苦手な上司や同僚、クライアントと仕事をすることは珍しいことではありません。時には自分のキャパシティや力量を超えた仕事を任され、大きなプレッシャーを感じることもあるでしょう。そんなさまざまな理由から「仕事に行きたくない」と感じたことがある方も多いはず。
そこで本記事では、勤続経験5年以上の社会人400名を対象に実施した以下のアンケート調査の結果をもとに、「仕事に行きたくない」と感じる理由やその対処法について深堀りしていきます。葛藤しながらも、より充実したキャリアを築くヒントを得たい方は、ぜひ最後までお読みください。
【アンケート実施概要】
◆期間:2024年9月12日~9月16日
◆方法:インターネット調査(ランサーズ)
◆対象:会社での勤続経験5年以上の20代~60代
◆回答数:400名
(※仕事辞めたい、会社がつらい...悩んでいる方は『仕事どうする!? 診断』の診断結果もご参考にしてください)
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1.「仕事に行きたくない」と感じた人は95%
最初に「仕事に行きたくないと思ったことはありますか?」と質問したところ、実に95%もの人が「ある」と回答しました。
大半のビジネスパーソンが、一度は仕事への後ろ向きな感情を抱いた経験があることが分かります。なお、年齢や性別、業種・職種など、回答者の属性に偏りはありませんでした。
では、「仕事に行きたくない」と感じた人たちは、勤続何年目で憂鬱な気持ちになっているのでしょうか。
ネガティブな気持ちになった時期を調査したところ、「勤続1年目」が最も多く32%にのぼりました。
慣れない仕事や職場環境に身を置くストレスが影響しているのかもしれません。
また、思っていた仕事と違うといった現実や、早く成果を出さなければならない焦りやプレッシャーを感じるケースも想定できます。
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2.「人間関係の悩み」が上位の理由に
では、実際のところ「仕事に行きたくない」と感じてしまう背景には、何があるのでしょうか。
具体的な理由を尋ねたところ、「仕事に行きたくない」と感じた経験のある回答者のうち、実に48%が「人間関係に悩みを抱えていた」ことが明らかになりました。
次いで、「業務量が多すぎるから」「仕事が合わないと感じたから」など仕事自体に関する理由が続き、「給与や待遇面」「労働条件」「評価」といった要因を上回る結果となりました。
上記から、仕事へのモチベーションを左右する因子として「人間関係」が占める割合が高く、良好な人間関係こそが働きやすさや働きがいにつながりやすいことが分かります。
なお、「その他」と回答した人のコメントでは、以下のように体調・体力面や精神面での理由が多くあがりました。
【「その他」と回答した人のコメント】
・会社が移転して通勤が大変になったので。(運輸・物流/40代/男性)
・寝不足や倦怠感など体調面から。(サービス/40代/男性)
・プライベートで大きな出来事や問題があり、会社へ行く精神状態ではなかったので。(商社/30代/女性)
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3.気持ちを切り替える5つの方法
続いて「仕事に行きたくない」と感じたときの行動について見ていきましょう。アンケートの結果によると、「家族や友人などに相談をした」人が最も多く39%を占めました。
また、「転職活動を始めた」「副業を始めた」など、現在の仕事だけでないキャリアの選択肢を探す傾向も見られ、具体的なアクションを起こした人も多かったようです。
「その他」に関しては、「我慢をして続けた」という意見が大半でした。
また、人員不足などの物理的な問題や、本人の責任感などから「行きたくなくても行かざるをえなかった」ケースも多いことが分かりました。
【「その他」と回答した人のコメント】
・我慢して出社した。(流通・小売/30代/男性)
・行きたくないと思っても仕事自体は好きだったので仕事には行きました。(サービス/40代/男性)
・休むと他のスタッフに迷惑をかけるので、仕事に行った。(その他/50代/女性)
・体調不良などを理由にリモートワークにしてもらった。(IT・通信/40代/男性)
