「仕事をする意味は?」と聞かれると、即答できない人は多いのではないでしょうか。仕事に意味を見出すことで、やりがいを感じやすくなり充実感を得られるようになります。
本記事では、仕事に意味をもたらすことの必要性やメリット、意味を見出す方法をご紹介します。
働くことの意味を見失っている方も、仕事の意味を見出すことで日々の業務に前向きな姿勢で取り組めるようになるでしょう。
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1. 仕事に意味をもたすことは必要?
仕事は必ずしも意味を持って行わなければならないものではありません。仕事をする意味に「正解」はないので、目的を持たずに働いても良いのです。
実際に職場や家族、友人のなかに「何のために働いているのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、何のために働いているのかを自分の中で明確化させることで、仕事に対するモチベーションが高まったり、やりがいを感じやすくなったりといったメリットがあります。
日々の暮らしが充実する可能性があるので、「仕事をする意味を見出す」ために、真剣に考える時間を作るのも良いかもしれません。
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2. 仕事をする意味は人それぞれ
すべての社会人が同じ目的を持って働いているわけではありません。
仕事をする意味は人それぞれ異なるので、ここでは内閣府の国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)の結果を参考に働く目的について解説します。
【出典】内閣府「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」
2.1. 自分の生活を安定させたいから
「仕事=収入を得るもの」「生活のために働く」と考えている人は多いのではないでしょうか。
内閣府が公表する「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」で「働く目的は何か」という質問に対し、「お金を得るために働く」と回答した人が63.3%と過半数を占めていることが明らかになりました。
生きていくためには、家賃や水道光熱費、食費など「生活費」が必要ですので、生活を安定させるために働く人が多いようです。
2.2. 企業や社会に貢献したいから
企業や社会貢献のために働きたいと考える人も一定数います。
内閣府の「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」では、働く目的は何かという問いに対し、「お金を得るために働く」に次ぎ「社会の一員として、務めを果たすために働く」と回答した人が11.0% という結果となりました。
顧客や取引先、社内の人から感謝の言葉を受け、モチベーションを高く保てている人も多いでしょう。
2.3. 不安を解消したいから
「働くことで漠然とした不安を解消できる」と思う人も多いでしょう。
「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」では日常生活の中で「不安を感じる」と回答した人が78.0%と過半数を占めていることが明らかになりました。
さらに、どのようなことに悩みや不安を感じているのか聞いたところ、「老後の生活設計について」と回答した人の割合が63.5%、「自分の健康について」を挙げた人の割合が59.1%、「今後の収入や資産の見通しについて」を挙げた人の割合が57.1%の順となっており、主に金銭面と健康面に不安を抱いていることが分かりました。
今から将来のことを考え、貯金や保険の見直し、資産運用や投資など対策しておくことで多少不安は和らぐかもしれません。また、健康面に関しても、日々の生活習慣の見直しや体を動かす習慣を身につけるなどしておくとよいでしょう。
2.4. 自分の力を認めてもらいたいから
自分の能力を試すため・認めてもらうために働く人も多いでしょう。
「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」で「働く目的は何か」という質問に対して「自分の才能や能力を発揮するために働く」と回答した人の割合は6.7%となっています。
例えば、保有している資格や学生生活での学びの成果を再認識するために、仕事をする人もいます。また、努力が報われ、社内での評価が高くなったり、昇給・昇格が認められたりすると、やる気に繋がるでしょう。
2.5. 好きなこと・やりたいことを続けたいから
好きなこと・やりたいことを続けたいから、趣味を優先できる仕事をする人もいます。
例えば、趣味のために、残業が少ない・有給を取得しやすい・給与が高いといった仕事に就く人も居るでしょう。
一方で、好きなこと・やりたいこと自体を仕事にする人もいます。子どもが好きだから保育士になったり、文章を執筆したいから作家になったりするケースもあるでしょう。
「国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)」では、「生きがいをみつけるために働く」という人の割合が14.1%と、仕事にやりがいや楽しさを求めている人が多いことが分かりました。
【関連記事】「【人のためになる仕事がしたい】やりがいを実感しやすい仕事と転職方法」
3. 仕事に意味をもたすメリット
仕事に意味を見出すことでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、5つの視点から仕事に意味をもたすことで得られるメリットをご紹介します。
3.1. ストレスの軽減につながる
意味を持たずに仕事をしていると、「何のために働いているのか分からない」と思い悩む瞬間があるかもしれません。
しかし目標を持って仕事に打ち込むことができれば、業務に集中しやすくなります。
その結果、正当な評価を受けられたり、給与が上がったりして漠然とした悩みやストレスが軽減される可能性があります。
