【人間関係をリセットしたい】

【人間関係をリセットしたい】"人間関係リセット症候群"の心理と対処方法

人間は毎日の生活や仕事でたくさんの人と関わって生きています。しかし、人間関係に疲れてしまい、「人間関係をリセットしたい」と周囲との連絡を断ってしまう人も少なくないようです。

今回は、「人間関係をリセットしたい」と考えてしまう、いわゆる"人間関係リセット症候群"の心理や行動の傾向解決へのヒントなどをご紹介します。

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1.人間関係をリセットしたくなる「人間関係リセット症候群」とは

SNSが普及し、人と人がインターネット上で気軽につながれるようになりました。

スマホを開けばすぐに相手の近況を知ることができる、誰かと連絡がとれる、そんな便利さが手に入った一方で、人間関係に疲れてしまう方もいます。

常に誰かとつながっていることに疲れ、ある日突然周りの人との関係を断つ行動を「人間関係リセット症候群」と呼びます。

人間関係リセット症候群は医学的な病気ではなく、人間が陥りやすい心理状態を表した造語です。

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2.「人間関係をリセットしたい」と考えてしまう原因は?

ひと口に人間関係といっても、その中には大切な友人や同僚もいるはずです。一度人間関係をリセットしてしまうと、その人たちとの関係性も切れてしまいます。

そうなってしまうにも関わらず「人間関係をリセットしたい」と考えてしまうのは、どうしてなのでしょうか。

2.1.理由(1)人付き合いに疲れた

まずは、「同僚と折り合いが悪い」「恋愛で人間関係のトラブルがあった」など、日常生活の中のある出来事がきっかけとなり、人付き合い全般に疲れてしまう場合です。

ストレスとなっている出来事が一つであっても、それが原因となりすべての人間関係を断ちたい、という気持ちになってしまうのです。

2.2.理由(2)他の人からの評価が気になる

日頃からネガティブ思考だったり、自分に自信がなかったりする人は、他人のちょっとした言動で落ち込んでしまう傾向にあります。

相手にそんなつもりがなくても重く受け止めてしまい、常に他人からの評価を気にする状態になってしまいます。

その状態になると、人と関わりを持つこと自体が他人の目を気にすることになり、過度に疲れてしまって、人間関係をリセットしたいと思ってしまうようです。

2.3.理由(3)それまでの人間関係を続ける必要がなくなった

転職や家庭の事情などで住む場所が変わったり環境が変わったりした場合、今ある人間関係を続ける必要はなくなります。

距離が離れていてもSNSなどでつながり続けることはできますが、あえてそれを選択せずに、連絡先を消すなどして人間関係をリセットしたい衝動に駆られる方もいるようです。

2.4.理由(4)人間関係のトラブルなどに巻き込まれた

人間関係のトラブルに巻き込まれると、自分が悪くなくても心理的にダメージを受けます。

人間関係のトラブルの中では、相手を悪く言ったり、保身のために嘘をついたりと、人間の嫌なところが目についてしまうことも少なくありません。

そのような人を目の当たりにして精神的に疲れてしまうことで、「もう人とは関わりたくない」と人間関係をリセットしたくなることもあります。

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3.人間関係をリセットしたい人に見られる行動

人間関係をリセットしたい人は実際にどんなことから始めるのか、よく見られる行動をご紹介します。

3.1.連絡先やSNSを削除する

特定の人と連絡を取りたくない場合はその人の連絡先だけを削除したりブロックしたりすれば済む話ですが、人間関係をリセットしたい人はすべての連絡先、SNSのアカウントを削除するなど、誰とも連絡が取れないようにしてしまう事もあります。

3.2.連絡を返さない

連絡先やSNSのアカウントを消しはしないものの、連絡を返さないというのも人間関係をリセットしたい人によく見られる行動です。

例えばLINEのアプリだと、個別のメッセージが来ていても既読をつけるだけで返信をしない、または未読のまま反応しないということもあります。

3.3.頻繁に転職を繰り返す

まわりの環境を完全に変えたい人は転職を繰り返すことが多いようです。

人間関係をリセットしたくて一度転職をしたものの転職先でまたトラブルが起きたり、人付き合いに疲れてしまったりしてまた転職をする...。それを繰り返すうちに転職が頻繁になってしまう場合もあります。