また、「仕事に行きたくない」と感じたときに、どのように気持ちを切り替えたかについて質問したところ、主に以下の5つの傾向が見られました。
3.1.家族や友人など、身近な人に相談する
【身近な人に相談した人のコメント】
・友達や家族に悩んでいることを相談して解決策を一緒に考えてもらった。(サービス/20代/男性)
・友人に悩みを聞いてもらい、気持ちの整理をした。(流通・小売/40代/女性)
・愚痴を他人に言ってすっきりする。(メーカー/20代/男性)
・友達と遊んだり、話を聞いてもらってストレス発散をした。(サービス/30代/女性)
3.2.趣味に没頭する
【趣味で気持ちを切り替えると回答した人のコメント】
・スポーツ観戦が趣味なので、仕事とプライベートを切り離す生活をした。(不動産・建設/40代/男性)
・仕事の時間以外はお酒を嗜むかゲームに熱中した。(IT・通信/30代/男性)
・仕方ないと割り切るとともに、休みに遊ぶことを考えて乗り切りました。(流通・小売/30代/男性)
・趣味を持つようにして、それに没頭するようにしました。趣味は1つではなく複数の趣味を持つようにして、常に趣味で忙しい状態にしました。(流通・小売/40代/男性)
3.3.自分にご褒美を与える
【自分にご褒美を与えることで気持ちを切り替えるとした人のコメント】
・音楽を聴き、リラックスするようにした。(コンサルティング/30代/女性)
・YouYubeでテンションを上げる系の動画を視聴し、気持ちを切り替えた。(IT・通信/40代/男性)
・高級スイーツなど、自分へのご褒美を用意した。(マスコミ/30代/女性)
・先に何か楽しみになる予定を作ってそのために頑張った。(流通・小売/30代/女性)
3.4.乗り越えた先の未来を想像する
【未来を考えて切り替える人のコメント】
・職場環境や待遇には不満があるが、安定して給料がもらえるだけありがたいと考えた。(サービス/50代/男性)
・今は経験が浅いので仕事が合わないと思っているだけで、仕事に慣れてきて経験を積んでいけば悩みを解決できると思って気持ちを切り替えました。(メーカー/40代/男性)
・何も考えずに仕事しよう、いずれ状況も変わってくるのを待とうと思った。(コンサルティング/40代/女性)
・将来のなりたい自分を強くイメージした。(IT・通信/30代/男性)
3.5.転職活動や副業を始める
【転職活動や副業を始めるとした人のコメント】
・転職活動を具体的に始めた。(メーカー/20代/女性)
・転職活動に向けていろいろ求人を探して気を紛らわせた。(流通・小売/30代/女性)
・退職後の楽しい予定を立ててモチベーションを上げていました。(IT・通信/40代/女性)
・いつ会社を辞めても問題ないように、副業をして貯蓄をした。(メーカー/30代/男性)
一方で、本アンケートの回答者のうち5%は仕事に行きたくないと「感じたことがない」と回答しました。
その理由を尋ねたところ、「仕事内容が好きだから」が最も多い結果に。また、「会社や仕事にそもそも期待していない」「休む理由が見当たらない」と、割り切って働いている人もいるようです。
【仕事に行きたくないと「感じたことがない」と回答した人のコメント】
・休む理由がない。学校も休んだことがないから、行くべきものには行くことがあたり前だから。(IT・通信/40代/女性)
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4.問題の解決方法を「悩み別」に考える
「気持ちを切り替える方法」はご紹介した通りですが、ここからは悩みごとに具体的な解決方法をご紹介します。
「なぜ仕事に行きたくないのか」原因を突き詰め、自分にあった解消方法を試してください。
4.1.「人間関係の悩み」を解決する方法
昨今は、"上司ガチャ"などの言葉も頻繁に聞かれるようになりました。一緒に働くメンバーがある種「運」で決まる中で、置かれた環境や周囲の意識や行動を簡単に変えることはできません。結局は他責思考を捨て、自分が変わるしかないのです。
難しい問題ではありますが、対応策として、まずは自分自身のあり方や他者への関わり方を変えていくとよいかもしれません。
「苦手意識がある同僚を、あえてランチに誘ってみる」「上司に対し、折に触れて業務の手伝いを申し出てみる」などの方法がその1つです。
