一般的に「若手社員」と言われる20代の方は、フレッシュでやる気に満ち溢れているという印象を持たれがちです。しかし、実際は慣れない仕事や職場での人間関係に、「疲れた」「辞めたい」と思っている方も少なくないでしょう。
そこで、本記事では仕事を辞めたいと感じている20代の方に向けて、対処法や退職の判断基準を解説します。仕事を辞める前にするべきことも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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1 20代で「疲れた」「仕事辞めたい」と感じる人は多い
社会人としての経験が浅い20代は、学生時代とのギャップや理想と現実の差を感じて、仕事を辞めたくなる人が多い年代です。まずは、20代が感じているストレスの実態や、具体的な離職率を見ていきましょう。
1.1 20代の8割以上が仕事へのストレスを抱えている
厚生労働省が実施した令和4年労働安全衛生調査によると、20代の83%が「仕事に対して強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある」と回答しています。ストレスの理由としては、「仕事の失敗、責任の発生等」が最も多く、次いで「仕事の量」「対人関係」が上位に挙がっています。
まだ仕事に慣れていない20代は、失敗をしたり、要領よくこなせなかったりすることもあり、それが不安やストレスにつながっていると考えられます。また、世代の違う上司との関係に悩む方も多い傾向です。
自分のストレスレベルが知りたい方は、厚生労働省のストレス診断などを利用してみるのもいいでしょう。
【出典】厚生労働省「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要(個人調査)」
【出典】厚生労働省「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
1.2 20代前半の離職率は約25%
厚生労働省の令和3年雇用動向調査によると、20~24歳の男性離職率は24.2%、女性離職率は26.9%でした。これは、全年代の中で19歳以下に続く2位と高い割合です。
20代前半は社会に出て間もない時期であり、これまでの生活と社会人としての生活にギャップを感じやすい年代でもあります。また、自己成長やキャリアにつながらないと判断すれば、いち早く転職して次のステップに進みたいと考える方も多い傾向です。
1.3 20代後半の離職率は約20%
上記と同様の調査で、25~29歳の男性離職率は19.6%、女性離職率は19.2%となっています。この数字は30代~50代と比較すると、高めの割合と言えます。
20代後半は、仕事にも慣れて徐々に責任ある仕事を任されるようになるため、20代前半よりも離職率は低くなっています。しかし、スキルアップを重視したり、ワークライフバランスを求めたりする方も多く、全体的に離職率は高い傾向です。
【関連記事】「新入社員だが仕事辞めたい...新卒などが退職していい場合と辞める際の注意点」
2 20代が「仕事辞めたい」と感じる主な理由
20代が仕事を辞めたいと感じるのはどんなときなのでしょうか。ここでは、主な理由を5つ紹介します。
2.1 仕事に対してプレッシャーを感じる
特に、大学を卒業して社会に出たばかりの新卒社員は、未経験の業務に取り組むことが多いため、仕事に対する不安が大きくなりがちです。また、仕事での失敗は多くの人に迷惑をかけてしまうこともあるため、プレッシャーも感じやすくなります。
さらに、「早く仕事を覚えたい」「周囲の期待に応えたい」という思いが、仕事に対する重圧を増幅させてしまうこともあります。
2.2 職場の人間関係がうまくいかない
20代は新しい環境への適応能力も求められます。同じ年代の人間が集まっていた学校とは違い、会社にはさまざまな価値観を持った異なる年代の人間がいます。その中で、自分の立ち位置を見つけながら、スムーズな関係を築くのは大変なことです。
コミュニケーションを図ろうと思ってもなかなか話しが合わず、人間関係に疲れてしまうことも多いでしょう。また、古い職場の慣習や文化に適応できない方もいます。
2.3 給料が仕事量に見合わない
仕事量が多く、給料が見合っていないと感じる場合は、仕事を辞めて転職したいという気持ちになるでしょう。20代は基本給が安くボーナスも少ないため、30代や40代と比べて年収は少ないのが一般的です。
しかし、覚えることが多く任される仕事も増えていくため、「業務に対して給料が安すぎる」と収入に不満を感じる方が少なくありません。
2.4 会社に将来性を感じない
会社に将来性を感じないことも、仕事を辞めたくなる原因の一つです。例えば、「業界自体の市場が縮小する可能性がある」「業績悪化でボーナスがカットされた」「長く働いても昇進や昇給が期待できない」といったケースです。
20代はキャリアを模索する時期であり、市場価値が高い年代でもあるため、将来性のない会社で働くよりも、できるだけ早くキャリアチェンジをした方が良い場合もあります。
2.5 仕事がおもしろくない
入社前は興味のある分野だったのに、実際働いてみるとおもしろくなかったということもあります。また、自分が希望する部署に配属されず、スキルや適性を活かせないことも考えられます。