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4.人間関係をリセットしたくなる人の特徴

すべての人が人間関係をリセットしたくなるわけではありません。この衝動に駆られる人たちには特徴があるようです。

では、どんな人が人間関係をリセットしたくなってしまうのでしょうか。

4.1.ネガティブな思考の人

ネガティブ思考の人は、周りの人が何気なく言ったひと言を重く受け止め過ぎてしまったり、傷ついてしまったりする傾向にあります。

他の人と話すたびにいろいろと考え過ぎることで、結果的に話すこと自体を敬遠するようになってしまいます。結果的に人間関係をリセットしたいという考え方につながるようです。

4.2.完璧主義の人

完璧主義の人は失敗することを嫌います。しかし、人間は誰もが失敗するもの。それをうまく切り替えていくことができれば良いのですが、完璧主義の人はなかなかうまく切り替えられず、いつまでも引きずってしまうようです。

「あの人に失敗を見られた」「あの人に間違いを指摘された」など、些細なことでも考え込んでしまい、最終的に今の人間関係をリセットしようと考えてしまいます。

4.3.人に相談するのが苦手な人

仮にトラブルを抱えていても、うまく人に相談して発散できる人は人間関係をリセットしたいとまで思い詰めることはありません。人に相談することが苦手で、自分の中にいろいろな感情をため込みすぎてしまう人ほど、人間関係をリセットしてしまいたいと思う傾向にあります。

普段から周りの人に相談しないため、たとえ周りとの連絡を絶ったとしても特に問題がないと考えがちなようです。

4.4.ストレスを感じやすい人

ストレスを感じやすい人は、周囲の雰囲気や他人の機嫌などを敏感に感じ取ってしまい、感じる必要のないストレスまで抱え込んでしまいます。

それが日々積み重なることで疲弊してしまい、ストレスの原因である周囲の環境や人間関係を取り除くためにすべてリセットしてしまおうと考えてしまいます。

4.5.何事も割り切った考え方をしている人

何かストレスやトラブルがあった時、悩み込むよりも割り切った考えをしてしまう人もいます。もともと割り切って考えることができる性格のため、一度リセットしようと決めるとその後に悩むこともなくすぐに行動に移してしまいます。

4.6.周りの目を気にしすぎる人

周りの目を気にし過ぎる人ほど、人間関係そのものに毎日気を遣っています。「この行動は周りにどう思われているだろう」「自分の発言を相手はどう感じただろう」と、自分の一挙一動に対して不安を感じ、疲れを溜めてしまいます。

その疲れが限界にくると、人の目を気にすることが嫌になり、人の目を遮断するために人間関係自体をリセットしてしまうのです。

4.7.不規則な生活をしている人

不規則な生活をしている人も人間関係をリセットしたいと思いがちです。一見生活リズムと人間関係は関係ないように思えますが、他の人が起きている時間に寝ていると連絡が来ていても気がつくまでに時間がかかり、結果的に連絡を返すことが億劫になってしまいます。

また、SNSを見てもタイムラグがあったり、遊びに誘われても生活リズムが合っていないため遊びに行けなかったりと、だんだんと他の人との距離が開いてしまい、それもストレスに代わります。

不規則な生活はやる気の低下も引き起こし、他者と連絡を取り合ったりSNSを見たりすること自体が面倒になって、結果的に人間関係のリセットという行動に取ってしまうようです。

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5.人間関係をリセットするとどんなデメリットがある?

人間関係をリセットすると、その時は気分が晴れてすっきりするかもしれません。

しかし、今までの関係をすべてなかったことにすることは、必ずしも良いこととはいえません。人間関係をリセットするとどんなデメリットがあるのでしょうか。

5.1.相談相手を失ってしまう可能性がある

人間関係をリセットすると友人との関係も切れてしまうため、何かあった時に気軽に話ができる相手を失ってしまいます。

新しく構築する人間関係の中で友人ができれば良いのですが、話し相手というものはなかなかすぐにできるものではありません。

5.2.今後の人間関係を築きにくくなる可能性がある

一度人間関係をリセットしたことがある人は、それが癖になってしまう傾向があるようです。

人との関わりの中で少しでも嫌なことがあると「またリセットすればいいや」と安易に考えてリセットを繰り返してしまい、結果的に深い人間関係を構築することが難しくなります。

自分の心の中で「人間関係のリセット」が常に選択肢にあり、最初から人と深く関わろうとせず、人間関係が希薄になったり築きにくくなったりしてしまう可能性が高いのです。

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6.人間関係をリセットする前にできること

人間関係をリセットすることは、できれば避けたいものです。人との関わりすべてを遮断してしまう前に解決策としてできることをいくつかご紹介します。

6.1.信頼できる話し相手を探してみる

自分の抱えているストレスや悩みを人に打ち明けることで心が軽くなることがあります。

「友人に迷惑をかけたくない」「そもそも人を信用できない」など、さまざまな事情があると思いますが、人間関係をリセットする前に一度相談できる相手がいないかを考えてみましょう。

