40代が「仕事辞めたい」と感じる理由とは?離職率や対処法も解説

仕事の悩み・転職

「働き盛り」と言われる40代は、企業にとって貴重な存在です。キャリアを積み、重要な仕事を精力的にこなしている方もいるでしょう。一方で、今の仕事に疑問を感じ、「今すぐにでも仕事を辞めたい」と考える方も少なくありません

そこで、この記事では40代の離職率に加えて、仕事を辞めたいと考える理由や対処法、退職までの流れなどを詳しく解説します。40代で仕事に悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】「【仕事辞めたい】会社がつらいと思ったらやるべき事と辞める判断ポイント」

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1 40代で「仕事辞めたい...」と感じる人の割合は?

40代は責任ある仕事を任されることが多くなる年代です。また、家庭内でも負担が増える時期でもあります。そんな40代で、「仕事を辞めたい」と感じる人はどれくらいいるのでしょうか。

1.1 40代はストレスを抱えやすい年代

上司としての役割を担うことが多くなる40代は、業務量や責任が増える傾向があり、結果としてストレスを抱えやすい年代と言えます。

実際、令和4年に厚生労働省が実施した労働安全衛生調査によると、40代で「仕事や職業生活において強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある」と回答したのは87.1%にのぼり、全世代のうちもっとも高い割合となりました。

さらに、教育費や住宅ローンなど金銭的負担が増える時期でもあるため、多くの人が仕事へのプレッシャーを感じやすくなっています。

【出典】厚生労働省「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要(個人調査)」

1.2 【男女別】40代の離職率

令和3年に厚生労働省が公表した雇用動向調査によると、男女別の40代離職率は以下の通りです。

性別40~44歳45~49歳全年代
7.4% 6.4% 12.8%
10.6% 11.1% 15.3%

40代男性では約7%、40代女性では約11%の方が離職していることがわかります。なお、40代一般労働者と比べて40代パート労働者の方が離職率は高くなっています。

【出典】厚生労働省「-令和3年雇用動向調査結果の概況- 」

【関連記事】「仕事に疲れた、辞めたい」と感じた時の対処法|退職の判断基準とは?

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2 40代で「仕事辞めたい」と感じる主な理由

40代で仕事を辞めたいと感じる主な理由を4つ紹介します。理由を明確にすることで、辞めた後の方向性も決まりやすくなるので、当てはまる項目がないか確認しておきましょう。

2.1 人間関係がうまくいっていない

職場の人間関係が良好でないと、日々のストレスが増大します。特に40代は、20代30代の部下と50代60代の上司の板挟みになることも多く、対人関係の摩擦が起こりやすい年代です。

若い世代とコミュニケーションを図りながら、上司の意見にも耳を貸さなければなりません。自分は精一杯やっているつもりでも、他者からの評価が得られず苛立ちを感じることもあるでしょう。そのような人間関係のトラブルは、仕事を辞めたくなる大きな原因です。

2.2 収入に不満がある

40代はキャリアの積み上げにより、収入が上がってくる世代です。一般的には昇進に伴い基本給がアップし、毎月の給料やボーナスが増えていきます。しかし、収入が業務に見合っていないと感じる場合は、仕事への意欲が失われてしまいます。

収入が少ないことは将来的な不安を増大させるとともに、正当な評価をしてもらえないとして、会社への不信感にも繋がる可能性があります。

2.3 残業や休日出勤など労働条件が悪い

「残業が多い」「休日出勤を強いられる」など労働条件が悪いことも、40代が仕事を辞めたくなる一つの要因です。残業や休日出勤のせいで、子どもと過ごす時間が減ったり、心身が疲弊してしまったりする可能性も考えられます。

また、残業や休日出勤は禁止と言われていても、人手不足で時間内に仕事を終えることができず、仕方なく自宅に持ち帰って作業をするというケースもあり、心身の健康を損ねるとして問題視されています。

2.4 自分の能力を活かせない

今現在、自分の能力やスキルを活かせていない方は、転職によって新たなキャリアを築きたいと感じるでしょう。40代はライフスタイルの変化が起きやすく、キャリアの中で重要な転機となり得る時期です。

