ビジネスシーンでは、大なり小なりトラブルが起こるものです。自分の、あるいは自社のミスや不備でトラブルが起きてしまったときは、まず誠意をもって謝罪をすることが何より重要になります。
本記事では、謝罪の際によく使われる「今後このようなことがないように十分留意してまいります。」という言葉に焦点を当て、例文や使用上の注意点、言い換え表現などについて解説します。
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1.「今後このようなことがないように十分留意してまいります。」は謝罪でよく使われる表現
「今後このようなことがないように十分留意してまいります。」というフレーズは、自分のミスや不手際に対して謝罪する際、同じことを繰り返さない旨を誓う言葉です。
クレームへの対応や内部でのトラブルに対する謝罪、製品やサービスの不具合に関するお客様向けの謝罪文、プロジェクトの遅延に対する説明など、特にビジネスシーンでよく使われます。
その問題に対する誠意と責任を示し、信頼を回復するための重要なフレーズとして認識されています。
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2.「今後このようなことがないよう~」を使った謝罪メールの例
では、「今後このようなことがないように十分留意してまいります。」を使った謝罪の文章の具体例を紹介します。ここでは、謝罪メールを送るという想定で例文を挙げます。
<ポイント>
まずは冒頭できちんと謝り、そのうえで何に対して謝っているのかを具体的に述べます。ただ「申し訳ございません」と謝るだけで、言葉が足りず謝罪内容が漠然としていれば、誤解が生じることもありますし、相手も困惑してしまいます。
次に、なぜそうなったのかという説明が必要ですが、あまり長々と書くと言い訳がましくなってしまうので注意しましょう。さらに今後の対策について触れて決意のほどを書き添えれば、相手に安心感を与えることができるでしょう。
<NG>
言い訳がましくならないように、事情説明は簡潔にしましょう。また、誤字・脱字があると余計に信用を失ってしまうので要注意です。
<メールを送るタイミング>
早いに越したことはありませんが、口頭で謝罪した後の相手の出方を見てからメールを送るかどうかを決めたほうが良いでしょう。なぜなら、口頭で謝罪しただけで相手が十分に納得したようであれば、そこからさらにメールを送ってしまうと、くどい印象を与えてしまうからです。
<例文>
■トラブルへの謝罪メール
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今回発生いたしました○○の件について、
多大なるご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございませんでした。
再発防止のため、今後は以下のように対策いたします。
<今後の対策>
・○○○
・○○○
・○○○
今後このようなことがないよう、十分留意してまいります。
このたびの件につきまして、重ねてお詫び申し上げます。
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3.「今後このようなことがないよう~」を使う際の注意点
「今後このようなことがないように十分留意してまいります。」という言葉の前提には、再発防止のための具体的な策の提示があります。そのため、まだ改善策が見つかっていないのにこのように言ってしまうと、形式的で誠意や責任感のない言葉になってしまいます。
「今後このようなことがないよう〜」はあくまで補足的なフレーズであり、具体的な原因や改善策など問題の本質的な部分にしっかりと言及する必要があります。
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4.「今後このようなことがないよう~」の言い換え表現
「今後このようなことがないように十分留意してまいります。」と同じような意味合いで少し異なった表現もあります。以下はその例です。
「今後はこのようなことがないよう十分注意してまいります」
「二度と同じことが起こらないよう、万全を期してまいります」
「再発防止に努め、改善に取り組んでまいります」
「今後は同様の事態を避けるため、最大限に注意を払って業務にあたります」
「以後このようなことがないよう、再発防止を徹底いたします」
なお、「以後気をつけます」「今後このようなことがないよう気をつけます」といった「気をつける」を使う謝罪文もありますが、こちらはやや丁寧さに欠ける表現で、重大なミスや社外の人に迷惑をかけた場合には基本的に用いられません。
「気をつけます」は、比較的軽微なミスや不備、同僚など気の知れた人への謝罪、あるいはプライベートでの謝罪で使われます。
5. 謝罪以外のメール例文1:依頼のメールでグッとせまる!
ビジネスシーンでは、謝罪以外にも文章表現が非常に重要となる場面が多々あります。ここからは、謝罪以外のビジネスメールの例文について紹介していきます。まずは、何かをお願いしたいときの依頼のメールの例です。
<ポイント>
依頼メールは相手へ真剣にお願いをしていることが伝わらないと意味がありません。そのためには、どうしてその人にお願いをするのか、理由をはっきりと書くことが必要です。自分がどんな現状にいて、それを解決するのになぜその人の力が必要なのかということが説得材料になってきます。
さらに5W2H(なぜ・何を・いつ・どこで・誰に・どんな方法で・金額または数量)を別で箇条書きにすることで、依頼内容や条件を正確に伝えることができます。
<NG>
願いを聞き入れてほしいことだけを強調するのみで、依頼の理由がわかりにくいと、依頼された本人は不安になります。誰でもいいのかもしれないと思われてしまうと、気を悪くさせる可能性もあります。また、依頼内容を曖昧にしたり間違ったりすることにも気をつけましょう。
<メールを送るタイミング>
依頼する内容に応じて、時間の余裕を見て早めに送りましょう。
<例文>
■打ち合わせの依頼メールの場合
いつ・どこで・誰と・なにをテーマに打ち合わせるのか以下のように箇条書きにし、明確に伝わるようにしましょう。
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・日程/時間(候補があれば複数記載)
・場所
・参加メンバー
・会議アジェンダ(議題を伝える)
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6. 謝罪以外のメール例文2:お礼のメールで好印象に!
続いて、お礼のメールの例を紹介します。お礼のメールは、相手とこれから関係を深めていくうえで重要なツールの1つです。
<ポイント>
感謝の気持ちは自分の言葉で素直に伝えることが大切。たとえ定型文でも「あなたのお話はとても勉強になりました」など、具体的な一文をつけ加えることで、より感謝の気持ちを表現できます。
さらに好印象を与えたいなら、「あなたに出会えてプラスになった」→「とくに○○に関するお話に感動した」→「この感動を今後、このように生かします」という三段論法が相手の心を動かすでしょう。
<NG>
他の用件に便乗して、「なお先日はありがとうございました」と書くのは、付け足しのような印象を与えかねず、かえってマイナスイメージです。感謝の気持ちをしっかりと伝えたいなら、お礼のみのメールが良いでしょう。
<メールを送るタイミング>
時間が経ったお礼ほど間抜けなものはありません。相手に会った、または物をもらうなどした当日か、遅くとも翌日にはメールを送りましょう。
<例文>
■会食に招かれたときのお礼メール
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昨晩は、食事の席にお招きいただき誠にありがとうございました。
美味しい食事とともに、△△様をはじめ○○部の皆様と
貴重なお時間を過ごせたことに心からお礼申し上げます。
また、△△様には□□(仕事)についてのお考えも伺うことができ、
弊社にとっても大変勉強になりました。
△△様の業務のお役に立てるよう全力で取り組む所存です。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
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文:ライター 田谷 信子