スピーチを成功させるコツは?印象に残る構成や話し方、練習方法を紹介

ビジネススキル・マナー

朝礼や会議、各種イベントの冒頭など、ビジネスシーンではスピーチを行う機会が頻繁にあります。しかし、大勢の人から注目されながら話をすることに、苦手意識を感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、スピーチを成功させるための準備手順から構成方法、話し方まで詳しく解説します。また、成功に導く練習方法や、スピーチに使えるネタも紹介するので、スピーチに自信がない方はぜひ参考にしてください。

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1 そもそもスピーチとは?

スピーチのコツを知る前に、まず「スピーチとは何か」を確認しておきましょう。ここではスピーチの目的と、ビジネスシーンでスピーチが必要な場面について解説します。

1.1 スピーチの目的

スピーチの目的は、行われるシーンによってさまざまです。プレゼンテーションやイベント前のスピーチは、自分の考えをわかりやすく伝えたり、感謝の気持ちを示したりする目的で行われます。また、人前で話す力を養う訓練として、朝礼などにスピーチを取り入れている職場もあります。

いずれにしても、自分の考えや事実を正確に伝え、聞き手の感情を動かすのがスピーチに共通する目的です。聞き手の心にスピーチの内容が残り、少しでも納得や感動を得られれば、そのスピーチは成功したと言えるでしょう。

1.2 スピーチが必要な場面

ビジネスにおいてスピーチが必要な場面としては、以下のようなシーンが考えられます。

  • 朝礼、夕礼、ミーティング
  • 会議、プレゼンテーション
  • 歓迎会、送別会
  • 結婚式、記念式典、表彰式
  • 研修、セミナー
  • 転職の面接

朝礼や歓迎会の挨拶では、1分程度の短いスピーチが求められることが多いものの、結婚式や式典では3分以上のスピーチを任されることもあるため、依頼を受けたら事前にしっかりと準備を行う必要があります。

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2 スピーチで失敗してしまう人の特徴

スピーチの失敗としては、「聞き手が飽きてしまう」「言葉に詰まってしまう」「時間が大幅に余る、またはオーバーする」といった状況が考えられます。ここでは、なぜ失敗につながるのかを考えるため、スピーチで失敗しやすい人の特徴を解説します。

2.1 事前の準備が不足している

事前の準備が不足している人は、自分が伝えたい重要なポイントが抜け落ちて話が不明確になりがちです。また、あらかじめ聞き手に合わせた内容を準備しておかなければ、共感を得にくく聞き手を飽きさせてしまいます

さらに、時間配分を確認しておかないと、時間内に終わらなかったり逆に早く終わりすぎたりして迷惑をかけてしまう可能性もあります。結果としてスピーチに対して不安が大きくなり、ますます苦手意識を感じてしまうことも考えられます。

2.2 人前で話すことに慣れていない

スピーチ中は多くの人が自分だけの声に耳を傾け、自分が話す様子に注目しています。人前で話すことに慣れていないと、この状況に緊張してしまい、声が途切れたり小さくなったりすることもあるでしょう。

また、聞き手が自分の話に興味を持ってくれているのかが心配になり、せっかく準備してきたことを忘れてしまうことも考えられます。逆に、人前で話すことに慣れている人は、注目される状況を楽しめる余裕があります。

2.3 完璧を目指そうとしている

完璧を求めて自分に高いプレッシャーをかけすぎると、緊張や焦りが生じ思うように話せなくなることがあります。また、ミスを避けようとしすぎるあまり言葉選びが慎重になって、話の流れが不自然になってしまう可能性もあります。

もしも、スピーチ中に聞き手から話しかけられたり、持ち時間が短くなったりするなど予想外の状況が起きても、臨機応変に対応する余裕もなくなってしまうでしょう。

【関連記事】「オンライン面談でも使える「ノンバーバルコミュニケーション」のポイント」

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3 スピーチを成功させる準備手順

スピーチを成功させるには事前の準備が必要不可欠ですが、具体的にどのような手順で行えばいいかわからない方も多いでしょう。そこで、ここではスピーチの事前準備で行うべきことを順番に解説します。

3.1 目的や条件を確認する

内容を考える基準として、まずはスピーチの目的をしっかり確認します。「出席者に正確な情報を伝えたい」「聞き手のやる気を起こさせたい」「主催者に感謝の気持ちを示したい」など、そのスピーチで何を伝えたいのかを明確にしましょう。