今後の人生においてさらなるキャリアアップを目指すためにも、自分の能力を高く評価してくれる企業で働きたいと思うことは、当たり前のことと言えるでしょう。

【関連記事】「20代で「疲れた」「仕事辞めたい」と感じたときの対処法とは?」
【関連記事】「30代で仕事を「辞めたい」「疲れた」と感じたら...対処法や確認すべきポイントを紹介」

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3 40代で「仕事辞めたい」と感じたときの対処法

40代の方は、勢いで退職すると後々後悔することになるかもしれません。そこで、仕事を辞めたいと感じたときの対処法をいくつか紹介します。

3.1 有給休暇をとってリフレッシュする

まずは、有給休暇をとって仕事から離れ、リフレッシュしてみることをおすすめします。特に、毎日「疲れた」「休みたい」と感じている方は、ゆっくり体を休めることで仕事に対するモチベーションが復活するかもしれません

家族がいる方であれば子どもと遊ぶ、独身の方であれば一人旅をするなど、普段は時間がなくてできないことをするのもいいでしょう。

3.2 部署異動や転勤の希望を出す

人間関係でストレスを感じている場合は、職場が変わることで解決する可能性があります。部署異動や転勤の希望が必ずしも通るわけではありませんが、事情を話すことで対応してもらえるかもしれません。

仕事自体は気に入っている」「労働条件や待遇に不満はない」「できれば退職したくない」という方は希望を出してみましょう。

3.3 副業で他の仕事を体験してみる

副業で他の仕事を体験してみれば、今の仕事のメリットやデメリットに気づきやすくなるでしょう。特に、今の仕事しかしたことがないという場合は、他の仕事をすることで新鮮さを感じることができます。

就寝前の2時間、休日の3時間などスキマ時間でできる副業もあるので、今の仕事に飽きたという方はぜひチャレンジしてみましょう。ただし、会社によっては副業が禁止されていることもあるので、必ず確認が必要です。

3.4 思い切って辞める

どうしても今の仕事を続けるのが辛いのであれば、思い切って辞めるのが賢明です。積み重ねてきたキャリアが途絶えてしまう不安や、責任ある仕事を投げ出してしまう罪悪感を感じるかもしれませんが、大きなストレスを抱えたまま我慢して働き続けることは、心身に重大な問題を引き起こす可能性があります。

もちろん、退職後のプランはしっかり計画する必要はあるものの、40代の経験やスキルを必要とする企業は数多く存在します。思い切って新たな一歩を踏み出せば、将来的なメリットは大きくなるかもしれません。

【関連記事】「仕事辞めたいけど次がない人の選択肢とは?辞める際の注意点も紹介」
【関連記事】「「今すぐ仕事辞めたい」と思ったときにするべきこと|即日退職は可能?」

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4 40代で仕事を辞めるメリット

ここでは、40代で仕事を辞める具体的なメリットを3つ紹介します。仕事を辞めるかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

4.1 ストレスから解放される

日々のストレスから解放されるのは最大のメリットです。特に、毎日大きなプレッシャーを感じながら仕事をしている方は、仕事を辞めることで精神的な安定を確保でき、心身ともに健康的な生活を送れるようになるでしょう。

また、キャリアを一度リセットすれば、より新鮮な気持ちで仕事に取り組めるので、意欲とパフォーマンスの向上が期待できます。

4.2 やりたいことにチャレンジできる

40代での転職は、本当にやりたいことへチャレンジできる機会です。例えば、これまでの経験や人脈を活かし、起業して独立することも一つの選択肢です。自分のペースで働けるうえに、裁量権を持つことで大きなやりがいを感じられます。

また、仕事を辞めて新しいキャリアに挑戦すれば、最新のスキルや知識を習得することもできます。これにより、自分の市場価値を高められるため、将来的なキャリアの選択肢が広がるでしょう。

4.3 転職により収入がアップする可能性がある

厚生労働省が公表した令和3年雇用動向調査から、40代転職者の収入変化を見てみましょう。

年代転職前より増加した転職前と変わらない転職前より減少した
40~44歳 41.4% 34.2% 23.5%
45~49歳 35.4% 34.5% 28.8%

このように、転職後収入が増加した人の割合が最も多くなっています。さらに、増加した人の中でも、1割以上増加した人の割合は40~44歳で25%、45~49歳で23%でした。つまり、転職することで、これまでより収入がアップする可能性があります。

