【強調スニペットとは】採用された際のメリットと採用されやすい条件

ビジネススキル・マナー

検索エンジンで知りたい事を検索すると、分かりやすい回答が検索上位に示されることがありますが、これは「強調スニペット」と呼ばれます。

今回は、強調スニペットの意味や、強調スニペットに採用された際のWEBサイト運営側のメリット、強調スニペットに採用されやすい条件などについてみていきます。

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1.強調スニペットとは

強調スニペットとは、グーグル検索の結果表示画面の最上部に、検索キーワードの回答となる簡潔な文章などを表示する仕組みです。検索した人は、知りたいことに対する回答をすぐに知ることができます。

スニペット(snipett)とは、グーグル検索結果の各項目に表示される説明文のことです。その中で、特に回答として適切なものを最上部にボックスで囲って表示するのが強調スニペット(Featured Snipett)です。

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(検索結果の最上部に表示される強調スニペット。ユーザーは、検索キーワードに対する回答を素早く知ることができる。強調スニペットが表示されない検索キーワードもある)

(【画像出典】「Google」検索結果画面)

2.ナレッジグラフとの違い

グーグルは知識系の検索キーワードに対して、答えがすぐに表示される仕組みを強化してきました。例えば、「富士山の高さ」と検索すると、最上部に「3,776m」と表示されますし、「地名 天気」と検索すると1週間分の天気が表示されます。

つまり、検索キーワードがQ&Aの形式にあてはまる場合、最上部にその回答が表示されるようにしています。この回答は、グーグルが各所から情報を入手し、整理して表示しているものでナレッジグラフと呼ばれます。

しかし、すべての検索キーワードに対してナレッジグラフで回答を表示することはできません。そこで、一般のウェブから回答になる部分を抜き出して、強調スニペットとして表示をしています。

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(ナレッジグラフも検索結果最上部に表示される。回答は、グーグルがさまざまな入手先から入手して表示している。強調スニペットは、一般のウェブの一部を使って表示している点が異なる)

(【画像出典】「Google」検索結果画面)

3.強調スニペットに採用された場合のメリット

強調スニペットにどのウェブの内容が採用されるかは、グーグルが開発したアルゴリズムによって自動化されています。強調スニペットに採用されるとウェブ運用側には次のようなメリットがあります。

(1)サイト流入量が大きく増える

強調スニペットは「検索順位0位」と言われるほど、圧倒的に目立つ位置に表示されます。特にスマートフォンでは、上から「強調スニペット」→「他の人はこちらも検索」→「検索結果」となる場合が多いので、強調スニペットが表示された場合、多くの人が強調スニペットを読んで満足する場合もあります。強調スニペットに採用されると、その検索キーワードのトラフィックの多くを占めることができる可能性も高くなります。

(2)音声アシスタントにも採用される

Google Nestなどのスマートスピーカーあるいはグーグルアプリの音声アシスタントなどで音声で質問をした場合、強調スニペットの内容が回答として読み上げられる場合があります。読み上げをするときは、「○○によると...」とサイト名が読み上げられるため、サイトや自社の認知率を高めることができます。

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(スマートフォンの場合、強調スニペットが画面を広く占める場合が多いため、ウェブ運営者にとっては多くのトラフィックを得られるというメリットがある)

(【画像出典】「Google」検索結果画面)

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4.強調スニペットに採用されやすい条件

強調スニペットの採用は、アルゴリズムにより自動化をされており、その具体的な内容は公開されていません。しかし、次のような傾向があることが知られています。

(1)検索順位10位以内

多くの場合、検索順位10位以内(検索結果の1ページ目)から選ばれています。そのため、まずは、SEO対策をしっかりと行い、検索上位に入ることが必須条件です。

(2)簡潔な回答文が用意されている

ウェブ内に質問の回答となるような簡潔な文が用意されていると、強調スニペットに選ばれやすくなると言われています。その目安は200字程度とも言われます。ウェブを制作するときに、SEO対策と合わせて、質問に対する回答文を意識して制作すると、採用される確率が高くなります。

(3)採用されるのは有名サイトとは限らない

実際に採用されている強調スニペットを見ていてくと、官公庁や大企業、大手メディアのウェブが採用されることが多いのは当然ですが、小さな企業、メディアも採用されていることがわかります。採用に関しては、サイトの知名度よりも、回答文として適切かどうかが判断基準になっているようです。

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5.強調スニペットに採用されることのデメリット

強調スニペットに採用されると検索キーワードに対するトラフィックを多く獲得する可能性が高くなりますが、一方で、デメリットもないわけではありません。

(1)ゼロクリックサーチのリスク

強調スニペットは、ボックス内の短い文章を読むだけで回答になっているため、多くの人が読むことで満足をしてしまい、クリックをしてくれない場合もあります。ウェブ運営者としては、クリックしてもらうことが重要であるため、これはデメリットにもなります。

Ahrefsの調査によると、強調スニペットが表示されない検索結果では、1位の項目を26%の人がクリックしましたが、強調スニペットが表示される検索結果では8.6%の人が強調スニペットをクリックし、検索1位を19.6%がクリックしました。つまり、強調スニペットは検索1位のトラフィックから8%程度を得ていることになります。

(2)強調スニペットに採用されると検索結果から排除される場合がある

強調スニペットに採用されると、通常の検索結果には表示されなくなる場合があります。先ほどのAhrefsの調査結果と兼ね合わせて考えると、検索1位のウェブが強調スニペットに採用されると、かえってクリック率が下がってしまうことになります。つまり、強調スニペットに採用されることは、検索順位2位以下にとっては得に、検索順位1位にとっては損になる場合もあるのです。

(3)意図的に強調スニペットから除外しなければならないことがある

強調スニペットにはこのようなデメリットがある場合があるため、検索順位1位の時は強調スニペットに採用されない方が望ましいケースも存在します。その場合は、HTMLのnonsnippetタグを使って、あえて強調スニペットに採用されないようにウェブを制作しておく必要が出てくるケースもあります。

詳しくは「Google検索セントラル」のドキュメントに詳しい技術解説があります。

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(Ahrefsによる調査。強調スニペットが表示されない検索結果では、26%の人が検索第1位をクリックする。強調スニペットが表示される検索結果では、8.6%の人が強調スニペットをクリックし、検索第1位は19.6%の人がクリックした。つまり、検索第1位であるなら、強調スニペットに採用されない方がクリック率は高く維持できる場合がある)

(【画像出典】「Ahrefs」WEBサイト)

6.まとめ

強調スニペットは、知識系の検索キーワードに対して、端的に回答を表示するグーグル検索の仕組みで、強調スニペットに採用されることで、トラフィックを大きく伸ばすことができる可能性が高まります。

特に、知名度が低い企業、メディア、団体にとっては、グーグルからお墨付きを与えられるようなもので、ブランドイメージの向上にもつながる可能性が高まります。

原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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