最近よく聞く「ジョブチェンジ」という言葉、いったいどういう意味なのかご存じでしょうか。「キャリアチェンジ」との違いがわからないという方も多いかもしれません。
「ジョブチェンジ」は転職時によく聞く言葉ですが、実は同じ会社内でジョブチェンジを行うことも可能です。また、ジョブチェンジについて理解しておくことは、キャリアプランを立てる上でも役立ちます。
この記事では、ジョブチェンジの意味やジョブチェンジを成功させるためのポイント、30代以降のジョブチェンジの実情などについて詳しく解説します。
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1.ジョブチェンジとは
まずは、ジョブチェンジの定義や、混同しやすい「キャリアチェンジ」との違いについてご紹介します。
1.1.ジョブチェンジとは職種を変えること
ジョブチェンジの「ジョブ」は英語で仕事を意味する「Job」、チェンジは変化や交代などの意味を持つ「Change」ですので、直訳すると「転職」となりますが、一般的にジョブチェンジは職種を変えることを指す場合に使われることが多い言葉です。
例えば、営業職の人がマーケターに転職して職種転換する場合や、社内の部署異動で担当業務が人事職から経理職に変わる場合などがジョブチェンジにあたります。
また、働き方を見直すために、正社員の営業職から、派遣社員となって派遣先で経理職として働くといった形でジョブチェンジするケースもあります。
1.2.ジョブチェンジとキャリアチェンジとの違い
ジョブチェンジと混同しやすいのが「キャリアチェンジ」です。キャリアチェンジは一般的に、職種だけでなく業種や業界も異なる仕事に挑戦することを意味します。
販売職からWebデザイナーに、医療事務から別業種の営業職に、といった転職はキャリアチェンジといえるでしょう。
つまり、ジョブチェンジに比べてキャリアチェンジのほうが大きく路線を変更することと考えることができます。
現職に比べ待遇や給与が下がる可能性もありますが、最近では自己実現のために未経験の業種に転職する方も増えてきています。
以下の記事ではキャリアチェンジについて詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
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1.3.ジョブチェンジの種類
1.3.1.同じ会社内でのジョブチェンジ
まずは現在勤めている会社内でジョブチェンジをする場合です。
転職せずにジョブチェンジできるので、慣れている社内システムを引き続き利用できる、人間関係の変化が少ない、などのメリットがあります。
会社内でジョブチェンジするには、ジョブローテーションや社内公募制度などを利用するのが一般的です。
ジョブローテーションは人材育成や部署の属人化防止のため企業側が取り入れる戦略的人事異動の一環であり、希望する職種につけるとは限りません。
一方、社内公募制度は社員の意思を尊重し人員配置を行うので、希望の職種に就くことができるといった違いがあります。
1.3.2.転職を伴うジョブチェンジ
転職を機にジョブチェンジを考える方も多いでしょう。基本的には同業界・業種内で異なる職種に就くことをジョブチェンジといいます。
例えば、製薬業の営業職の人が他社製薬会社の事務職に転職する場合などが当てはまります。
働き方を見直すために転職をする場合、ジョブチェンジをすることで希望条件に合う応募先を見つけることができるかもしれないといったメリットがあります。
また、職種が異なるとはいえ現職で得た知識やスキルを活かしやすいので、転職活動を有利に進められやすいのも大きな利点となるでしょう。
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2.ジョブチェンジのメリット
新しい職種にチャレンジするジョブチェンジは勇気がいることです。しかし、ジョブチェンジにはさまざまなメリットがあります。
ここでは3つのメリットをご紹介します。
2.1.新しいスキルを獲得できる
ジョブチェンジをすれば働きながら新しいスキルを身につけることが可能です。
さまざまな分野の専門的なスキルや知識を身につければ、いずれは応用力や問題解決力など複合的なスキルも伸ばすことができるでしょう。
2.2.キャリアの可能性が広がる
未経験の職種にチャレンジすることで、今後のキャリアの可能性が広がります。
前述した通り、新たなスキルが身につくことでキャリアの幅が広がるのはもちろん、職種を変えてみることで自分の適性に合った仕事に出会えるかもしれません。
2.3.仕事に対するモチベーションを保ちやすい
毎日同じ仕事を惰性で続けていると、日によっては仕事に対するモチベーションが上がらないという時もあるでしょう。
そんな場合にジョブチェンジをすることで、気持ちを一度リセットして新たな気持ちで仕事に取り組める可能性があります。
