AIDMA(アイドマ) とAISAS(アイサス)、その他の購入行動モデル含め徹底解説

AIDMA(アイドマ) とAISAS(アイサス)、その他の購入行動モデル含め徹底解説

WEBマーケティングの世界で「AIDMA(アイドマ)」という用語を耳にしている方も多いと思います。今回は、AIDMAとは何か、似た用語であるAISAS(アイサス)も併せて説明し、さらにAIDMA、AISAS以外の購入行動モデルについても徹底解説します。

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1.AIDMA(アイドマ)とは

AIDMA(アイドマ)とは、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理を説明するモデルのひとつです。

消費者は次のようなプロセスで購入行動をとるとする仮説です。

Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)

AIDMAとはこの5つのプロセスの頭文字をとったものです。

マーケティングに携わる人は、この5つのプロセスを頭に入れて、各段階で消費者に効果的なアプローチをしていく必要があります。

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2.AIDMAの各段階

AIDMAには次の5つの段階があります。

2.1.注意(Attention)

消費者がその商品やサービスの存在に気づく段階です。

多くの場合は、広告になります。

また、店頭やネットなどで商品の存在に気がつくということもあります。

2.2.関心(Interest)

商品の存在を知り、関心を持つ段階です。

その商品についてもっと知りたいと考えるようになります。

この段階で、商品の特徴やメリットなどを消費者に伝える必要があります。

2.3.欲求(Desire)

その商品を欲しいと思う段階です。

しかし、欲求が生まれてもすぐに購入できるとは限りません。

2.4.記憶(Memory)

商品が欲しいと思っても、すぐに買うことはできません。

店頭に行かなければならなかったり、ECにアクセスする手段がすぐには使えなかったりすることがあります。

この間、消費者は商品の記憶を維持する必要があります。

そのため、記憶しやすいパッケージや商品名を使い、記憶がすぐには消えないようにしておく必要があります。

2.5.行動(Action)

店頭、ECなどにアクセスをして、購入します。

行動をとりやすくするために、販売チャンネルを多数配置しておく必要があります。

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(AIDMAの購入行動モデル。各段階で離脱率を小さくするような施策を実行していく)

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3.AISAS(アイサス)とは

AIDMAは、主に店頭販売のオフライン小売を想定した購入行動モデルであるため、現在のようなオンライン小売にはあてはまらない部分があります。

そこで、ECなどのオンライン小売ではAISAS(アイサス)という購入行動モデルが提案されています。

3.1.注意(Attention)

消費者がその商品やサービスの存在に気がつくことから始まるのは同じです。

しかし、AIDMAではテレビや雑誌などの広告を想定しているのに対し、AISASではデジタル広告やSNSの投稿、インフルエンサーによる動画などから商品の存在に気がつくことを想定しています。

3.2.関心(Interest)

商品の存在を知り、その商品に関心を持ちます。ここもAIDMAと同じです。

3.3.検索(Search)

ここがオンライン小売を想定したAISASの大きな特徴になります。

商品に関心を持ったら、手元のスマートフォンやPCで検索をしてみることができます。

すると多くの解説やレビュー、場合によっては不満などの情報が見つかり、この検索をする過程で、購入したいという欲望が生じていきます。

3.4.行動(Action)

購入したいという欲求が生じたら、ECで注文をすることができます。

3.5.共有(Share)

商品を購入した人の多くが、商品を評価したり、感想をSNSに投稿したりします。

これが別の人の注意につながることがあり、AISASは循環をすることが特徴です。

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(AISASは主にオンライン小売の購入行動モデル。共有により循環することが特徴)

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4.フレームワークとしてのAIDMAとAISAS

マーケティングにとって、AIDMAとAISASはフレームワークとして利用することができます。

利用するには次のような4つのステップを踏んで、プロモーション施策を立案していきます。

4.1.各段階でどのような施策ができるかを列挙する

まずやることは、AIDMA、AISASの各段階でどのような施策が打てるかを列挙していくことです。

注意を引くにはどうすればいいか、関心を引くにはどうすればいいか、具体的な策をできるだけたくさん列挙していきます。

4.2.施策を組み合わせてプロモーションにまとめていく

AIDMA各段階の施策を組み合わせて、ひとつのプロモーション施策にまとめていきます。

この時に、注意をしなければならないのが離脱率です。

消費者はAIDMAの各段階を経るごとに減少していきます。

例えば、100人の消費者がいて、その中で注目(Atention)をしてくれるのは85人、興味(Interest)を持ってくれるのは60人というように、各段階を経るごとに消費者が少なくなっていきます。

