「あの人は○○のスペシャリストだから任せておけば大丈夫」「本日は○○のスペシャリストをお招きしております」など、「スペシャリスト」という言葉を耳にする機会は多くあります。
しかし、スペシャリストとはどのような人のことを指すのかいま一つわからないという方もいるのではないでしょうか。
今回は、スペシャリストの定義やゼネラリストなどとの違い、社会で強く求められるようになった背景と活躍できる仕事、スペシャリストになるための方法などを解説します。
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1.スペシャリストの意味や特徴
スペシャリストとは、特定分野において深い専門知識やスキル、経験を持つ人材のことであり、「専門家」とも呼ばれます。
特定分野とは、仕事や研究における担当分野や技術領域などを指します。
スペシャリストは、自身の担当分野に精通するために努力を重ね、知識や技術を日々向上させています。
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2.ゼネラリストとの違い
ゼネラリストはスペシャリストの対義語として使われることが多く、広範囲な知識や技術、経験を持つ人のことを指します。
幅広い分野に対する経験と知見から、オールラウンドに活躍できる人材として評価されることが多いです。
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3.その他スペシャリストと似た言葉
スペシャリストと似た言葉には他にも、「エキスパート」、「プロフェッショナル」、「玄人」などがあります。
どのような違いがあるのか見ていきましょう。
3.1.エキスパート
エキスパートとは、特定分野で十分な経験を積み、高い知識や経験、技術・技能などを兼ね備えた「熟練者」のことで、特定分野の専門家で実績と経験が傑出している人のことを指します。
つまり、スペシャリストの中でもより熟練した人をエキスパートと呼ぶことが多いです。
3.2.プロフェッショナル
プロフェッショナルとは、高い能力や知識、経験、技術を持った人材のことで、専門的な力を高精度で発揮できる人のことです。
アマチュアの対義語として使用され、プロフェッショナルを略すと「プロ」、アマチュアを略すと「アマ」となります。
スペシャリストとプロフェッショナルは他者よりも優位性を持つ得意分野があり、スキルを磨いて技術や技能を追求するという点は共通していますが、プロフェッショナルのほうがより広い概念であることがあります。
例えば、プロサッカー選手、つまりプロフェッショナルの中に、ドリブルのスペシャリストやフリーキックのスペシャリストなど、ある特定の技術で勝利に貢献するスペシャリストが含まれるといったイメージです。
3.3.玄人
玄人とは、一つのことに特化し熟練した技を持つ人のことを指します。
スペシャリストやプロフェッショナルと似た意味ですが、俗語的であり趣味や芸能で使用されることが多いようです。
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4.スペシャリストが強く求められるようになっている背景
これまでの日本企業の採用シーンでは、どちらかというと仕事を幅広くこなせるゼネラリストが求められてきました。
しかし、近年ではスペシャリストを求める企業が多い傾向にあるようです。
ではなぜ、企業はスペシャリストを求めるようになったのでしょうか。
ここではその背景を分析していきます。
4.1.雇用制度の変容
スペシャリストが求められるようになった背景の一つに雇用制度の変容が考えられます。
かつての日本では新卒を一括採用してジョブローテーションさせながらゼネラリストを育成していく終身雇用制度が一般的でした。
しかし、時代の変化とともに転職が以前より一般的となり、個人はキャリアを磨いて専門分野のスペシャリストとなり、企業は即戦力を求める事が増えているという時代になっています。
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4.2.業務の細分化・専門化の進展
現代の複雑化した社会のニーズに合わせる形で企業の業務の内容もより細分化・専門化しています。
これに伴い、IT業界などを中心に職種も細分化され、スペシャリストの採用ニーズが高まっています。
4.3.AIやITなどの高度なテクノロジーの発展
業務の細分化・専門化とも重なりますが、近年、ITやAIなどの高度なテクノロジーが発展したことにより人間の手による作業が減り、高度な知的労働が求められるようになってきました。
その結果、ITなど特定分野に精通したスペシャリストの採用ニーズが高まってきています。
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5.スペシャリストが活躍できる仕事
スペシャリストとはどのような職種で求められる傾向にあるのでしょうか。
スペシャリストとして活躍しやすい職種としては、クリエイティブ職や技術職、研究職、開発職、エコノミスト、アナリストなどが代表的です。
また、弁護士、医師、公認会計士など国家資格が必要な職種も、スペシャリストとしてニーズが高い職種となります。
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6.企業がスペシャリストに求めていること
企業がスペシャリストを採用するメリットは、
●即戦力として期待できる
●事業拡大への貢献が大きく見込まれ企業発展につながる
の2つに集約されるでしょう。
スペシャリストを採用する企業は、採用後すぐに活躍し企業の発展に貢献してくれる人材を求める傾向が強いです。
7.スペシャリストを目指すには
スペシャリストを目指すには、自分自身で特定分野に関する知識や経験を蓄え、スキルアップを図る必要があります。
そのためには、常に新しい知識や情報を取り入れ、市場や業界の動向を把握しておくことが必須です。
具体的な方法を2つご紹介します。
7.1.常に新しい知識や情報を取り入れる
スペシャリストとして求められる人材になるためには、特定分野に精通していることが必要です。
特定分野に精通するとは、常に新しい知識や情報を取り入れる「インプット」と、取り入れた知識をいつでも必要なときに活用する「アウトプット」がバランスよくできることです。
7.2.市場や業界の動向を把握しておく
スペシャリストとして活躍するためには、自分が輝ける市場や業界の動向をチェックしておくことも必須となります。
スペシャリストとしての付加価値を高め、希少価値の高い人材となるためには、常に自身の市場価値を冷静・客観的に把握しておくことが求められます。
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8.まとめ
ここまで、スペシャリストの定義やゼネラリストなどとの違い、求められるようになった背景や活躍できる仕事などをご紹介してきました。
時代の変化に伴い、スペシャリストは今後もあらゆる分野でニーズが高まるでしょう。
今回の記事を参考にして自分の得意分野をさらに磨き、唯一無二のスペシャリストを目指してみてはいかがでしょうか。