みなさん、2024年冬の賞与は何に使いましたか?中には「そもそも賞与の支給がなかった」「支給されたけど、額に不満がある」という方もいらっしゃることでしょう。そんな賞与事情について今回も徹底調査しました。
2024年夏に続く今回の調査では、313名の社会人の方々に、冬の賞与の金額や使い道、満足度についてアンケートを実施。その結果、賞与額自体は昨年と同程度か増加した人が多いものの、満足度は全体的に低いことが分かりました。また、満足度が低かった人たちの多くは、収入アップのために新たな道を模索するなど、具体的な行動に移しているようです。
本記事では2024年冬賞与の実態について紹介します。最新の賞与事情に関する情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
【アンケート実施概要】
期間:2024年月12月25日~2025年1月10日
方法:インターネット調査(ランサーズ)
対象:社会人20代~60代
回答数:313名
(※仕事辞めたい、会社がつらい...悩んでいる方は『仕事どうする!? 診断』の診断結果もご参考にしてください)
【関連記事】「【独自調査】副業を始めるきっかけは「本業の年収に不満」が最多も、副業で得た収入は「10万円未満」が63.1%」
1.2024年冬の賞与は「50万円以下」が7割以上
まずは、2024年の冬の賞与の分布や、昨年と比較した増減についてデータを見てみましょう。
アンケートを実施した313名(男女20~60代)の2024年冬の賞与額において、ボリュームゾーンは「1~50万円」となりました。本データからは、賞与額が「0~50万円」の人が全体の72%を占めることが分かります。
一方、「101万円以上」賞与をもらっている人は全体の8%でした。なかでも業種は「製造業」の比率が高く、年齢層では「30~50代」が最多となりました。
【関連記事】「ボーナスとは?もらえる条件・時期・平均額・手取りの計算方法を紹介」
【関連記事】「夏・冬のボーナスの額はいつ決まる?査定期間や査定の仕組みを解説」
【関連記事】「新卒のボーナス平均額は?社会人一年目の夏・冬はいくらもらえる?」
「一人で転職活動をするのは不安...」という方は、無料で相談できる転職エージェント『マイナビエージェント』にご相談ください。
2.昨年の冬の賞与と比べると、59%が「ほとんど変化なし」
前年の冬賞与との増減を見てみましょう。
アンケート結果によると、昨年の冬の賞与額と比べて「ほとんど変わらなかった」人が59%を占めています。また、「増えた」人が23%となり、全体の82%が昨年同等もしくはそれ以上という結果となりました。
2024年夏の賞与についても、「ほとんど変わらなかった」「増えた」が合わせて85%となり、冬の賞与でも同様の傾向が見られました。
【関連記事】「【2024年夏】ボーナスの本音を大調査!賞与の支給額、使い道、満足度を聞いてみました!」
冬の賞与が「増えた」人からは喜びの声もあがりましたが、全体的には景気・物価高や税金の心配に関するコメントが多く見られました。
【増えた人のコメント】
●喜びのコメント
・景気が悪い中思ったよりいただけました。ありがたいです。(サービス/20代/女性)
・大幅に増えたのですごく嬉しい!額が増えたことも嬉しいが、仕事の評価をしてもらえたことがもっと嬉しい。(サービス/40代/女性)
・入社2年目なので期待してなかったが、想像以上にもらえたから。(不動産・建設/30代/女性)
●景気・物価高への懸念
・昨年に比べると増加したが、物価高によりあまり実感はない。(商社/20代/男性)
・転職した昨年より増えたが、全体的に景気は悪く金額としては少ない。(コンサルティング/30代/女性)
・昨年より微増したけれど、微々たるもので、物価高のこのご時世では厳しいなと思いながらも頂けるだけでもありがたいと思います。(その他/40代/女性)
●税金への懸念
・冬は夏に比べて所得税の割合が高くなるため手取りが少なくなるのがショック。(サービス/20代/女性)
・去年より20万増えた。純粋に嬉しかったが、税金で引かれすぎてむかついた。(製造業/30代/男性)
・昨年の冬より0.5ヶ月分多かった。ただ、税金が高くて多くなった気がしない。(商社/30代/女性)
また、「減った」と回答した人については、転職の初年度による賞与減(評価期間の未在籍)や、業績・景気の面で厳しさを感じるコメントが目立ちました。
【減った人のコメント】
●転職
・今年から転職したため、冬の賞与は少なくなった。元々、そこまで高いと周りからも聞いていなかったため、期待はしていなかったので、想像通りであった。(不動産/20代/女性)
