「仕事を辞めたいけど、まだ次の職が決まっていないので悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか。確かに、いくら仕事を辞めたいと思っても、次がなければなかなか辞めるという判断はしづらいものです。しかし中には、次がなくてもすぐに辞めた方がいい人もいます。
この記事では、次がないまま仕事を辞める人がとるべき行動や、辞めることで感じるメリット・デメリット、辞める際の注意点などを詳しく解説します。
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1 「次はないけど仕事を辞めたい」と考える理由は?
仕事を辞めるにあたっては、次の仕事の目途が立ってから実行に移すのが一般的です。しかし、中には「次の仕事は決まっていないけど、今すぐ仕事を辞めたい」という方もいるでしょう。次の仕事がないままでも仕事を辞めたくなる理由には、どんなものがあるのでしょうか。
1.1 人間関係がうまくいっていないから
人間関係がうまくいっていないことは、仕事を辞めたいと感じる大きな要因の一つです。20代や30代の若手社員であれば、上司との関係にストレスを感じるかもしれません。また、中堅社員である40代や50代は、会社と部下との板挟みに悩むことが多くなります。
職場での人間関係が悪いとストレスやプレッシャーが増えて、仕事への満足度やモチベーションが低下するうえに、不眠や食欲低下など健康に悪影響が出る可能性もあります。
1.2 業務内容が合ってないから
自分の能力を活かせない仕事や、興味のない業務をこなしていると、仕事の達成感や充実感を得ることができません。このような状況が続けば、仕事に対するモチベーションが低下し、仕事を辞めたいと感じてしまうでしょう。
また、スキルに合わない仕事をしていると、将来的なキャリアプランの実現も難しくなるため、仕事に対する意欲はますます低下してしまいます。
1.3 給料が安くて将来が不安だから
業務内容だけでなく、給料の安さもモチベーションを低下させる大きな原因です。せっかく頑張って成果をあげても、それに見合うだけの給料がもらえなければ、やる気は削がれてしまうでしょう。
さらに、給料が安いと「会社の業績が悪化しているのではないか」「この先生活していけなくなるのではないか」など、将来に対する不安も生じてしまいます。
1.4 育児や介護との両立が難しいから
育児や介護には多くの時間とエネルギーが必要であり、仕事に集中することが難しくなってしまう場合があります。
特に、周囲からのサポートが不足しているケースでは、ストレスが増大して心身の健康に悪影響を及ぼすこともあります。そのため、次を考える前にすぐ仕事を辞めたいと感じる可能性が高くなります。
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2 「次はないけど仕事を辞めたい」と考えがちな人の特徴
上記のような状況においても、全ての人がすぐに仕事を辞めたいと感じるわけではありません。ここでは、次の職が決まる前に、すぐ仕事を辞めたいと考えがちな人の特徴を紹介します。
2.1 入社したてで仕事に慣れていない人
20代の新卒社員や転職したての新入社員は、新しい環境と業務に適応する過程で大きなストレスを感じることがあります。システムや人間関係に慣れるまでには時間がかかるため、その過程で仕事を辞めたくなるかもしれません。
しかし、仕事内容や環境に問題がなければ、時間とともに辞めたいという気持ちも収まっていくのが一般的です。早まった判断をしないためには、仕事に慣れるまでの適応期間をしっかりと乗り越えることが重要です。
2.2 自己評価が低い人
自己評価が低い人は、少しの失敗や指摘で自信を失いがちです。「ミスをして、会社に迷惑をかけるかもしれない」「期待に添えず、がっかりされている気がする」など、自分の能力を過小評価し、周囲からの評価に対して過敏になることがあります。
その結果、「次の職が決まっていなくても、いち早く仕事を辞めたい」という思考になりがちです。また、理想が高く真面目過ぎる人も、こういった考えを持ちやすい傾向があります。
2.3 飽き性な人
飽き性な人は、一つのことを長く続けることが苦手です。興味のあるものが変わりやすいので、働き始めて一定期間が経過すると、他の仕事をしたくなってしまいます。一度興味を失うと、再びやる気を高めるのは難しく、すぐに仕事を辞めてしまうかもしれません。
ただし、飽き性な人は新しいことに対するチャレンジ精神が旺盛なので、仕事の内容によっては長く続けられる可能性もあります。
