職場・会社内でのいじめ(嫌がらせ)や孤立に悩んだときに、やるべきこと・相談できる場所まとめ

職場・会社内でのいじめ(嫌がらせ)や孤立に悩んだときに、やるべきこと・相談できる場所まとめ

もし、職場でいじめにあったら一体どうすれば良いのでしょうか?相談したいけど、誰にどのように相談したらいいのか分からない。相談して本当に改善されるのか不安。そんな思いをしている方へ、職場でいじめにあったときにやるべきことと、相談する場所・対処方法を紹介します。

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1.職場でいじめの被害にあったときの8つの対処法

いじめは、学校で起こるものというイメージがあるかもしれません。しかし、いじめは職場でも起こり得ます。もしも、職場でいじめにあったときに、どのような行動を取れば回避できる可能性があるのかをお話しします。

①無視して自分の仕事に集中する

いじめ加害者は、いじめ被害者の反応を見るのを楽しみにしていることも多いものです。そして、いじめ被害者が何かしらのアクションを取ればとるほど、いじめがエスカレートしてしまうこともあり得ます。この悪循環に陥ってしまえば、相手の思うツボになることでしょう。そのため、いじめ加害者を相手にせず、できる限りいじめに反応せず、自分の仕事に打ち込むことが重要だと言えます。

②言われたことを記録に残す

いじめ被害者にとって、ひどいいじめは耐えられないほど苦しいものです。
しかし、人間の脳は嫌なことは忘れようという働きをする傾向にあるといわれています。なかには、後になっていじめ被害者がどのようないじめを受けたのか、思い出すことができないというケースもあるのです。そうなってしまっては、自分を守ることができないことにもなります。どのようないじめ行為を受けたのかを詳細に記録し、上司などに相談するときに、その記録が自分を助けてくれる可能性が大いにあります。

③上司・同僚・専門部署に相談する

会社でいじめを受けた際には、その会社内のことを良く知っている信頼できる上司や同僚、会社に相談窓口があれば、関連部署に訴えることが効果的です。
なぜなら、外部の人よりも内部の人の方が、その状態を把握しやすいというメリットがあるからです。
相談しなければ、上司などもいじめに気付いていない場合が多いので、自分が置かれている現状を正直に相談することが大切です。

④部署移動・転勤の申請をする

いじめ加害者に対して無視をし、自分の仕事のみに取り組もうとしても、同じ部署に加害者がいる限り、一切関わらずにいることは難しいものです。
たとえば、チームで仕事をしている場合、その中の1人が加害者であるときは、加害者の協力なしには仕事が進まない場合もあるからです。そのようなケースでは、環境を調整することが有効だと言われていますので、いじめ加害者と関わらなくても済む別部署への移動や転勤申請を行うことも、ひとつの手段だと言えそうです。

⑤一時的に休職をする

職場でいじめにさらされ続けると、心と体のバランスが乱れ、最適なコンデションで仕事ができなくなります。また、ストレスによる不眠に陥ったり、やる気が出なかったりなどプライベートにも影響を及ぼすことがあります。そういう状態のまま過ごすと、病気に繋がることも否めません。一時的にその場を離れ、心と体のバランスを整えるためにも休職をすることも選択肢に入れましょう。

⑥転職をする

一時的に休職ができない場合は、転職を考えることも重要です。現在の職場では、いじめにより、自分のスキルや能力も生かすことができない状況になっている可能性が高いです。場所が変われば環境が好転することは大いにあり得ます。心身ともに健全に働くことができる職場に移り、キャリアを仕切り直すことで、結果的にいじめも回避することができるでしょう。
心に余裕がある状態ならば、専任のキャリアアドバイザーを配置し、求人情報も豊富なマイナビエージェントを利用した転職を視野に入れてみてくださいね。

