メソッドとは? フレームワークとの違いやPDCAについて解説

ビジネススキル・マナー

「〇〇メソッド」という名称をきっかけに、メソッドという言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。今回は、メソッドとは何かフレームワークとの違いや広く知られているメソッドの一つ「PDCA」について解説します。

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1. メソッドとは

メソッド(method)とは、目的を達成するために定められたやり方、手順のことです。

そこから派生して、指導法、技法、方式などの意味に使われます。

特に近年ではダイエットや体力トレーニング、楽器トレーニングの領域で、考案者などの名前を取って「〇〇メソッド」という言葉が多用されるようになりました。

ビジネスの世界でも社内の方法論や手順を「営業メソッド」「人材育成メソッド」などとしてまとめていることがあります。

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2.フレームワークとの違い

メソッドもフレームワークも、その通りにやれば一定水準以上の結果が得られるという仕組みです。

しかし、メソッドとフレームワークではその考え方が違っています。メソッドはうまくいかせるための手順のことで、フレームワークは考えを整理するための枠組みのことです。

例えば、ビジネスの世界では問題解決メソッドという言葉も使われますし、問題解決フレームワークという言葉も使われます。

2.1.問題解決フレームワークとは

問題解決フレームワークとは、一般的に「項目と事実」「理想と現実」の2つの二軸マトリクスにまとめることから始めます。

マトリクスに項目を埋めていく時は、あまり深く考えずに思いついたことを記入していけばよくなっています。

しかし、記入が終わって全体を眺めると、問題の本質が浮かび上がってきて、考えを整理することができます。

このように、作業をする上で、負担をかけずに、整理ができる枠組みがフレームワークです。

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(問題解決フレームワークの例。表を埋めていくと、課題が自動的に整理されていくのがフレームワーク)

2.2.問題解決メソッドとは

メソッドとは、手順のことです。問題解決メソッドは一般的に次のようなものになります。

  1. 課題を言葉で表現する
  2. 問題解決フレームワークを完成させる
  3. 原因を列挙する
  4. 原因に優先順位をつけ、解消をしていく


ビジネスメソッドの多くで、途中にフレームワークを利用して、問題を整理する手順が組み込まれます。

そのため、この2つの言葉が混同されがちですが、しっかり区別しておかないと、コミュニケーションで齟齬をきたすことがあります。

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3.プログラミングの世界で使われるメソッドとフレームワーク

メソッドとフレームワークという言葉はビジネス用語ですが、プログラミングの世界でも使われます。

そのため、プログラミングの世界での使われ方が、ビジネスの領域でも反映されるようになっています。

3.1.プログラミングでのフレームワーク

フレームワークは、目的のプロダクトをつくるのに必要なものがそろっている開発環境のことです。

例えば、フルスタックフレームワークではウェブページを作成するのに必要な機能があらかじめ備えられています。

ログイン認証やデータベース機能などはすでに用意されているので、会員制ウェブサイトを構築したい時は、このような機能を自分で開発しなくても、フレームワークで用意されているものを利用することで、開発期間を短縮できます。

このようにプロダクトを開発するために必要なものが備えられているのが、フレームワークです。

3.2.プログラミングでのメソッド

メソッドとは現在の多くのプログラミング言語での手順の単位(プログラムの集まり)のことです。

例えば、記録されている残高に100円を追加するメソッドであれば、「残高を読む→残高に100円を加算する→新しい残高を記録する」という手順が必要になります。

このような手順をプログラムで表したのがメソッドです。

フレームワークは「枠組み」、メソッドは「手順」という違いを覚えておいてください。

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4.有名なメソッド:PDCAサイクル

多くの人が知っているメソッドの一つにPDCAが挙げられます。

何かのプロジェクトを遂行するときに、PDCAに従って行うと、成果を出しやすいと言われています。

4.1.PDCAとは

PDCAとはPlan、Do、Check、Actionの頭文字をとったもので、「計画をし」「実行してみて」「評価をし」「計画を改善する」の手順でプロジェクトを進めます。

ごくあたりまえの手順を表しているように見えますが、実際のプロジェクト遂行では、やるべきことが多く忙殺されてしまい、計画の部分や確認の部分はおざなりになりがちです。

忙しくても、常にPDCAを意識して、PDCAの手順にきちんと沿っているかどうか確認をしながら進めることが重要です。

4.2.PDCAは品質管理の手法

PDCAを提供したのは米国の統計学者、ウィリアム・エドワーズ・デミング博士であり、本来は、製造業における品質管理の問題を解決しようとしたものです。

1900年代前半、工場ではとにかく製造をし、全製品を検査し、基準に収まる合格品を出荷するというやり方をしてしました。

しかし、製造の品質管理を行うことで、合格品が製造できる割合をあげ、品質改善とコスト削減の両立を目指したのがPDCAの考え方です。

製造上の問題を特殊要因と一般要因に分けて、特殊要因は管理が難しいため、一般要因に絞って制御をすることで、製造する製品の大半を基準内の合格品にします。生産現場では「工程で品質をつくりこむ」という言い方がよく使われます。

そのためには、一般要因を制御する計画を立て(Plan)、製造をしてみて(Do)、評価を行い(Check)、改善計画を立てる(Action)というPDCAを行い、これを繰り返すことで品質が改善されていきます。

昭和の時代の、日本のものづくりの品質が高かったのは、このPDCAによって品質をあげていく努力をしたからです。

4.3.PDCAは古いメソッド!?

PDCAを古いタイプのメソッドであるという人がいます。PDCAは本当に古いのでしょうか。

古いという人が指摘するのは、PDCAが品質向上計画を立案し、それがどの程度達成できたかどうかを評価するメソッドになっている点です。

最初の立案以上のことは達成できにくい構造になっており、しかも、一度立案した計画に縛られすぎるという場合も生じたため、過剰な品質向上に労力を注ぎ込んでしまうという側面がありました。

4.4.評価から研究へ

PDCAを提唱したデミング博士は、晩年、過剰なPDCA信仰があり、PDCAが形骸化していると指摘をしました。そして、PDCAではなくPDSAとし、評価(Check)ではなく、研究(Study)に変えることを提唱しています。

評価の場合は、計画がどの程度達成できたのかを調べるため、計画以上の成果を上げることはありません。立案した計画が、品質向上の上限になってしまっています。

一方、研究するということは、計画そのものに問題がないかどうかも合わせて考えることになります。これで改善を行えば、次のサイクルではより優れた計画ができることになり、改善がうまく進んでいきます。

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5.メソッドは改善をしていくことが重要

メソッドを活用する上で最も重要なことは、メソッドそのものを改善していくことです。

PDCAも元々は製造業の製造上の品質管理をするためのメソッドでした。そのため、そのまま企業内のさまざまな業務に適用するのには無理があります。必要なのは、目的や環境に合わせてメソッドそのものを改良していくことです。

企業内に伝われるさまざまなメソッドも同じです。時代に合わせて、常に改善をしていかなければ、その企業は時代から取り残されてしまうことになります。メソッドは常に改良されることに価値があります。

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6.まとめ

メソッド(method)とは、目的を達成するために定められたやり方、手順のことです。そこから、指導法、技法、方式などの意味に使われます。

最も有名なメソッドはPDCAです。しかし、メソッドを絶対的なものだとして守ることに執着をすると、時代遅れになってしまうことがあります。

メソッドは時代や適用する分野に合わせて、常に改善し続けることが重要です。

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原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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