【アフィリエイトとは】アフェリエイト広告のメリットと問題点を解説

ビジネススキル・マナー

アフェリエイトの内容についてなんとなく知っているという方は多いと思いますが、実際にアフェリエイト広告などに関わったことがある方以外は、その内容を正確に把握している人はそれほど多くないのではないでしょうか。

今回は、アフィリエイトプログラムの起源やアフィリエイトマーケティングのメリット、問題点などについて詳しく解説していきます。

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1.アフィリエイトとは

アフィリエイト(Affiliate)とは、企業と提携し、ブログ、メディア、SNS、ムービーなどのコンテンツに掲載をする成果報酬型の広告の仕組みです。メディアで集客をし、提携企業の広告を掲載し、商品購入ページなどのランディングページに送客をすることで報酬が発生します。

デジタル広告としては古典的な広告手法になりましたが、現在でも、広く使われている手法です。アフィリエイトとは「提携する」「加入する」などの意味の言葉で、アマゾンのアソシエイトプログラムが有名です。

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2.アフィリエイトプログラムの起源

アフィリエイト広告の起源については諸説ありますが、1996年頃にアマゾンが考案をしたという説があります。

創業者のジェフ・ベゾス氏があるパーティーに出席した時に、ある女性から「自分が書いた本を宣伝するにはどうしたらいいか?」と相談されたところから、アフィリエイトの仕組みが生まれたと言われています。

書籍をアマゾンで販売し、その商品詳細ページへのリンクを貼った広告を、書籍のテーマに関係のあるブログやウェブメディアに掲載してもらう。その広告から購入に至った場合は、成果報酬をブログやメディアの運営者に支払うというものです。

このアフィリエイト広告により、無料で購読できるウェブメディアが増えるようになりました。

また、アフィリエイト収入をねらって、ブログやメディアを立ち上げるアフィリエイターと呼ばれる人も登場してきました。最近ではTikTokやSNSのコンテンツを活用してアフィリエイト広告による収入を得る人も増えています。

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(アフィリエイト広告をめぐって消費者問題も起き、消費者庁もアフィリエイト広告の不当表示などの問題に注目をしている。「アフィリエイト広告をめぐる現状と論点」(消費者庁)より引用)

3.アフィリエイトマーケティングのメリット

広告を出稿する企業にとって、アフィリエイトにはさまざまなメリットがあります。特に、広告活動に関する社内リソースが不足をしているスタートアップ企業にとって、非常にメリットの多いマーケティング戦略になっています。

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(1)報酬が後払い

アフィリエイト広告は出稿するだけなら出稿料は必要ないことが多いです。広告をクリックする人が現れて、商品が売れるなどの成果が出て、初めて成果報酬を支払う成果報酬型広告です。

そのため、最初に広告予算を確保する必要がなく、商品が売れてからその数%を報酬と支払うことが可能です。キャッシュフローが厳しいスタートアップ企業、零細企業にとっては非常にありがたい広告です。

(2)スケール戦略を立てやすい

企業が成長すると、広告予算は不連続で上昇していきます。例えば、それまでラジオ広告を出していた企業が成長したらテレビ広告を出すというような場合です。

広告出稿料は桁違いに大きくなり、企業を成長させる時には、このように不連続に上昇する経費のことを考えておかないと、意外なところでつまずくことになります。

しかし、アフィリエイト広告の成果報酬は、「販売額の◯%」に設定ができ、これは企業がスケールしても変わりありません。そのため、個人ブログを中心に出稿していたが、大手メディアにも出稿するなどの戦略転換がしやすいのです。

(3)社内リソースが少なくてすむ

一般的なメディア広告を展開するには、メディア選定、広告制作、広報対応などさまざまな業務が必要になります。アフィリエイト広告の場合は、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が多数存在し、多くの業務を委託することができます。

どのメディアに展開するかなどの戦略も、ASPが保有するデータ分析し、適切なメディアを抽出し、アフィリエイト広告を展開してくれます。ASPと共同して広告戦略を立てる必要はありますが、通常のメディア広告と比べて圧倒的に少ないリソースで広告を展開することができます。

