ビジネスにおいてリソースという言葉を聞くことも多いと思いますが、さまざまなものがビジネスのリソースとされています。今回は、ビジネスで重要な6つのリソースについて主に解説します。
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1.リソースとは
リソース(Resource)とは「資源」のことです。
業務を行う上で必要になる資源、供給源、物資のことを指します。一般には「⚪︎⚪︎リソース」のような形で使われます。
例えば、ヒューマンリソースとは人手のことです。この他、経営リソース、外部リソースなど、さまざまな使われ方をします。
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2.リソースと混同されやすい同義語
2.1.アセットとリソースの違い
リソースと混同しやすい言葉に、アセット(asset)があります。
リソースは資源、アセットは資産の意味です。一般的には、金銭、土地、証券などを指します。
リソースは活用をすることで価値が生じるもの、アセットは所有しているだけで価値が生じているものを指します。
そのため、人材は、活用して初めて価値が生じするためリソースであり、ヒューマンリソースと呼ばれます。
しかし、近年では人材を活用して価値を生じさせるのは企業として当然のことであるという考え方から、人材のことをヒューマンアセット(人的資産)と呼ぶ企業も増えています。
適切な研修、養成を行うことで、同じ人材をさまざまな分野で活躍させることが可能だという含みがあります。
2.2.マンパワーとリソースの違い
マンパワー(man power)とヒューマンリソースも似た言葉です。
しかし、マンパワーには人材の量に注目した言葉です。短期間の研修で業務が遂行できるような業種で使われる傾向があります。
一方、ヒューマンリソースは量だけでなく質に関しても注目をしている言葉で、ヒューマンリソースが不足をしているという時は、量が不足をしているのか質が不足をしているのか確認する必要があります。
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3.ビジネスで重要な6つの経営リソース
一般的なビジネスで必要とされるのは、ヒト、モノ、金銭、時間、情報、知的財産の6つです。
3.1.ヒト
ヒューマンリソースのことです。
人材がいなければどのような業務もプロジェクトも遂行ができません。そのため、6つのリソースの中で最も重要なものになります。
ヒトがそろってこそ、そのヒトがモノ、金銭、情報などを動かすことができるからです。ヒト以外のリソースはそこにあるだけでは価値がありません。活用をして初めて価値が生まれます。
そのためにも、ヒューマンリソースがビジネスでは最も重要なリソースになります。
3.2.モノ
モノとは、身近なところではオフィスの設備、備品などのことです。さらに工場などの生産設備が含まれます。
このようなモノがあって、初めてプロダクトを生産できたり、営業活動が行えたりできることになります。
3.3.金銭
ヒト、モノのリソースを獲得するためには、人件費や購入費という金銭が必要になります。
一般的には、まず金銭を確保して、それを使ってヒトとモノを揃えていくことになります。
3.4.時間
時間も貴重なリソースです。
販売を成功させるには、最適の販売タイミングがあり、それまでに開発や生産をしなければならず、時間のリソースは有限です。
その中で何を優先してやるべきなのか、時間リソースの管理が重要になってきます。
3.5.情報
情報とは、顧客情報からノウハウ、市場動向などの無形財産のことです。
持っているだけでは役に立つことがなく、活用して初めて価値が生じます。
3.6.知的財産
知的財産は、特許や商標権、著作権などの登録可能なものから、ブランド価値といった無形のものまであります。
保有している特許などを活用し、製品を開発するなど、知的財産も活用して初めて価値が生まれます。
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4.リソース管理をするメリット
企業はこのような経営リソースを管理していかなければなりません。
管理をすることによって、次のようなメリットが生まれます。
4.1.自社の全体情報が把握できる
各事業でのリソース配分を知ることで、各事業がうまく進んでいるのか問題を抱えているのかがわかります。
また、リソース配分を知ることで、新規事業の可能性も検討できることになり、中長期の計画を立てることができるようになります。
4.2.リソース配分の最適化が可能になる
各事業のリソース配分を知ることで、各事業でリソースが足りているのか不足しているのかがわかります。
事業の現場での主観ではリソース不足を感じていることが多いですが、全体を比較することで、それが事業現場の主観であるのか、客観的に見て不足をしているのかも判別することができます。
リソースが不足している事業には、余裕のある事業からリソースを移行させ、最適配分を図る必要があります。
また、全体として常にリソース不足であるのなら、ヒトでは採用計画、モノでは調達計画、金銭では資金調達計画、時間では事業計画、情報では企業情報システムなど、知的財産では研究開発計画などを見直す必要があります。
4.3.現場のモチベーションがあがる
リソース管理は透明化をして、社内の誰もが見られるようにする必要があります。
事業現場は常に事業遂行のプレッシャーにさらされているため、会社が十分なリソースを与えてくれていないと思いがちです。
その状態が続くと、従業員のモチベーションが下がり、パフォーマンスが低下をするようになってしまいます。
社内リソースの管理を透明化すると、従業員の誰もが他の事業でのリソース配分と自分の所属する事業のリソース配分を比較できるようになり、目の前の課題のすべてがリソース不足によるものではないことが理解できるようになります。
それにより、事業現場の中での限りあるリソースを最大限に活用するにはどうしたらいいかという議論が始まることが期待できます。
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5.その他のリソース
リソースという言葉には経営リソースだけでなく、その他の分野でも使われることがあります。
5.1.外部リソース
外部リソースとは外部にある力のことです。
ヒトであれば、アウトソーシング(業務委託)することや、モノであればシェアオフィス、機器レンタル、情報であれば調査会社、知的財産であれば専門家など、外部のリソースを活用することができます。
5.2.コンピューターのリソース
コンピューターでもリソースという言葉を使います。
多くの場合、メモリーやストレージの容量、CPUの性能などを指します。
演算に必要なリソースのことで、演算リソースが豊富なコンピューターなほど、短時間で複雑な計算をこなすことができます。
もともとは、IT業界での「リソース」という言葉が、一般企業でも使われるようになったと言われています。
コンピューターの世界では「演算に必要な資源」のことでしたが、一般企業では「業務に必要な資源」のことがリソースと呼ばれるようになりました。
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6.まとめ
リソースとは「資源」のことです。業務を行う上で必要になる資源、供給源、物資のことを指します。
リソースは持っているだけでは価値を生みません。活用して初めて価値が生まれます。
そのため、企業が業務を遂行する上で、6つの経営リソースを管理、活用することが重要になります。