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DAY 2018.07.13 スキル・ノウハウ

「仕事が辛いなら、声を変えよう」第6回
謝罪で失敗しないための声のテクニックとは!?

ビジネスパーソンには謝る技術も必要です。相手の気持ちを逆なでしないためにはどう謝ったらいいのでしょうか。『声を変えるだけで仕事がうまくいく』(マイナビ新書)の著者でボイストレーナーの秋竹朋子さんに声について伺う連載の6回目。謝罪で失敗しないための声のテクニックを教えていただきました。

謝り方ひとつで印象は大違い

政治家や経営者から芸能人まで、最近はテレビで謝罪会見を見ることが増えました。その話しぶりから「口先だけだな」と伝わってくる政治家がいたり、謝る場なのに自分の思いを語りすぎ、非難を浴びてしまう芸能人がいたりと、謝罪に失敗しているケースが少なくありません。一方で、その真摯な謝り方を見ているうちに「そんなに謝らなくてもいいのに」と擁護したくなる人もいます。謝り方ひとつで、相手に与える印象は随分変わってくるのです。

これはビジネスパーソンも同じこと。謝罪に失敗すれば、相手との関係性がこじれ、顧客を失ったり、信用を失ったりしてしまいます。最近は「クレーマー」も増えているそうですから、謝罪が上手なことも、ビジネスパーソンの強みになる時代と言っていいのではないでしょうか。

口先だけと言われないテクニック

謝罪シーンにもいろいろありますが、特に難しいのは、「ここまで謝る必要はないのに」と思いながら、やむをえず頭を下げる場面です。そんなときの相手にかぎってみなさんの言葉や声のトーン、表情などから、心からの謝罪かどうかを見極めようとします。不本意な思いが態度に出てしまっては、「なんだその失礼な謝り方は」と相手の怒りに油を注ぐだけですから注意しましょう。

口先だけと言われないために実践したいのが、「語尾を飲み込む」テクニックです。文の終わりに向けて声を小さくしていき、最後の音が聞こえなくなるようなイメージで話すと謝罪感が増します。「そんなこと言うけどお客さん......」という納得できない思いも一緒に飲み込んでしまいましょう。

電話の場合は、表情が相手に見えない分「ちょっとやりすぎかな」と思うくらい大げさにやってみましょう。口角を少し下げて話すようにすると声の印象も暗めになっていいと思います。次のフレーズで練習してみてください。

「申し訳ありませんでした」
「お詫び申しあげます」
「ご迷惑をおかけしました」
「ご心配をおかけしました」

当然ながら、語尾を強く言ったり、語尾に小さい「つ」を入れたりするのはNGです。「すみませんでしたっ」「ごめんなさいっ」と元気よく謝っても、ふざけた感じがするだけです。

なお、クレーム対応などで、「肝に銘じます」「今後二度とこのようなことがないように気をつけます」など、自分の意思をはっきり示す必要がある場合もあります。その場合は、語尾を弱めず、最後まで言い切るようにしましょう。

あいづちを忘れない

相手が苦情や文句を言ってきたときには、まずはその言い分に耳を傾けます。相手が話している途中に反論をしてはいけません。言い分はあると思いますが、ぐっと我慢して、まずは相手が何を怒っているのか、どうしてほしいのかに耳を傾けます。

あいづちも忘れないようにしましょう。聞いているというサインを送らないと「話もろくに聞いてくれない」という怒りも加わり、相手の怒り「消火」ができなくなります。お勧めは「そうですか」「わかります」「ええ」など流れを推し進めるあいづちです。

クレーム対応の場合などは、あとで報告書を書くこともあります。相手が何に不満を持っていたのかをしっかり理解し、次につなげるくらいの気持ちでいたいものです。

全面降伏の謝罪テク

どう考えても自分の側に非があるというときは、謝罪のセリフを入念に考えて、その原稿をこねくり回すよりは、「申し訳ない」と素直な気持ちをそのまま口に出した方がうまくいく場合が多いようです。

私の知り合いの社長がある失敗で、謝罪会見を開いたことがあります。テレビでもその様子は放送されたのですが、「本当に申し訳ございません」と頭を下げるその社長の姿には好感が持てました。原稿もなく、うまく取り繕うという態度が見え明かったからです。声はクリアではないし、とちってかんだりもしていましたが、その自然な感じからは誠意が伝わってきました。

あまり理路整然と謝られると、人はカチンとくるものです。特に頭の回転のいい人、理系脳の人などは気をつけましょう。「理路整然と話すな」というのは、非常に難題ですが、せめて話しすぎないように、そして早口にならないように気をつけるべきです。

最近は「謝罪代行」をしてくれる業者もあるそうです。トラブルの相手先に同行して一緒に謝ってくれるとか。それだけ謝罪が必要とされている時代であるということですね。声をうまく使って、謝罪のテクニックも自分の強みにしてしまいましょう。

ライタープロフィール

秋竹朋子

日本初「ビジネスマンのためのボイストレーニングスクール」(株)エデュビジョン【ビジヴォ】代表。
東京音大ピアノ演奏家コース卒。聖徳大学大学院 音楽研究科卒業。ウィーン国際音楽コンクール及び国内の受賞歴多数。ビジヴォの代表として「声」「話し 方」に問題を抱えるビジネスパーソンの指導を実施。音楽家ならではの聴力と技術を駆使した、日本初 「超絶対音感」によるボイストレーニングが話題を呼び、ビジネス各紙からの取材、TV番組にも多数出演。東京スクールを拠点に北海道~沖縄まで、全国各地への企業研修を行い、これまで3万人以上250社の企業研修を実施。個人のクライアントも上場企業の経営者、芸能人、著名人を多数持つ。2011年~2012年 経済産業省のグローバル人材派遣として「ビジネスボイス」が選ばれフィリピンに赴任、日本にとどまらずアジアにて「声」の指導をして活躍中。著書『「話し方」に自信がもてる1分間声トレ』(ダイヤモンド社)、『ビジネスの発声法』(日本実業出版)、『秋竹朋子の 声トレ!!』『秋竹朋子の即効! モテ歌レッスン』など。

【ビジヴォ】
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