「仕事に行きたくない」という感情は、社会人の多くが抱いたことがあるかもしれません。しかし、仕事に行く前に涙まで出てくる場合は、心身に大きな負担がかかっている可能性もあるでしょう。
そこで今回は、仕事に行きたくないと思って朝の出勤前などに泣いてしまう原因、チェックすべき体調のサイン、泣いてしまうときの対処法などを解説します。
1. 仕事に行きたくなくて涙が出るのは甘えではない
イラスト:斉田直世 漫画の続きはこちら>
「仕事に行きたくない」と感じた経験は多くの人にあるのではないでしょうか。しかし、なかには朝の出勤前などに泣いてしまうほどつらい気持ちになっている人もいるでしょう。
涙が出てくるのは、心身の疲労やストレスが積み重なっていることが原因かもしれません。自分の気持ちに甘えや弱さがあるからだと決めつけるのではなく、心身からのサインとして捉えることが大切です。
そのため、泣くほどつらい時は無理をして頑張らずに、まずは心と体を休める時間を作りましょう。また、一人で抱え込まず、医療機関や相談窓口、信頼できる身近な人などに相談することもおすすめします。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
朝に涙が出るほど出勤がつらい状態は、単なる気分の落ち込みや甘えとして片づけるべきではありません。業務量の多さ、人間関係、ハラスメント、仕事内容とのミスマッチ、睡眠不足など、複数の要因が重なって心身が限界に近づいていることもあります。涙が続く、眠れない、食べられない、動悸や吐き気があるといった状態がある場合は、無理に出勤を続ける前に、休養を取ることや、医療機関への相談・受診を早めに検討することが大切です。
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2. 泣くほど仕事がつらいと感じる原因
ここでは、「仕事に行きたくない」と感じる背景としてよくある原因を紹介します。朝に泣いてしまう背景にも、以下のような要因が関係している可能性があります。自分に該当するものがないか確認してみましょう。
2.1. 職場の人間関係
会社で働く場合、多くの職場では上司や同僚、部下などとの関わりが発生します。
人間同士なので合う・合わないがあるのは自然なことですが、ごく身近にいる人との関係性が良くない場合、常にストレスや緊張感にさらされる状態となることもあるでしょう。
立場や担当業務、職場の状況によって具体的な悩みの内容は異なりますが、例えば「上司とのコミュニケーションに気を遣う」「会社側と現場の間での調整が負担」などの悩みがあります。
あるいは、パワハラやセクハラをはじめとしたハラスメントが発生しているケースもあるかもしれません。ハラスメントが疑われる場合は、無理のない範囲で、いつ・どこで・誰から・どのような言動を受けたのかを記録しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。記録が難しい場合でも、相談をためらう必要はありません。人事・労務部門や社内の相談窓口、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどに相談できます。
2.2. 職場環境や待遇
労働時間や責任の大きさに対して給与が見合わないと感じる、達成が難しいノルマを課されているなど、職場環境や待遇に強い負担を感じている人もいるでしょう。
職場への不満やプレッシャー、長時間の立ち仕事・力仕事などによる身体的な負担が大きくなると、「仕事に行きたくない」という気持ちにつながることがあります。
十分な休息が得られず心身ともに疲弊していくケースもあれば、気力はあっても実際は身体が疲れていたり、反対に、外見上は普段どおりに動けていても、精神的な負担が大きくなっているケースもあります。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
職場環境や待遇への不満がある場合でも、単に「我慢が足りない」と考える必要はありません。長時間労働、過大なノルマ、曖昧な指示、相談しづらい雰囲気、ハラスメントに近い言動などが重なると、心身への負担は大きくなります。まずは勤務時間、業務量、上司からの指示、叱責の内容などを記録し、社内の人事・相談窓口、産業医、外部の労働相談窓口などに相談できる状態を作っておくと安心です。
2.3. 業務内容や役割とのミスマッチ
自分にとって業務の難易度が高すぎる、現在の役割が経験や希望と合っていない、業務内容に強い負担を感じるといった場合も、ストレスが大きくなりやすいでしょう。これは特に、会社に入ったばかりの時期や異動などがあった直後に陥りやすい状況です。
