一般的な企業では、8月中旬にお盆休みが設けられています。暦にもよりますが、通常4日程度、前後に土日があれば1週間程度の連休になることもあります。休みは嬉しいことですが、お盆休み明けは仕事に行くのを憂鬱に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お盆明けに仕事へ行きたくないと感じる主な理由と、楽しく仕事をするための対策を詳しく解説します。また、仕事を辞めたいと思ったときの対処法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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1 「お盆明けの仕事が憂鬱」は当然?
休み明けに仕事に行くのが億劫に感じた経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。特に、連休であるお盆休みの後は「仕事に行きたくない」といった声がよく聞かれます。仕事モードに切り替えられず憂鬱な気分になってしまうのは、誰にでも起こりうることです。
1.1 そもそもお盆休みはいつからいつまで?
お盆の時期は地域によって異なることもありますが、8月中旬にお盆休みを取るのが一般的です。毎年8月13日(盆入り)~16日(盆明け)の4日間がお盆の期間とされており、企業もこの日程で夏季休暇を設定していることが多いです。
ただし、前後に土日や祝日がある場合はさらに長い連休になる年もあります。例えば2024年の場合、お盆期間前の8月10日と11日(山の日)が土日、12日が山の日の振替休日となり、さらにお盆期間後の17日と18日も土日になるため、最大で9連休となります。
1.2 お盆明けの仕事は多くの人が辛いと感じている
お盆明けに「仕事に行くのが辛い」と感じるのは、多くの人に共通する感覚です。「ブルーマンデー(憂鬱な月曜日)」という言葉があるように、土日など通常の休日明けも憂鬱に感じる人が大勢いるくらいですから、連休で仕事から離れる期間が長くなれば尚更です。
もしお盆明けの仕事が辛いと感じても、「こんな風に感じてしまう自分はダメなのではないか」「社会人に向いていないのではないか」などとネガティブに捉える必要はありません。
憂鬱な感情を抱え込んでしまうのではなく、辛いと感じる理由や、その辛さを少しでも解消するための方法を冷静に考えましょう。
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2 お盆明けの仕事が辛い理由
多くの人がお盆明けの辛さを感じているのと同じく、その具体的な理由も多くの人に共通しています。お盆明けの仕事が辛い理由を深掘りしていくと、以下のような要素が辛さを引き起こしていることが見えてきます。
2.1 現実に引き戻されるから
お盆休みは連休で、前後の土日祝日、あるいは有給休暇を合わせて5日間以上の休みになることもしばしばです。何日も仕事から離れ、リラックスして過ごしていたところから忙しない日常に戻るのは、精神的にも抵抗が生まれます。
また、お盆の時期は帰省や帰省先での伝統行事、夏祭り、花火大会など、他の連休と比べてもイベントが多い期間です。そういった非日常的なイベントを楽しんだ後、仕事という現実に引き戻されると、憂鬱な気分になってしまう人も多いでしょう。
2.2 生活リズムが乱れているから
仕事がある日は出勤時間や退勤時間が規則的で、起床や就寝、食事の時間など生活リズムも一定であることがほとんどです。対して、休みの日は時間の縛りがなく、比較的自由に過ごせるため、「つい夜更かしをしてしまう」という人も多いのではないでしょうか。
時間を自由に使えるのは休日の良さでもありますが、仕事の日と違うリズムで生活すると、休み明けに身体がついていかないことがあります。このような状態を「社会的時差ボケ」と呼ぶこともあります。
土日2日間の乱れ程度では、生活リズムを戻すのにそれほど苦労しないかもしれません。しかし、連休でリズムが完全に乱れると、いきなり元に戻すのは難しく、精神的な辛さに加えて身体的にも辛さが増してしまいます。
2.3 仕事が溜まっていて忙しいから
お盆期間は社員が一斉に休みを取るため、会社自体が休業中になることも多いです。その結果、お盆明けは休み中に溜まった仕事の対応に追われる、ということもあるでしょう。業界・業種によっては、お盆明けに来客や注文が殺到する場合もあります。
溜まっている仕事を片付けながら通常の業務もこなさなければならず、お盆明けに数日間バタバタとしてしまうのは、よくあることです。そこにきて休日からの切り替えが上手くできていないと、余計に仕事が辛く感じてしまいます。
2.4 夏季ボーナスの支給が終わっているから
企業のボーナスは夏と冬の年2回支給されるのが一般的ですが、夏のボーナスは6月下旬~7月上旬に支払われることが多いです。つまり、夏季ボーナスはお盆前に支払われることになります。
このボーナスを使ってお盆休み中に家族や友人と出かけたりする人もいますが、それが終わると一気に楽しみがなくなってしまい、憂鬱な気分になってしまうこともあるかもしれません。
冬のボーナスまでにはまだ時間があるので、仕事へのモチベーションが上がりにくく、ただ仕事をさばき続ける状態になって辛さを感じてしまうことも考えられます。
2.5 仕事について考える時間があったから
日々忙しく過ごしていると、自分の仕事や働き方について深く考える時間は意外に少ないものです。長期休暇は、仕事から距離を取って改めて自身の仕事について考える機会になります。
仕事に対する気持ちや自身の仕事ぶりを休暇中に振り返ることで、仕事に取り組むモチベーションを持ち直せることもあります。しかし、逆に「今の仕事は本当に自分に合っているのか」「仕事にどのように向き合えば良いのだろうか」と悩みが生まれることもあります。
こうした悩みを払拭できないまま仕事始めを迎えると、意欲的に働けなかったり業務に集中できなかったりして辛くなってしまうことがあります。
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3 お盆明けの仕事が楽しみになる対策とは
