エビデンスとは?意味とビジネスシーン別の使い方を簡単に解説【例文付き】

エビデンスとは?意味とビジネスシーン別の使い方を簡単に解説【例文付き】

上司との会話や会議など、ビジネス用語として「エビデンス」という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、 日常生活ではあまり聞かない言葉であるため、第一印象で難しそうなイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一度意味を押さえておけば決してむずかしいことはありません。

今回は、エビデンスの基本的な意味や重要性、業界別の使い方などを解説していきます。何となく知っている方も、まったく知らないという方も、正しい使い方をしっかりと理解しましょう。

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1.エビデンスの意味

エビデンス(evidence)とは、「証拠」「根拠」「裏付け」「形跡」といった意味を持つ言葉です。

例えば、意見を述べる時に個人の感想や不確かな憶測ではないことを示す「裏付け」となる客観的事実をエビデンスと呼びます。また、ビジネスシーンにおいては、ミーティングや打ち合わせにおける各人の発言内容を議事録として残すことを「エビデンスを残す」と表現することもあります。

情報や主張に対する正確性や客観性を担保するには、エビデンスが欠かせません。ITや医療、金融・不動産業界など、さまざまな分野で使用される言葉ですが、業界ごとにそれぞれ違った意味で使われています。その詳細については後半の項目で解説していきます。

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2.エビデンスと似た言葉とは?それぞれの違いについて

エビデンスに似た意味合いで使われるカタカナ表記のビジネス用語は多数あります。その中でも以下の3つの言葉はエビデンスと混同されやすいので、誤用しないように意味や違いを把握しておきましょう。

2.1.ファクト(fact)

ファクトとは、「事実」「実際にあったこと」を意味する言葉です。ファクト(事実)を補足するのがエビデンス(証拠)と覚えておきましょう。

2.2.ソース(source)

ソースとは、「出どころ」「みなもと」を意味する言葉です。情報の信憑性を確認したい時に「この情報のソースはどこ?」といった形で使用されます。

2.3.プルーフ(proof)

プルーフとは、「証明」「証拠」を意味する言葉です。エビデンスとほぼ同義となり、明確な使い分けはありません。ただし、エビデンスのほうがより多くのシーンで使用されています。

なお英語の場合には、proofが「決定的な証拠」、evidenceが「事実を明らかにするための証拠」といった使い分けがなされるという見解もあります。

上記のほかにも、ビジネスシーンではカタカナ表記の言葉がよく用いられます。知っておくことで周囲とのコミュニケーションがより円滑になることもありますので、この機会にチェックしておきましょう。

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3.社会における「エビデンス」の重要性

私たちが生きる社会において、エビデンスはなぜ重要視されているのでしょうか。その理由を紐解いていきます。

3.1.菅義偉前総理が「エビデンス」に言及した理由

2020年、「エビデンス」という言葉が日本全国に広く知られるきっかけとなる出来事がありました。それは、菅義偉首相(当時)の発言です。

新型コロナウイルスの流行により落ち込んだ観光事業の活性化を狙い「Go Toキャンペーン」をスタートしたものの、一部関係者からは「新型コロナウイルスの感染拡大を助長しているのではないか」と指摘されていました。しかし菅首相は、感染拡大とGo Toキャンペーンの因果関係を否定します。その際に菅首相が言及したのが、「エビデンス」でした。

私たちの社会生活において、物事を主張し推し進めるには、客観的事実であるエビデンスを提示することがとても重要です。そのため菅首相は、「エビデンスがない」として、国民に納得してもらおうと試みました。

3.2.社会では「エビデンス」がないと相手が動いてくれない

ビジネスシーンでは、個人の感想や不確かな憶測で物事を進めることはできません。また、信頼性の高い客観的事実を提示できなければ、行動から得られる成果が正確に予測できません。人柄や熱意によって人が動かされることも時にはありますが、そうしたケースは双方の信頼関係がすでに成立している場合がほとんどであり、説得力のある「エビデンス」がなければ相手を動かすことができないことを認識しておく必要があるでしょう。