・夏に転職してはじめてのボーナスでしたので、一概には言えませんが減りました。ただ、個人経営なのに想像以上にはもらえました。先輩とも同じ額で仕事を評価してもらえているのかなと感じました。(その他/20代/女性)
・転職したので減りましたが、初年度はしょうがないかなと思います。(コンサルティング/30代/男性)
●業績・景気
・このご時世で賞与が下がることは言語道断だと思う。(IT・通信/30代/男性)
・物価高なので、増やしてほしかったです。しかし、業績が落ちているので減るのは仕方ないです。(不動産・建築/30代/男性)
・賞与額は年々微減傾向にあるので、今年も微減であってもこんなものかと思ってしまう。物価が増える一方で賞与額が変わらないので実質減っていることが不安。(製造業/40代/男性)
【関連記事】「2025年春闘、物価高に対応できる"賃上げの波"を中小企業に広げられるか? --"金融スキマ世代"に送る『鈴木ともみのわかりやすい経済ニュース解説』(27)」
【関連記事】「ボーナスの手取り額はいくらになる?金額例を交えて計算方法を解説!」
【関連記事】「ボーナスの平均額を年齢・業種・規模別に紹介!給料の何ヶ月分もらえる?」
3.使い道の上位は「投資・資産運用」が最多、その他では「生活費」に回す人が多数
賞与の使い道については、「投資・資産運用」が28%と最も多く、特に30~40代の回答者が目立ちました。
続いて「趣味・娯楽」が19%、「その他」が16%という結果に。「その他」に関しては、「貯金」や「生活費」に回すという意見が大半を占めました。
【その他のコメント】
●貯金/生活費
・貯金(その他/30代/女性 ほか)
・生活費の補填(サービス/20代/女性 ほか)
●その他
・家族へのクリスマスプレゼント(その他/20代/男性)
・親戚へのお年玉(サービス/30代./男性)
・大学院の学費(その他/30代/女性)
・車検費用(流通・小売/30代/男性)
・起業資金(製造業/30代/男性)
・子供の教育費用(流通・小売/40代/女性)
【関連記事】「ビジネスパーソンの5人に1人は貯蓄ゼロ--今年の目標で最多は「100万円以上200万円未満」」
【関連記事】「20代のボーナス平均額は?手取り額から大企業の支給額まで徹底解説」
【関連記事】「30代のボーナス平均額は?男女別・業種別など項目ごとに詳しく紹介」
【関連記事】「年収はボーナス含む?手取り・年俸との違いや金額の計算方法を解説!」
4.「満足していない」理由は「そもそも支給がない」「金額」
2024年冬の賞与に対する満足度については、「満足している」「まあまあ満足している」人が39%、「満足していない」「あまり満足してない」人が61%となりました。
「満足している」「まあまあ満足している」人は、業績が厳しいなかでも賞与支給があったことへの感謝や、評価や支給金額が上がったことへの安心感があがりました。
「満足していない」「あまり満足していない」人に関しては、「賞与の支給がない」「賞与支給額が低い」「会社の方針・体制や評価に対する不満」があることが明らかになりました。
●満足している人
・業績が悪い中でも、一定の額を提示してくれるため。(サービス/20代/男性)
・世間ではボーナスカット等低い水準となっている中、通常通り出たため。(その他/30代/女性)
・昨年より会社の利益が下がっている中、ほぼ同等の賞与をいただいているので満足しております。また下がっている人もいたので一定の評価をいただいたと感じているためです。(IT・通信/40代/男性)
・もらえるだけでまずは満足だなと思っています。欲を言うならもう少しもらいたいなとも思うが、税金もあるので今がちょうどいいのかもしれません。(IT・通信/20代/女性)
・20代は1円ももらえなかったので、もらえるだけありがたいと思う。また社会人としての成長を実感する。(IT・通信/40代/男性)
●満足していない人
・仕事内容に対する評価があまり反映されていないと感じたため。(製造業/20代/男性)
・退職した人がいたため、営業で回るエリアや仕事量などが大きく変わり、仕事の難易度は高くなった。また新規の仕事も獲得した。それにも関わらずボーナスの金額は変わらないから。(流通・小売/20代/女性)
・会社全体として収益性が下がっている状況は理解します。基本給が低い中でもボーナスまで下がってしまうと離職を検討しないといけない。(IT・通信/30代/男性)
・純利益が右肩上がりなのに従業員に還元しない、勤続してから過去最低の賞与となった。(その他/30代/男性)
・正直、業務の負担がかなり増えたのに頑張りが反映されていないと感じるから。(サービス/30代/女性)
・仕事量や勤務時間は増えているのに、ボーナスの額がほとんど変わらないのは、やる気を失くす。(マスコミ/30代/女性)