(4)KOCを確保しやすい

KOCというのはKey Opinion Customer(影響力のある消費者)のことです。アフィリエイト広告で最も理想的なのは、自社の製品を熱烈に好んでくれるファン消費者がブログなどのメディアを立ち上げ、そこにアフィリエイト広告を出すパターンです。

自社のファンが集まる場所なので、販売コンバージョンも高くなります。それだけでなく、自社の製品やサービスを提供する企業とはまた違った消費者の角度から説明するコンテンツにより、ファン層の拡大、新たなファン層の獲得が可能になります。

このような理想的なアフィリエイト広告の仕組みで獲得したファンは、長期間にわたって製品やサービスを購入してもらうことが期待でき、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)の高い消費者を獲得することが可能となります。

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4.アフィリエイト広告の問題点

アフィリエイト広告にも問題点はあります。それは不当表示に関するもので、消費者庁もこの問題に注目をし、実際に、景品表示法に基づく措置命令、消費者安全法にもとづく注意喚起なども行われています。

(1)アフィリエイターによる不当表示

問題は、アフィリエイト収入を期待するブロガー、メディアが、成果報酬をあげようとするばかりに、商品やサービスを過剰によく見せようとし、過剰な表現を使ったり、場合によっては事実ではない内容、架空の体験談の捏造まで行ったりしてしまうことです。

(2)アフィリエイト広告主の責任

ブログにアフィリエイト広告を出稿して、ブログで不当表示が行われた場合、広告主は「それはブログ側が勝手にやったこと」と考えるかもしれませんが、現実はそのような無責任なことは言えません。

消費者から見れば、ブログとアフィリエイト広告は一体のもので、ブログの不当表示の責任は広告主にもあると考えます。悪質な不当表示であった場合、企業のイメージは大きく悪化します。

また、広告主が表示内容の決定に関与をしている場合、決定を委ねている場合に不当表示が当たった場合、アフィリエイターだけでなく、広告主も措置の対象となります。詳しくは「健康食品に関する景品表示法及ひ゛健康増進法上の留意事項について」(消費者庁)を参考にされてください。

(3)掲載メディアのチェックが必要になる

このような事情から、アフィリエイト広告を掲載するコンテンツは、原則ASPに選定をしてもらいますが、広告主側でどのようなメディア、コンテンツであるのかをチェックをすることは必要で、景品表示法、消費者安全法に触れるような表現があった場合は、ASPに対して配信停止を依頼する必要があります。

また、このような法律に触れなくても、公序良俗や自社のイメージ戦略に合わないメディア、コンテンツにアフィリエイト広告が出稿されていた場合は、ASPに対して配信停止を依頼する必要があります。

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(実際に不当表示として問題になったアフィリエイト広告。状況によっては、広告主の責任が問われる場合もある。「アフィリエイト広告をめぐる現状と論点」(消費者庁)より引用)

5.広がるアフィリエイト広告

アフィリエイト広告の対象となるのは、ブログ、ウェブメディアが中心で、SNSや動画共有サイトでは今まであまり行われてきませんでした。それは自社の広告システムを持っているSNSや動画サイトが、アフィリエイターが商品などへのリンクを直接貼ることを禁止することが多かったからです。

しかし、YouTube、Instagramなどでは禁止をしていないため、SNSや動画コンテンツで、これらのコンテンツやブログに誘導をすることで、アフィリエイト広告を実現しています。

アフィリエイト広告は、インターネットの黎明期に生まれた広告手法ですが、最新のメディアにも対応をした古くて新しい広告手法になっています。

6.まとめ

アフィリエイト広告は、ブログ、ウェブメディアなどのコンテンツに掲載する成果報酬型広告のことです。その歴史は古く、古典的な広告手法ですが、最近ではSNSや動画に掲載することも可能になり、企業にとっては利用しやすいデジタル広告のひとつになっています。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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