仕事にも慣れて、徐々に重要なポジションを任されるようになる30代ですが、中には「どうしても仕事にやる気が出ない」という方もいます。一体なぜ働き盛りの年代にもかかわらず、仕事へのやる気が失われてしまうのでしょうか。
本記事では、30代が仕事にやる気が出ない主な理由を紹介するとともに、対処法や避けるべきNG行動を解説します。30代で仕事へのモチベーションが上がらないという方は、ぜひ参考にしてください。
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1 30代は仕事にやる気が出ない年代?
一般的に、30代は責任あるポジションを任されて、仕事が楽しくなってくる時期です。一方で、20代のような新鮮な気持ちがなくなり、仕事がマンネリ化してしまうこともあります。ここでは、現代の30代を取り巻く環境と、実際の離職率を見ていきましょう。
1.1 30代を取り巻く環境
令和4年度に厚生労働省が実施した労働安全衛生調査によると、40代の77%が仕事に対して強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄があると回答しています。中でも「仕事の量」「仕事の失敗、責任の発生」に強いストレスを感じる方が多い傾向です。
さらに、30代は他の年代に比べて「雇用の安定性」や「会社の将来性」に不安を抱いている方が多い結果となりました。キャリアの中間点であり、家庭の責任も増えることから、30代は将来に対しての悩みも大きくなる時期と言えます。
【出典】厚生労働省「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要(個人調査)」
1.2 【男女別】30代の離職率
令和3年に厚生労働省が実施した雇用動向調査から、男女別の30代離職率を見てみましょう。
性別 | 30~34歳 | 35~39歳 | 全年代 |
---|---|---|---|
男 | 12.8% | 9.0% | 12.8% |
女 | 15.8% | 12.1% | 15.3% |
男性女性ともに、30代前半の離職率がやや高くなっています。理由として、30代前半は20代の経験をもとにキャリアを見直し、自分にとって最適な職場を見つけるために転職を考える方が多いことが挙げられます。
一方、30代後半になるとキャリアが安定し、ある程度の役職に就いていることが多くなります。キャリアの安定によって、リスクを取って転職する必要性がやや減少することが考えられます。
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2 30代が仕事にやる気が出ない主な理由
30代で「仕事にやる気が出ない」「仕事へのモチベーションが全くない」という場合の主な理由を解説します。理由を明らかにすることで、その後の選択肢も変化するため、当てはまる項目がないかチェックしておきましょう。
2.1 変化がなく飽きるから
30代は入社から数年が経ち、業務に慣れてくる時期です。新しく覚えることも少なくなり、日々の仕事に刺激を感じにくくなります。特に、毎日同じ作業を繰り返さなければならない場合は、飽きを覚える方も多いでしょう。
マンネリ化を打破するためには、自己成長に向けて新しいスキルを学んだり、新たな目標を設定したりするのが効果的です。
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2.2 忙しくて心身ともに疲弊しているから
仕事の量が増えると、それに伴う責任感やプレッシャーによって心身が疲弊してしまいます。ワークライフバランスも大きく崩れて、毎日「疲れた」「休みたい」と感じている方も少なくないでしょう。
心と体が疲れていれば、当然仕事に対するモチベーションも上がりません。もしも、その状態を我慢して働き続けると、心身の健康に重大な問題を引き起こす恐れもあるため注意が必要です。
2.3 人間関係にストレスを感じているから
30代は上司からの厳しいプレッシャーに耐えながら、後輩や部下をまとめなければならない存在です。上と下に挟まれる難しいポジションを担うことから、人間関係をストレスに感じる方もいます。
また、昇進や評価を巡る競争が激しくなり、同僚との関係がこじれてしまうことも考えられます。こういった人間関係のストレスは、自分だけの努力で解決するのが難しく、仕事へのモチベーションが失われる原因にもなります。
2.4 正当な評価をしてもらえないから
「大きな契約をとったことでボーナスがアップした」「プロジェクトを成功させたことで昇進した」など、会社への貢献を正当に評価してもらえることは、仕事に対する満足感アップに繋がります。