【関連記事】「ベースアップ(ベア)とは?定期昇給との違いや役割について解説」
【関連記事】「「年収103万円の壁」が「年収123万円の壁」に、"手取り"はいくら増える!?--与党「税制改正大綱」の変更点を解説」
5.満足しなかった人の行動、「副業や兼業を開始」「生活費を節約」で半数超
それでは、冬の賞与に「満足しなかった」人は、どのような行動の変化があったのでしょうか。
アンケートの結果、「副業や兼業を検討しはじめた」と回答した人が最多となりました。賞与の代わりになる収入源を作るために、さまざまな道を模索しはじめているようです。
次いで、「生活費を節約するようになった」人が24%となり、現職の年収内で生活ができるよう見直しをしている人も多いことが分かります。
また、「より良い条件の会社を探したいと考えるようになった」「転職活動を開始した」という回答が合わせて18%を占めるなど、会社を変えて賞与・収入を増やそうと考える人も一定数いました。
当社が実施した副業に関する調査においても、副業・兼業により収入や賞与を増やしたいと考える人が45%にのぼることが明らかになりましたが、冬の賞与結果を機に、具体的な行動に移した人も少なくないようです。
【関連記事】「【働く人の本音調査】「仕事に行きたくない」を95%もの人が経験!その理由と乗り越え方を解説」
【関連記事】「仕事を辞めたいなら"今年(2025年)4月以降"のほうがいい!? 「失業保険」の"給付制限期間"短縮など改正内容を解説」
6.収入アップを目指して転職する場合のポイント
賞与には、業績や日々の行動などの評価が大きく影響します。そのため、収入アップを目的に転職をする場合は、賞与だけではなく収入全体を上げるという観点に立つことが大切です。
そのうえで、以下のポイントを意識しながら転職活動を進めるとよいでしょう。
6.1.転職をする目的と条件を明確にする
転職活動を始めると、非常に多くの求人があり、何を軸に探せばよいかが分からない状況に陥るケースがあります。求人を見始める前に、まずは「何のために転職をするのか」「自分にとって譲れない条件はなにか」を考えておきましょう。
特に希望条件については、「必須のものか」「あればなお良いものか」など、優先順位を決めておくと調べやすくなります。
6.2.転職エージェントを活用する
収入に関する要素は、「月給」「賞与」「インセンティブ」などがあります。賞与の支給回数は企業によって異なり、業績と連動して期末賞与の制度を設けている場合もあります。また、インセンティブについては、業績や評価により、毎月・四半期・半期などの支給タイミングがあります。
これらの詳細な情報は、求人票には記載されていないことも多く、また企業に直接聞きづらい部分もあるでしょう。そのような場合は、転職エージェントに質問をしたり、相談してみることをお勧めします。
6.3.転職理由の説明を工夫する
「収入を上げたい」という転職理由を面接でそのまま伝えてしまうと、お金だけで仕事を決める人と思われてしまいかねません。そのため「収入を上げたい」と考える理由を深掘りし、自身の本質的な思いや考えをもとに転職理由を伝える必要があります。
収入を上げることで、自分自身が「どうなりたいのか」「どうありたいのか」を明確にしておきましょう。
【関連記事】「転職を考えた人の8割が実際に転職、苦労した3つのポイントと「良かった!」と思えた具体例を紹介」
【関連記事】「「転職を考えたが転職しなかった」人の75%が「後悔せず」、一方で半数が再度「転職を検討」」
【関連記事】「【例文アドバイス】面接日程メールの書き方や返信方法は?調整する際のマナー」
【関連記事】「【例文あり】面接結果の合否連絡が遅い・来ない場合の対処法を解説」
7.理想のワークライフを手に入れるきっかけに
本コラムでは、2024年冬の賞与についてアンケート結果をもとに考察しました。賞与の支給有無や金額は、基本給とは異なり変動する要素が多い場合がありますので、良くも悪くも期待と異なる結果になることもあります。
ただし、賞与の支給や金額によって生活が変わるという場合には、自分自身のキャリアを考え直す必要があるかもしれません。
給与・賞与だけが仕事の目的ではありませんが、現状を変えるための行動を起こすことで、理想の生活を手に入れる最短距離となる場合もあります。希望するワークライフスタイルを手に入れるためにも、本記事をきっかけに、さまざまな可能性を視野に入れつつ新たな一歩を検討していただければ幸いです。
調査・編集:VALUE WORKS
※本記事は申請のうえ転載が可能です。記事転載のお申込み・お問い合わせはこちらのページを参照ください。
\転職するか迷っていてもOK/
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける