キャリア採用は最近注目を集めている採用形態です。優秀な人材が欲しい企業にとっても、より活躍できる場を求める求職者にとっても、それぞれがメリットを享受できます。
そこで今回は、キャリア採用の概要や中途採用とキャリア採用の関係、企業・求職者それぞれにとってのメリット、採用されやすい職種などについて解説します。
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1.キャリア採用とは?
キャリア採用は、即戦力となる業種、職種経験者を募集する採用形態です。
例えば、「新卒から10年間、営業職の正社員として働き、キャリアアップを目指して同業他社に転職希望のAさん」は、キャリア採用の該当者といえます。
これに対して、「新卒から10年間、営業職の正社員として働いた後、かねてから興味があったコンサルティング業に転職希望のBさん」は、キャリア採用には該当しないというケースが多いです。
企業がキャリア採用を目的としている場合は、求人情報に「キャリア採用」と記載されているケースが多いため、確認してみましょう。
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1.1.中途採用の一形態
中途採用とは、就業経験がある社会人の転職を指します。前職の雇用形態や現在の就業状況(在職・休職・求職)などの縛りはありません。キャリア採用は中途採用に含まれる採用種別であるため、前項であげたAさんもBさんも同じ中途採用の該当者となります。
1.2.第二新卒との関係
第二新卒とは、新卒からおおむね3年以内の社会人経験がある若手を意味します。
例えば、「新卒から2年エンジニアとして働いた後、半年間勉強しながら転職活動をおこなうCさん」は、第二新卒に該当します。また、第二新卒も、大枠では中途採用に含まれる採用形態です。
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2.キャリア採用が注目される理由
ここ数年は雇用のあり方が変化し、従来では「当たり前」とされていたものが大きく変化しつつあります。例えば、日本は高度成長期から、定年まで一つの企業で勤め上げる終身雇用制度が主流でした。
しかし昨今では、すでにスキルを持った人材を適材適所でアサインする「ジョブ型雇用」も広がりつつあります。
現代は、先行き不透明な時代=「VUCA時代」といわれており、いかに個人が自ら考え行動するか、その自主性が求められています。その結果、能力を存分に発揮でき評価される環境を求めて転職市場に挑む労働者が増加しています。
即戦力としてより優秀な人材確保のため、企業側もキャリア採用を活発化させています。
ジョブ型雇用についての詳細は以下の記事でも解説しています。併せてご覧ください。
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さらに、以下の3点もキャリア採用が注目される要因となっています。
2.1.労働力人口の減少
15歳以上の労働力人口は減少の一途を辿っており、令和3年は前年から8万人減少という厳しい状況が続いています。
この現状は、雇用のあり方に大きな変化をもたらしており、すでに人員不足の企業はもちろん、中長期的な視点でなるべく早期に優秀なキャリア人材を獲得したいという企業も採用活動を活発化させています。
2.2.バブル世代や就職氷河期世代などで人員構成がアンバランスな企業も
キャリア採用によってアンバランスな人員構成を調整しようとする企業もあるようです。バブル期に採用した社員が多くを占めていたり、逆に就職氷河期世代がほとんどいなかったりという企業もあります。
しかし、企業の成長拡大にはすべての年齢層をバランス良く雇用しフラットな企業風土を作ることが重要である場合が多いと言えます。
そのため、人員が不足している世代の充足を図るため、キャリア採用を活発化させている企業もあります。
2.3.公務員の世界でもキャリア採用が増えている
キャリア採用は公務員の世界にも広がりを見せています。国家公務員の総合職のキャリア採用では、2022年度採用で6年ぶりに応募者が増加に転じました。
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3.キャリア採用されやすい職種
では、実際にどのような職種でキャリア採用が多いのでしょうか。具体的な職種で見ていきましょう。
3.1.エンジニア
エンジニアはキャリア採用されやすい職種の代表格です。ここ数年はIT化や情報化が急速に進んでいることから、いち早く自社で優秀なエンジニアを確保したいという企業も増えています。
3.2.営業職
営業職も、取り扱う商品によってはキャリア採用されやすい職種です。特に販売経路が複雑な商品や高額商品の場合は、成約に至るスキルを磨くのに時間を要するため、積極的にキャリア採用を行っている企業も多くあります。
3.3.研究職
研究職は、高い学識やスキルが求められる職種のため、キャリア採用で総戦力を求める傾向が強くなっています。工程や作業内容など、研究全般に関する知識も必要とされます。
3.4.人事・経理・法務
人事・経理・法務といった管理部門系の職種もキャリア採用の求人が多く見受けられます。経験則から培ったスキルや知見が役立つ分野でもあるため、ある程度のキャリアを積んだ人材が求められる傾向にあります。
3.5.編集者・記者
編集者・記者も専門性が求められる職種であり、また場数をこなすことも重要となるため、未経験者を一人前の編集者、記者に育てるには時間を要します。そのためキャリア採用も多くなっています。
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4.キャリア採用のメリット
キャリア採用は、企業側にも求職者側にもメリットがある採用形態といえます。メリットを理解することで効果的なアピールができる可能性もあるため、以下の内容を念頭に置いておきましょう。
4.1.企業側
キャリア採用に限定した採用を実施することで、企業は以下のようなメリットが得られます。
- 入社後即戦力となる人材を確保できる
- 採用や教育にかかるコストを抑えられる
- 自社に対する新鮮な捉え方や新しいノウハウを得られる
企業側にとってキャリア採用は、自社で時間や金銭的なコストをかけなくても自走できるスキルを持った人材を採用できることが多いため、コストパフォーマンスが高い採用手段といえます。
採用した従業員の仕事ぶりや人脈から自社に活かせるノウハウを吸収できることもあるでしょう。
4.2.求職者側
キャリア採用に応募して転職することで、求職者側には以下のようなメリットが期待できます。
- 前職よりも給料、年収アップを狙える可能性が高い
- 即戦力として入社することで職場になじみやすい場合も
- 責任あるポジションに抜擢されるチャンスがある
目に見える成果を上げて会社に貢献しても、会社の人事制度などによってはキャリアアップが難しいケースもあります。
しかし、キャリア採用で人材を募集している企業は即戦力を求めていることが多いため、求職者のスキルや経験に見合った待遇を提示してくれることが多いです。
また、キャリア採用では管理職を前提として募集しているケースもあるため、より責任あるポジションで活躍できる可能性もあります。
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5.まとめ
今いる業界、職種でさらなるスキルアップや昇給・昇格を目指したい方にとって、キャリア採用に応募しての転職は大きなチャンスです。キャリア採用であれば業務上対等な関係性を築ける可能性も高まります。
今のキャリアを極めたい場合は、ぜひキャリア採用を行っている企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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