お盆明けに「仕事が辛い」と思うのはよくあることとはいえ、できれば休み明けでも仕事に楽しく向き合いたいものです。では、お盆明けに辛さを感じないためにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは、その対策について解説します。
3.1 お盆明けは定時に退社する
休みに慣れた状態から一気に仕事のアクセルを踏むと、精神的にも身体的にも疲れを感じやすくなります。心身の健康を考えれば、溜まった仕事を早く片付けることよりも「仕事に慣れる」ことが先決です。
お盆明け、特に初日は頑張りすぎず、定時に退社するようにしましょう。初日はタスクリストを整理し、軽めのタスクから取り組むのもおすすめです。
無理をせず徐々にアクセルを踏んでいった方が、スムーズに仕事に取り組むことができ、結果的に早く仕事モードに戻れます。「定時に退社する」とあらかじめ決めていれば、心理的負担も少なく済みます。
3.2 全てを完璧にこなそうとしない
まだ仕事モードに入りきれていない状態で業務を行うと、ちょっとしたミスが起きてしまったり、スケジュール通りに進まなかったりすることもあります。こうしたトラブルが発生すると、ますます焦りや気分の落ち込みが酷くなってしまうかもしれません。
しかし、先ほども述べたように、お盆明けは心身共に仕事に慣れていない状態です。始めは休暇前のように全てを完璧にこなそうとせず、「リハビリ」くらいの気持ちで取り組んで、気持ちに余裕を持たせましょう。
3.3 仕事終わりに楽しい予定を入れる
お盆明けの出勤日には、仕事終わりに楽しい予定を入れておくのもおすすめです。晩御飯には美味しいものを食べる、好きな映画やアーティストのコンサートに行く、など楽しみを作っておけば、そこに向けて頑張ろうと仕事へのやる気も出てきます。
また、仕事が終わった後に、仕事と関係のないものを楽しむことで気分がリフレッシュされ、一日をポジティブに締めくくることができます。「明日も仕事だ」という憂鬱な気持ちも感じにくくなり、次の日に向けて良い心の準備ができます。
3.4 次の連休に向けて計画を立てる
その日の楽しみだけでなく、もっと先の楽しみを作っておくのも良いでしょう。次の連休に向けて計画を立てるのが、その一例です。
お盆休みの次の連休は、一般的には9月のシルバーウィークとなります。シルバーウィークは敬老の日と秋分の日、それに土日が組み合わさって連休となる期間です。カレンダー上は大型連休にならないこともありますが、平日に有給休暇を取って長期休暇にする方もいます。
次の連休に楽しみな予定があれば、それまでの間モチベーションを長く維持できます。明るい気持ちで日々を過ごすためにも、先々の計画を立てておくことをおすすめします。
3.5 少し早めに起床する
お盆休みの最終日は早めに寝て、翌日は早めに起きるようにしましょう。連休中も早寝早起きを心がけるのがベストですが、もし遅寝遅起きが多くなってしまったとしても、仕事始めの前日は早く布団に入って余裕を持って起きられるようにするべきです。
朝食の時間を作ってしっかり食べることで、仕事に必要なエネルギーを摂ることができますし、落ち着いて出勤できれば気持ちにも余裕が生まれます。また、起床後に時間をとって太陽の光を浴びるのも、体内時計の調整に効果的と言われています。
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4 お盆明けの仕事を怖いと感じる場合の対処法
お盆明けの仕事が憂鬱な方の中には、「仕事に行くのが怖い」と感じている方もいるでしょう。怖さに関しては、お盆休みで仕事からしばらく離れたことが根本的な問題ではないことが多く、上記のような対策では怖さを払拭できないかもしれません。
お盆で休んでしまったがゆえに気持ちや身体の切り替えができない、といった問題ではない場合には、以下のような対処法があります。
4.1 仕事に行きたくない理由を明確にする
まずは、怖さの原因となっている「仕事に行きたくない理由」を考えてみましょう。人間関係、業務内容、労働環境の悪さなど、理由は人それぞれであり、多くの場合このような問題はお盆休みに入る前から起こっています。
理由を明確にすることで、それに対処するための方法も見えてきます。理由によっては案外簡単に解決できることもあります。なぜ仕事に行きたくないと感じてしまうのか、その原因を突き止めて自分が取るべき行動を考えましょう。
4.2 周囲の人に相談する
人に話すことで思考が整理でき、気持ちが楽になることもあります。職場の同僚や友人、家族など信頼できる人に一度相談してみましょう。悩みを分かち合える仲間ができるだけでも、孤独感が和らぎ怖さが軽減します。
なお、単なる悩みの域を超えて心や身体に不調を感じる場合は、医師やカウンセラーなど専門家に、ブラックな労働環境やハラスメントなどコンプライアンス的な問題がある場合には、上司や適切な窓口に相談するようにしましょう。
4.3 小さい目標を立ててクリアしていく
自信のなさや業務に慣れていないなど、仕事に対する怖さが自分自身の問題からきている場合、ハードルの低い小さな目標を立てて一つずつクリアしていく、という方法で乗り越えられることもあります。
大きな目標は達成できない可能性が高く、不安感も増してしまいますが、小さな目標は達成しやすく、順調に達成感を得続けることができます。小さな目標をいくつも達成することで、少しずつではあっても成長の実感を持つことができ、自信に繋がります。
4.4 仕事が合わない場合は転職を視野に入れる
仕事に行きたくない理由を整理したり人に相談したりした結果、「やはり自分にはこの仕事が合っていない」という結論に行き着くこともあるでしょう。そのような場合は転職を検討するのも一つの方法です。
なぜこの仕事が自分に合っていないのか、どのような仕事なら自分に合っているのかなどをじっくり考えた上で、他の仕事への転職を視野に入れつつ、自身のこれからのキャリアを見つめ直しましょう。
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5 お盆明けの退職はいつがベスト?
お盆期間中に退職の意思が決まった場合、いつ退職するのがベストなのでしょうか。法律上は、退職の申し出から最短2週間で仕事を辞められます。ただし、企業ごとの就業規則があるので、そこで定められている退職時のルールを守らなければなりません。
退職したいと思ったからといってすぐに辞めるのではなく、就業規則の確認と上司への相談をして、余裕のある退職スケジュールを組むのが賢明と言えます。一般的には退職日の1~3か月前には退職を申し出ます。
また、決算期の関係から日本の企業は4月と10月に人事異動が行われることが多いです。既に退職の意思が決まっているのなら、10月の異動前に退職した方が人事への影響も少なく済みます。
6 仕事を辞めるまでにすべきこと
仕事を辞める際は、準備をしっかりとしておきましょう。辞めたいという衝動に任せて勢いで退職してしまうと、職場にも退職後の自分にも悪影響を及ぼす恐れがあります。以下に、仕事を辞めるまでにすべきことを整理します。
6.1 早めに転職活動を始める
退職後の生活のことを考えても、転職活動は早めに始めるべきです。働きながら転職活動をするのは大変かもしれませんが、次の仕事が決まってから退職するのが理想です。ブランクを作らずに次の仕事を始められます。
転職エージェントなどを利用すればさまざまなサポートが受けられるので、仕事が忙しい中でも円滑に転職活動を進めることができます。
6.2 退職の意思を伝える
上司など会社側に退職の意思を伝えるのも早めの方が良いでしょう。前述のように、就業規則を守りながら1~3か月前までには伝えておきます。これから解説する業務の引継ぎなども考慮して、退職時期を算段しましょう。
なお、退職の意思を最初に伝えるべきなのは直属の上司です。その後、チームメンバーや人事担当などにも知らせましょう。また、印象を損なわないためにも、退職理由は「挑戦したい仕事がある」など、できるだけポジティブなものを考えておくことをおすすめします。
6.3 業務の引継ぎや挨拶を行う
業務の引継ぎは、退職するにあたって最も重要な責務の一つです。余裕を持って退職の意思を伝えていれば、業務の引継ぎや関係者への挨拶も落ち着いてできます。
引継ぎの際は、区切りの良い所で後任者に引き継ぐのが理想的です。持ち越しになる業務がある場合は、これまでの経緯やこれからの予定などを細かく伝えます。口頭だけでは伝わりにくいこともあるので、詳細を確認できる資料を作っておくと良いでしょう。
また、取引先など関係者への挨拶も重要です。直接会うか、都合が合わない場合は電話やメールで挨拶をします。実際の退職日と、今までお世話になった感謝の気持ちを伝えましょう。
6.4 残った有給休暇を消化する
有給休暇が残っている場合は、退職前に消化しておくことをおすすめします。残ったまま退職してもその権利が消滅するだけなので問題はありませんが、上手く使えば給与を得ながら退職準備や転職活動にあてる時間を確保できます。
ただし、業務の引継ぎなどに影響が出ないよう、有給休暇を取るタイミングは慎重に検討する必要があります。やるべきことを済ませてから、退職日直前にまとめて有給休暇を取り、そのまま退職する方もいます。
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7 まとめ
お盆明けは、仕事に行くのが辛いと感じて憂鬱な気分になりやすい日です。お盆期間中と仕事が始まってからの生活の差が激しいため、心身への負担も大きくなっています。お盆明けの仕事は無理をせず、生活リズムを整えることと気分を上げることを心がけましょう。
しかし中には、業務内容が自分にマッチしていないことや職場環境の悪さから、憂鬱な気分が引き起こされている場合もあります。仕事に対するネガティブな気持ちがどこからきているのかよく考えて、これから取るべき行動を検討しましょう。
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