20代の「何がしたいか分からない」と悩む方へ|向いている仕事の見つけ方

仕事の悩み・転職

大きな希望を持って就職したものの、「いまいち仕事が楽しくない」「自分に合っていない」と感じる方も少なくありません。特に、将来の選択肢が多い20代は、本当に自分がしたいことは何なのかが分からず、日々悩んでしまう場合もあるでしょう。

本記事では、そんな「何がしたいか分からない」と感じる20代の方に向けて、すぐにできる対策や、新しい仕事探しのポイントを解説します。

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1 20代は「仕事で何がしたいか分からない人」が多い年代

社会人としてのキャリアが始まったばかりの20代は、この先長い職業人生を歩んでいくことになります。そのため、「本当に自分がしたいことは何なのか」と思い悩む方が少なくありません。実際、20代はどんな仕事に就き、どれだけの人が転職しているのでしょうか。

1.1 20代はどんな仕事をしている?

令和2年に公開公開された国税調査から、20代が従事している職業を見てみましょう。

職種20~24歳の従事者(人)25~29歳の従事者(人)
管理的職業従事者 1,364 5,853
専門的・技術的職業従事者 652,001 1,090,024
事務従事者 499,255 896,765
販売従事者 568,356 557,511
サービス職業従事者 619,373 434,029
保安職業従事者 88,707 98,913
農林漁業従事者 41,402 51,222
生産工程従事者 523,534 616,872
輸送・機械運転従事者 42,228 71,293
建設・採掘従事者 121,941 153,633
運搬・清掃・包装等従事者 199,930 198,829
分類不能の職業 131,072 113,019

上記の通り、20代前半・20代後半ともに専門的・技術的職業に就く人が最も多くなっています。専門的・技術的職業とは専門知識が必要な仕事のことで、医療従事者・研究者・法務関係者・金融関係者・芸術関係者・報道関係者・教育者などが含まれます。

なお、男性は生産工程者や建設・採掘従事者の割合が高いのに対し、女性は事務やサービス職業従事者の割合が高い傾向です。


【出典】eStat「国勢調査 令和2年国勢調査 就業状態等基本集計|男女,年齢(5歳階級),配偶関係,国籍総数か日本人,職業(大分類)別就業者数(15歳以上就業者)」

1.2 20代の離職率は20%前後

次に、令和3年に厚生労働省が実施した雇用動向調査から、男女別の20代離職率を見てみましょう。

性別20~24歳25~29歳全年代
24.2% 19.6% 12.8%
26.9% 19.2% 15.3%

大学生から社会人になったばかりの方が多い20代前半は、理想と現実にギャップを感じやすい年代です。また、今の職場でキャリアアップが難しいと判断すれば、いち早く転職して新しいステージに進む方も多いため、離職率が高くなっていると考えられます。

一方、仕事に慣れ始める20代後半からは、責任あるポジションを任されることもあることから、20代前半よりも離職率は低くなっています。

【出典】厚生労働省「-令和3年雇用動向調査結果の概況- 」

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2 20代が「仕事で何がしたいか分からない」と感じる理由

「何の仕事がしたいか分からない」と20代の方が感じるのには、いくつかの理由があります。ここでは、そのうち主な3つの理由について解説します。

2.1 社会人としての経験が浅いから

社会に出たばかりの20代は、職種についての知識が不足しているため、選択肢が見えにくくなります。また、経験が少ないため実際の仕事内容や働き方をイメージできず、迷いが生じてしまいます。

さらに、社会のネットワークや交友関係もまだ狭いので、他の仕事に対する情報も乏しく、今の労働条件が良いのか悪いのかが分からないという方もいます。

2.2 自分の強みがよく分かっていないから

自分の強みを活かせる仕事は、やりがいを感じやすく、長く働くこともできるでしょう。しかし、20代はまだ自分の強みが何なのかがわからず、適した職種や業務内容を判断しづらい年代です。

そのため、適切な選択ができず、キャリアの方向性を見失う可能性があります。社会人としての経験を重ねるうちに、自分の強みを理解し、自分がどの分野でどのくらい貢献できるかがわかるようになります。

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2.3 他の年代に比べて選択肢が多いから

20代は新しいスキルを吸収するスピードが早く、環境にも迅速に適応できる年代です。また、この先長く働いてくれる可能性があるため、多くの企業が20代を求めており、他の年代と比べても市場価値の高い存在と言えます。