こうした効果を狙ってジョブローテーションを取り入れている企業も多いようです。
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3.ジョブチェンジのデメリット
メリットも多いジョブチェンジですが、いくつかのデメリットも考えられます。
ここではジョブチェンジの主なデメリットを2つ紹介します。
3.1.慣れるまでに時間が掛かる
職種が変わることにより仕事も環境も全く新しくなるため、慣れるまでにはある程度の時間を要します。職種が変われば、これまでの経験を全く活かせないということも珍しくありません。
新しい仕事を覚えるために人一倍の努力が必要になったり、人間関係を構築するのに神経を使ったりしなければならない点は、ジョブチェンジのデメリットと言えます。
ただし、目標を持って勉強するのが得意な人や、新しい人と関わるのが好きな人にとってはメリットとなるでしょう。
3.2.収入が減る場合がある
ジョブチェンジによって新しい職種に転職した場合、未経験者とみなされて一時的に収入が減る場合もあります。
前職で長い期間勤めたとしても、未経験と判断されれば、新入社員と同じ給与水準に下がってしまう可能性が高いからです。
しかし、全く別の職種であっても、社会人としての経験を評価してもらえることも考えられます。
また、長い目でみればジョブチェンジにより得られるメリットはデメリットよりも大きい場合があるので、先々のことまで考慮した上でジョブチェンジを検討してみましょう。
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4.ジョブチェンジを成功させやすい人の特徴
転職でのジョブチェンジは未経験の職種に応募することになるため、成功させるためにはコツが必要です。
ジョブチェンジを成功させやすい人の特徴を3つご紹介します。
4.1.関連する分野に関する資格の勉強や副業をしている人
まったく未経験の職種にチャレンジする場合、現在のスキルや知識を活かせるというだけではアピール力が足りない場合が多いです。
ジョブチェンジする分野に関する資格の取得を目指して勉強をしていることを伝え学習意欲を示すなど、これからどのようにスキルを磨いていくつもりか具体的に提示すると良いでしょう。
4.2.「ポータブルスキル」が高い人
職種に関わるスキルはまだ持っていなくても、ポータブルスキルが高ければ、転職市場では有利に働きます。
ポータブルスキルとは、職種や業種にかかわらず必要なスキルのことを指します。
コミュニケーション能力やマネジメント能力、論理的思考力などが代表的なポータブルスキルです。
ほかにも交渉術やプレゼン能力もポータブルスキルの一種ですので、交渉術を磨ける営業職やプレゼン能力が求められるマーケティング部で働いた経験のある人は、そのスキルが大きな強みとなるでしょう。
また、業務効率化を促進できるOAやITスキルを持っていれば、DX化を進める中小企業やベンチャー企業への転職における強みになります。
4.3.新しいことや課題への対応力が高い人
適応能力が高く、新しい環境にすぐ馴染める人もジョブチェンジに向いています。
臨機応変に対応して出した成果や課題を解決した経験があれば積極的にアピールしましょう。
対応力が高く、そのうえ新たなスキルを素早く身につけられる人は即戦力となるため、企業も積極的に採用します。
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5.ジョブチェンジでの注意点やポイント
ジョブチェンジをする際にはどのようなことに注意したら良いのでしょうか。そのポイントを2つご紹介します。
5.1.ジョブチェンジするための理由を明確化する
ジョブチェンジをする時は、どうしてジョブチェンジしようと思ったのか、その理由を明確にしておきましょう。
例えば、
- ワークライフバランスを重視したい
- 新たなスキルを身につけたい
- 兼ねてから興味があった分野で働きたい
など、どのような理由でもかまいません。箇条書きにして書き出しておくと後から見返すことができるのでおすすめです。
5.2.本当にジョブチェンジが必要かを考える
ジョブチェンジしたい理由が明確になったら、本当にジョブチェンジしないと叶えられないことなのかを一度立ち止まって考えてみましょう。
ジョブチェンジで得られるものは多いですが、勢いに任せてジョブチェンジをすると「前職のほうが自分には合っていた...」といった結果になってしまうこともあります。
現職では実現できないことなのか、冷静に考えてから次のステップに進みましょう。
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6.ジョブチェンジを成功させるには
ジョブチェンジを成功させるためには、ジョブチェンジしたい理由や意欲を担当者にしっかりアピールする必要があります。
ここでは面接や書類などで工夫できる4つのポイントをご紹介します。