自分のスキルや興味・関心と業務内容が合わない状態が続くと、負担感が大きくなり、「仕事に行きたくない」と感じる場面が増えることもあります。
その状態が続くと、精神的な負担が蓄積し、涙が出るほどつらくなることもあります。
2.4. 仕事のミスやトラブル
新人であろうとベテランであろうと、仕事においてミスやトラブルはつきものです。
しかし、上司や同僚、クライアントに迷惑をかけてしまうと、「あんなミスをしてしまって申し訳ない」と思ったり、自己嫌悪に陥って「自分がいることで余計に迷惑をかけてしまうのでは」と自分自身を否定してしまったりしがちです。
また、たとえ自分のミスが要因ではなくても、業務上のトラブルが頻発するような環境だと、常に高い緊張感にさらされかねません。特に管理職やリーダーの立場では、部下やチームの成果に関する責任を感じやすく、負担が大きくなることもあります。
2.5. 複数の要因が重なっている
「仕事に行きたくない」という気持ちは、一つの原因からもたらされているとは限りません。人間関係、職場環境や待遇、ミスやトラブル、さまざまな要因が複合している可能性もあります。
一つひとつを見れば大きな問題ではなくても、2つ、3つと重なっていけば、心身の負担は少しずつ大きくなっていくでしょう。
「仕事に行きたくないと感じるけど理由がわからない」という人も、小さな要因が重なり、本人が気づかないうちにストレスが蓄積している可能性もあります。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
「仕事に行きたくない」と感じると、自分を責めてしまう方も少なくありません。しかし、まず必要なのは原因を一人で抱え込むことではなく、状況を整理することです。いつ、どの場面で涙が出るのか、誰との関係が負担なのか、業務量や責任が過大ではないかを書き出してみると、相談すべき相手や取るべき対応が見えやすくなります。すぐに結論を出せない場合は、一度休むことも大切な選択肢です。
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3. 「朝泣く」「仕事中に涙が出る」以外のサインもチェックしよう
仕事に対するつらさから泣いてしまう場合、「涙が出る」以外にも心身の変化が現れていることがあります。たとえば、以下のような不調がある場合は注意が必要です。
※あくまで相談や受診を検討する際の目安であり、これらの症状だけで病気の有無を判断することはできません
- 体が重くだるさを感じる
- 食欲不振や過食
- 何に対してもやる気が起きない
- 動悸や吐き気がある
- 寝つきが悪い・睡眠不足
- 朝、起き上がることや出勤の準備をすることが難しい
- 休日も気分が回復しない
- ミスが増える、集中できない
まずはしっかりと休養を取ることが大切ですが、こうした不調が続く場合や、日常生活や仕事に支障が出ている場合は、医療機関や専門窓口への相談も検討しましょう。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
涙が出ることに加えて、睡眠障害、食欲不振、動悸、吐き気、集中力の低下、休日も気分が回復しないといったサインがある場合は、心身の不調が進んでいる可能性があります。この段階では、無理に乗り切ろうとするよりも、医療機関や産業医、カウンセリング窓口に相談することが重要です。医師の判断によって診断書が作成される場合は、会社の休職制度や業務軽減、配置転換について相談する材料になることもあります。
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4. 朝に涙が止まらない時に今すぐできること
朝の出勤前に泣いてしまう、涙が止まらないという時は、まずその日にできる対処法から考えてみましょう。仕事に行くのがつらい気持ちを無視せず、自分自身に負担をかけすぎないよう意識することが大切です。
4.1. 半日だけ働いてみる
朝に涙が止まらないほど仕事に行きたくない気持ちはあっても、「業務への影響を考えると不安」「急に休むのは気が重い」などと感じることもあるでしょう。そのような場合は、半日だけ出勤してみるのも一つの方法です。
午前中を休んで午後から出社する、あるいは午後の勤務を休んで早退することで、気持ちや体の負担が少し軽くなるかもしれません。
4.2. 無理せず休むことも大切
涙が出てくるような状態で仕事に行くと、更に疲労やストレスが蓄積してしまうこともあります。そのため、無理して出社しようとせず、仕事を休んで心身の休養・リフレッシュにあてる時間を確保することも大切です。
欠勤する場合も、半日のみの出社と同じく「体調が優れないため」などを理由として問題ないでしょう。
取得可能な休暇制度を確認したうえで、数日から1週間程度仕事から離れて休養することも検討しましょう。