さらに、経験が浅い分仕事に対しての柔軟性もあるので、20代には多くの選択肢があります。このことが、逆に何をしたらいいのか迷わせる原因にもなっています。

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3 「仕事で何がしたいか分からない」と感じる20代の特徴

「仕事で何がしたいか分からない」と感じる20代には、どのような特徴があるのでしょうか。自分に当てはまる項目がないかチェックしておきましょう。

3.1 失敗や挑戦を恐れている

失敗や挑戦を恐れる人は、新しいことにチャレンジする機会が少ないため、貴重な経験を得ることができません。目の前にいくつかの選択肢があっても、リスクを取らず現状維持を求めます。

そうなると、今の仕事が本当に自分に合っているのかを判断できなくなり、成長機会を逃しやすくなってしまいます。自分に向いている仕事を見つけるためには、たとえ失敗しても新しいことに挑戦する気持ちが大切です。

3.2 他人と自分を比較してしまう

他人と比較することで、自分の欠点にばかり目が行き、自信を喪失しやすくなります。また、他人の成功を羨むと、自分の成長を見逃しがちになり、満足感を感じられなくなる可能性もあるでしょう。

その結果、本来の自分らしさを見失い、本当に自分がやりたいことが何なのか分からなくなってしまいます。このように、他人との比較はキャリアに悪影響を及ぼすことが考えられます。

3.3 先入観で判断する

「自分にこの仕事は合わないはず」「この業界は仕事が大変そう」など、先入観で判断していると、将来の選択肢を狭めてしまいます

また、自分の意思とは関係なく、「法学部を出たら法務に関する仕事をすべき」「女性は力仕事より事務仕事が向いている」といった、一般論に捉われ過ぎるのも、何をしたらいいのか分からなくなる原因の一つです。

3.4 短期的な目線で行動しがち

一般的な20代は、大きな仕事を任せてもらえることも少なく、まだ給料も低いので、仕事にやりがいを感じられないかもしれません。そのため、「もっと良い条件の仕事があるのではないか」と感じる方もいるでしょう。

しかし、経験を積み重ねることで、徐々に責任ある仕事を任されるようになり、それに伴って給料もアップしていくのが普通です。あまり短期的な目線でばかり行動していると、本当にやりたいことが分からなくなる可能性があります。

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4 20代で何がしたいか分からないまま仕事を続けるリスク

「自分は何がしないのか分からない」という状態で仕事を続けると、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来のチャンスを逃してしまうことも考えられます。

4.1 仕事にストレスを感じるようになる

将来に対して迷いを感じると、仕事自体がストレスになる恐れがあります。「本当にこの仕事を続けていていいのか」「早めに行動しなければ手遅れになるのではないか」と焦燥感を感じ、仕事に集中できなくなることも考えられます。

ストレスは心身に悪影響を及ぼします。不眠、食欲の減退、頭痛や胃痛、無気力、イライラ、不安感などの症状が現れる場合は要注意です。

【関連記事】「【仕事を辞めたい】ストレスサインやストレスをためないためのポイント」

4.2 キャリアアップのチャンスを逃す可能性がある

行動を起こせず、ズルズルと今の仕事を続けていると、せっかくのキャリアップチャンスを逃してしまうことも考えられます。30代、40代と年齢を重ねると、仕事でもプライベートでも責任が大きくなり、仕事を辞めづらくなってしまいます。

また、20代は市場価値が高く多くの選択肢があるため、自分に合う仕事を見つけやすい年代です。何がしたいのかを明確にして早めに行動すれば、将来のメリットはより大きくなるでしょう。

【関連記事】「「仕事に飽きた」と感じる理由は?キャリアアップの方法や転職先の見つけ方」

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5 20代が「仕事で何がしたいか分からない」と感じたときの対策

「仕事で何がしたいか分からない」と感じたときは、具体的にどうすればいいのでしょうか。ここでは、すぐに実践できる5つの対策を紹介します。

5.1 自己診断を行う

「自分が本当にしたいことは何か」を明確にするため、自己診断を行ってみましょう。厚生労働省が提供している自己診断ツールでは、興味や価値観、能力面の特徴などから、自分に合った適職を探索することができます。