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3 仕事辞めたいけど次がないときの選択肢
「仕事を辞めたいけど、次の職が決まっていない」という場合は、どのような選択肢があるのでしょうか。ここでは主に5つのパターンについて解説します。
3.1 【選択肢①】思い切って仕事を辞める
先のことは考えずに、思い切って仕事を辞めるのが一つ目の選択肢です。次の仕事が決まるまでは無職になるため、当然収入面での不安はあるものの、今の仕事で重大な問題を抱えている方は、とりあえず辞めてから次を考える方が良い場合もあります。
3.2 【選択肢②】次が決まるまでは我慢して働く
次の仕事が決まるまで、何とか我慢して働き続けるのが二つ目の選択肢です。辞めたいという気持ちを抱えながら働くのは辛いことですが、辞める目途が立っていれば我慢もしやすいでしょう。
また、次の仕事が決まってから辞めると、キャリアの空白期間が発生せず収入が途絶えることもないので、じっくり理想の転職先を探せるでしょう。
3.3 【選択肢③】異動や転勤の希望を出す
今の職場や仕事内容に不満を感じている場合は、他部署への異動や転勤の希望を出してみるのも一つの方法です。職場が変わり、環境や人間関係、仕事内容が変化すれば、ストレスなく働けるようになるかもしれません。
ただし、異動や転勤の希望は必ずしも叶うものではなく、すぐに状況を変えるのは難しいと言えます。また、会社自体に辞めたい原因がある場合、異動や転勤をしても問題解決には至らないでしょう。
3.4 【選択肢④】有給休暇を取得してリフレッシュする
仕事にストレスを感じているのであれば、有給休暇を取得して会社を休み、気持ちと体をリフレッシュさせるのも良いでしょう。仕事から離れることで、いつもとは異なる視点やアイデアが生まれ、モチベーションが高まる可能性があります。
適度な休息をとることは、健康を維持するため、また集中力と生産性の向上のためにも重要です。
3.5 【選択肢⑤】まずは副業でほかの仕事を経験してみる
「次にどんな仕事をしたらいいのかわからない」という場合は、まず副業でほかの仕事を経験してみるのがおすすめです。ほかの仕事をすることで、今の仕事の良い点や悪い点が見つかるかもしれません。
また、副業が良いリフレッシュになったり、次の仕事への足がかりになったりする可能性もあります。隙間時間に自宅でできる副業もあるので、まずは情報を集めてみましょう。ただし、副業が禁止の企業もあるため、職場への確認は忘れずに行ってください。
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4 次はなくてもすぐに仕事を辞めた方がいいケース
キャリアの継続や収入面を考えると、次の仕事を見つけてから辞めるのが正しい方法です。しかし、場合によっては次が決まっていなくても、今すぐに辞めた方がいいケースもあります。
4.1 セクハラやパワハラを受けている
セクハラやパワハラを受けている場合、最も重要なのは自分の安全と心身の健康を守ることです。相手を訴えたり専門機関に相談したりすることは大切ですが、精神的に追い詰められて行動を起こせないこともあるでしょう。
そのような場合は心身の健康を優先して、一日も早く仕事を辞めるのが正解です。なお、「損害および加害者を知ったときから5年以内、かつ不法行為の時から20年以内」という時効に気をつければ、退職後でも訴えを起こすことは可能です。
4.2 仕事により心身が疲弊している
激務により心身が疲弊しているという場合も、すぐに仕事を辞めるべきです。特に、「夜眠れない」「食欲がない」「憂鬱な気持ちが続く」「何をしても楽しくない」などの心身症状が現れ始めたら要注意です。
辛い症状を無視して働き続けることで、うつ病を発症する可能性もあるため、早めに仕事を辞めて休息することをおすすめします。
4.3 正当な評価をしてもらえない
「会社の売上に貢献しているのに昇進できない」「どんなに頑張っても給料が上がらない」など、正当な評価をしてもらえなければ仕事へのモチベーションを保つことは難しく、早めに見切りをつけた方がいい場合もあります。
ただし、昇進や昇給の評価基準は企業ごとに異なっており、成果以外の面を評価されている可能性もあるため、労働契約書などで確認してみることが大切です。
4.4 会社の業績が悪化している
「給料が減額された」「希望退職者を募っている」といった場合は、会社の業績悪化が懸念されます。また、公開されている財務報告書において、継続的かつ大幅な赤字や債務超過が見られる場合は、将来的に倒産のリスクが高いかもしれません。