3.2. 将来の目標や目的が明確になる
仕事に意味を見出せば、自分の将来像や目標を明確化できるといったメリットがあります。
仕事の意味を見出すためには、自分の価値観や仕事に対する目標、自分の強みや弱みを洗い出す必要があるからです。
仕事に対する考え方や価値観と向き合う時間を作ることで、理想とする働き方が見えてきたり、今自分が何をすべきかが明確になります。
与えられた業務を淡々とこなしていく毎日ではなく、目標意識を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。
3.3. 充実した毎日が送れるようになる
仕事に意味をもたらすことで、充実感のある毎日が送れるようになります。
主体的に仕事に取り組む意欲が芽生えてくるので、「より効率的に」「より正確に」など小さな目標を持ちながら業務に取り組めるでしょう。
仕事終わりに充実感や達成感を得られるので、働くことの楽しさを実感しやすくなるはずです。
3.4. 自分の成長を感じやすくなる
何となく働くよりも、仕事に意味を持たせて業務を遂行した方が自己成長を実感しやすくなります。
仕事に対して意味を見出して、やりがいを感じながら働くと、当事者意識が高まりやすくなるでしょう。
そのため「自分の責任」「自分が行動して解決する」といった意志が強くなり、成長スピードが早まります。
仕事を「やらされている」という気持ちが少しでもあれば自己成長の機会を逃してしまうので、改めて働く意味を再認識した方が良いかもしれません。
3.5. 仕事が楽しいと感じるようになる
仕事をする意味を見出すことで、楽しさを実感しやすくなります。
「何のために働いているのか分からない」という状態では、困難な出来事や苦手な業務を任せられたときに気持ちが折れてしまう人も多いでしょう。
しかし、働く意味を自分なりにしっかり持っていれば、困難なこともポジティブに捉えられます。
「これを乗り越えれば自分のスキルになる」というようにチャレンジすることに楽しさを見出せるようになるのです。
現在、楽しいと思える仕事に就いていない人も、働く意味を見出すことで意欲的に働けるようになるかもしれません。
【関連記事】「楽しい仕事とは? 向いている仕事の見つけ方やおすすめの職種を紹介」
4. 仕事に意味をもたすことができない理由・原因は?
「何のために働いているのか考えても答えが出ない」という人も多いのではないでしょうか。仕事に意味を見出せない理由は主に4つ考えられるので、それぞれ解説していきます。
4.1. 将来が見えない・不安がある
将来に漠然とした不安を抱えていると、仕事に意味を見出せなくなります。
とくに「会社の業績が悪い」「優秀な社員が辞めていく」という状態では、モチベーションが低下してしまうでしょう。
厚生労働省の調査結果によると、会社の将来に不安を感じたから退職した人が、24.3%と高い割合を占めていることが明らかになりました。
会社に不安を感じたままでは「自分の最大限の力を発揮して働きたい」「会社に貢献したい」と思えなくなってしまう可能性があります。
【出典】厚生労働省 「表16 性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、自己都合による離職の理由別転職者割合」
4.2. 正しく評価されていないと感じている
「どんなに努力をしても報われない」「成果を上げたのに給料に反映されない」という状態では、働く意味を見出せないかもしれません。
厚生労働省が公表するデータの中で、能力・実績が正当に評価されないから退職を検討したという人の割合が男性17.8%、女性13.3%と多くを占めています。
昇給や昇進といった形で納得できる評価を受けられると、働き甲斐を感じ、仕事をする意味を見出しやすくなります。
しかし、正当に評価されない場合、「会社に貢献したい」と感じにくくなってしまうので、その場合は転職を検討した方が良いかもしれません。
【出典】厚生労働省 「表16 性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、自己都合による離職の理由別転職者割合」
4.3. 職場環境に不満がある
職場環境に不満を感じている場合、仕事をする意味や目的を見失いやすくなります。
例えば、パワハラやセクハラが横行していたり、長時間労働が当たり前になっていたりするような職場では、働き甲斐を感じにくくなるでしょう。
社員同士で協力する雰囲気がない、あるいは、オフィスが散らかっているといった状況では、モチベーションが低下してしまいます。
厚生労働省の調査によると、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから(27. 2%)」「人間関係がうまくいかなかったから(17. 7%)」という理由で退職を検討した人が多いことも分かりました。
退職を検討するほど、追い込まれた状態で仕事の意味を見出すのは困難だと言えるでしょう。
【出典】厚生労働省 「表16 性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、自己都合による離職の理由別転職者割合」
4.4. 仕事が合わない・つまらないと感じている
「苦手な業務が多い」「やりたい仕事を任せてもらえない」という思いを抱えながら働いている人は、仕事をする意味が分からなくなります。
厚生労働省の資料によると、「満足のいく仕事内容でなかったから」という理由で退職を検討した人は、26.7%に上ります。
仕事がつまらない・楽しくないのに無理に気分をあげようとしても、一時的な効果しか得られないので、その反動で余計に辛さや苦しさを感じてしまうかもしれません。
根本的な問題解決の糸口を見つけなければ、気持ちが晴れて、仕事の意味を見出すことは難しいでしょう。
【出典】厚生労働省 「表16 性・年齢階級・現在の勤め先の就業形態、自己都合による離職の理由別転職者割合」
【関連記事】「【仕事つまらない】つまらないと感じる原因と対策|デメリットやNG行動も解説」
5. 仕事に意味を見出すにはどうしたらいい?