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3.3.「エビデンス」を示すと物事が進みやすい

「~らしい」といった曖昧さや「~だと思う」といった主観性だけで信用を得ることは非常に困難です。

しかしエビデンスを示すことができれば、相手の高い納得感やスムーズな理解を促せるため、自分の意図する方向へと物事を進めやすくなります。

3.4.「エビデンス」は「できる人」への第一歩

エビデンスを示せることは、社会で「できる人」と評価されるための第一歩です。

何かを示す時にエビデンスが提示できないと、その事柄や主張に対して責任を感じていないと判断される場合があります。

発言の際には、「この件は〇〇です。なぜなら~だからです。」というように、主張とエビデンスをセットで伝えるようにしましょう。

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4.「エビデンス」は業界や使用場面によって意味合いが異なる

冒頭でも触れたように、エビデンスは業界やシーンによって少しずつ意味合いが変化する言葉です。ここでは4つの業界に関してその意味の違いを見てみます。

4.1.ビジネス

ビジネスシーンでは、言動に対する履歴や記録、形跡などをエビデンスと表現します。また、ミーティングの議事録やクライアントと取り交わされる覚書、契約書などもエビデンスとして扱われることがあります。

4.2.医療関係

医療業界では、とある治療法がその症例に対して有効だと判断できる医学的根拠をエビデンスと言います。研究や治験などによって客観的な裏付けが取れているものを示します。

4.3.IT業界

IT業界では、開発工程でシステムが正常に動作していることを証明するものや、反対に何らかの不具合の発生を示すものに対してエビデンスという言葉が用いられます。具体的なエビデンスとして求められるのは、スクリーンショットやログデータ、データファイルなどです。

4.4.金融・不動産

金融・不動産業界では、預貯金や保険、株式などの金融資産や、源泉徴収票、確定申告書など所得を証明する書類、および身分証明書をエビデンスと呼んでいます。各種ローンや不動産売買、賃貸物件の入居審査などの際に用いられます。

5.【業界別】エビデンスの正しい使い方

ここからは、エビデンスの使い方を業界別に紹介していきます。以下の例文を参考に、実際のシーンを想定して使い方をイメージしておきましょう。

5.1.一般的なビジネスでの使い方

・前年度の調査で売上30%増というエビデンスが出ているので、今年度はA案を採用しましょう。

・これらを証明するエビデンスを提出するよう先方に依頼してください。

5.2.IT業界での使い方

・エビデンスを残すのは時間と手間がかかります。

・アプリAで発生しているバグのエビデンスを取得してください。

5.3.医療業界での使い方

・この患者さまには〇〇のエビデンスに基づき抗がん剤治療を行います。

・エビデンスの信憑性を第一に治療方針を決めていきましょう。

5.4.金融・不動産業界での使い方

・ローン審査にあたり収入のエビデンスを提出しなければなりません。

・次回来行時までに最新情報のエビデンスを用意してください。

6.エビデンスを使う時に注意したい表現

ここまでエビデンスに関して紹介してきましたが、使用する際に注意したい表現や使い方があります。

使い方の間違いが起きないようにチェックしておきましょう。

6.1.「エビデンスをする」という表現

エビデンスは「議事録」「記録」「証拠」などの意味合いがありますが、「この打ち合わせをエビデンスしてください」など、「エビデンスをする」という表現をしないよう注意しましょう。

エビデンスという言葉は名詞であるため、このような表現は間違いとなります。

正しくは、「この打ち合わせでのエビデンスを取ってください」となります。

6.2.カタカナ語を多用する

エビデンスに限らず、カタカナ語を多用すると「日本語で言えば良いのに」など、間違った使い方をしていないのに、嫌な印象を与えてしまう場合があります。

印象を悪くしてしまうと、エビデンスの言葉の意味も説得力も落ちてしまいます。

そのため、カタカナ語を使用する際は、複数のカタカナ語と同時に使わないように注意しましょう。

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7.まとめ

解説してきたように、エビデンスは業界や職種関係なく幅広い場面で必要となるものです。用いられるシーンは広がりを見せており、今後耳にする機会はますます増えるものと思われます。

「実は言葉の意味がわからず、何となく話を合わせてきた」という方も、本記事を参考に、今日から自信を持って「エビデンス」という言葉を会話に取り入れてみてください。


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