しかし、どんなに仕事を頑張っても努力や成果が認められなければ、働く意欲は低下してしまうでしょう。また、評価が不公平だと感じると、職場環境全体への不信感が生まれ、同僚との関係やチーム全体の士気にも悪影響を及ぼす可能性があります。
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2.5 将来に不安を感じるから
会社の業績が悪化していたり、業界自体が先細りしていたりすると、将来に不安を感じ焦りを引き起こします。その結果、仕事に行き詰まり、閉塞感を感じるようになります。また、目の前の仕事に対する意義も見失いやすくなるでしょう。
不安を取り除くには、新しいスキルや知識を習得し、自分の市場価値を高めることが重要です。また、会社の業績改善が見込めない場合は、早めに見切りをつけて転職を考えることをおすすめします。
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3 30代がやる気のないまま仕事をするリスク
30代の方がやる気のない状態で仕事をし続けると、さまざまな問題が発生します。ここでは、やる気のないまま仕事をするリスクを解説します。
3.1 ミスが多くなり評価が下がる可能性がある
やる気がない状態で仕事をすると、集中力や注意力も低下し、細かいミスが増えてしまいます。また、仕事への取り組み方が消極的になるため、タスクの遂行速度が遅くなり、期限に間に合わなくなることもあるでしょう。
こうした生産性の低下は、会社からの低評価につながります。その結果、さらにモチベーションが下がり、ミスを重ねるという悪循環に陥る可能性があります。
3.2 ストレスで体調を崩す恐れがある
やる気が出ない仕事をし続けることで、大きなストレスを感じ、体調を崩してしまう恐れがあります。特に、興味のない仕事をしていると、職場に行くこと自体が精神的な負担になり、毎日を苦痛に感じてしまうでしょう。
また、生産性やパフォーマンスが低下することで仕事が溜まり、期限に追われることが増えます。結果としてストレスが増大し、さらにやる気が低下するという事態を招くことも考えられます。
3.3 成長や挑戦の機会を逃しやすくなる
やる気がない状態は、新しいことに挑戦する意欲も減少しています。そのため、自らのアイデアを提案したり、新たなスキルを学んだりすることもなくなり、成長の機会を逃すことが多くなります。
当然ながら、そのような姿勢では会社からの評価を得ることは難しく、昇進や重要なプロジェクトへの参加といった、キャリアアップの機会も与えられにくくなるでしょう。
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4 30代で仕事にやる気が出ないときの対処法
ここでは、どうしても仕事にやる気が出ない30代の方に向けて、具体的な対処法を4つ紹介します。
4.1 自分なりの目標を立てる
目標を設定することで何を達成したいのかが明確になり、日々の業務に対する方向性が定まります。また、目標を達成したときの達成感は、自己肯定感を高め、仕事へのモチベーションを向上させてくれるでしょう。
目標を立てる際に効果的なのが、「SMARTの法則」です。「Specific(具体的)」「Measurable(達成度を測定可能)」「Assignable(実現可能)「Realistic(現実的)」「Time-related(期限が明確)」という5つの要素を意識することで、質の高い目標設定が行えます。
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4.2 職場にライバルを見つける
同じ目標に向かって切磋琢磨できるライバルがいることで、競争心が刺激され、モチベーションの向上につながることがあります。「負けたくない」という気持ちは、自己成長を促し、業務全体の質もアップするでしょう。
ただし、仕事では多くの人と協力する機会が多くあります。ライバルを意識し過ぎると、逆にパフォーマンスが低下したり、職場内の人間関係が悪化したりする恐れもあるため、適度な競争関係を維持することが大切です。
4.3 趣味でストレス発散をする
自分の好きな趣味に没頭することで、日常のストレスや仕事のプレッシャーを一時的に忘れられます。心身をリフレッシュすれば、新しいアイデアも生まれやすくなり、再び仕事に向かう意欲も湧いてくるでしょう。
また、趣味を通じて新しいスキルや知識を身につけることも可能であり、仕事の幅を広げるきっかけになることもあります。
4.4 転職を視野に入れる
「上記の対処法を試しても、仕事へのモチベーションが上がらない」「そもそも職場自体に問題があり、改善の余地がない」という場合は、転職を視野に入れるのも一つの方法です。社会人としての経験値があり、適応能力もある30代は、転職市場でも価値の高い存在です。