仕事に意味を見出すことができれば、前向きに働けるので成長スピードも早くなります。働く意味を自分なりに見出して仕事に向き合う方がメリットが大きいことが分かりました。
いま、仕事に意味を見出せていない人でも下記の対策を試してみれば、働く目的を見つけられるかもしれません。
● 自分が何に対して価値があると思うか考える
● 仕事に対する目標を立ててみる
● 自分の強みや弱みを洗い出してみる
● 挑戦したい・やってみたことはないか
● やりたくないこと・ストレスに感じることは何か
● プライベートを充実させる
5.1. 自分が何に対して価値があると思うか考える
自分が何に対して価値を感じるのか把握することが大切です。自分の価値観を仕事で満たすことができれば、やりがいや達成感を得やすくなります。
厚生労働省の価値観診断を行うと、数分で自分がどのようなことに価値を感じているのかが明確になるので試してみてはいかがでしょうか。
また、価値観は状況や自分の成長、環境の変化によって変わるので、定期的に見直すことが大切です。
【関連記事】「【漫画】メリー先輩のお仕事お悩み相談室(99)--仕事に意味を見出せない場合の処方箋2」
5.2. 仕事に対する目標を立ててみる
仕事に意味を見出したい方は、小さな目標を立ててみましょう。目標を立ててクリアすることで、成功体験を積み重ねられるため、やりがいを感じられる可能性があります。
目標を達成したときに自分へのご褒美を用意しておくと、達成感や幸福感を得られ、やる気につながるかもしれません。
【関連記事】「【漫画】メリー先輩のお仕事お悩み相談室(100)--仕事に意味を見出せない場合の処方箋3」
5.3. 自分の強みや弱みを洗い出してみる
仕事を通して身につけたスキルや成功体験、失敗談などを思い返して自分の強みと弱みを洗い出しましょう。
自分の強み・弱みを分析し、把握しておけば、どうして仕事をする意味を見出せないのかが分かる可能性があります。
例えば、仕事に対して完璧主義になってしまうという弱みを持っている場合、大雑把にこなせばいい業務にストレスを感じるでしょう。
短所を克服したり、苦手な業務を気持ちに余裕がある日にこなすようにしたりと工夫することで、仕事に意味を見出せるかもしれません。
【関連記事】「【漫画】メリー先輩のお仕事お悩み相談室(101)--仕事に意味を見出せない場合の処方箋4」
5.4. 挑戦したい・やってみたことはないか
実現したい・挑戦したいことについて考えてみましょう。仕事に関することだけではなく、プライベートでの内容でも構いません。
まずは自分の理想像を紙に書き出して、そのイメージから逆算して考えると良いでしょう。
例えば、新規事業の立ち上げに携わりたい・自分の店を持ちたい・高級な寿司を食べたいなどどのような内容でも良いので、成し遂げたいことを書き出します。
そのためにいま何をすべきかを逆算して考えると、目の前の仕事に対して意味を見出せる可能性があります。
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5.5. やりたくないこと・ストレスに感じることは何か
挑戦したいこと・やってみたいことを考え付くものすべてを紙に書き出したら、次は反対にやりたくないこと・ストレスに感じることも可視化します。
自分が何に苦手意識を持っているのか見つけられるので、可能な範囲でストレスを排除することができます。
やりたくないと感じるものをすべて書き出して、その中で「もっともやりたくないもの」「少しなら我慢できるもの」というように優先順位をつけましょう。
また、解決策を考えたり、定期的に見直して達成項目を確認したりすることも大切です。
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5.6. プライベートを充実させる
プライベートを充実させると「来月は○○に行きたいから仕事を頑張る」「○○が欲しいから働く」というように明確な目的意識を持つことができます。
どうしてもいまの仕事に意味を見出せない場合は、仕事以外に目的や意味を持たせることも重要だと言えるでしょう。
仕事は仕事と割り切れば職場でのストレスが軽減されたり、会社と適切な距離感を保てたりといったメリットがあるので、ワークライフバランスが向上しやすくなります。
仕事から距離をとって客観視することで、働くことの意味を見出せる可能性もあるのです。
【関連記事】「自分の強みを見つける方法や面接でアピールするためのポイントを紹介」
6. 意味を見出せないと悩んだら転職を検討してみよう
現職では「どうしても働く意味が見出せない」という方は、転職を視野に入れるのも一つの手段です。
とくに、「会社の将来に不安がある」「正当に評価してもらえない」など、会社側に仕事の意味を見出せない原因がある場合は、転職に踏み切っても良いかもしれません。
働く意味や目的を十分に感じられる仕事に就くことができれば、充実感のある毎日を送れるでしょう。
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7. まとめ
仕事をする意味や目的は、人によって異なりますが、やりがいを持つことができれば、充実しやすくなるでしょう。
仕事のストレスが溜まりにくくなったり、楽しみながら自分の成長を感じられるようになったりすることもメリットです。
自分が何に対して価値を感じているのか、強みや弱みを分析して、仕事との向き合い方を変えることで仕事に意味を見出せる可能性があります。
どうしても現職で仕事に意味を見出せないと確信しているなら、転職を検討してみても良いでしょう。
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