エレベータートークとは何?人を惹きつける話し方を身に付けよう

ビジネススキル・マナー


社会に出ると、社内外での自己紹介やプレゼンテーションなど、人前で話す機会がかなり増えると思います。そんなときに気をつけたいのが話し方です。本記事では、短時間でインパクトのある話し方をするスキル「エレベータートーク」を例にとり、話の組み立て方を解説します。

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1.「エレベータートーク」とは?

「エレベータートーク」とは、簡潔な自己紹介・プレゼンテーション手法のことです。アメリカのシリコンバレーで若手実業家が偶然を装ってエレベーターに乗り込み、上階につくエレベーター内のわずか1分足らずで重役にプレゼンテーションをし、見事出資を得て大成功を収めたというエピソードから、このように呼ばれています。

「エレベーターピッチ」「エレベーターブリーフィング」とも呼ばれ、短時間のトークでビジネスチャンスを掴むためのスキルとして知られています。

【関連記事】「【例文付き】朝礼で使える!スピーチのネタ8選|コツと注意点も解説」

2.エレベータートークはさまざまな場面で使える

「エレベータートーク」という名前の由来はその名の通りエレベーター内での会話ですが、そのスキルはエレベーターに限らずさまざまな場面で使えます。そのため、エレベーター内での会話が控えられる日本でも身に付けておくべきスキルです。

例えば、自己紹介や上司への報・連・相、短いプレゼンテーション、異業種交流会でのやり取りなど、時間が限られている場で話さなければならないときや、忙しい相手に話を聞いてもらうときに役立ちます。

エレベータートークのスキルがあることで、少ないやり取りで相手の興味をひきつけ、スムーズに話を理解してもらったり、もっと話を聞きたいと思わせたりすることができます。このことは、円滑なコミュニケーションや人脈づくりに大きく貢献するでしょう。

【関連記事】「プレゼンテーションの話し方のコツは? プレゼンの出だし例文や資料作成の要点」

3.エレベータートークの組み立て方

エレベータートークの基本は、結論とメリットを簡潔に伝えることです。以下のような構成にすることで、自分が伝えたいことをわかりやすく印象的な形でまとめることができます。

1.自分の肩書や自社の商品名
2.自分や商品のベネフィット
3.独自性や信ぴょう性を裏付ける情報
4.クロージング(相手に求めるアクション)

以下では、自己紹介の場でのエレベータートークの一例をご紹介します。


■交流会などにおけるエレベータートーク

<NG例>
山田花子です。大学を卒業してから1年間海外に行き、今はメーカーで事務をしています。本日はよろしくお願いします。

<OK例>
(1)[ 基本情報 ]

山田花子と申します。静岡県出身、1992年生まれの25歳です。

→自分にとっては当たり前のことも、他の人にとっては新鮮な内容です。

(2)[ 過去~現在の仕事 ]

大学を卒業してから1年間、アメリカで英語の勉強をしました。今は、英語のスキルを生かして家電メーカーで輸出関連の貿易事務をしています。

→「事務」だけでは漠然としすぎています。具体的に伝えることで、相手に仕事のイメージをしてもらいやすくなります。また、その職業に就いた理由などを伝え、興味を引きましょう。

(3)[ どのような貢献ができるか?=アピールポイント ]

アメリカが大好きで、いろいろな場所に行きました。観光客があまり行かない、おもしろいスポットも色々ご紹介できます。本日はどうぞよろしくお願いします。

→自分の持っている能力や経験でどのような貢献ができるのかを伝えましょう。

【関連記事】「スピーチや会話で「えーっと」「あー」がなくなると生じる驚くべき効果とは!?」

4.話す姿勢も重要「せめて足ふく癖」

エレベータートークは話す内容についてのスキルですが、人と話すとき、特にプレゼンテーションのように人前で話すときは「姿勢」も重要です。「せめて足ふく癖」を覚えて、聞いている人が惹きつけられる姿勢で話しましょう

【せ】(背)

背筋を伸ばして胸を張り、顔を上げましょう(ただし、あごは引き気味に)。猫背でうつむいたまま話してしまうと、せっかくの内容も自信がなさそうに聞こえてしまいます。

【め】(目)

目線は聞き手全員を見回すように巡らせます。会場の広さにもよりますが、「8」の字や「Z」の字を意識して目線を移動させるといいでしょう。話し手からまったく見てもらえないと、聞き手は寂しく感じるものです。

【て】(手元)

手もちぶさたに手をぶらぶらさせたり、指やペンを触ったりしないよう気をつけましょう。また、腕組みや後ろ手は、横柄に見える可能性があるため要注意です。

【足】(足元)

足元にも注意が必要です。ふらふらしないよう、しっかりと立ちましょう。ただ、足を開いて仁王立ちになっている女性をときどき見かけますが、それも少し気になります。やりすぎには注意しましょう。

【ふく】(服装)

最後は服装を含めた「身だしなみ」です。目から入ってくる情報は大変インパクトがあります。話しはじめてから服装や髪の乱れに気づくと、本人だけでなく聞き手も集中できなくなります。話はじめる前に鏡で必ず確認しましょう。

【癖】

「なくて七癖」といわれるほど、誰にでも「癖」はあるもの。上半身を揺らす癖や、髪を触る癖、それに口癖が頻発すると、それが気になって内容が頭に入りづらくなります。まずは自分の癖に気づき(教えてもらい)、少しずつ減らしていきましょう。

人前で話すのに慣れないうちは緊張するのは当たり前のことです。ただ、話し手があまりにも緊張していると、聞き手にもその緊張感が波及します。緊張しないコツは、意識を自分ではなく、聞き手に向けることです。プレゼンテーションも自己紹介も、相手目線で行うことが大切なのです。

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執筆:人見 玲子 (ひとみれいこ) 人材育成コンサルタント

株式会社コントレール代表取締役。短期大学を卒業後、JALのグランドスタッフとして10年間勤務。転職後、通信、金融業界で10年以上、幅広く人材育成業務に携わる。その間の研修講師としての登壇回数1000回、受講者数は2万人を超え、「本物の接客マナー」を身につけたスタッフを増やす。2013年独立起業。楽しくためになる、結果を出す研修講師として定評がある。
保有資格:「宅地建物取引士」、「AFP」、「キャリアコンサルタント」、「ワインエキスパート」(日本ソムリエ協会)
http://contrail-hrd.com/

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