6.1.ジョブチェンジの理由を上手に伝える
今の仕事内容に不満があってジョブチェンジを希望する場合、その理由をポジティブな言い方に変換して伝えると好印象を与えられます。
例えば、現職の職務内容に不満がある場合は「ジョブチェンジすることで自己実現を目指せる」と言い換えたり、職場の人間関係で悩みがある場合は「チーム一丸となって働ける職場で働きたい」と言い換えたりすることができます。
ポジティブな言い方に変換することで、物事を柔軟に捉えることができるという印象を残すこともできるでしょう。
以下の記事では、転職に成功する人の特徴について解説しています。
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また、以下の記事では仕事を辞める際に伝えるべき理由や理想的な伝え方についてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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6.2.資格取得や勉強などで意欲を伝える
前述のとおり、ジョブチェンジに関する資格を有していることや取得に向けて勉強していることは、意欲のアピールにつながります。
もしも、求人情報で「未経験者可」と記載されていたとしても、全く知識がない状態では、「本当にこの仕事に興味があるのだろうか」と思われてしまうかもしれません。
そのため、たとえ全くの未経験であっても、その分野のことをある程度研究し、知識をつけておくことが大切です。面接で聞かれた際は、自分なりに勉強してきたことを積極的に伝えていきましょう。
6.3.スキルや経験を活かせることをアピールする
事前に現職で得た経験やスキルの棚卸しをして、ジョブチェンジ先の職種で活かすことができるか整理しておきましょう。
幅広い分野で活かせる専門的な知識や能力は転職先でもきっと重宝されます。
ジョブチェンジ先でスキルや能力をどのように活かすことができるのか、またそれによってどのように会社に貢献できるのかをプレゼンできるようにしておきましょう。
6.4.柔軟な対応力をアピールする
未経験の職種にチャレンジするのは勇気がいることですが、採用する企業側もポテンシャルを探らなくてはならず、慎重になる傾向があります。
そのため、ジョブチェンジする際は柔軟な対応力を持っていることをアピールしましょう。それが企業側の安心感や信頼感につながります。
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7.30代以降のジョブチェンジは難しい?
ジョブチェンジにはたくさんのメリットがあり、転職において大きな選択肢の一つとなります。
しかし、30代以上の人で未経験の職種にジョブチェンジを考える場合は、そのハードルの高さも理解しておく必要があります。
30代以降のジョブチェンジが難しい理由について、またジョブチェンジを成功させるためのポイントについて解説いたします。
7.1.30代以降の転職入職率は下降傾向
厚生労働省が令和3年に行った「雇用動向調査」によると、20代前半の転職入職率は、男性が15.3%、女性が12.9%であるのに対し、30代前半では男性が9.2%、女性が11.0%と減少しています。
また、そのまま40代後半まで転職入職率が下降していることから、30代以降の転職率は決して高いとはいえません。
多くの企業では、30代以降の転職者に「即戦力」を求めていることが多いです。20代の転職のようにポテンシャルで転職活動をするのが難しいことから転職率が下がっていると考えられます。
しかしそれは、30代での転職が無謀という意味ではありません。しっかりとキャリアを築いてきた人なら理想の転職がきっとできるはずです。
7.2.30代以降にジョブチェンジするためのポイント
30代以降にジョブチェンジを成功させるためには、人手が足りていない業界やベンチャー・中小企業を志望するのも一つの方法です。
得意なスキルや専門的な知識がある方は、専門分野の求人を探してみるのも良いでしょう。
また、未経験者でも即戦力になることを伝えるために、これまでの人材育成経験や業務改善実績などをアピールすることで、採用担当者の興味を引くことができるかもしれません。
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8.まとめ
ここまで、ジョブチェンジの意味やメリット・デメリット、成功させるポイントについてご紹介いたしました。
ジョブチェンジは、自らの経験値や価値を高めることにつながるものです。未経験の分野に飛び込むことに不安を感じる方もいると思いますが、その決意や頑張りはきっと人生にプラスの効果をもたらすものとなるでしょう。
この記事を参考に、ぜひあなたもジョブチェンジを検討してみてはいかがでしょうか。
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