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5. 泣くほどつらい状況を抜け出すための対処法
泣くほど仕事がつらい状況を改善するためには、休職や異動、転職といった選択肢もあります。現状を整理したうえで、つらさから抜け出すための根本的な対処法を検討していきましょう。
5.1. カウンセリングを受けてみる
心療内科や精神科では症状について医師の診察を受け、会社の産業医・保健師、社内の相談窓口、公的なこころの相談窓口などでは、相談や必要な支援について案内を受けられます。心身の状態がいつもと違うと感じる時、自分だけで対処しようとするのではなく、専門家に相談することで、状況を整理し、自分に合った対処法や利用できる支援を検討しやすくなります。
病院や相談窓口に行くことに抵抗感を抱く人もいるかもしれませんが、自分の状態を客観的に把握し、専門的な知識のもとで適切な対処をすることは心身の健康を保つよい方法です。
5.2. 信頼できる人に相談する
いきなりカウンセリングを受けることには抵抗があるという場合は、まず信頼できる身近な人に相談してみるのも良いでしょう。
身近な人に話すことで、気持ちが整理されたり、自分では気づかなかった視点を得られたりすることがあります。
また、人に相談することで思考や感情が整理されるので、自分の状態・置かれている状況を理解しやすくなるでしょう。
また、思考や感情の整理という観点では、「仕事どうする?!診断」を活用してみるのもおすすめです。たった30秒、8つの質問に答えるだけで、自分の状況を整理&対処法のヒントを知ることができます。
5.3. 会社の休職制度を利用する
休職制度とは、一定の期間、従業員としての身分を維持したまま、就業を免除または停止する制度です。
休職制度の有無や、休職の期間などについては企業によって異なりますが、単に休暇をもらうよりも長く仕事から離れられることがメリットです。
まとまった休養期間が得られるので、カウンセリングを受けたり心身をリラックスさせたりする時間も取りやすいでしょう。今後についてゆっくり考える時間も持つことができます。特に心身の健康に不安がある場合は、休職が有効な対処法になるかもしれません。
5.4. 異動や転職を考えてみる
人間関係や業務内容、労働環境が主な負担となっており、異動によって改善が見込める場合は、異動を希望するのも一つの方法です。同じ会社でも、部署が変われば取り巻く環境も変わります。上司や人事の担当者に相談し、今後の働く環境を変えられるか確認してみるとよいでしょう。
もし、「異動が難しい」「今の会社で働き続けるのは精神的に難しそう」といった場合は、転職も検討しましょう。転職活動には時間や労力が必要ですが、働く環境を見直す選択肢の一つになります。
迷う場合は一人で判断しようとせず、第三者に相談しながら今後の働き方を整理することも大切です。
マイナビ転職エージェントでは、現在の悩みや希望条件を踏まえながら、無理のない転職活動の進め方や、自分に合う職場環境について相談できます。
なお、相談する時点で転職を決めている必要はありません。「今の仕事を続けるべきか迷っている」「他にどのような働き方があるのか知りたい」といった段階でも利用できますので、今後のキャリアをより広い視点で考えるために利用してみるのも良いでしょう。
ひとことコメント
【監修】社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表 特定社会保険労務士:岡佳伸
異動や転職は有効な選択肢ですが、心身が追い込まれている時に急いで退職を決めると、生活面や給付面で不安が残ることがあります。退職前には、有給休暇の残日数、休職制度の有無、健康保険の傷病手当金の対象となる可能性、雇用保険の基本手当、退職時期や引継ぎの扱いなどを確認しておきましょう。まずは休養と相談によって体調を整え、そのうえで今の会社で改善できるのか、転職した方がよいのかを判断することが望ましいです。
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6. まとめ
本記事では、「仕事に行きたくない」という気持ちから、朝の出勤前などに泣いてしまう状態について、その原因や対処法をご紹介しました。
仕事に行きたくなくて涙が出るのは甘えや弱さではなく、その背景には心身への大きなストレスや疲れがあるのかもしれません。泣くほどつらい時は、まず休養を取って自身を労わることを優先しましょう。
また、必要に応じて専門家などに相談したり、休職や異動・転職を検討したりする選択肢もあります。今回の記事を参考に自分の状態を適切に把握し、できることから対処していきましょう。