社会に出たばかりの20代は、この先何十年もキャリアを積み重ねていかなければなりません。そんな中、興味が持てず、適性を活かせない仕事をし続けることに、苦痛を感じてしまう方は多いでしょう。
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3 20代で「仕事辞めたい」と感じたときの対処法
20代の方が仕事を辞めたいと感じたときは、具体的にどう対処すればいいのでしょうか。ここではすぐに実践できる4つの対処法を紹介します。
3.1 辞めたい理由を明確にする
辞めたい理由が単に「給料が安い」ということであれば、通常は経験値が上がるごとに給料もアップするため、我慢して働き続けることで解決するかもしれません。また、「人間関係がうまくいかない」という場合は、他社でも同様の問題が起きる可能性があり、辞めることが最善の方法とは限らないでしょう。
一方、「自分の適性を活かした仕事をしたい」という理由なら、転職することで仕事に対する満足度を高められる可能性があります。このように、まずは辞めたい理由を明確にし、本当に辞めることで事態が改善するのかを見極めることが大切です。
3.2 周囲の人に相談する
社会人としてのキャリアが短い20代は、ついその場の感情で仕事を辞めたくなってしまうこともあります。そんなときは、社会経験の豊富な先輩や上司に相談するといいでしょう。
もちろん、相談する相手は、家族や友人などの信頼できる人でも構いません。悩みを聞いてもらえば、心の負担が軽くなり、自分では思いつかなかった解決策を得られることがあります。
3.3 有給休暇をとってリフレッシュする
有給休暇を取り、一旦仕事から離れてリフレッシュするのも一つの方法です。20代の方の中には、先輩や上司に気を遣い、なかなか有給休暇を取得できないという方もいます。
しかし、6ヶ月以上勤務している方には10日以上の有給休暇が付与されており、取得は労働者の権利です。しっかり休んで心と体をリフレッシュさせれば、新たな気持ちで仕事と向き合えるかもしれません。
3.4 転職を視野に入れて行動する
仕事を辞めたいという気持ちが強い方は、転職エージェントに登録するなど、転職を視野に入れた行動を始めましょう。仕事をしながらの転職活動に不安がある方でも、転職エージェントを利用すれば、転職のプロが条件に合った職場を見つけて提案してくれます。
個人では知ることが難しい職場の雰囲気などの情報も得られるので、理想通りの仕事に出会える可能性が高まるでしょう。
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4 20代で仕事を辞めるメリット
ここでは、20代で仕事を辞めるメリットを4つ紹介します。キャリアの初期段階である20代ならではのメリットがあるので、チェックしておきましょう。
4.1 転職の際の選択肢が多い
多くの企業が、若くて柔軟性のある人材を求めています。特に、20代は新しいスキルを学ぶ意欲が高く、環境にも迅速に適応できる年代です。また、この先長く働いてくれる可能性があるため、市場価値の高い存在と言えます。
さらに経験が浅い分、一つの仕事にこだわることなくさまざまなことに挑戦できます。このように、20代の転職には多くの選択肢があります。
4.2 経験と学びの機会が増える
20代で転職すれば、多くのことを経験できます。転職を通じて異なる職種に挑戦することは、将来的に大きな学びとなるでしょう。
また、転職は人脈を広げる機会でもあります。20代のうちにさまざまな経験をして広範なネットワークを築けば、この先のキャリアに役立つことが考えられます。
4.3 昇進していない場合は比較的辞めやすい
昇進し重要なポストを任される立場になると、部下や同僚にも影響が及ぶため、なかなか仕事を辞めづらくなってしまいます。しかし、20代はまだそれほど責任ある仕事に携わる機会が少ないので、比較的辞めやすいといったメリットがあります。
また、独身の場合は経済的責任も少なく、転職による収入の変動や生活環境の変化にも対応しやすいでしょう。
4.4 ストレスから早めに解放されることで良い影響がある
ストレスを抱えながら仕事を続けることは、心身に悪影響を及ぼします。ワークライフバランスも乱れて、生活の質が低下してしまう恐れもあります。
もしも、20代という若いうちにストレスから解放されれば、精神的な安定が得られて今後の人生における幸福感も増すでしょう。ただし、そのためには今の仕事を辞めた後、どれだけ良い仕事に出会えるかが重要になります。
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5 20代で仕事を辞めるデメリット
多くのメリットがある一方で、20代で仕事を辞めることにはいくつかのデメリットも存在します。辞めた後に後悔しないよう、悪い点も確認しておきましょう。
5.1 長続きしない人と判断される可能性がある
20代で仕事を辞めて転職する場合、転職先からは「長続きしないのではないか」「すぐに辞めてしまうのではないか」と判断されてしまう可能性があります。
そう思われないためには、転職がキャリアアップのための前向きなものであるとアピールすることが大切です。また、前職で得たスキルを具体的に説明し、その経験が次の職場でどのように役立つかを伝えましょう。
