ローンチとは? リリース等との違いや派生語、プロダクトローンチについて解説

ビジネススキル・マナー

企業のプレスリリースなどで、「〇〇をローンチしました」といった表現をご覧になった方もいらっしゃるかと思います。今回は、ローンチの意味や、リリース等との違いローンチの派生語プロダクトローンチについて解説します。

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1.ローンチとは

ローンチ(launch)とは、(ロケットの)打ち上げ、(船舶の)進水などを意味する言葉で、サービスを始めることや、商品を市場に向けて発表、発売することを表します。

ロケットの発射を表すランチまたはラウンチと同じ言葉ですが、ビジネスの現場では言語の発音に近い「ローンチ」が使われています。

語源は、槍を表すlanceであると言われ、「槍を投げる」意味のラテン語「lancea」から生まれた言葉だと言われています。そのため、イメージとしては何かを鋭く投げるという意味で、ロケットの発射を意味する「ランチ」「ラウンチ」に使われ、そのイメージから新しい製品を発売することを指すようになったと推測されます。

ロケット関連に使う場合は「ランチ」「ラウンチ」の表記が今でも使われます。

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2.ローンチに似ている言葉との違い

ローンチには似ている言葉がいくつかあります。ローンチとの違いはどこにあるのでしょうか。

2.1.リリース

リリースも新製品の発売に使われます。リリース(release)のもともとの意味は「(市場に)放つ」です。そのため、大量配布をするコンテンツ商品の新発売に使われることが多くなります。

音楽CD、映像、アプリ、ゲームタイトルなどに使われることが多いです。

一方、ローンチは一般的な製品やサービスの新発売に使われることが多いです。

2.2.サービスイン

サービスインは新しいサービスが実際に使えるようになることを指します。

一方、ローンチは新しいサービスが発表、発売されることを指し、その時点からすぐに使えるようになるとは限りません。発表を行い、予約や購入、登録を受け付け、実際にサービスが使えるようになるのは後日ということもあります。

2.3.キックオフ

キックオフはプロジェクトが始まることを意味します。主に社内で使う用語です。

一方、ローンチは、社内では発売に向けた業務が始まることを指し、社外ではその新製品またはサービスが発表、発売されることを指します。

新たな新製品プロジェクトの始まりはキックオフです。主要な開発スタッフが集まり、企画を詰めていきます。量産が決定し、営業や広報、宣伝などのスタッフも交え、発売に向けた業務が始まることがローンチになります。

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3.ローンチの派生語

ローンチにはさまざまな派生語があり、ビジネスの現場では以下のような派生語もよく使われます。

3.1.ローンチパーティー

新製品発表時に行われるパーティーのことです。いわゆる新製品発表イベントです。

その内容次第ではメディアやSNSで注目されるため、大きな宣伝効果をもたらすことができます。

3.2.ソフトローンチ

新製品を本格的に発売するのではなく、特定の消費者に向けて限定的に発売することです。

ソフトウェアなどにおいて招待などで限定したユーザーに配布、販売して、反応データを収集する目的で行われます。

また、一般製品でも地域を限定して反応データを収集することがあります。さらに、招待者のみ、特定の消費者にのみに限定販売をし、市場での価値を高めてから、本格的にローンチをするということもあります。

3.3.ローンチカスタマー

航空業界でよく使われる手法で、ローンチした時に確定している顧客のことです。

航空機のような開発費が莫大になる製品では、発売をしても売れないという事態は会社の存続を危機に陥らせるほどの大きなリスクとなります。

そのため、開発時から顧客を探し、購入契約を結び、ローンチ後、速やかに納入していくという手法を取ります。これにより、新製品の開発リスクを減らします。

また、顧客の方でも、早い段階で、航空機の購入計画が立てられることになり、資金繰りや配備計画も立てやすくなります。

3.4.ローンチタイトル

家庭用ゲーム機でよく使われる用語です。家庭用ゲーム機はそれだけでは遊ぶことができません。ゲームソフトが必要になります。そのため、新しいゲーム機を発売する時は、複数のゲームソフトを同時に発売します。これがローンチタイトルです。