【関連記事】「【職場に馴染めない】原因や内気な人でも乗り越える方法を解説」

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2.絶対にやってはいけないこと

いじめを受けたら、とてつもない屈辱を感じることが多いと思います。しかし、どんなに憎くても、いじめた相手に対して、同じいじめの仕返しをすることは絶対にしてはいけないことです。相手と同じ行動をすれば、あなたも同じような人間に見られてしまい、周りからの信頼や評価が落ちてしまいます。
仕返しをしたことで、余計にあなたが苦しむことになってしまう可能性があります。
いじめ加害者を相手にするよりも、仕事の実績を重ね、仕事のノウハウを高めることに注力した方が懸命です。
また、現状を変えるためには、労働組合や弁護士などの専門機関に相談することも検討し、正しい相手への注意の仕方を選択することが重要です。

【関連記事】「職場で無視される...上司や同僚に無視されたときの対処法」

3.職場でいじめられたら、相談すべき相手・場所

職場でいじめを受けてしまったとき、その悩みを聞いてくれる人がいれば心強いですよね。さまざまな職場には、いじめを受けた時に相談できる人や窓口が用意されている場合もあります。また、外部にもいじめの相談を受け付けている機関がありますので、まずは相談することから問題を解決して行きましょう。

上司・同僚に相談する

信頼できる上司や同僚がいる場合は、彼らにまず相談をすることも良いでしょう。
いじめ加害者のことや職場環境をよく把握できる立場にいるため、何かしらの手助けができる可能性が高いと言えます。また、自分の置かれている状況を明確に上司や同僚に伝えることで、素早くフォローしてもらえる点もメリットです。

ただ、相談し、スムーズに対処してもらえれば良いですが、相談したことをいじめ加害者に逆恨みされ、いじめがひどくなる可能性もあります。
また、上司や同僚も同じ組織内の人間ですので、なかなか加害者を注意できない場合もあることがデメリットと言えそうです。

労働基準監督署へ相談する

上司にいじめのことを相談しても、上司の力量・会社の体制によっては、一向に改善されない場合があります。そのような場合には、内部の人に相談するよりも外部の人に相談した方が解決の糸口が見つかることもあります。
まずは、労働基準監督署に相談してみましょう。労働基準監督署とは、法律に定まる最低労働基準に違反しないよう、事業主を指導・監督する機関です。労働基準監督署には、労働相談コーナーが設置されており、口頭でも電話でも相談することが可能です。
労働問題に知識が深い相談員が対応してくれ、担当職員が当事者の会社へ問い合わせを行ない、事実確認や指導をしてくれます。
また、守秘義務がありますので、相談した人の名前がバレることはありません。

ただし、受けているいじめが暴行などの刑法に結びつかない場合は、労働基準監督署は、責任を追及できないこともあります。
たとえば、「無視」「パワハラ」などを禁じる法律はないため、労働基準監督署は企業へ指導はできますが、責任の追求はできないデメリットがあります。

■個別労働紛争のあっせん制度を活用する

労働相談コーナーにおける相談だけでは、なかなか解決しない場合もあることでしょう。また、労働基準監督署には、「個別労働紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、いじめなどを含む労働トラブルに関する援助である「個別労働紛争のあっせん制度」があります。

「個別労働紛争のあっせん制度」とは、当事者同士の話し合いでの解決が困難である場合、労働基準監督署の社員が間に入り、それぞれの主張を聞き、原因や合意点を探りながら解決に導く制度です。

個別労働紛争制度は3つのシステムから成り立っています。

①総合相談労働コーナー
総合労働相談コーナーにて、いじめなどを含む労働問題に対して、さまざまな情報を提供したり、助言・指導・あっせん(仲介に入り交渉)を行ってくれる制度です。

②都道府県労働局長による、助言・指導
総合労働相談コーナーで解決しない場合、都道府県労働局長から、当事者へ紛争の問題点を指摘し、自主的な解決を促そうとする、助言や指導という制度があります。しかし、助言や指導を経ても、当事者間の問題が解決しない場合も少なくありません。

③紛争調整委員会によるあっせん
どうしても解決しない場合は、最終的に弁護士などの学識経験者が、被害者と加害者の間に入り、両者の話し合いや調整を行い、紛争の解決を進めます。
このあっせんを行いたい場合は、総合労働相談コーナーにあっせんの申請書を提出し、労働基準監督署の職員が被害者と加害者に、紛争の内容を確認した後、都道府県労働局長が弁護士などのあっせん委員を選任し、開始されます。
あっせんの利用は無料なうえ、短期間で解決できる可能性もあります。しかし、両者の話し合いがスムーズにいかなかったり、どちらかが参加しなかった場合は打ち切りとなります。