また、出席者の年齢層や職業、スピーチにどれくらいの時間が割り当てられているのかを把握しておくことも重要です。

3.2 話すテーマを決める

確認した目的や条件に沿って話すテーマを決めます。聞き手の興味を引きそうなテーマを選べば、最後まで飽きさせることなく印象深いスピーチができる可能性が高まります。

ただし、あまりにも自分の生活とかけ離れているテーマだと、知識も経験もないため内容が薄くなり、説得力が弱まってしまう恐れがあります。そのため、自分が話しやすいテーマを選ぶことも大切です。

3.3 構成を考える

テーマを決めたらいよいよスピーチ構成を考えます。スピーチの構成方法にはいくつかのパターンがありますが、ここでは代表的な方法を3つ紹介します。

・結論が伝わりやすい「PREP法(プレップ法)」
PREP法とは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論の繰り返し)で文章を構成することで、それぞれの頭文字を取って名付けられた手法です。

先に結論を述べることで、このスピーチで何を言いたいのかを明確にできます。その後、裏付けとなる理由、聞き手が想像しやすい具体例を述べ、最後にもう一度結論を伝えてメッセージを印象づけます。

・話に引き込みやすい「起承転結型」
起承転結型は、自然な流れで話が進むため聞き手が理解しやすく、話の内容に引き込みやすいのがメリットです。まず、出だしの「起(き)」でテーマや背景、状況などを簡潔に説明した後、「承(しょう)」で具体的な説明を加えて内容をより深く掘り下げます。

次に「転(てん)」で反対意見を持ち出したり、予想外の事実を述べたりして内容に変化をつけます。最後の「結(けつ)」でスピーチの結論を述べて話をまとめます。これが、起承転結型の主な構成方法です。

・短時間のスピーチに適した「SDS法(エスディーエス法)」
SDS法は、Summary(概要)・Details(詳細)・Summary(要約)という3ステップから成る構成方法で、わかりやすいメッセージを伝えたいときに有効です。

まず、スピーチの概要を簡単に説明し、次に具体例や経験などの詳細を述べた後、最後に要約として結論をまとめます。シンプルな構成なので、1分間スピーチや自己紹介など短時間のスピーチで困っている方にはおすすめです。

3.4 原稿を作成して内容を調整する

これまでに決めた目的やテーマ、構成に沿って言いたいことを明確にし、わかりやすく整理された文章を作成します。文章が完成したら全体の流れを確認し、「聞き手に伝わりやすいか」「不要な情報が含まれていないか」「時間内に収まるか」などをチェックします。

文章では違和感を感じなくても、実際声に出してみると表現が気になるというケースもあるので、何度も繰り返し練習してスムーズな内容かどうかを確認しましょう。

【関連記事】「プレゼンテーションの話し方のコツは? プレゼンの出だし例文や資料作成の要点」

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4 スピーチを成功させるコツ【内容編】

聞き手の印象に残るスピーチを作り上げるには、ちょっとしたコツが必要です。ここでは、スピーチの内容に関する4つのコツを紹介します。

4.1 伝えたいことを明確にする

伝えたいことが明確であれば、スピーチ全体を一貫した内容で構成できるので、聞き手にしっかりとしたメッセージを伝えられます。また、聞き手も理解しやすくなり、最後まで集中力を保ってスピーチに耳を傾けてくれるでしょう。

さらに、無駄な話を避けて重要なポイントを絞り込めば、限られた時間内で的確に話をまとめることができるため、時間をオーバーしてしまう恐れもありません。

4.2 体験談や具体的な数字を盛り込む

テレビやネットで見聞きしたことをそのまま話すのではなく、それに関係した自分の体験談を盛り込むことで、聞き手にとってスピーチの内容をより身近に感じてもらえるでしょう。ありふれたテーマでも自分の体験を加えれば、個性的で印象に残りやすい話になります。

また、話の内容に信憑性を与えるためには、具体的な数字を使用するのもおすすめです。例えば、「日本の気温は上昇している」と言うよりも、「日本の気温は100年あたり1.28℃上昇している」と言った方が信頼性が増し、内容をより深く理解できるようになります。