もしも、会社が倒産してしまうと、もらえるはずの退職金やボーナスがもらえなくなってしまう恐れもあるため、早めに退職してゆっくり次を見つけた方がいいケースもあるでしょう。
4.5 次に活かせるスキルを持っている
近年、従来の終身雇用や年功序列を廃止し、社員の実力やスキルを重視する「成果主義」を取り入れる企業が増えています。そのため、即戦力となるスキルを持っていることは、仕事をするうえで大きな武器となります。
もしも、自分が持つスキルの市場価値が高く、現在の労働市場で多くの需要が見込まれる場合は、すぐに転職先が見つかる可能性があるため、早めに退職をしても問題はないでしょう。
【関連記事】「仕事の辞め時っていつ?辞める前に確認すること、見極めるポイントを紹介」
5 次がないまま仕事を辞めない方がいいケース
次の仕事が決まっていない状態で、仕事を辞めない方がいいケースを4つ紹介します。以下のケースでは、辞めてから後悔する可能性があるため注意が必要です。
5.1 明確な理由がなく辞めたいと考えている
仕事内容や待遇に大きな不満はないものの、「何となく飽きたから」「ほかの仕事をしてみたいから」という理由で辞めてしまうと、後々後悔するかもしれません。なぜなら今の仕事に不満がない場合、さらに待遇の良い企業を見つけなければ満足できないからです。
「仕事を辞めて転職活動を始めてみたが、前職を上回る条件の企業がなかなか見つからない」ということは多いので、明確な理由を持たない退職は避けるのが賢明です。
5.2 給料の安さだけを不満に感じている
給料の安さに不満を感じて、退職を決意する方も多いでしょう。しかし退職の際は、仕事の内容や人間関係、キャリアアップの機会など、総合的な満足度を考慮することが重要です。
また、今の時点で他社より給料が安かったとしても、成長が見込める会社であれば、将来的には転職するよりも多くの給料を受け取れるかもしれません。退職は全体的なバランスを見ながら、長期的な視点で判断することが大切です。
5.3 次が決まるまでの生活費がない
「仕事を辞めたいけどお金がない」という場合は、もう一度立ち止まってライフプランを立て直しましょう。一旦仕事を辞めてしまえば、当然ながら無職となり収入は得られなくなります。失業保険を受け取れたとしても、生活費がない状態では毎日が不安です。
転職活動を始めてから実際に就職できるまでは、2~4ヵ月程度かかるのが普通です。そのため、退職の前には最低でも半年程度生活できるくらいの生活費を確保しておく必要があります。
5.4 求人が少ない地域に居住している
「すぐに次が見つかるだろう」と勢いで辞めてはみたものの、なかなか希望の仕事を見つけられないというケースもあります。特に、そもそもの求人が少ない場合は、希望した条件の仕事に出会えず、無職の期間が長引いてしまうことも考えられます。
将来的な不安を無くすためにも、求人が少ない地域に住む方は、ある程度次の仕事の目途を立ててから退職を考えましょう。
【関連記事】「【辞められたら困る人】の特徴とは?辞めてしまう理由や対処法」
6 次がない状態で仕事を辞めるメリット
次の仕事がない状態で、すぐに仕事を辞めることのメリットを解説します。主には、ストレスのない状態で、次に向けた活動ができるという点が挙げられます。
6.1 転職活動に集中できる
一般的に、転職活動は仕事をしながら行います。そうすることで、職務に空白期間を作ることなく働き続けることができます。しかし、毎日の仕事をこなしながら転職活動を行うのはとても大変なことであり、とりあえず深く考えないまま次の仕事を決めてしまうという方も少なくありません。
一方、仕事を辞めてから転職活動を行えば、ゆっくり希望の仕事を探すことができます。多くの候補先をじっくり比較すれば、満足のいく企業を見つけやすくなるでしょう。
6.2 ストレスから解放される
仕事のストレスから解放されるのは大きなメリットです。特に、心身ともに疲弊してしまうような激務を担っている方や、上司からのパワハラに耐えているという方は、仕事を辞めることでストレスがなくなり生活の質も高まるでしょう。
自分がどれだけのストレスを抱えているかを知りたい場合は、以下のような厚生労働省が提供するストレス診断を利用してみるのも一つの方法です。
【出典】厚生労働省「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
6.3 次に向けた準備に時間を使える
次にやりたいことがある場合、それに向けた準備に時間を使うことができます。例えば、資格取得のために勉強したり、特定のスキルを身につけるため講習に参加したりといったことが考えられます。
