引継ぎの挨拶メールとは?基本構成や例文、送る際のマナーを紹介

仕事の悩み・転職

異動や退職に伴う担当変更があった場合は、取引先へ引継ぎの挨拶メールを送るのが基本とされています。引継ぎの挨拶メールを送る目的は、スムーズな引き継ぎを促すことであり、後任者と連携を取りながら適切なタイミングで送ることが大切です。この記事では、引継ぎの挨拶メールの基本的な構成や例文を紹介します。また、挨拶メールを送る際に押さえておくべきマナーについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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1 引継ぎの挨拶メールとは

引継ぎの挨拶メールとは、異動や退職、長期休暇などで後任者に業務を引継ぐ際、取引先へその旨を伝えるメールを指します。引継ぎの理由や時期、後任者の紹介、感謝の気持ちなどを記載するのが基本です。

引継ぎの挨拶メールで担当者の変更を事前に知らせれば、引継ぎ後の混乱を避けることができます。また、丁寧に挨拶することで感謝の気持ちが伝わり、今後の良好な関係維持にもつながります。

1.1 引継ぎの挨拶メールが必要なシーン

引継ぎの挨拶メールが必要になるのは、仕事の担当者が変わるときです。具体的には、以下のようなシーンで挨拶メールを送ります。

  • 退職するとき
  • 他の部署へ異動するとき
  • 育休・産休・病休で長期休暇に入るとき

1.2 引継ぎの挨拶メールは必ず送るべき?

引継ぎの挨拶メールはビジネスマナーの一つであり、必ず送るのが基本とされています。このメールを送ることで、取引先は新しい担当者を認識し、スムーズに業務を引継ぐことができます。

また、これまでお世話になった感謝の気持ちを伝え、引き続き良好な関係を保つためにも、しっかり挨拶を行うべきです。

なお、前任者が引継ぎの挨拶メールを送った後は、後任者が着任の挨拶メールを送るのが一般的です。また、関係性の深い取引先には、メールだけでなく対面での挨拶も必要な場合があるので、上司の指示を仰ぎましょう。

2 引継ぎの挨拶メールの基本構成

引継ぎの挨拶メールでは、具体的にどのようなことを記載すれば良いのでしょうか。ここでは、一般的な引継ぎ挨拶メールの基本構成を紹介します。

2.1 件名

件名は、メールを開かなくても内容がわかるものにするのが基本です。そのため、「ありがとうございました」など曖昧な言葉ではなく、「異動のご挨拶」といったように具体的な記載を心掛けましょう。また、会社名や氏名も含めるとより丁寧です。

担当者変更の理由件名の例
退職 担当者変更のご連絡|〇〇株式会社 △△(氏名)
異動 異動のご挨拶|〇〇株式会社 △△(氏名)
産休 産休に伴う担当者変更のご連絡|〇〇株式会社 △△(氏名)
私用による長期休暇 不在のご連絡(7月1日~7月20日)|〇〇株式会社 △△(氏名)


2.2 文頭の挨拶

文頭には簡単な挨拶文を記載します。この挨拶には、メール本文を読み進めやすくする導入的な役割があります。一般的な挨拶の例は以下のとおりです。取引先との関係性を考慮し、適切な一文を選びましょう。

  • いつもお世話になっております。
  • 平素より大変お世話になっております。
  • 平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

2.3 引継ぎの理由

「退職のため」「異動のため」など、引継ぎを行う理由を記載します。理由を曖昧にしたままで担当者の変更だけを伝えると、相手に不信感を与えたり、不要な憶測を読んだりする恐れがあります。

詳しい経緯を説明する必要はありませんが、その後のやり取りをスムーズに行うためにも、理由は明確に記載するのが適切です。

2.4 引継ぎの時期

いつ担当者が変わるのかという、引継ぎの時期もしっかり明記します。退職や異動であれば「〇月〇日をもちまして」「〇月〇日付けで」などの日にちを、長期休暇であれば「〇月〇日~〇月〇日まで」などの期間を、わかりやすく伝えましょう。