弁護士に相談する

個別労働紛争を行っても、いじめ被害者と加害者の間の折り合いがつかないこともあるでしょう。たとえば、会社側がその要求を受け入れなかった場合などです。その際は、弁護士に相談するという選択肢もあります。いじめ加害者が被害者に行った行為が民法上の不法行為に当てはまる場合、いじめ加害者の行った行為に対して慰謝料や損害賠償請求をすることが可能となります。
また、簡易裁判などの対処を検討することもでき、そのような手助けを弁護士に相談できることはメリットだと思われます。
ただし、弁護士費用は高額なため、加害者との話し合いが進まなければ、多くの費用がかかってしまい、金銭面ではデメリットと言えるでしょう。

■ADR(裁判外紛争処理手続き)の活用

ADR(裁判外紛争処理手続き)とは、裁判をせずに両者間のトラブルの解決を図る方法です。その中には、仲介やあっせんなどが含まれます。申請方法としては、申立書や証拠書類などとともに紛争解決センター事務局に提出します。
この手続きは10,000円程度の費用で済むため、実際の裁判を行うよりは、被害者にとっても金銭的負担で苦しむことは少ないと言えます。
しかし、加害者側が和解に応じない場合は、手続きが終了となってしまうことがデメリットだと言えるでしょう。

警察に被害届けを出す

いじめによる暴力や強迫を受けた場合は、刑法に当てはまる可能性があります。
その際は、暴行罪として、警察に被害届を出すことを検討しましょう。その際に、暴力を受けたときの写真や医師の診断書、強迫されたときの録音テープなど客観的に見ても、暴行があったとみなされる証拠書類を揃えておくと有利に働くことがあります。このようないじめを受けている場合は、いじめの証拠を集めたうえで被害届を出すと、スムーズに事が進みやすくなるでしょう。

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4.解決しない場合は裁判を起こす

上司や会社へ直接交渉をしたり、ADRを行ったりしても問題が解決しない場合は、裁判所の訴訟手続きを利用するという方法があります。
裁判を起こすことで、相手側にも真剣度が伝わりますし、心理的に負担をかけるというメリットがあります。特に、労働者と雇用者の問題に対してなら、労働審判という方法があります。これは賃金の未払いなど基本的なケースはもとより、パワーハラスメントなどのいじめにも対応しています。

しかし、慰謝料請求などは事業主との間に生じた問題でなければ対処できない場合があります。一方で、民事訴訟なら会社内で特定の個人から受けたいじめに対しても対処可能です。しかし、訴訟を起こすには、弁護士への訴訟着手金が必要ですし、たとえ勝訴したとしても相手側が慰謝料などを支払う能力がない場合は、被害者側は慰謝料さえももらえないというリスクも存在します。

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5.まとめ

会社内でいじめを受けていることが恥ずかしく、誰にも相談できないという方もいることでしょう。しかし、いじめは放置しておくと、エスカレートすることがとても多いものです。加害者のせいで自分の人生を台無しにすることがないように、勇気を持って相談したり、第三者機関などを利用したりして、「いじめは悪い」ということを加害者側に粘り強く伝えていくことが重要となります。

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監修者プロフィール

工藤倫子
CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
国家資格キャリアコンサルタント
産業カウンセラー
全米NLP協会認定プラクティショナー

1993年大手化粧品メーカー入社。営業全般にわたる経験と知識を習得。その後3年間の専業主婦期間を経て、キャリアカウンセラーとして2004年人材開発会社入社。
年間100校以上の学校で講演活動をするなど、若者の就職支援に携わる。
2010年キャリアカウンセラーとして独立。教育現場を対象としたキャリア教育事業を国内外で精力的に展開。キャリアカウンセラーの育成、企業や行政機関での講演・研修など業務は多岐にわたる。これまでの講演・セミナー受講者は5万人を超える。
2012年青森県総合計画審議会委員「教育・人づくり部門」就任。
電子書籍「何も持っていない」と思っているあなたへ出版。二児の母でもある。

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