こういったツールを利用して、自分を客観的に分析することで、自分では分からなかったやりたいことが見えてくるかもしれません。

【出典】厚生労働省「自己診断ツール | job tag」

5.2 得意なこと・苦手なことを整理する

例えば、「学生時代にこんなことをしているときが楽しかった」「入社後、この仕事が一番力を発揮できた」「この仕事では目標を達成できなかった」など、得意なことと苦手なことを整理することも重要です。

自分の興味があることや得意なことを明確にすると、どの分野にやりがいを感じるかが分かります。また、自分に合わない仕事を避け、ストレスや不満を減らすためには、苦手なことを理解する必要があります。

5.3 キャリアプランを考える

今、何をしたらいいのか迷っているという方は、まず将来のキャリアプランを考えてみるのも一つの方法です。キャリアプランとは、この先の仕事における目標や方向性を明確にし、それを達成するための具体的な戦略を計画することです。

「将来自分はこうなりたい」という目標を明確にすれば、今やるべきことが見えてきます。キャリアプランは、より長期的な目線で考えることが大切です。

5.4 資格に挑戦する

とりあえず、何らかの資格に挑戦してみるのもいいでしょう。資格取得を通じて、新しい知識やスキルを身につけることができ、自分の得意分野を見つけるきっかけになるかもしれません。専門的な資格であれば、将来の方向性を決める際にも役立つでしょう。

また、資格は今後の転職活動においても有利に働きます。ただし、仕事をするうえではあまり役立たない資格もあるので、資格選びは慎重に行いましょう。

【関連記事】「履歴書に書く資格がない場合の対処法、資格がなくてもアピールする方法」

5.5 転職エージェントに登録する

自分の強みがわかったとしても、希望の条件に合う仕事が見つかるかはわかりません。そのため、不満を抱きながら会社に留まっているという方も多いでしょう。そんなときは、転職エージェントを利用しているのも選択肢の一つです。

転職エージェントに登録すれば、転職のプロに相談できるうえに、自分のスキルに合った求人を紹介してもらえます。一般には公開されていない非公開求人が提供されることもあるため、理想の職場に出会える可能性が高まります。

【関連記事】「仕事を辞めたいと思ったら誰に相談すると良い? 退職を相談する相手や注意点を紹介」

6 20代が仕事を探す際のポイント

20代が仕事を探す際は、どんなことに注意すべきなのでしょうか。ここでは、就職や転職活動を行ううえで確認すべきポイントを紹介します。

6.1 給料など労働条件に満足できるか

まずは、給料などの労働条件をしっかり確認しましょう。労働条件に満足できれば、生活の質は安定し、仕事に対するモチベーションも維持できます。また、長期的なキャリアを築くことも可能になるでしょう。

特に20代は今後のキャリアが長いので、仕事と私生活のバランスが取れる仕事を見つけ、ストレスなく仕事を続けることが重要です。

【関連記事】「20代の平均年収は?男女別・業種別など項目ごとに詳しく解説」

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6.2 将来性のある業種か

将来性のある業種は成長が見込まれるため、安定した雇用が長く続く可能性が高くなります。また、業界全体が成長していれば、景気の変動に対する耐性も強く、安心して働き続けられるでしょう。

さらに、成長中の業種では昇進のチャンスも多く、優秀な人材を確保するために待遇が向上していく可能性があります。新しいスキルを学ぶ機会が多いのも魅力です。

【関連記事】「【業界一覧】転職希望者必見! 各業界の特徴と現状・求められる主な職種を紹介」

6.3 職場の人間関係は良好か

仕事におけるストレスの原因として、多くの人が「人間関係の悪化」を挙げています。「パワハラ気味の上司がいる」「チーム内での意思疎通がスムーズにいかない」「気軽に相談できる仲間がいない」など、人間関係がうまくいかないとメンタルヘルスに悪影響を及ぼす恐れもあります。

しかし、職場の人間関係を、公開されている求人情報や面接だけで判断するのは困難です。就職前に実際の雰囲気を知りたい場合は、非公開の企業情報も提供してくれる転職エージェントの利用がおすすめです。