4.3 シンプルでわかりやすい文面にする

できるだけ高度な内容にしようと、耳慣れない単語や複雑な表現を使用してしまう方もいます。しかし、あまりにも難しい内容だと聞き手は話に入り込めなくなり、注意が散漫になってしまう可能性があります。

そのため、スピーチは一度聞いただけで意味を理解しやすく、伝わりやすい内容にしなければなりません。できるだけシンプルな言葉を使い、聞き手の心に強く印象づけられる無駄のない内容がスピーチとしては効果的です。

4.4 笑いや問いかけの要素を入れる

聞き手との距離が近い場合は、笑いや問いかけというユーモラスな要素を入れて、臨場感を感じながらスピーチを行うといった方法もあります。

スピーチの合間に、面白いエピソードやクスっと笑えるジョークを盛り込めば、聞き手の緊張を和らげてリラックスした雰囲気を作り出せます。また、聞き手に問いかけを行って反応を見たり意見をもらったりすることで、スピーチの場に一体感が生まれるでしょう。

【関連記事】「エレベータートークとは何?人を惹きつける話し方を身に付けよう」

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5 スピーチを成功させるコツ【話し方編】

次に、話し方のコツを紹介します。せっかく素晴らしい内容のスピーチであっても、聞き手に上手く伝えられなければ意味がありません。そのため、以下のコツを取り入れて伝える力をさらにアップさせましょう。

5.1 ゆっくりハキハキと話す

緊張すると、どうしても早口になったり声が小さくなったりしてしまうものです。そのため、ゆっくりと大きな口を開けてはっきり話すことを意識しましょう。自信を持ってゆっくりハキハキ話せば、聞き手もリラックスした気持ちで耳を傾けられます。

また、ゆっくり話すことで言い間違いも少なくなり、「信頼感のある力強いメッセージを発信できる人」という印象を与えられるでしょう。

5.2 つなぎ言葉を多用しない

「えーっと」「あのー」「まあ」といったつなぎ言葉は極力使わないのが賢明です。このようなつなぎ言葉を多用すると、スピーチのリズムが崩れ、聞き手が話に入り込めなくなってしまいます。また、自信のなさが伝わり、聞き手を緊張させてしまう恐れもあります。

さらに、つなぎ言葉によって話が曖昧に聞こえるため、スピーチの信頼感や説得力が損なわれることも考えられます。

5.3 抑揚や表情にも気をつける

例えば、「深刻な内容の場合は声のトーンを落としてゆっくり話す」「楽しい話なら明るい声で笑顔を意識する」「重要な部分はより大きな声ではっきり伝える」など、抑揚や表情で話にメリハリをつけることも大切です。

内容に合わせて感情を豊かに表現できれば、聞き手を退屈させることなく話に引き込むことができます。こういった表現を本番ですぐに実践するのは難しいため、事前にしっかりと練習しておきましょう。

5.4 ボディランゲージを取り入れる

身振りや手の動き、歩く動作といったボディランゲージを取り入れることで、スピーチにリズムが生まれます。聞き手は視覚的な情報からもメッセージを受け取れるため、話の内容をより理解しやすくなるでしょう。

また、自然なボディランゲージは自分に自信があることを表現できる上、自分の緊張をほぐすのにも有効です。派手な動きに抵抗があるという方は、「腕を広げる」「胸に手を当てる」「拳を握る」といった細かいボディランゲージから始めるといいでしょう。

【関連記事】「スピーチや会話で「えーっと」「あー」がなくなると生じる驚くべき効果とは!?」

6 スピーチを成功に導く練習方法

スピーチを成功させるには事前の練習が欠かせません。以下で紹介する練習方法を実践して、スピーチ当日を不安なく迎えられるよう準備しておきましょう。

6.1 鏡の前で練習する

聴衆からどう見えるのかを確認するため、鏡の前で原稿を読んでみましょう。鏡で自分を見ながら練習すれば、表情、目線、ボディランゲージ、姿勢を客観的にチェックすることができます。

「自然な笑顔で話せているか」「視線は一箇所に固まらず、全体を見渡せているか」「効果的なボディランゲージを実践できているか」「猫背になることなく、まっすぐ立てているか」といった点を確認しながら練習を行いましょう。

6.2 無理に丸暗記をしない

確かに原稿を見ながら話すよりも、目線を上げたまま伝える方がスピーチ上級者という印象を与えられます。しかし、スピーチに慣れていない方は無理に丸暗記をしない方がいいでしょう。