6.2.質の良い睡眠と適度な運動を心がける

規則正しい生活は心身のバランスを整えます。特に質の良い睡眠と適度な運動は、体調が整うだけでなくマインドをプラス思考に変えてくれます。

気持ちが前向きになると、今まで悩んでいたことを必要以上に考え込んでしまうことが減ったり、新たな解決策が見つかったりして、良い展開につながるかもしれません。

また、身体が元気になることでエネルギーが湧いてきて、自分の趣味を楽しんだり友達と遊んだりして気晴らしができるようになります。

それが良い効果となり、必ずしも人間関係をリセットしなくても良いと考え方が変わる人もいるでしょう。

6.3.他人の評価ではなく自分がどうありたいか考えてみる

人間関係の中で難しいことは、「自分が他人からどう思われているか」、つまり他人の評価を気にしすぎてしまいがちになることです。

周りからの評価を気にすること自体は悪いことではありませんが、必要以上に気にし過ぎてしまうと自分自身が疲弊してしまいます。

少し考え方を変え、「人からどう思われているか」ではなく「自分がどうありたいか」を優先して考えてみてはどうでしょうか。

この考え方の転換がうまくいけば、自分の評価基準が自分自身の中にできるため、必要以上に人からの評価を気にする必要はなくなります。結果的に人間関係に関するストレスや悩みが軽減されるかもしれません。

6.4.心配事を紙に書いてまとめてみる

「自分がいま何に悩んでいるか」を見つめ直すことも時には大切です。「何が心配なのか」「何がストレスなのか」を殴り書きでも良いので紙に書いてみましょう。

そしてそれを読み返して自分を客観視することで、心の中で複雑に絡み合った感情が少しほぐれるかもしれません。

ほぐれた気持ちでもう一度考え直してみると、人間関係をリセットする他に良い解決策が見つかることもあります。

6.5.極力SNSを見ないようにする

人間関係をリセットしたいと思うほど気持ちが落ち込んでいる時には、極力SNSを見ないようにしましょう。

友人や知人の楽しそうな投稿を見ることで「この人は楽しそうなのに自分は悩みを抱えている」と感じてかえってストレスになったり、悲しいニュースなどのネガティブな情報が目に入るだけで気分が落ち込んでしまったりと、あまり良い影響がないケースが多いようです。

6.6.人間関係の距離感を意識しておく

人間関係のトラブルが起きてしまうのは、人との距離が近過ぎるからかもしれません。距離の近い友人ができるのは良いことではありますが、多くの人と距離が近いとその分トラブルに巻き込まれることも増えてきます。

周りの人との距離が近くて疲れていると感じる場合には、あえて少し距離を取り、挨拶や業務連絡だけはするなど必要最低限の関わりにするよう意識してみましょう。

それぞれの人との距離を考えていくことで、自分にとって適切な人との関わり方が見つかれば、人間関係をリセットしなくても今ある環境の中でストレスをためずに生活していけるようになるでしょう。

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7.職場で人間関係をリセットしたくなったら

人間関係をリセットしたいと思ってしまう原因が職場の環境にある場合、職場の人間関係のみをリセットすれば問題が解決することもあります。古い友人や知人までもリセットするのは大変ですが、職場の人に限定すれば「転職」によって人間関係のリセットは簡単にできてしまいます。

先にご紹介した「人間関係をリセットする前にできること」を考えた上で、それでも職場の人間関係を苦痛に感じてしまうのであれば、転職も一つの選択肢となります。自分自身の限界を迎えてしまう前に、思い切って転職を決断するのもひとつの方法です。

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8.まとめ

今回は、人付き合いに疲れてしまい「人間関係をリセットしたい」と考えてしまう人の傾向や原因、解決へのヒントをご紹介しました。

人間関係のトラブルに巻き込まれてしまうなど、さまざまな理由で人付き合いに疲れてしまっている方は多いと思います。「すべてリセットしてしまいたい」と衝動的になることもあるとは思いますが、一度立ち止まって考えてみましょう。

また、今回ご紹介した解決へのヒントを実践することで、「人間関係をリセットしたい」という気持ちが少し楽になるかもしれません。それでも気持ちが変わらなければ、職場だけを変える、苦手な人との連絡だけを取らないようにするなどして工夫しながら、人間関係の整理をしてみてください。

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