2.5 後任者の紹介

仕事を引継ぐ後任者の名前や役職、簡単な経歴を伝えると、取引先に安心感を与え、スムーズな引継ぎにつながります。紹介文は長文になりすぎないよう、ポイントを押さえた内容を心がけましょう。

取引先へはこのあと後任者から着任の挨拶メールを送るのが一般的ですが、その前に後任者の情報を伝えておけば、どんな人物かをイメージできるので、後任者はよりコミュニケーションが取りやすくなります。

2.6 感謝の言葉

退職や異動が理由の挨拶メールでは、これまでの支援や協力に対する感謝を述べます。また、担当者変更で迷惑をかけることへの謝罪や、後任者との円滑な関係を願う姿勢を示すことも大切です。

さらに、「本来なら対面で挨拶すべきところ、メールでの挨拶になり申し訳ありません」という一文を入れるのも良いでしょう。このような内容を記載することで、相手への配慮が感じられる挨拶メールとなり、ビジネスマナーとしても評価されます。

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3 【前任者が送る場合】引継ぎの挨拶メール例文

ここからは、取引先へ送る実際の引継ぎ挨拶メールの例文を理由別に紹介します。

3.1 異動による引継ぎの挨拶メール例文

人事異動であること、異動になる日付をしっかり明記しましょう。

件名:異動のご挨拶|〇〇株式会社 △△(氏名)

いつもお世話になっております。
急なご連絡となり恐縮ですが、〇月〇日付で△△部署に異動することとなりました。短い間でしたが、〇〇様には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
後任としまして、同部署の□□(後任者名)が担当させていただきます。
□□は、これまで〇〇プロジェクトに携わり、高い専門性と誠実な人柄を備えた人物です。
後日改めて、□□からご挨拶させていただきます。

本来であれば直接お伺いしてご挨拶申し上げるべきところ、メールでのご連絡となりますことをお詫び申し上げます。

末筆ながら、今後も貴社のさらなるご発展を心よりお祈りいたします。

3.2 退職による引継ぎの挨拶メール例文

詳しい理由は不要ですが、退職することはしっかりと明記し、これまでの感謝を丁寧に伝えましょう。

件名:担当者変更のご連絡|〇〇株式会社 △△(氏名)

いつもお世話になっております。
私事で大変恐縮ではございますが、このたび一身上の都合により、〇月〇日をもちまして退職することとなりました。
〇〇様にはこれまで多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

後任には弊社の□□が就任いたします。□□は当業務に関して十分な知識と経験を有しておりますので、貴社のご要望にも的確にお応えできると存じます。ご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお申し付けください。

後日改めて、□□からご連絡させていただきます。

本来であれば直接お伺いしてご挨拶申し上げるべきところ、メールでのご連絡となりますことをお詫び申し上げます。

末筆ながら、今後も貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。

3.3 長期休暇による引継ぎの挨拶メール例文

長期休暇の挨拶メールで最も大切なのは、不在の期間と不在中の連絡先です。取引先に不安を与えないよう、しっかり引継ぎが完了していることを伝えましょう。

件名:不在のご連絡(7月1日~7月20日)|〇〇株式会社 △△(氏名)

いつもお世話になっております。

私事で恐縮ですが、7月1日から7月20日までの間、不在となります。
不在期間中は□□(後任者名)が対応させていただきますので、ご用命の際は下記までご連絡をお願いいたします。

--------------------------------------------------------

・担当者:〇〇部〇〇課 □□(後任者名)
・メールアドレス:example@example.com
・電話番号:〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇

--------------------------------------------------------

不在期間中は何かとご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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4 【後任者が送る場合】引継ぎの挨拶メール例文

前任者が引継ぎの挨拶メールを送ったら、次は後任者が挨拶メールを送ります。取引先の業務に支障をきたさないよう、前任者のメールからあまり間を空けずに送るのが適切です。

件名:着任のご挨拶|〇〇株式会社 △△(氏名)


平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社 △△(氏名)と申します。

このたび、〇〇(前任者)が〇月〇日付けで異動となりますため、私△△が貴社を担当させていただくこととなりました。

不慣れな点もございますが、貴社のお役に立てるよう精一杯努めて参りますので、どうぞ引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