【関連記事】「職場の人間関係に悩み...仕事に行きたくない原因や心身への影響、対処法を解説」

6.4 自分が楽しく働く姿を想像できるか

楽しいと感じる仕事はモチベーションを高めてくれます。ストレスの少ない状態で働けば、仕事に対する意欲や熱意が増し、成果も上げやすくなるでしょう。

また、仕事内容だけでなく、通勤時間や勤務地の環境、職場の行事なども楽しく働くうえで重要なことです。1日、1ヶ月、1年とその職場で働き続けた自分を想像し、楽しんで毎日を過ごせるかどうかを見極めましょう。

【関連記事】「楽しい仕事とは? 向いている仕事の見つけ方やおすすめの職種を紹介」

7 20代が仕事を探す際に避けるべき行動

20代が仕事を探す際に、避けるべきNG行動を2つ紹介します。後悔することのないように、あらかじめチェックしておきましょう。

7.1 面倒だからと先延ばしにする

特に、働きながらの転職活動は面倒なものです。仕事の合間を縫って、自分のスキルや希望条件に合う求人情報を探し、企業の情報を収集したり面接の日程を決めたりしなければなりません。そのため、つい先延ばしにしてしまうこともあるでしょう。

しかし、先述したように、市場価値の高い今の時期を逃すと、せっかくのキャリアアップチャンスを逃してしまう可能性があります。今の職場に将来性を感じないのであれば、早めの行動がおすすめです。

7.2 何がしたいか分からない状態で応募する

早く動き出した方がいいとはいえ、何がしたいかはっきり分からない状態で、やみくもに応募するのはNGです。今の仕事に不満がある場合は、とにかく条件だけを見て転職先を決めがちです。

しかし、自分に合わなかったり興味がなかったりする仕事に就いても、また仕事が嫌になって、ふらふらと転職を繰り返すことになりかねません。そのため、まずは自分のしたいことを明確にしたうえで、やりがいを持って働ける仕事をみつけることが大切です。

【関連記事】「【仕事の探し方】"やりたい仕事"や"自分に合った仕事"を探す方法を解説」

8 「何がしたいか分からない」という20代におすすめの仕事

ここでは、自分が何をしたいのか分からないという20代の方に向けて、おすすめの仕事を3つ紹介します。新卒の方だけでなく、20代後半からでも働ける仕事は多いので、ぜひチェックしておきましょう。

8.1 事務系の仕事

主に、文書作成やデータ入力、電話応対やファイリングなどオフィス内での日常業務を担当する仕事です。未経験でも採用してもらえることが多く、さまざまな企業で必要とされる仕事のため、安定した雇用が期待できます。

また、ビジネスの基礎となる仕事であり、経験を積むことでキャリアパスも広がります。細かい作業を丁寧に行える人や、同じ仕事の繰り返しが苦にならない人に向いています。

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8.2 IT系の仕事

情報技術(IT)を活用して、システムやソフトウェアを開発・管理する仕事を指します。具体的な業務には、ソフトウェア開発、ネットワーク管理、システムエンジニアリング、データベース管理などが挙げられます。

近年は、ITエンジニアの人材不足が深刻化しており、企業によっては研修制度を設けて人材を募っているケースもあります。専門知識がなくても、働きながらスキルを身につけられる可能性もあるため、将来性のある仕事に就きたい方にはおすすめです。

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8.3 営業系の仕事

商品やサービスを顧客に販売するのが主な仕事です。新規顧客を獲得するため、電話や訪問を通じて顧客とコンタクトを取り、ニーズを把握したうえで適切なサービスを提案します。

特別な知識は必要ないものの、高いコミュニケーション能力と人間性が求められます。人と会話するのが好きな人や、提案力に自信のある人に適した仕事です。また、営業成績によってインセンティブが上乗せされることもあるので、高収入を得たい人にも向いています。

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9 まとめ

多くの20代が、「自分は何がしたいのだろう」と思い悩んでいます。社会経験が浅く、自分の強みがまだよくわかっていないこと、また他の年代に比べて選択肢が多いことが、20代を悩ませる主な原因です。

短期的な目線で判断し、安易に転職を繰り返すのは避けるべきですが、合わない仕事を続けるのは、将来的なデメリットを大きくしてしまうかもしれません。そのため、できるだけ早く自分の強みをみつけ、やりがいを持って働ける仕事に出会うことが重要です。

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