そのため、将来のキャリアアップを目指すなら早めの転職を決断した方が良い場合もあります。働きながらの転職活動に不安を感じる場合は、転職エージェントを利用することで、理想の職場に出会える可能性もアップするでしょう。
【関連記事】「【職場で仕事がない場合】自分ができる仕事の探し方や気持ちの切り替え方」
5 30代で仕事にやる気が出ないときのNG行動
仕事にやる気がでないときは、つい投げやりになったり、逆に自分を追い詰めたりしがちです。ここでは、30代が仕事にやる気がでないときのNG行動を3つ紹介します。
5.1 仕事を適当にこなす
やる気が出ないからといって、適当に仕事をこなすのはNGです。細部に注意を払わず作業を進めれば、ミスや見落としが増えて、後々大きなトラブルに発展する可能性もあります。
また、仕事の質が低下すると、職場に迷惑がかかるうえに自分自身の評価も下がり、信頼を失うリスクも高くなります。どうしても仕事への集中力が保てない場合は、「小さな目標を立てて達成する」「仕事を休んでリフレッシュする」といった対処法を実践してみましょう。
5.2 自分にプレッシャーを与え続ける
適度なプレッシャーは、モチベーションを高めるきっかけになることもあります。しかし、「職場に迷惑がかかるので、絶対に仕事は休めない」「やる気が出ないのは、自分が甘えているせいだ」など、自分自身に過度なプレッシャーを与えるのは逆効果です。
仕事をしていれば、誰しも気分の浮き沈みはあるものなので、自分一人で抱え込まず周囲に助けを求めましょう。それでもやる気がでないときは、仕事を休んだり、転職を視野に入れたりすることも大切です。
5.3 後先考えずに退職する
仕事が嫌だからといって、後先考えずに退職するのは危険です。一時の感情で退職した結果、転職先がなかなか見つからず生活費に困り、焦って条件の悪い企業に就職してしまったというケースもあります。
後悔しない転職をするためには、将来のライフプランをしっかり考えておくことが重要です。「転職することで今抱えている悩みを解決できるか」「転職が将来に向けたキャリアアップに繋がるか」といった点も確認しておきましょう。
【関連記事】「仕事を辞めたいと思ったら誰に相談すると良い? 退職を相談する相手や注意点を紹介」
6 仕事のやる気が出ない30代が抱きやすい疑問
「仕事を辞める辞めないはどう判断すればいいのか」「仕事を辞めるとしたらいつ辞めるのが正解なのか」など、仕事のやる気が出ないときに30代が抱きやすい疑問を解説します。
6.1 【Q1】仕事を辞めるか続けるかの判断基準は?
仕事にやる気が出ず辞めたいと思っても、本当に辞めていいのか迷うことも多いでしょう。一般的に、以下のような場合には仕事を辞めても後悔が少ないと考えられます。
- ストレスで心身の健康が損なわれている
- 理不尽な給与カットなど労働条件に問題がある
- パワハラやセクハラにあっている
- キャリアの成長が見込めない
- 経済的な安定性が確保されていない
これらの項目に一つでも当てはまっているのであれば、思い切って転職した方が将来的なメリットは大きくなる可能性があります。
6.2 【Q2】仕事を辞めるならいつがいい?
仕事を辞めるのにベストな時期は、何を重視するかによって異なります。例えば、ボーナスを重視する方は、7月末や12月末などボーナス支給後まで待つのがおすすめです。また、10〜3月の求人数が多い時期に転職活動を始めれば、転職先の選択肢が増えます。
さらに、12月末まで在籍していると、会社で年末調整を行ってくれるため、確定申告の手間が省けます。社会保険料の自己負担を減らしたいのであれば、会社と完全折半にできる月末の退職がいいでしょう。
6.3 【Q3】30代で転職に成功するには?
仕事を辞めたくても、次の職が見つかるかどうか不安に感じる方も少なくありません。30代が転職を成功させるには、明確な目標設定が重要です。10年、20年後の未来を想像し、自分がどうなっていたいのかを明確にします。
そうすることで、具体的な職種や仕事内容、給料といった条件も絞りやすくなるでしょう。また、スキルの棚卸しを行い、これまでの経験を活かせる仕事に就けば、より早く仕事に馴染むことができます。
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7 まとめ
30代は仕事のマンネリ化や疲労の蓄積によって、やる気が出ないと感じる方が多い年代です。やる気のないまま仕事を続けていると、職場に迷惑をかけるうえに、会社からの評価が下がったり体調を崩したりすることも考えられます。
そのため、自分なりの目標を立てて達成感を味わうなどの対処が必要です。もしも、どうしてもモチベーションが上がらない場合は、思い切って転職することも一つの選択肢です。
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