コロナ禍でリモートワークやオンライン面談が定着し、ノンバーバルコミュニケーションの重要性は増しています。ノンバーバルコミュニケーションの効果やオンライン面談での印象アップのための注意点をご紹介します。(Misa)
1.ノンバーバルコミュニケーションとは
ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉を使わない非言語コミュニケーションをさす言葉です。コミュニケーションというと、会話やSNS・メールなどの文字によるコミュニケーションが思い浮かびますが、コミュニケーションとは「互いの意思や感情、思考を伝達し合うこと」と定義され、身ぶりや画像などの非言語の伝達手段も含まれます。
私たちは、特に意識しなくても日常のコミュニケーションのなかで、互いの非言語情報を読みとっています。
伝達手段 | 利用シーン | |
---|---|---|
バーバルコミュニケーション |
言語情報:会話、文字など |
面談、SNS・メール、印刷物 |
ノンバーバルコミュニケーション |
聴覚情報、視覚情報:表情、視線、身振り、仕草、容姿、声、口調など |
対面、オンラインによる面談、動画 |
2.「メラビアンの法則」--コミュニケーションと印象の関係
「メラビアンの法則」によって、ノンバーバルコミュニケーションに関する認識が定着するようになりました。心理学者のアルバート・メラビアン博士は、心理実験などによる検証で、コミュニケーションにおける「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」が占める割合を数値化しました。「メラビアンの法則」では、言語・聴覚・視覚の情報が矛盾しているときに、何を重視するかという割合が、言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%であるとしています。
私たちのコミュニケーションは、表情、視線、仕草、容姿などの視覚情報と、声や口調といった聴覚情報に、大部分を頼っているということになります。
たとえば、会話の中で「ありがとうございます」という言葉で感謝を伝えるとき、相手の目を見て明るい口調で言うのと、暗い表情でボソっと言うのでは、相手が受ける印象はまったく違います。その結果、暗い表情でお礼を言われた相手は「実は嬉しくないのではないか」という考える可能性があります。これが、表情、視線、声、口調などのノンバーバルコミュニケーションによる効果です。
言語情報には情報量が多く、正確に伝わりやすいという特長がありますが、視覚や聴覚による情報は印象を左右しやすく、コミュニケーションの目的である情報伝達を大きく影響しています。
3.オンライン面談の印象アップのために
オンライン面談は、モニター越しになる分、相手との距離感を感じやすくなります。ノンバーバルコミュニケーションを意識することで、オンラインの面談でポジティブな印象を与えることができます。
身だしなみはもちろんですが、何よりも明るい表情を意識しましょう。表情が明るくなると、声や口調も自然に明るくなってきます。照明や背景の影響で表情が暗く見えてしまうことがありますので、室内の環境にも注意が必要です。自分の画像を事前にチェックしておくとよいでしょう。
また、手元の資料を見ながら話し続けると、うつむきがちになります。話すときにモニター越しに相手と視線が合うように意識すると、好印象を与えやすくなります。画面を通して相手にどのような印象を与えているのかを意識することが大切です。
<印象アップのための注意点>
- 表情を明るくする
- 顔を上げてカメラを見ながら話す
- 相手の表情を確認しながら話す
- 話すときに身ぶり手ぶりをつける
- 言葉による相槌の代わりにうなずく、表情によるリアクションを返す
原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。