【出典】厚生労働省「-令和3年雇用動向調査結果の概況- 」

【関連記事】「仕事の辞め時っていつ?辞める前に確認すること、見極めるポイントを紹介」
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5 40代で仕事を辞めるデメリット

40代で仕事を辞めることには上記のようなメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。辞めてから後悔することのないように、悪い点も確認しておきましょう。

5.1 キャリアが途絶えることがある

これまでの経験を活かして働きたいと思っても、なかなか理想の職場が見つからず、新しい仕事にチャレンジしなければならないことも考えられます。また、スキルが足りないと判断されれば、一から仕事を覚え直す必要があるかもしれません。

このように、40代まで積み重ねてきたキャリアが活かせず、リセットされてしまう可能性があることは一つのデメリットです。

5.2 収入が不安定になる恐れがある

前項でも説明した通り、40代転職者の多くが収入アップを実現しているものの、25%前後の人は転職前より収入が減少しています。さらに、起業や独立をした場合は、収入が不安定になることもあるでしょう。

40代は、キャリアの積み重ねによって収入が上がっていくのが普通である中、収入が減少したり不安定になったりする可能性があることはデメリットと言えます。

【関連記事】仕事を辞めさせてくれない...法律違反になる?対策や円満退社のコツ

6 40代ですぐに仕事を辞めた方がいい人

責任ある仕事を任されて収入も増えてくる40代は、そう簡単に仕事を辞められないという方が多いでしょう。しかし、すぐにでも仕事を辞めた方がいいケースもあります。ここでは、40代ですぐに仕事を辞めた方がいい人について解説します。

6.1 ストレスで生活に支障をきたしている

ストレスが原因で心身に重大な影響を及ぼしている場合は、健康を最優先に考えるべきです。特に、頭痛、胃痛、不眠、食欲低下、やる気の喪失などの症状が続いているのであれば、うつ病の危険性もあるため早急に対処する必要があります。

6.2 業務内容と収入が見合っていない

同じ業界や職種の平均給与と比較して、自分の給与が明らかに劣っている場合は、すぐに転職した方が大きなメリットを享受できる可能性があります。

また、「何年働いても昇給がない」「ボーナスがなくなった」「基本給が減り続けている」といった場合は、会社の経営状態が悪化している恐れもあるため、早めに転職を検討した方がいいでしょう。

6.3 次に向けた明確なビジョンがある

「資格を活かして働きたい分野がある」「独立資金が十分に用意できた」など、次に向けた明確なビジョンを持っている方は、今すぐ仕事を辞めても後悔することは少ないでしょう。

逆に、「ただ何となく仕事が嫌になり、やりたいことも特に決まっていない」という場合は、次の仕事も長続きしない可能性があります。

【関連記事】新入社員だが仕事辞めたい...新卒などが退職していい場合と辞める際の注意点

7 40代で仕事を辞める前に確認すべきこと

40代で仕事を辞めようと思った際には、必ず確認しておきたいことがあります。ここでは、仕事を辞める前に確認すべきことを4つ紹介します。

7.1 仕事を辞めることで悩みを解決できるか

悩みから解放されたいと思う場合は、仕事を辞めることで本当にその悩みを解決できるのかを確認しましょう。例えば、労働環境、給与、キャリアの方向性、業務内容、職場の人間関係など、具体的な要因をリストアップします。

もしも、労働環境や給与が悩みの要因となっているのであれば、転職により解決できるかもしれません。しかし、業務内容や人間関係が要因の場合は、新しい職場でも同様の問題が発生する可能性があります。

7.2 将来のキャリアプランは決まっているか

この先、自分がどんな働き方をしていきたいのかという、キャリアプランを立てることは非常に重要です。将来のキャリアプランが明確であれば、目標に向かって具体的な行動を取ることができます。

もしも、新しい仕事に挑戦したいのであれば、必要なスキルや資格の取得に向けた学習を行えます。また、独立を考えている方は、新たなネットワーク構築に向けた準備ができるでしょう。キャリアプランの明確化は、退職後の不安を軽減し、スムーズな転職活動を行うために必要不可欠です。