後日、改めてご挨拶させていただきたく存じますが、まずは取り急ぎメールをもってご連絡申し上げます。

5 【引継ぎの挨拶メールを受け取った場合】返信メールの例文

取引先から引継ぎの挨拶メールを受け取ったら、できるだけ早く返信メールを送りましょう

件名:Re:異動のご挨拶|〇〇株式会社 △△(氏名)

いつもお世話になっております。

異動のご挨拶とご担当者様変更のご連絡いただき、誠にありがとうございます。

△△様には常に丁寧なご対応をいただき、感謝の気持ちでいっぱいでございます。

新天地でも引き続きご活躍されることを心よりお祈り申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

6 引継ぎの挨拶メールを送る際のマナー

ここからは、引継ぎの挨拶メールを送る際の基本的なマナーを3つ紹介します。メールを送るタイミングや内容によっては、相手に失礼な印象を与えかねないため注意が必要です。

6.1 引継ぎが決まり次第なるべく早く送る

担当者の変更は取引先の業務に影響を及ぼす可能性があるため、引継ぎが決まり次第できるだけ早く送ることが大切です。早めにメールを送ることで後任者との引継ぎ期間が十分に確保でき、スムーズな業務移行が目指せます。

また、相手に安心感を与え、信頼を損なわずに良好な関係を維持することにもつながります。引継ぎの挨拶メールは、誠意をもって早めに送りましょう。

6.2 まずは前任者から送る

引継ぎの挨拶メールは前任者が送るのが基本です。まず、前任者が担当者の交代を伝え、後任者の簡単な紹介を添えることでスムーズな業務の移行をサポートできます。

前任者の挨拶メールは、これまでの関係に対する感謝を伝える機会でもあるため、いち早く送るのが適切です。なお、前任者が送ったあとは、後任者もできるだけ速やかに挨拶メールを送りましょう

6.3 やむを得ず一斉送信する場合は謝罪の一文を入れる

引継ぎの挨拶メールは、取引先ごと個別に送るのが基本的なマナーです。しかし、急な引継ぎで時間的余裕がなく、やむを得ず一斉送信することがあるかもしれません。

一斉送信は個別対応に比べて形式的な印象を与えがちなため、受け取る相手への配慮として謝罪の一文を添えることが重要です。

例えば、「お一人ずつご挨拶すべきところを、一斉送信でのご連絡となり申し訳ございません」といった言葉を加えると、誠実さが伝わるでしょう。

7 急な異動でもスムーズに引継ぎを行うには

急な異動で社内が混乱すると、引継ぎがスムーズに行えず取引先にも迷惑をかけてしまう恐れがあります。急な異動時にも滞りなく業務を進めるため、以下の点を心がけましょう。

7.1 日頃から社内で業務の共有をしておく

日頃から業務内容や進捗状況を記録しチームメンバー内で共有しておけば、引継ぎ時に必要な情報を全員がすぐに把握できます

また、定期的なミーティングや報告を通じて他のメンバーが業務の全体像を理解しておくことも、突発的な異動や長期休暇の混乱を最小限に抑えるためには重要です。

7.2 引継ぐ業務に優先順位をつける

全ての業務を一度に引き継ぐのは困難なため、業務の中で最も重要かつ緊急性の高いものから順に整理します。こうすることで、時間が限られていても、必要不可欠な業務を確実に後任者へ伝えられます。

また、優先順位を明確にすることで、後任者は引継ぎ後スムーズに業務を始められるため、より効率的な業務運営が可能となります。

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8 まとめ

引継ぎの挨拶メールは、異動や退職、長期休暇などの際、取引先に担当者交代を伝えて円滑な業務の引継ぎをサポートする重要なツールです。一般的には、引継ぎ理由、スケジュール、後任者の紹介、感謝の言葉といった要素で構成されます。

メールを送る際は、ビジネスマナーを守り、感謝と配慮を忘れないことが大切です。ぜひ、本記事で紹介した例文やポイントを参考にして、取引先と良好な関係を保てるよう適切な挨拶メールを送りましょう。

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