネットショップの機能をASPサービスとして提供するASP型ネットショップがあります。
タイプ | 主な収益源 | 例 |
---|---|---|
ショッピングモール型 | 出店料、売上手数料、広告掲載料 | Amazon、楽天など |
ASP型ネットショップ型 | 出店料、サービス利用料 | BASE、STORESなど |
・仲介モデル
仲介モデルでは、エンドユーザーと商品やサービスの提供者を結びつけるマッチングのプラットフォームサービスを提供し、仲介料が運営者の収益となります。一般的な仲介モデルでは、提供者が売買成立時の成功報酬として仲介料を負担し、エンドユーザーは無料でサービスを利用できるようになっています。フリマアプリや不動産仲介サイトなどが代表例です。
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4.マネタイズを行うビジネスシーン
当事者としてマネタイズを考えるのは、新サービスや新規事業を構築するときです。新しいビジネスはひらめきから始まる場合も多いですが、実際に事業化し、収益を上げるのはアイディアだけでは困難です。ターゲット層の消費行動や購入動機につながる要素を把握するマーケティングやサービス提供におけるコンプライアンス、事業の収益性を保つ経営など、さまざまな知識が必要です。
実績のあるマネタイズモデルには、それぞれに長所と短所があります。マネタイズモデルを理解することは、運営会社の将来性を知ることにつながります。就職や転職を考える際の企業研究にも役立つでしょう。
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5.マネタイズを成功させるポイント
マネタイズを成功させるためには、入念な市場調査が必要です。
すでに競合が多く、新規参入が難しいと考えられる場合や、市場規模が縮小している業界の場合、成功する確率が低くなります。
また、サービスを利用するユーザーの絞り込みも重要です。
サービスを利用するユーザーを絞り込み、具体的なユーザーの姿をイメージすることで、「どのようなサービスに興味を持っているのか」「どのようなサービスを利用するか」「ユーザーの行動心理」などが推測できます。
このように、市場動向をリサーチすることで、マネタイズを成功させやすいサービスの提供に近づきます。
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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。