5.2 専門的なスキルが身につきづらい
20代、30代と同じ職場で継続的に仕事をしていれば、その分野での知識が深まり専門性を磨くことができます。しかし、20代での頻繁な転職は、これらの機会を逃す可能性があります。
ただし、若いうちに異なる職種を経験することで、幅広い知識と汎用的なスキルを身につけられます。その中で、本当に興味があることや情熱を注げる仕事を見つけられれば、将来的により深いスキルを身につけることも可能です。
5.3 退職金がもらえないこともある
退職金のルールは企業によって異なるものの、一般的には勤続年数に伴って支給額もアップしていきます。そのため、入社してから日の浅い20代は、退職金が少ししかもらえない可能性があります。
また、退職金の支給対象を「勤続5年以上」などと定めている企業もあり、早期に退職した場合は、そもそも退職金自体が支給されないことも考えられます。
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6 辞める?続ける?20代が退職を判断する基準
20代で仕事を辞めるか続けるかの判断に迷ったときは、何を基準にすればいいのでしょうか。ここでは、退職の判断基準を3つ紹介します。
6.1 心身に支障をきたしていないか
もしも、今の仕事で心身に支障をきたしているのであれば、すぐに辞める判断をしてもいいでしょう。仕事のことを考えると、「眠れない」「食欲がない」「何にも興味がわかない」「焦燥感を感じる」などの症状が出ている場合は、早めに辞めるのが賢明です。
「20代で仕事を辞めるのは甘えではないか」と退職を躊躇する方もいますが、心身への影響を放置していると、その後ますます悪化して、最悪の場合働けなくなることも考えられます。症状が重くなる前に、思い切って判断することが大切です。
6.2 労働条件は他の仕事と比較して劣っていないか
給料や労働時間、福利厚生などの労働条件が、他の仕事と比較して明らかに劣っている場合は、転職した方がその後の人生へプラスになるかもしれません。一度会社に入社すると、他の会社の事情がわからず、悪い条件を当たり前と思って勤務している場合もあります。
そのため、自社の労働条件に疑問を感じたら、求人情報などで他社の条件を確認してみましょう。その際、転職エージェントを利用すれば、多くの求人から知りたい情報を提供してもらえるので、効率よく他社の情報を収集できます。
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6.3 キャリアプランに沿っているか
キャリアプランとは、今後の人生において達成したい目標を明確にし、それに向けて必要なスキルを計画的に積み重ねるための行動計画です。つまり、10年後、20年後にはどうなっていたいのかを計画することを指します。
20代の職業人生はこれからが長いので、キャリアプランをしっかり計画することが重要であり、退職がこのキャリアプランに沿っているのであれば問題ないでしょう。
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7 20代が仕事を辞める前にするべきこと
20代で仕事を辞めようと決断した際にするべきことを紹介します。円満な退職に向けて、しっかり準備を進めましょう。
7.1 転職活動を始める
「仕事を辞めたいけど、次がないから迷っている」という方も多いでしょう。確かに、次を決めずに退職してしまうと、キャリアの中断や生活費の不安などさまざまな問題が生じるため、早めに転職活動を始めて次の目途をつけておく必要があります。
もしも、働きながら転職活動を行うのが難しいという場合は、転職のプロが自分のスキルに合った転職先を探してくれる、転職エージェントを利用するのが最も効率的です。
7.2 余裕を持った退職のスケジュールを立てる
基本的に、退職の申し出は退職日の2週間前までに行えばいいとされています。しかし、職場に迷惑をかけずに退職するため、1ヶ月~3ヶ月前には申し出るようにしましょう。残された人達への負担をできるだけ小さくするのが、社会人としてのマナーです。
7.3 引継ぎの準備をしておく
引継ぎをしっかり行うことで、職場への負担を最小限に抑えることができます。具体的には、現在の業務内容やプロジェクトの進捗状況、重要な取引先情報などを含む、詳細な引継ぎ資料を作成します。
さらに、退職日までに完了しないタスクの共有、クライアントや取引先など関係者への挨拶も忘れずに行いましょう。
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8 まとめ
社会人としての一歩を踏み出したばかりの20代ですが、仕事への責任感や人間関係に疲れを感じる年代でもあり、「1日も早く仕事を辞めたい」と感じる方も多いでしょう。
20代の転職には、選択肢の多さや仕事の辞めやすさなど多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。そのため、キャリアプランを明確にし次の仕事に関する情報を集めたうえで、後悔のない選択をすることが重要です。
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