目的は、この離脱率をできるだけ下げ、最後の購入行動(Action)を取る消費者を最大化することです。

4.3.実際の離脱率を測定し、AIDMA施策を改善していく

実際にプロモーション施策を行なっても、うまくいくかどうかは実際にやってみないとわからないところがあります。

そのためには、施策を常に改善し続けることが重要です。

特にAIDMAの各段階の離脱率を常に測定し、離脱率の下がった段階の施策を見直しします。

4.4.ネガティブな離脱を打ち消す施策を用意する

施策を追加、更新してプロモーションを改善していくには、離脱の理由を打ち消す施策を追加していくことが必要になります。

例えば、AIDMAの第3段階のD(欲求)から第4段階へのM(記憶)への離脱が大きい場合は、欲しいと思ってもらえているのに、商品のことを覚えてもらえないということになります。

アンケート調査や店頭からの情報で、その理由を分析し、それが「商品名を忘れてしまう」であれば、商品の愛称をつける、キャラクターを設定する、商品名の入った粗品を進呈するなど、さまざまな策が考えられます。

また、M(記憶)からA(行動)への離脱が大きい場合は、その原因が「買う場所がわからない」であれば、ウェブで取扱店一覧を検索できるようにする、大手ECで取り扱う、広告などに直販ECへのQRコードをつけるなど、さまざまな策が考えられます。

このようにして、AIDMAの各段階での離脱を減らす策を打っていき、最後の行動(Action)=購入に至る消費者を増やすのがマーケティングの役割です。

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5.AIDMA、AISAS以外の購入行動モデル

オフライン小売のAIDMA、オンライン小売のAISASは、マーケティング施策を立案する時の基本モデルとして使われます。

しかし、商品特性や販売チャンネルによっては、AIDMA、AISASではうまく当てはまらないこともあります。

そのため、さまざまな購入行動モデルが提案されています。

理想は、AIDMA、AISASを基本にし、他の購入行動モデルを参考にして、自社オリジナルの購入行動モデルを構築することです。

5.1.AISCEAS(アイシーズ)

AISASに、商品の比較、検討という項目を付け加えた購入行動モデルです。

近年では、同種の商品を比較するブログ、比較サイトなどが増えていることを考慮したものです。

  • 注目(Attention)
  • 興味(Interest)
  • 検索(Search)
  • 比較(Comparison)
  • 検討(Examination)
  • 行動(Action)
  • 共有(Share)


5.2.AIDCAS(アイドカス)

オフライン、オンラインを問わず、顧客の生涯価値(Life Time Value)を最大化することを目的にする購入行動モデルです。

ひとつの商品を売ったら終わりではなく、リピートをしてもらい、顧客と長いお付き合いをすることを目的にしたものです。

健康食品など、継続利用を獲得したい商品に向いた購入行動モデルです。

  • 注意(Attention)
  • 興味(Interest)
  • 欲求(Desire)
  • 確信(Conviction)
  • 行動(Action)
  • 満足(Satisfaction)


5.3.AMTUL(アムツール)

AIDCASと同じように顧客の生涯価値の最大化をねらうモデルで、無料試用、低価格試用の方法を使う場合の消費モデルです。

  • 認知(Aware)
  • 記憶(Memory)
  • 試用(Trial)
  • 使用(Usage)
  • 忠誠(Loyalty)


5.4.VISAS(ビサス)

口コミ(オンラインの口コミを含む)の影響が強い商品の購入行動モデルです。

  • 口コミ(Viral)
  • 影響(Influence)
  • 共感(Sympathy)
  • 行動(Action)
  • 共有(Share)


5.5.DECAX(デキャックス)

インフルエンサーマーケティングでの購入行動モデルです。

  • 発見(Discovery)
  • 関係(Engage)
  • 確認(Check)
  • 行動(Action)
  • 経験(Experience)


5.6.SIPS(シップス)

SNSによるマーケティングでの購入行動モデルです。

  • 共感(Sympathize)
  • 確認(Identify)
  • 参加(Participate)
  • 共有と拡散(Share and Spread)


5.7.AISA(アイサ)

SHIPと同じようにSNSによるマーケティングでの購入行動モデルです。

  • 注意(Attention)
  • 興味(Interest)
  • ソーシャルフィルター(Social Filter)
  • 行動(Action)


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6.まとめ

AIDMAとは、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理を説明するモデルのひとつです。

AIDMAは主にオフライン小売を想定した購入行動モデルです。

オンライン小売を想定した購入行動モデルにはAISASがあります。

この他にも、商品特性、販売チャンネルなどに合わせたさまざまな購入行動モデルがあり、自社オリジナルの購入行動モデルを確立し、マーケティング施策に効果的に活かしていく必要があります。

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