仕事を続けながら行えることもありますが、やはりしっかり時間を確保して、集中して取り組んだ方が知識やスキルは身につけやすいでしょう。
【関連記事】「【仕事を辞めたらすべきこと】辞めるメリットや行うべき手続きについて解説」
7 次がない状態で仕事を辞めるデメリット
メリットがある一方、次がない状態で仕事を辞めるには、いくつかのデメリットが存在します。主なデメリットを3つ挙げるので、あらかじめチェックしておきましょう。
7.1 経済的なリスクがある
やはり、無職になることで経済的なリスクがある点は大きなデメリットと言えます。もしも家族がいる場合、無収入になるとなれば「辞めたいけど言えない」という方が多いでしょう。
そのため先述したように、少なくとも半年は生活に困らないだけのお金を準備しておく必要があります。また、退職金やボーナス、失業手当についても確認しておきましょう。
7.2 職歴に空白期間ができてしまう
次の仕事が決まるまでは無職となるため、職務歴には空白期間ができてしまいます。この空白期間は、転職の際不利にはたらくかもしれません。特に空白期間が長いと、「仕事に対する意欲がないのではないか」「またすぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまう恐れがあります。
そのため、空白期間には資格取得や語学勉強など、スキルの維持・向上に向けた取り組みを積極的に行い、転職先へポジティブなアピールをすることが大切です。
7.3 焦って意図しない転職をしてしまう可能性がある
無職の状態が続くと、とにかく早く次を見つけなければならないという焦りから、意図しない転職をしてしまう可能性があります。その結果、またすぐに仕事が嫌になり、短期間のうちに転職を繰り返すことにもなりかねません。
そのような事態を避けるためにも、仕事内容や待遇などの条件に妥協せず、しっかり吟味しながら転職先を探すようにしましょう。
【関連記事】「仕事辞めたい...新卒でも辞めていい場合と辞める前にする事を解説」
8 次がないまま仕事を辞める際にするべきこと
次が決まっていない状態で仕事を辞める際、事前にやっておくべきことを紹介します。転職を成功させるためにも、必ずチェックしておきましょう。
8.1 なぜ仕事を辞めたいのかを明確にする
まずは、なぜ仕事を辞めたいのかという理由を明確にすることが大切です。理由を考えることで、人生における優先事項を再確認でき、今後の転職活動でも自分に合った仕事を選びやすくなります。
また、不明瞭な理由での退職は、職場の同僚や上司からの不信感を生むことがあるため、円満に退職するためにも理由の明確化は重要です。
8.2 失業手当や健康保険について調べる
失業手当(基本手当)とは、雇用保険に加入していた労働者が失業した際、生活の安定を図るために支給される給付金のことを指します。受給要件や給付日数は人によってさまざまなので、どれだけの手当を受け取れるのか確認しておきましょう。
また、退職により会社の社会保険を抜けた場合は、国民保険への切り替え手続きが必要です。無保険期間を生じさせないよう、退職前に調べておく必要があります。
8.3 次にやりたいことの方向性を決める
仕事の目途が立っていない状態であっても、おおよその方向性は決めておくべきです。これまでのキャリアを活かすのか、それとも全く違うことに挑戦するのか、自分が納得できる道を選びましょう。
方向性を決めておけば、新しい目標に向かって前向きに行動することができるため、辞めた後の空白期間も有効に活用できます。
8.4 転職エージェントに登録する
スムーズな転職を実現するためには、仕事を辞める前に転職エージェントへ登録しておくことをおすすめします。転職エージェントでは、転職のプロが豊富な求人の中から希望に合った仕事を提案してくれます。
個人では把握が難しい細かい企業情報も、転職エージェントに登録することでしっかり確認できるため、理想の仕事に出会える確率がアップするでしょう。
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9 まとめ
「次の仕事がない状態で仕事を辞めたい」と感じたとき、まずすべきことはなぜ辞めたいのかという理由を明確にすることです。理由によっては、我慢せずにすぐ辞めた方がいいケースもあります。
ただし、退職後の生活を考慮すると、生活費の確保や求人数の確認は必要です。もしも、転職をスムーズに進めたいのであれば、理想の仕事に出会える可能性がアップする転職エージェントの利用も検討しましょう。
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