「ザイオンス効果(※)」という心理効果がありますが、これは人間関係の構築においても有効な方法です。自ら相手を受け入れる姿勢を持ちながら、繰り返し接触する場面を設けることで、信頼関係の構築にもつながるからです。
(※)接触機会が増えると、その相手に親しみが増す効果
そのような働きかけを行っても人間関係が改善しなかったり、心身に不調をきたしてしまったりする場合は、思いきって環境を変えるのも1つの選択肢です。部署異動や転職も含め、新たな職場を探してみてもよいでしょう。
4.2.「仕事内容の悩み」を解決する方法
今回のアンケートにおいても、「仕事が合わない」と感じた回答者の60%以上が「勤続1年目」にその悩みを抱えていたことが分かりました。すなわち、"思っていた仕事内容と違った"ケースが多いのではないかと想定されます。
本来であればそのようなギャップを防ぐために、具体的な業務内容や職場の雰囲気などを、入社前にしっかりとリサーチしておく必要があります。選考中や内定段階で少しでも不安がある場合は、実際に働く社員との面談機会を依頼するなど、なるべく具体的に自分がやるべきことをイメージしてから入社すべきです。
ただ、そこまで入念な準備ができる人も決して多くはありません。もし入社してから「思っていた仕事と違う」と感じた場合は、まず目の前の仕事に全力を注いでください。自分のやりたいことを最初からできる職場はほとんどありません。まずは期待されている役割や与えられた仕事に没頭し、結果を出すこと。そうすれば、徐々に周囲から信頼され、重要な仕事が巡っていきます。その結果、将来的に希望の仕事に挑戦するチャンスも掴めるでしょう。
4.3.「労働条件や働き方の悩み」を解決する方法
創業間もないスタートアップやベンチャーならまだしも、一般的な会社で既に決まっている条件や制度を変えることは簡単ではありません。ある程度勤続年数が経ったあとに、自身に不都合なルールが定められるケースもあるでしょう。今回のアンケートでも、例えば「リモートワークの活用を交渉する」などの意見があがりましたが、まずは上長や人事部門に自身の状況を説明したうえで、要求を伝えてみるのも1つの手です。
一方で、あまりにも不条理な労働条件や法に触れる働き方を求められるケースでは、しかるべき機関に相談をする必要があります。それでもなお改善が見られない場合は、職場を変えることも選択肢に入れるべきでしょう。
4.4.「体調・精神面の悩み」を解決する方法
必ずしも仕事に起因するものでない場合も含め、心身の不調は仕事にも大きな影響を及ぼします。心や身体がSOSサインを出す前に一旦休息を取り、本来の自分自身を取り戻すことが大切です。
アンケート回答者からもさまざまなリフレッシュ方法が紹介されましたが、まずは"自分が自分らしくいられる"場所や時間を設けるようにするとよいでしょう。また、物事の捉え方や考え方を少し変えることで、より良い解決方法が見出せるようになるかもしれません。
いずれにしても、「自分自身が何を一番大切にしたいのか」を意識しながら、自らの価値観に合った仕事や職場を選ぶことが大切だと言えるでしょう。
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5.憂鬱をバネに、次のステップへ
本コラムでは、「仕事に行きたくない」理由や対処法について、アンケート結果をもとに考察しました。「仕事に行きたくない」気持ち自体は決して稀でも、ネガティブでもありません。
中には「自分は心が弱いのかも......」と落ち込んでしまう人もいるでしょう。しかし、一生懸命仕事に取り組んでいるからこその悩みなので、自分を責める必要はありません。仕事での憂鬱な気持ちは、より良い状況に向けて進み出す原動力にもなるでしょう。
大事なのは、「行きたくない」思いの源泉を知り、自分にはどのような対処法が有効なのかを考え、行動することです。「仕事に行きたくない」気持ちをバネに次のステップに進むことが、今後の豊かなキャリア形成につながるからです。本コラムが、みなさんがより良い仕事生活を送るためのヒントになれば幸いです。
(調査・編集:VALUE WORKS)
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