ローンチタイトルのラインナップを見て、ゲーム機を購入するかどうかを判断する人が多いため、ローンチタイトルは全体のセールスにとって非常に重要です。

3.5.ローンチミーティング

ローンチ作業をするための打ち合わせのことです。一般的に、ある製品開発プロジェクトが始まって、最初に開発関係者だけで行う小規模の打ち合わせはキックオフミーティングと呼ばれます。そこでは企画の再検討などが行なわれます。

その後、開発が進み、発売(ローンチ)が見えてきた段階で、流通、営業、広告などさまざまな部門が参加をする大規模な打ち合わせがローンチミーティングになります。

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4.プロダクトローンチとは

プロダクトローンチは、マーケティングのひとつの手法です。製品を発売する前から情報提供し、発売時には多くの潜在顧客がいる状態にすることが目的です。発売前から情報を小出しに出していきながら、全部は見せないというティザー手法とは異なります。

消費者が判断できる材料を事前に提示をしていき、期待度を高めていき、ローンチ時にその熱量が最大になるように計画していきます。

最も成功をしている例の一つが米スペースXです。スペースXは現在ファルコン9による衛星打上ビジネスが主力になり、自社で構築をしている衛星通信ネットワーク「スターリンク」もサービスを始めました。

また、さらに人類を火星に移住させるサービス「スターシップ」のテストフライトも始めています。スペースXでは、このようなミッション情報を随時公表し、テストフライトではライブ中継を行います。このようなライブ中継そのものがひとつのエンターテインメントとして楽しまれています。

映画、アニメなどではこのプロダクトローンチの手法がよく使われます。製作発表会を行い、その後、出演者や声優情報を公開し、それから映像の一部分を公開したり、プレイベントを行ったりします。

こうして、公開時に期待度が最も高くなるようにするマーケティング手法がプロダクトローンチです。

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5.プロダクトローンチのメリットとデメリット

プロダクトローンチという手法には、メリットもありますが、もちろんデメリットもあります。

自社の製品、ブランドに適した手法であるかどうかを慎重に判断する必要があります。

5.1.プロダクトローンチのメリット

5.1.1.短期間でアテンションを獲得できる

多くの人は新製品情報を求めています。

そのため、新製品の情報を公開するだけで、通常の製品情報と比べて、大きなアテンション(注目)を獲得することができます。

5.1.2.競争優位性の強化

プロダクトローンチの手法を使わない製品の場合、消費者はローンチされてから購入するかを判断することになります。そのため、初動が伸びづらくなります。

一方、プロダクトローンチに成功した製品は初動が大きくなり、今度は「売れている」「人気である」という情報が拡散し、雪だるま式に販売が拡大していくことが期待できます。

5.1.3.ブランドイメージの向上

消費者は製品だけでなく、プロダクトローンチの情報やイベントでも企業と接点を持つことになり、企業への親しみやすさが向上します。

5.2.プロダクトローンチのデメリット

5.2.1.膨大なコスト

プロダクトローンチはそれなりの費用がかかります。成功させたいという思いから過剰なプロモーション計画を立ててしまうこともあります。このため、慎重に計画を立てないと、新製品の投資対効果が下がってしまうことがあります。

5.2.2.過剰な期待

プロダクトローンチが過剰だったり、提供する情報が適切でなかったりする場合、消費者は過剰な期待を抱いてしまうことがあります。すると、実際に製品がローンチされた時に失望をするということも起こりかねません。

こうなると、「失望した」というネガティブな情報が拡散をし、売上に悪い影響を与えてしまうことになります。

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6.まとめ

ローンチとは、打ち上げ、進水などを意味する言葉で、サービスを始めることや、商品を市場に向けて発表、発売することを表します。

他に、リリース、サービスイン、キックオフなどの類語があり、それぞれで定義やニュアンスが異なるため、的確に使い分けることが大切です。

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原稿:牧野武文(まきの・たけふみ)

テクノロジーと生活の関係を考えるITジャーナリスト。著書に「Macの知恵の実」「ゼロからわかるインドの数学」「Googleの正体」「論語なう」「街角スローガンから見た中国人民の常識」「レトロハッカーズ」「横井軍平伝」など。

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