7.3 スキルや経験を活かせる見込みはあるか

自分のスキルや経験が、現在の労働市場でどの程度需要があるかを確認することで、自分の市場価値を把握しアピールでき、キャリアの選択肢も広がります。

もしも、スキルや経験を最大限に活かせる仕事が見つかれば、仕事の満足度や生産性は向上し、長期にわたって安定的に働き続けることができるでしょう。

7.4 半年~1年分の生活費は確保してあるか

次の職が決まっていない状態で退職したり、新しく事業を始めたりする場合は、半年~1年分の生活費を確保しておく必要があります。当面の生活費を準備しておけば、医療費や緊急の修理費用など、予期せぬ出費が発生した際も安心です。

また、精神的余裕も生まれるため、焦ってスキルを活かせない職種を選んだり、職場からの悪い条件をのんだりすることも回避できます。

【関連記事】【仕事を辞めたらすること】辞めた後に何をすべきか、必要な手続きなどを解説

8 40代が仕事を辞めるまでの流れ

ここからは、40代が仕事を辞めるまでの具体的な流れを紹介します。退職を決断したら、以下のような流れを意識して準備を進めましょう。

8.1 キャリアの棚卸しをする

キャリアの棚卸しとは、これまでの経験やスキル、成果を振り返り、今後の方向性や目標を考えることです。具体的には、過去の仕事でどのような経験やスキルを身につけたかを確認し、何をしていたときが一番楽しかったのかを考えます

これにより、自分の強みや興味のある分野が明確になります。仕事に対する満足度を高めるためには、スキルを活かし、情熱や関心のある分野で活躍することが大切です。

8.2 転職先の企業情報を収集する

今後の方向性が決まったら、転職先の情報を収集します。理想の職場に出会うためには、できるだけ多くの求人情報に触れることが重要です。業務内容や給与、福利厚生といった基本情報に加えて、業界自体の将来性や職場の雰囲気も把握しておきたいものです。

しかし、個人でそこまで細かい情報を集めるのは難しいでしょう。そんなときは、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントでは一般に公開されていない求人情報も扱っており、その中から求職者のスキルや条件にマッチする企業を提案してくれます。

8.3 会社に退職の意思を伝える

民法627条においては、原則として退職希望日の2週間前に申し出ることで退職が可能と記されています。しかし、仕事の引継ぎや取引先への挨拶などを考慮すれば、最低でも1~3ヶ月前には申し出る必要があるでしょう。

なお、就業規則などで退職の申し出日について定められているときは、その内容に従います。また、退職日や申し出日によってボーナス額が変動する可能性もあるため、就業規則をしっかり確認しておきましょう。

【出典】e-GOV「民法第六百二十七条」

8.4 残っている有給休暇を消化する

有給休暇は労働者に与えられた権利のため、もしも取得せずに残っている場合は、退職前に消化するといいでしょう。退職時の有給休暇消化には、「退職日までに消化する」「退職日から消化する」という2つのパターンがあります。

いずれにしても、周囲に不安を与えないよういつ退職するのかを明確にして、退職日までに引継ぎを済ませておくことが重要です。

8.5 転職先が未定の場合は失業手当の手続きをする

転職先が決まっていない場合は、失業手当(基本手当)の手続きを行いましょう。失業手当とは、雇用保険に加入していた労働者が失業した際、生活の安定を図るために支給される給付金のことで、受給要件や給付日数は人によってさまざまです。

また、退職により会社の社会保険を抜けた場合は、国民保険への切り替えも必要になります。無保険期間を生じさせないよう、退職前に調べておくことをおすすめします。

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9 まとめ

40代は職場や家庭での責任が増し、ストレスを抱える頻度が多くなる年代のため、仕事を辞めたいと考える方も多いでしょう。積み重ねたキャリアが途絶えてしまったり、収入が安定しなくなったりするリスクはあるものの、転職をすることで大きなメリットを感じられる場合もあります。

仕事を辞める際は将来のキャリアプランを明確にし、生活費などを確保しておく必要があります。スキルを活かせる理想の転職先を見つけるには、転職エージェントを利用するなど、プロの力に頼るのもいいでしょう。

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