もしも、丸暗記した内容を忘れた場合はアドリブが利かないので、途中でスピーチが続けられなくなる恐れがあります。また、丸暗記をすると文章をそのまま再現しようとするため、話し方が機械的になったり感情がこもらなかったりすることもあります。

最初から最後まで原稿を見続けるのはNGですが、丸暗記をするのではなく、構成や要点を押さえつつ自分の話し方で練習を重ねるのがおすすめです。

6.3 録画や録音を活用する

録画や録音を活用することで、話す速度や声の強弱、表情などを客観的にチェックできます。自分が聞き手になったつもりでチェックすれば、どこを改善すべきなのかが見えやすくなるでしょう。

スピードが速く聞き取れない箇所がある」「感情の込め方が不足している」「棒立ちで視覚的につまらない」など、録画や録音を繰り返し見ることで気づく点もあるので、積極的に活用してスピーチのパフォーマンスを向上させましょう。

6.4 同僚や友人に聞いてもらう

スピーチに対する客観的な評価が欲しいなら、同僚や友人など第三者に練習を聞いてもらいましょう。いくら練習を重ねても、話し方や表情のクセは自分だと気付きにくく、なかなか改善に至らない場合があります。

また、一人の練習では「人前で話す」という緊張感が味わえないので、本番で初めて聴衆に囲まれて雰囲気に飲まれてしまう方もいます。第三者から適切なアドバイスをもらいながら、本番のつもりでスピーチできる環境を整えることは、スピーチを成功させるための近道と言えます。

7 スピーチで使えるネタ

ここからは、「スピーチのネタがない」という方のために、スピーチで使えるネタをいくつか紹介します。なお、さらに詳しいスピーチネタや「1分間スピーチ」「3分間スピーチ」などの例文は、以下の記事で紹介しているのでぜひチェックしてみてください。

【関連記事】「【例文付き】朝礼で使えるスピーチのネタ10選|コツと注意点も解説

7.1 最近のニュース

最近のニュースで取り上げられた政治や経済、文化などのトピックを扱い、自分の考えや解決策を提示します。誰もが知っている新しい情報なので、聞き手の興味を引きやすいのがメリットです。聞き手の共感を得たり、議論を喚起したりする効果も期待できます。

7.2 自己紹介

初めての場所では、自己紹介もスピーチのネタとして活用できます。自分の生い立ち、趣味、目標などを簡潔に述べることで、初対面の聴衆に親近感を与え、距離を縮めることも可能になるでしょう。ただし、あまりにもプライベートな内容や、長すぎる自己紹介は不快感を与える恐れがあるため要注意です。

7.3 家族やペット

家族とのエピソードやペットとの思い出は、親しみやすく聞き手を惹きつけやすい題材です。ユーモアや感動的なエピソードを交えることで、より印象深いスピーチになるでしょう。自分が育った環境や考え方を、聞き手に知ってもらいたいときにも有効です。

7.4 名言やことわざ

著名な人物の名言や有名なことわざを引用すると、強いメッセージを伝えられます。名言やことわざを例に挙げることで、自分の考えをわかりやすく簡潔に伝えられるので、スピーチの内容が聞き手の心に残りやすくなります。明確に伝えたいことがある際にはおすすめのネタです。

7.5 季節や年中行事

春の花、秋の紅葉、お祭り、クリスマスなど、自然の変化や文化的な行事もスピーチのネタとしてよく利用されます。季節や行事の意義を説明しながら個人的な体験を交えることで、自分の考えをわかりやすく伝えることができます。

「〇月といえば何?」という各月の風物詩は下記の記事で詳しく紹介しているので、スピーチのネタとしてぜひ活用してください。

「〇月といえば何?」各月の風物詩はこちら
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8 まとめ

人前で話すのが苦手な方にとって、式典や朝礼でのスピーチはできるだけ避けたいものの一つでしょう。しかし、いくつかのコツを実践することで、聴衆の心を掴む感動的なスピーチが行える可能性が高まります。スピーチを成功させるには、印象に残る構成、効果的な話し方、そして練習方法が重要です。

スピーチの目的や伝えたいメッセージを明確にし、それに沿ってしっかりした準備を行えば、自信を持って臨めるようになります。ぜひ、本記事で紹介した内容を参考にして、より魅力的なスピーチを目指しましょう。

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